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2023年2月24日

美しい大人な字を書くための5つのステップ

ペン字筆文字練習帳と万年筆

大人な美しい字に憧れます。

「書は人なり」と言いますが、美しい字を書く人はそれだけで好意印象です。きっと美しい字を書くためには、筆記具の正しい使い方を知っていて、姿勢がよく、文字の書き順通りにバランスを意識しながら丁寧に書いているという背景があるからだと思います。

文字を書くことが少なくなった時代だからこそ手書きにこだわりたいとは思うものの、自分の書いた文字を見返す度に吐息が漏れます。


大人な字とは?

書道には、篆書(てんしょ)隷書(れいしょ)草書(そうしょ)行書(ぎょうしょ)楷書(かいしょ)と5つの書体があるそうですが、普段書く文字で大人な美しい字として憧れるのは、点画を正確に書く楷書より、少し崩した書体の行書である「くずし字」です。

下の動画で書道家 大江 静芳(せいほう)氏が、行書とはどんな書体かをが詳しく説明してくれています。

行書は書き手の個性がでるので、かっこいいと思える字体を見つけてお手本として真似しましょう。


文字を習うべき?

通信講座のペン習字といえば、その昔は、雑誌の裏表紙に日ペンの美子(みこ)ちゃんの漫画による広告をよくみかけましたが、日ペンの美子ちゃんもペン習字講座も健在のようです。

また手書き文化を広めるためにPILOTもペン習字講座を長年開催しています。4種類の中から好きな型の字の手本を選んで練習でき、価格が手頃というのがパイロットの特徴です。

通信講座 期間 金額
日ペン ボールペン習字講座 17ヶ月 ¥29,800
PILOTペン習字通信講座 12ヶ月 ¥17,600

通信講座のメリットは、単に手本を真似るだけではなく添削をしてくれることですが、1年以上も継続できるかが課題です。

またリアルの教室で習うのであれば公文書写(KUMON)にペン習字もあります。近くに教室があるかは、こちらから探せます。


大人な美文字への5つのステップ!

1週間-2週間というのは無理だとしても、数ヶ月の間に自分の文字を少しでも改善したい!

と、いうことで大人な美文字への5つのステップです。

  1. 気持ちを高める筆記具を買う
  2. 正しい筆記具の持ち方を知る
  3. 美しい文字を構成する要素を知る(左脳的理解)
  4. 素敵だなと思う文字のテキストをなぞる(右脳的練習)
  5. 慣れてきたら縮小コピーでなぞる(実践のために)

Step1. 気持ちを高めるためには道具から

美文字への第一歩は、美しい文字を書きたくなる筆記具を使うことです。何かを始めるときに道具から入るのは大事です。形から入ることは揶揄されがちですが、

① 道具にあった実力が欲しくなる
② 愛着が湧く道具は使いたくなる
③ いい道具は長く使える

というメリットがあります。

象と散歩: 大人の普段使いの万年筆(MUJI アルミ丸軸万年筆)で紹介した無印良品の丸軸アルミ万年筆は、安価でとても書きやすい万年筆です。

でも、気分が高揚しない、、、

と、いうことで新しい万年筆の購入を決意。

ボールペンで長年使っているファーバーカステル アンビジョン ペアウッド(ボールペン)は、とても書きやすくてデザインも気に入っているので、同じファバーカステル アンビジョンの万年筆を物色。アンビジョンのシリーズは軸が細身なので普段使っている他の筆記具とも違和感なく使えます。

軸が木材だと長年使っていると味わいがでてきます。しかし、気に入っているとは言ってもボールペンと同じだと芸がないのでウォルナットを検討。ペンの太さはノートに書くことを前提にEF(極細字)です。

ポチる前に文房具屋で実物を確認してみると、「レジン(合成樹脂)も悪くないかも」と価格的な誘惑に負け、レジンのブルーを購入しました。


ボールペンから万年筆への大人の階段

ファーバーカステル アンビジョン ペアウッド(ボールペン)は、軸の重みがあるのであまり筆圧をかけなくても書けます。それでも紙をなぞるだけで書ける万年筆には敵いません。

万年筆はとても楽に書ける疲れない筆記具です。

自分の衰えを補ってくれるという意味でも大人な筆記具です。そして万年筆は、筆圧やペン先の方向によってインクの濃淡や線の強弱が出せるので「とめ・はね・はらい」も表現できます。多彩な表現力を持つ万年筆は、美しい字が書ける可能性を秘めた筆記具なのです。

大人な美文字習得のためにもお気に入りの万年筆をみつけてください。


Step2. 正しい筆記具の持ち方を知る

美しい字を書くためには、正しく筆記具を持ちましょう。筆記具は親指人差し指で軽くつまんで中指を添えるのが基本です。

こちらの動画では、ペンの持ち方についてだけでなく、普段あまり意識をしていない3本の指の使い方についても説明されいます。

また万年筆での書き方についてはパイロットの動画が参考になります。

  1. ペン先は刻印がある面を上に
  2. ボールペンより寝かせて持つ
  3. 紙の上を滑らすように書く

万年筆は毛細管現象を利用しているので、インクが出やすいようにペンを使うというのがコツです。


Step3. 美文字の要素を左脳で理解する

美しく見える文字には理由があるはずです。芸術的な要素は無理だとしても、パターン化されたものがあれば、法則を理解することで美しい文字が書けるようになれるかも!

そう考えて美文字の法則を探してみました。

NHK Eテレ まる得マガジンで放送されていた「8大法則でたちまち美文字」のテキストは、とてもわかりやすく美文字の法則が説明されていてすごく納得できます。

8大法則でたちまち美文

テキストに詳しく説明があるので、放送を見ていなくても8大法則について十分に学べます。

  1. とめ・はね・はらい
  2. 3つの横線
  3. 右上がり 右下重心
  4. 右払いの上に空間を
  5. 直線を意識
  6. 口と日の出っ張りに注意
  7. 文字の主役を見極める
  8. へん・つくりのバランス

巻末にひらがなとカタカナのお手本の付録があります。文章の7割がひらがななので、先ずは楷書でしっかりとひらがなを練習しましょう。Youtubeの説明を見ながらなぞって書くことで効果増大です。

への字結び三角結びで「は」と「ほ」って横線の数の違いだけじゃないことを初めて知りました。

また、この番組の講師だった書道家の大江静芳(セイホウ)氏は、Youtubeに「美文字になれる10のポイント」という動画をアップしています。

こちらの10のポイントは、

  1. 中心線を揃える
  2. 漢字よりもひらがなを少し小さめに
  3. トメ・ハネ・ハライを意識する
  4. 横線は少し右上がり
  5. 右下に重心をもってくる
  6. 横線は1箇所だけ伸ばす
  7. 字の中の空間を揃える
  8. 口は下と右を出す
  9. 日は下2本を出す
  10. 結び目は直線で結ぶ

ですが、これは著書の「今日から美文字」の内容です。


Step4. 素敵だなと思う文字をなぞる

左脳に美文字法則をインプットしたら、次は自分が素敵だと思った大人な「くずし字」をなぞって右脳にイメージを定着させます。くずし字には個性があるので、テキスト購入前に文字をチェックしましょう。


購入したテキスト

女性と男性の書道家二人のテキスト選んでみました。

つづけ字・くずし字ボールペン字練習帳とペン字筆文字練習帳
つづけ字・くずし字 ボールペン練習帳(鈴木栖鳥 著)

書籍の試し読みでも「素敵な文字だなあ」と思いましたが、下は鈴木栖鳥(せいちょう)氏のインスタにアップされている文章ですが、しなやかな流れがとってもステキです。

こういう字に少しでも近づけたら手紙を書きたいと思うかもしれません。

ワンランク上の美文字が書ける!! 極める! ペン字・筆文字練習帳(鈴木曉昇 著)

もう一冊は、鈴木曉昇(ぎょうしょう)氏のテキストです。

こちらもインスタからとなりますが、書籍の補足説明をしている文章です。文字の太さもありますが、しっかりとした力強さのある字です。

縦書きだけなく、横書きのサンプルもあるので、横書きのときのバランスも練習することができます。

いずれも書き込み式ですが、テキストに直接書き込んでしまうと繰り返し練習できないので、コピーを取るかトレーシングペーパーを使って練習しましょう。

ペン字筆文字練習帳

お手本の字を「なぞって、なぞって」右脳で形を認識できたら、お手本の字を見ながら自分でも書いてみましょう。

文章を書くときは横書きが中心なので、縦書きで映える連綿と言われる2文字以上を続けて書くつづけ字もいつか披露するときのために頑張ります。


Step5. 慣れてきたら縮小コピーをなぞる

テキストのお手本の文字は、形を覚えるためのものなのでかなり大きいです。普段ノートに書く文字はもっと小さいので、縮小コピーをしてなぞれば、文字が小さくなったときの感じも理解できます。

ここまでくれば、ちょっと素敵な字がかけるようになっているのではないでしょうか。

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