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Post Date:2022年8月11日 

アップライト・ベースの練習にチューナーは必須アイテム

Ibanez UB804 with KORG AW-LT100B(表面)

エレクトリック・アップライト・ベース(Electric Upright Bass)の練習では、練習前のチューニングだけではなく、練習中にもチューナーを使ってピッチを確認しましょう。


チューナーの仕組み

チューナーの仕組みには下記の3種類の方式があります。

名称 方式
ピエゾ(Piezo) 楽器の振動でチューニング(本体に取り付ける必要あり)
マイク(Mic) マイクで拾った音(振動)でチューニング
ライン入力 電気信号でチューニング(シールドで接続が必要)

ヘッドにクリップで挟むクリップチューナー(ピエゾ式)は、EUBの練習に使える手軽なチューナーです。


ベース専用チューナーを使おう

低音を瞬時に拾ってくれるベース専用チューナーがオススメです。

の2つで悩みました。

両方ともクリップ式の低音楽器専用のチューナーで、可動範囲が広いのでディスプレイを自分の見やすい位置に設定できます。

下記は、KORG AW-LT100Bの可動域です。

KORG AW-LT100Bの可動域

ダダリオのチューナーは駆動時間が分かりませんでしたが、単4電池1本で100時間駆動するKORG AW-LT100B を購入。これなら、練習中にずっと点けっ放しにできます。

KORG AW-LT100B
  • 低音の振動もしっかり拾えるベース専門チューナー
  • 可動範囲が広い(見やすい位置に設置できる)
  • 単4電池1本で100時間駆動

測定範囲は、E0(20.60Hz)〜 C5(523.3Hz)です。A=440Hz でチューニングするとベースの各開放弦の周波数は下記の通りです。

開放弦 音(周波数)
1弦(G弦) G1(97.999Hz)
2弦(D弦) D1(73.416Hz)
3弦(A弦) A1(55.0Hz)
4弦(E弦) E1(41.203Hz)

KORG AW-LT100B の使用感

コントラバスであればクリップをブリッジ(駒)に挟むのでしょうが、Ibanez UB-804 の場合は、ヘッドに取り付けます。

Ibanez UB804 with KORG AW-LT100B(裏面)

チューニング時の注意点は、3弦開放弦のA1の周波数は55Hzですが、ディスプレイ上にはAとしか表示されません。1オクターブ上のA2(110Hz)でも表示上はAなので、ベース初心者だと最初は戸惑うかもしれませんが、慣れの問題です。

基準音のAは、436〜445Hzで1Hz単位で変更でき、電源をOFFにしても記憶されています。ディスプレイの左上に常に表示されているので基準音が何になっているかを確認しましょう。

KORG AW-LT100Bは、ベース専用のチューナーということもあり、低音への反応はとてもよいです。そうは言っても早いテンポでは音が拾えないので、メトロノームを♩= 60-66 にして、やや遅いテンポでのスケール練習で一音一音を確認しましょう。

また、ピエゾ式のチューナーは、振動で音程を判定しているので、ハイポジションで弾く高音では、弦の振動幅が少なくなりチューナーが音を拾いづらくなります。

機能的には、C5(523.3Hz)まで測定可能とありますが、UB804では、1弦21フレット(E4 329.628Hz)ぐらいまでが、チューナーで音程を拾える範囲です。

しかし、E4まで測定できるということは、ハイポジションでのCからEまでのスケール練習でチューナーを使った練習ができるということです。この範囲でチューナー使えれば十分です。


EUB初心者は練習でチューナーは必須

EUB(Electric Upright Bass)にはフレットがないので、自分が出している音程を確認するためにチューナーは必須アイテムです。「象と散歩: アップライト・ベースの運指トレーニング」で紹介しているスケール練習で、1音1音、音程を確認しながら練習しましょう。

特に、ハイポジション(サムポジション)では、半音ごとの間隔が狭くなるのと、親指を使った弾き方になるので、音程がブレブレになります。しっかりと一音づつチューナーで音程を確認しながら練習しましょう。


練習でチューナーを使う理由

チューナーを見ながら練習するのは、A=440Hzのピッチで演奏しなければならないということではありません。テンポやピッチがジャストでないことが、グルーヴ感や味となります。

しかし、独りよがりの気持ち良さではなく、他の楽器と合わせたときのアンサンブルを大切にしなければ音楽は成立しません。

そういう意味で、無骨なまでに融通の効かないチューナーを使って音程を確認することが、他の楽器とのアンサンブルでのピッチの合わせ方につながります。

練習中にメトロノームを使う理由も同じです。メトロノームを使った練習については、「象と散歩: 最高に可愛い機械式メトロノームでリズム感を鍛える」を参考にしてください。

チューナーとメトロノームを使ってスケール練習することが、ウォーキング・ベース上達への道のりと信じて練習しましょう(自分への戒め)。

Post Date:2022年4月23日 

アップライト・ベースの運指トレーニング

Ibanez Upright Bass UB804

ウォーキング・ベースを弾きたいと、Ibanez の エレクトリック・アップライト・ベース UB804 を購入しました。

ウォーキングベースを始めるときに、買うべき2冊の教則本」で紹介した教則本で、

  1. 音楽基礎理論を学ぶ
  2. 読譜について学ぶ

までは、順調に進んでいましたが、アップライト・ベース(EUB)の弾き方に悪戦苦闘です。

アップライト・ベースの弾き方を学ぶ」で、アップライト・ベースでの 左手のフォーム と 右手の弾き方 について記載しましたが、左手のフォームと運指は、まだまだ練習が必要です。

Ray Brown's Bass Method のE〜E♭のスケール練習で、ローポジションでの運指練習をしていましたが、ハイポジションでの運指がわかりません。

この本で、ハイポジション(サムポジション)の記載があるのは、3弦(A弦)でのCメジャースケールなど数例しかありません。

C major scale
A弦(3弦)でのCメジャースケール

12フレット(A)の指番号Tが親指(Thumb)です。

そもそも4(小指)から始まるのも理解できませんが、ハーフポジションは不動のポジションなのでしょうか?

その程度の理解度ですが、学習意欲だけはあるので、ハイポジションが練習できる教材(練習方法)はないかと、Youtubeで検索。

ん? これは Ray Brown's Bass Method にある E〜E♭ までのメジャースケールと同じ?」

♩=120 と早いテンポで弾いていますが、間違いありません。しかも、ハイポジションでのスケール練習もあります。


アップライトの運指練習用の教則本

納 浩一presents バイブル・フォー・ジャズ・ベース

ということで、「納 浩一presents バイブル・フォー・ジャズ・ベース」をポチり。

第1章の「楽器の基礎練習」は、

  1. 初級編(ローポジション)
    • E〜E♭のメジャースケール(1オクターブ上下)
  2. 上級編(ハイ・ポジション
    • C〜Gのメジャースケール(2オクターブ上下)
  3. 応用編(3-7度跳び)
  4. リズムトレーニング(メトロノームを使った練習)

という構成で、上級編でサムポジションを使ったハイポジションのスケール練習があります。

サムポジションについて学べる「バイブル・フォー・ジャズ・ベース」は貴重な教則本です。しかも Ray Brown も勧めるスケール練習です。

第2章は「ウォーキングベース」についてですが、未読です、、、。


ローポジションでの運指練習

ウォーキングベースを学ぶなら譜面が読めるようになろう(♯と♭との戦い)」で疑問を呈したF♯とG♭問題ですが、「バイブル・フォー・ジャズ・ベース」では、G♭メジャースケールでの記載となっています。

ベースの指板上では同じですが、後述する「何の音を出しているかを声にする」ときに、

  • F♯→G♯→A♯→B→C♯→D♯→F→F♯
  • G♭→A♭→B♭→B→D♭→E♭→F→G♭

と唱えるかの違いがあります。


ローポジションの練習

先ずは、メトロノームを使わずに、Eメジャースケールから順番に、左手のポジションを確認しながら、1音づつ、しっかりと音を出し、弾いている音を声に出します。

下記の5つに注意して左手のフォームに意識を向けます。

  1. ネックを握る手の形はC字型
  2. 人差し指から半音先中指
  3. 中指から半音先小指
  4. 薬指は中指に添える
  5. 親指は中指の反対側でネックを支える

各指には番号が振られています。

指番号
指番号

ローポジションでは3フレットを、人差し指(1)、中指(2)、小指(4)で押弦しますが、

  • 2の指(中指)を使うときは、1の指(人差し指)と2の指(中指)で押弦
  • 4の指(小指)を使うときは、1の指、2の指、3の指、4の指で押弦

に注意してください。

慣れてきたら、「最高に可愛い機械式メトロノームでリズム感を鍛える - メトロノームでリズム練習」で紹介した方法で、メトロノームを♩=40に設定して、メトロノームの音をドラムのスネアが鳴る、2拍、4拍と捉えて練習します。このときの実テンポは♩=80 となります。

初めから早いテンポで練習すると、左手のフォームが崩れて、指がバタつきます。フォームとポジションを意識して、何の音を出しているかを声にして練習しましょう


ポジションチェンジ

アップライト・ベースの弾き方を学ぶ - ポジションチェンジ」で、人差し指からのポジションチェンジについて触れましたが、D♭メジャースケールでは 1,4,2,4 という、小指から中指に移動する新たなパターンが出現します。

D♭ major scale
D♭メジャースケール

D弦(2弦)で、1の指(人差し指)で、E♭(1フレット)の後に、F(3フレット)は、4の指(小指)ではなく、スライドして2の指(中指)で押弦、そして、G♭(4フレット)を4の指で押さえます。

次が、G弦(1弦)での 1,4,2,4 の運指となります。

A♭(1フレット)、B♭(3フレット)を1の指(人差し指)と4の指(小指)で押弦した後に、スライドしてC(5フレット)を2の指(中指)、 D♭(6フレット)を4の指(小指)で押さえます。

戻るときも同じで、4,2,4,1 です。

この 1,4,2,4 の運指は、Dメジャースケール、E♭メジャースケールでも出現します。


マイナースケールでも練習しよう

「バイブル・フォー・ジャズ・ベース」では、メジャースケールでの運指練習しかありませんが、メジャースケールができるようになったら、次にマイナースケールでも練習しましょう。

メジャースケールとマイナースケール」からの再掲となりますが、マイナースケールは、3度,6度,7度 が半音下がった ♪ドレミ♭ファソラ♭シ♭ド♪ という音の並び順です。

記号英語日本語
RRoot完全1度
M2Major 2nd長2度
♭3Minor 3rd短3度
P4Perfect 4th完全4度
P5Perfect 5th完全5度
♭6Minor 6th短6度
♭7Minor 7th短7度
OctOctarve完全8度

D♭のマイナースケールは、C♯mです。運指はこんな形になるのでしょうか。

C♯ major scale
C♯マイナー・スケール

ハイポジションでの運指練習

下記の動画が「バイブル・フォー・ジャズ・ベース」のCメジャースケールからGメジャースケールでのハイポジションのスケール練習です。

初心者を突き放すような動画ですが、ゆっくりと練習していきましょう。

スケール練習の前にサムポジションでの運指について学びましょう。下記の動画で3パターンの T,1,2,3 という指の使い方が学べます。

G弦(1弦)の3パターンを譜面にしてみました。

1)ハーフポジション

ローポジションなら1フレット、2フレット、3フレットですが、ハイポジションでは開放弦が12フレット(G)で、13フレット(A♭)、14フレット(A)、15フレット(B♭)です。

Thumb: Harf Position
Half Position
2)1st ポジション

ローポジションの2フレット、3フレット、4フレットです。ハイポジションでは開放弦が12フレット(G)で、14フレット(A)、15フレット(B♭)、16フレット(B)です。

Thumb: 1st Position
1st Position
2)2nd ポジション

2nd ポジションは、15フレット、16フレット、17フレットですが、開放弦と同じ12フレット(G)の次に、14フレット(A)、16フレット(B)、17フレット(C)と弾いています。Cメジャースケールのソ(G)、ラ(A)、シ(B)、ド(C)です。

Thumb: 2nd Position
2nd Position

上記3パターンをD弦(2弦)、A弦(3弦)、E弦(4弦)でも弾いてみましょう。


サムポジションでの音の出し方

親指の関節で押弦しますが、指が痛い、、、

またサム・ポジションでは、支えとなる親指が指板上にありますので、身体でベースを押さえ込まないと音が鳴りません。これはエレクトリック・アップライト・ベースでも同じです。

サムポジションに慣れてきたら「バイブル・フォー・ジャズ・ベース」のハイポジションでのスケール練習にトライです。

譜面は、CメジャースケールからGメジャースケールまで8パターンありますが、先ずは、C→D♭→D→E♭ までの4パターンで練習します。

いつか、ハイポジションを使うときのために、練習あるのみです。


リズムトレーニング

「バイブル・フォー・ジャズ・ベース」のリズムトレーニングでは、メトロノームが鳴るときを4拍の何れか(1拍目 or 2拍目 or 3拍目 or 4拍目)として捉える方法も載っています。

しかし、これだと実テンポが4倍速となり、メトロノームを♩=40で設定しても、実際のテンポは♩=160となります。

KORG の電子メトロノームMA-2のように♩=30で設定できるものであれば、上記の練習でも♩=120となります。

初心者は、メトロノームの音を2拍/4拍で捉える方法で♩=40(実テンポ♩=80)から始めればよいかと思います。

また、上級編で紹介されている、メトロノームを1拍半(3拍で2回)で捉えるのはかなり高度です。


アップライト・ベースの指南書

エレクトリック・アップライト・ベース(EUB)は、コントラバス(ダブルベース)は買えないけど、という人のニーズに応え、更にIbanez UB804は通常のエレキベースと同じスケール長にして楽器としてのハードルをかなり下げてくれています。

しかし、そもそも初心者がアップライト・ベースを弾きたいと思ったときに、学べる教則本が少なすぎます。

今回紹介した「バイブル・フォー・ジャズ・ベース」もスケール練習としては、最高の一冊かと思いますが、初心者がウォーキングベースを始めるにあたっては難解です。

ウォーキングベースを弾くための音楽理論の基礎については「ウォーキング・ベース超入門」を読み、次に「確実にジャズ・ベースが弾ける練習法」で深め、運指は「バイブル・フォー・ジャズ・ベース」のスケール練習というのが、いまのところの最適解です。

目標は、「1年後に、コード進行を見ながら、自分なりの Walking Bass Line を組み立てられる」でしたが、アップライト・ベースの弾き方に時間を要しています。

まだまだ、先は長い、、、

Post Date:2022年4月8日 

最高に可愛い機械式メトロノームでリズム感を鍛える

ウィットナー・タクテル・スーパーミニ

ウォーキング・ベースの練習にメトロノームは必需品です。

メトロノームを購入してなくても、スマホやPCのブラウザを開いて、Googleで「メトロノーム」と検索すれば、直ぐにメトロノームが使える便利な時代です。アプリのインストールすら必要ありません。

そんな時代だからこそ、

ゼンマイを巻いて、振り子が揺れるアナログなメトロノームを使いたい!

Amazon売れ筋ランキング(メトロノーム) の1位は、"The メトロノーム"といった三角錐の形をした機械式(振り子式)の YAMAHA MP90 です(2022年4月7日時点)。

YAMAHA MP-90IVは、色合いもフォームもシンプルです。

サイズは90mm(W)、 202mm(H)、111mm(D) と一般的なサイズですが、

もっと、もっと小さいのが欲しい!!

実用的なメトロノームで、小さくてかわいいのはないかと探してみると、

ドイツのメトロノームメーカー Wittner(ウィットナー)の Wittner taktell SUPER-MINI(ウィットナー・タクテル・スーパーミニ)が、30mm(W)、 105mm(H)、50mm(D) と、超小型です。

1拍目を知らせるベル(チーンという音)もありませんが、小さなボディで振り子を揺らすひたむきさに愛おしさを感じます。

と、いうことでポチり。


Wittner taktell SUPER-MINI

ウィットナー・タクテル・スーパーミニは、一言でいえば「かわいいメトロノーム」です。しかし、ドイツのメトロノームメーカが作る小さなメトロノームは技術の結晶です。

取説はありませんが、前面に刺してある、ゼンマイ巻き鍵を外して、右側の鍵穴に回して固定するというのは、直ぐにわかりました。

しかし、メトロノーム初心者にとっては、上部にある振り子止めから左側にずらして、振り子を外すというのを理解するのに3分ぐらいかかりました、、、。

Wittner taktell SUPER-MINI

ゼンマイをいっぱいまで巻くと45分間ほどリズムを刻んでくれます。

ちょっと硬めの音ですが、心地よく耳に入ってきます。振り子の左右の揺れが、点ではなく、流れとしてリズムを可視化してくれます。


テンポと速度記号

メトロノームには、テンポと速度記号が記載されています。

テンポはBPM(Beats per Minute)で1分間あたりの拍数です。60bpmであれば1分間に60回、つまり1秒間に1回、リズムが刻まれます。

一般的な機械式メトロノームでは、40bpm-208bpm の範囲でテンポが設定できるそうです。

Wittner taktell SUPER-MINI も同様に設定可能ですが、超小型で目盛り間隔も狭い間ので♩=40-44の目盛りが通常のメトロノームとは異なります。

通常のメトロノームであれば♩=40-44の間は2刻みで目盛りがありますが、Wittner taktell SUPER-MINI では4刻みとなっています。

FromTo目盛り刻み
40604
60723
721204
1201446
1442088

目盛りの合わせ方

機械式メトロノームでテンポを設定するには、振り子の上下に動くオモリの上部を目盛りの線に合わせます。下写真はテンポ100の設定です。

Wittner taktell SUPER-MINI

Wittner taktell SUPER-MINI は、サイズが小さいが故に数字も小さく、目盛り間隔も狭いので、目盛りを合わせずらいというのが唯一の難点です。


速度記号

速度記号とテンポがメトロノーム上に書かれていたので調べてみました。

速度記号読みBPM速度
Largoラルゴ40-60とっても遅い
Larghettoラルゲット60-66やや遅く
Adagioアダージョ66-76ゆっくりと
Andnteアンダンテ76-108歩くような速さで
Moderatoモデラート108-120中くらいの速さで
Allegroアレグロ120-168速く
Prestoプレスト168-200とても遅い
Prestissimoプレスティッシモ200-208超速い

クラシックの奏者でなければ速度記号を意識することはないかと思いますが、♩=76-108のAndnte(アンダンテ)は、イタリア語で「歩くような速さで」という意味です。

まさに、ウォーキングベースを練習するためのテンポです⁈


メトロノームでリズム練習

メトロノームを使ったリズム練習の方法です。

通常は、メトロノームの音は、”拍の頭”として聴きます。4/4拍子なら「いちにいさんしい」です。

しかし、折角、Jazzのウォーキングベースを練習するならJazzyなリズム感を鍛えたい。

先ずは、メトロノームの音を裏拍(メトロノームのカチという音が裏になるリズム)として聴きます。8分音符で「いち・カチ、にい・カチ、さん・カチ、よん・カチ」という感じです。

裏拍としてメトロノームを聴く

次にカチの音を2拍4拍として捉えます。ちょうどドラムのスネアが入るタイミングです。1拍と3拍目はメトロノームのガイドに頼らずに自分でリズムをキープします。

2拍、4拍としてメトロノームを聴く

このときの注意点は、実際には設定したテンポの倍の速度となることです。


Andanteで練習しよう

ベースの運指練習は、メトロノームの音を2拍目、4拍目として聴いて練習します。

目盛りを ♩=44、若しくは ♩=48 に設定すると、実テンポは倍の ♩=88♩=96 なので、歩くような速度のAndante(アンダンテ)での練習となります。

速く弾くことよりも左手のフォームとポジション、右手のピッチカートを意識して、しっかりとリズムをキープしながら音を鳴らしていきます。

慣れてきたら、メトロノームの目盛りを♩=56(実テンポ♩=112)に設定して、中位の速度であるModerato(モデラート)で練習します。

2拍・4拍のメトロノームでの練習で、リズム感が鍛えられ、グルーヴ感を自分で作り出すことができるようになります。

最初は、2拍目、4拍目としてメトロノームを聴くのが難しいかもしれませんが、

いちいち、にい、さん、しい、いち、にい、さん、しい」

と、メトロノームのカチというタイミングで1から始めて、1を2回言えば、次は自然に2拍目と4拍目で捉えることができます。

可愛い機械式(振り子式)メトロノームでリズム感を鍛えましょう。

Post Date:2022年4月4日 

アップライト・ベースの弾き方を学ぶ

Ibanez Upright Bass UB804

Ibanez のアップライト・ベース UB804を購入したけど、アップライト・ベースの弾き方がよくわからない。

Amazonプライム・ビデオ に「アップライト・ベース奏法 ~エレクトリック・ベースとの奏法比較考察」という "正に" というタイトルのビデオがありました。

ピッチカートで音の出し方、縦に演奏するなど、学ぶべきこともあります。しかし、基本的な左手のフォームやポジションについての説明はありません。

DVD版は高いですが、Amazonプライム・ビデオなら100円でレンタルできます。


左手のフォーム

と、いうことでネットでお勉強です。

先ずは構え方です。Double Bass Left Hand Position によれば、「腕を伸ばして、木からグレープフルーツを選び、肘を曲げて手をベースのネックに戻してきます。指は弦に対して垂直に置き、手の形はC字型、親指は中指の反対側の位置に置きます。」というのが基本のフォームらしいです。

Double Bass Left Hand Position Problems and Solutions
Thumb opposed from 2nd finger

動画は英語ですが、字幕と自動翻訳で何となく理解できます。

いままで親指はあまり丸めていなかったので、これだけも難しい、、、。


右手の弾き方

参考にしたのは、ジョン・パティトゥッチ の Right Hand Position です。こちらも英語の動画ですが、自動翻訳が助けてくれます。

この動画の中で、

  • Two Fingers(人差し指と中指を一緒に)
  • One Finger(人差し指)
  • オルタネイティブ(人差し指と中指を交互に弾く方法)が2つ

の3パターンについて説明されています。そして、人差し指一本の奏者としてレイ・ブラウン、Two Fingersではロン・カーターの名前があげられています。

Two Fingers については、こちらの説明が、さらにわかりやすいです。

レイ・ブラウンへの憧れもありますが、Ibanez UB804 は弦高が低いので、エレキっぽさを薄め、太く大きな音を出すには人差し指の腹全体を使ったOne Fingerの方がいい音が鳴ります。

先ずは、人差し指一本の弾き方で練習です。


左手のポジション

34"スケールのアップライト・ベースですが、Jazzベーシストのように、コントラバス(ダブルベース)の弦の押さえ方を真似てみたい。


ローポジションでの左手

下図の2弦を例に説明します。コントラバスでいうハーフポジションです。一番指を広げなければならいポジションになります。

ローポジションでの弦の押さえ方

順番に弦を押さえて、次に離していきます。親指は丸めてCの形です。

  1. 2弦1フレット(D♯)を人差し指で抑える
  2. 人差し指は離さず、2弦2フレット(E)を中指で抑える
  3. 人差し指、中指は離さず、2弦3フレット(F)を小指で抑える
    このとき薬指は中指に添えて弦を抑える
  4. 薬指と小指のそのままの形で弦から少し浮かす
  5. 中指を弦から少し浮かす

左手は、常にこの間隔で指を広げています。

中指で2弦2フレットを抑えるときは、人差し指は2弦1フレットを抑えたままで、小指で2弦3フレット(F)を抑えるときは、中指も薬指に添えて、4本の指で弦を押さえます。

アップライト・ベースの奏者って、めっちゃ指広げているなあとは感じていましたが、こちらも練習が必要です。


ハイポジションでの左手

コントラバスの弦の押さえ方には12ポジションあり、第5と第6の中間ポジション(9フレット)までは、人差し指、中指、小指で、第6ポジション(10フレット)からは、人差し指、中指、薬指となります。

10フレットからは左手のフォームが変わり、12フレットからもう1段階変化します。Left Hand Technique の動画がわかりやすく説明しています。

1弦開放弦Gから半音づつ上がっていきます。10フレット(F)でポジション・チェンジして、人差し指、薬指、小指に変わります。そして、親指はネックサイドです。さらに12フレット(G)からは親指が使われます(Thumb Position: サムポジション)。

12フレットを親指で押弦したときに、正しい音程になっているかは、ハーモニクスで確認できます。

コントラバスには大きなボディがあるので、ネック・サイドや弦の上へ親指が置かれるのは、物理的制約からです。

しかし、コントラバスと34" エレクトリック・アップライト・ベースでは、スケール長が異なります。日本人向けのちょっと小さめのコントラバスでもスケール長は104-105cmあります。

34インチEUBのスケール長は86.4cmと、各フレット間隔もコントラバスより少しづつ狭いので、9フレットから、人差し、中指、薬指に切り替えた方が弾きやすいかもしれません。

ハイポジションでの弦の押さえ方

エレクトリック・アップライト・ベースには、大きなボディはありませんが、運指は真似たい。

理由は「カッコいい」から

でも、親指で押弦するのは難易度が高すぎます、、、ハイポジションの練習はもっと先になりそうです。


ポジションチェンジ

ボジションチェンジは、移動距離を少なくスムーズに演奏できるというのが、基本的な考え方です。

小指で押さえている状態で、同じ弦上でシフトアップすると移動距離が長くなるので、事前に人差し指(1の指)か中指(2の指)をスライドさせます。

下譜は、3弦開放弦から1オクターブ上の音まで半音づつ上がっていく例です。

先ずは、中指(2の指)でポジションチェンジをする例です。

中指でのポジションチェンジ

続いて、人差し指(1の指)でポジションチェンジをする例です。

人差し指でのポジションチェンジ

ポジションチェンジについては、こちらの動画も参考になりました。


基礎練習あるのみ

カッコよく弾くためには、練習あるのみです。

コントラバス初心者の運指練習では、ダブルベース「HIYAMAノート」が有名です。

しかし、アップライト・ベースを購入する前に、ウォーキングベースを学ぶならレイブラウンの教則本を買わないわけにはいかないと、Ray Brown's Bass Method(1963年発行、1999年復刻版再出版) を購入しました。

先ずは、こちらで、ポジションと運指を意識しながら、EからE♭までのメジャースケールとマイナースケールの練習です。

Eベースでは、開放弦をあまり使いませんでしたが、アップライト・ベースでは、効率的な運指と正確な音を出すため開放弦が多用されています。

ちなみに、Ray Brown's Bass Method には音源もタブ譜もありません。ひたすら基礎練習的なフレーズが続いています。

また、最初のスケール練習では、指番号と弦が記載されていますが、以降は指番号もところどころにしか記載がありません。きっと順番に練習していけば弦も運指もわかるということなのでしょうか、、、

アップライト・ベースの弾き方に慣れてきたら、ウォーキング・ベースの練習再開です。アップライト・ベースで「1週間で完全習得」をやり直し、「3年後、確実に」も進んだところまでを再チャレンジです。

Post Date:2022年3月30日 

ウォーキングベースを学ぶなら譜面が読めるようになろう(♯と♭との戦い)

♭6個と♯6個のキーは?

象と散歩: ウォーキングベースを始めるときに、買うべき2冊の教則本の「譜面を読めるようになろうと」の中でベースの開放弦を中心に譜面上のどの音に当てはまるかを意識していると読譜ができるようになると書きました。

とは言ったものの、♯(シャープ)や♭(フラット)がたくさんある譜面を見ると気持ち悪くなってしまいます。

しかし、どうして♯や♭が付くのかという理由が理解できたら恐怖心が薄らぎました。

♯♭らと戦う術を覚えましょう。


メジャースケールとマイナースケール

♯(シャープ)や♭(フラット)について整理をする前に、まずは、基本となるメジャー・スケルとナチュラル・マイナー・スケール(以降、マイナー・スケール)についてです。

メジャースケールとは、よく耳にする ♪ドレミファソラシド♪ の音の並びです。

記号英語日本語
RRoot完全1度
M2Major 2nd長2度
M3Major 3rd長3度
P4Perfect 4th完全4度
P5Perfect 5th完全5度
M6Major 6th長6度
M7Major 7th長7度
OctOctarve完全8度

ベースの指板でのスケールは下記にようになります。

メジャースケール

また、マイナースケールは、3度,6度,7度 が半音下がった ♪ドレミ♭ファソラ♭シ♭ド♪ という音の並び順です。

記号英語日本語
RRoot完全1度
M2Major 2nd長2度
♭3Minor 3rd短3度
P4Perfect 4th完全4度
P5Perfect 5th完全5度
♭6Minor 6th短6度
♭7Minor 7th短7度
OctOctarve完全8度

ベースの指板では、こんな感じです。

マイナースケール

最初の音をCから半音づつ上げていくと、CからBまで12パターンの ♪ドレミファソラシド♪ があります。

下表はメジャースケールの ♪ドレミファソラシド♪ です。

KeyRM2M3P4P5M6M7
CCDEFGAB
D♭D♭E♭FG♭A♭B♭C
DDEF♯GABC♯
E♭E♭FGA♭B♭CD
EEF♯G♯ABC♯D♯
FFGAB♭CDE
G♭G♭A♭B♭C♭D♭E♭F
GGABCDEF♯
A♭A♭B♭CD♭E♭FG
AABC♯DEF♯G♯
B♭B♭CDE♭FGA
BBC♯D♯EF♯G♯A♯

この表は、フラットを基準に書いていますが、D♭=C♯、E♭=D♯、G♭=F♯、A♭=G♯、B♭=A♯なのでシャープで書くこともできます。ただしKey=G♯とは言わないので、この場合はA♭を使います。理由については後述します。

このフラットとシャープの両方の呼び方があるのは、ピアノの黒鍵部分に対してです。

ピアノ鍵盤

マイナースケールについては割愛しますが、この12パターンのうちどれを使っているかが、曲のキーとなります。

またCメジャースケール以外では、フラットとシャープが使われているのは分かりました。しかし、上表ではフラットとシャープが無秩序に出現していて、法則性が見出せません。

次は、この法則性について整理していきます。


だから調号というのか

五線譜の先頭に付く、♯記号と♭記号を調号(ちょうごう)と言いますが、むかーし、音楽の時間に「♯がひとつ付いているのは、ト長調/ホ短調」と習った記憶があります。

調号は英語で Key Signature ですが、調とはキー(Key)のことで、ト=G、長調=メジャーです。そして、ホ=E、短調=マイナー なので ♯ がひとつのキーはG/Emのことだったと、今更ながら繋がりました。

下記は、Key=G の ♪ドレミファソラシド♪ です。

Gメジャースケール

そしてこちらが、Key=Em の ♪ドレミ♭ファソラ♭シ♭ド♪ です。

Emスケール

Key=G/Key=Emでは必ずFに♯が付くので、毎回♯をつけるのではなく、へ音記号の右隣のFの位置に♯記号を付けます。(下譜面は Key=G)

調号(Key=G)

調合の付与ルールとキー

調合を書く場所は決まっていて、 ♯♭共に1-7個まであります。

こちらが♯の一覧。Keyの左がメジャースケールで右がマイナースケールです。#の位置はKeyのダイアトニックスケールの7番目の音が追加されていきます。Key=GならGABCDEF♯です。

Key♯個数調号♯位置
C/Am0
G/Em1F
D/Bm2F,C
A/F♯m3F,C,G
E/C♯m4F,C,G,D
B/G♯m5F,C,G,D,A
F♯/D♯m6F,C,G,D,A,E
C♯/A♯m7F,C,G,D,A,E,B

そして下記が♭の一覧となります。♭の位置はKeyのダイアトニックスケールの4番目の音が追加されていきます。Key=FならFGAB♭CDEFとなります。

Key♭個数調号♭位置
C/Am0
F/Dm1B
B♭/Gm2B,E
E♭/Cm3B,E,A
A♭/Fm4B,E,A,D
D♭/B♭m5B,E,A,D,G
G♭/E♭m6B,E,A,D,G,C
C♭/A♭m7B,E,A,D,G,C,F

「ん、12パターンしかないのに、調号が付かないのを含めて15パターンある」

よく見ると15パターン(1+7+7)の中で、♯、♭が5個以上付く6パターンは、♯と♭の違いはありますが、同じ音です。

メジャーキーでいうと下記の3組(6パターン)です、

  • B(♯5個) / C♭(♭7個)
  • F♯(♯6個) / G♭(♭6個)
  • C♯(♯7個) / D♭(♭5個)

です。

C♭はBのことなので♭を敢えて7個付ける必要はなく、Key=Bとした方が分かりやすい。また、C♯とD♭は、♯が7個のC♯より、♭が5個のD♭の方がスッキリします。

やっかいなのは、F♯とG♭です。♯、♭共に6個です。ベーシストにとっては、違いがないように思えますが、勢いで購入してした Ray Brown's Bass Method のスケール練習では、B、F♯、D♭ が使われています。

意味があって使い分けをしているのでしょうか。。。


Circle of Fifth(五度圏)

♯(シャープ)がひとつづつ増えていく、メジャースケールのキーのC,G,D,Aってベースの弦でも馴染みがある並び順です。

ベースで5度上の音を考える

ルートと5度で弾くときに、1弦下の(太い)弦の同じ位置で弾いても5度上になります。

Cの5度の上はG、Gの5度上はD、Dの5度上はAです。

また♭が増えていく、C,F,B♭,E♭の並び順は、1弦上の(細い)弦の同じ位置にある4度上の音になります。

ベースで4度上の音を考える

ベースの弦の並びと譜面が関連付けられてくると五線譜も愛おしくなってきます。

五線譜に♭が5つあっても慌てずに、ベースの指板を見ながら C,F,B♭,E♭,A♭,D♭と数えていけば、Key=D♭と分かりますし、使われる音はDメジャースケールなので、下図のR(ルート)がDから始まるスケールになります。

メジャースケール

ちなみにこの5度上がる、4度上がる(5度下がる)循環は、Circle of Fifthといって、右回りはCから5度づつ上がっていき、左回りは5度づつ下がって(4度づつ上がって)いきます。

Circle of Fifth(五度圏)

上図はメジャースケールで書いていますが、マイナースケールのキーでも同じです。

この図でもわかるように下の3つはフラットとシャープがダブっている部分となります。


メジャー・キーにG♯がない理由

Circle of Fifth の図を自分で書いてみて、メジャーキーでは、G♯ではなくA♭が使われる理由が分かりました。

理論上は右回りに行くとC♯の5度上がG♯になります。しかし、C♯には♯が7個付いているので、G♯になると♯が8個になってしまいます。


メージャーキーとマイナーキーの関係

メジャースケールを中心に説明してきましたが、次は、メジャー・キーとマイナー・キーの関係ついて説明します。

♯がひとつならば、キーはGかEmですが、これはGとEmのスケールが同じ構成音だからです。

Key=G/Em

この同じ調号でのメジャーキーとマイナーキーの関係を平行調といいます。

この関係をベースの指板で表すと数のようになります。

ベースで平行調を考える

平行調は英語では、Relative Key ですが、ベースの弦で考えると平行調と納得できます。

このベースの指板上での関係を覚えておけば、調号が♯ひとつの場合、メジャースケールならCの1弦上のG、マイナースケールなら1弦上の2フレット高いAmと確認することができます。


やっぱり基本はこの2冊

ウォーキングベースを学ぶために購入した

ですが、この2冊を通じて、音楽理論の基礎が理解でき、徐々に譜面も読めるようになってきました。

例えば下記の譜面

Key=B♭のツーファイブ

調合を見て、Key=B♭ だということがわかり、Cm7→F7→B♭の流れは、Jazzの4度進行の定石であるツーファイブ(IIm7→Ⅴ7→Ⅰ)が使われているということが分かります。

TAB譜をみながら弾くだけでは理解できなかった世界が広がりました。

本を読むだけでなく、ベースを弾く時間も作らなくちゃと反省する今日この頃です、、、。

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