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Post Date:2026年3月7日 

中華万年筆 第4弾|TAIUTYU万年筆 ロングナイフニブ(長刀尖)をポチり

3種類の中華万年筆 ロングナイフ、ミニふでニブ、#8ハートビート

中華万年筆は、独特なペン先が面白い

これまで中華万年筆として、3種類のペン先の万年筆を試してきました。

そして、4本目の中華万年筆として今回選んだのが、Amazonで見つけた TAIUTYU万年筆 カジュアル ゴールドトリム 0.7mm / 1.0mm ロングナイフニブです。

最初に見つけたときの価格は 6,000円弱、それまで聞いたこともないブランドだったこともあり、購入を躊躇していました。ところが、しばらくして見てみると、価格が 2,000円強まで下がっているではありませんか。

そこまで下がると、もはや試してみない理由はありません。

というわけで、ポチり。


TAIUTYU万年筆とは?

Amazonでよく見かける中華万年筆メーカーには、HeroJinhaoHongdianMajohn などがあります。

以前レビューしたように、JinhaoHongdian の万年筆は使っていますが、中華万年筆は多彩なニブがあり、価格からは想像できないほど書きやすい、なかなか興味深い万年筆です。

中華万年筆を製造するメーカーの多くは、海外ブランドの製造に OEM / ODM として関わってきた背景があります。 そのためニブ加工などの技術も蓄積されており、そこから独自ブランドとして万年筆を販売するメーカーも増えています。

必ずしも「安かろう、悪かろう」というわけではなく、確かな技術を持つメーカーも少なくありません。むしろ、その技術力が独自ブランドへとつながっているとも言えそうです。

しかし、今回見つけた TAIUTYU は、検索しても万年筆ブランドとしての情報がほとんど見つかりませんでした。そこでペン先の刻印にある “xxxxSHILAI” という文字を手がかりに調べてみると、HUASHILAI という万年筆ブランドが見つかりました。

Huashilai(華仕来) は、中国の万年筆・筆記具ブランド、あるいは OEMメーカー系のブランド名 とされており、低価格帯のOEM系ブランド に位置付けられているようです。

またペン先の画像を見ると、Jinhaoの通常ニブと形状がよく似ています。ロングナイフニブとしても Hongdian よりもやや丸みを帯びているようにも見えますが、同じ角度の写真がないため断定はできません。実物が届いたら、Hongdian のロングナイフニブと比較してみたいと思います。


中華万年筆は待つ楽しみから

Amazonで中華万年筆を注文すると、中国から発送されるものが多くあります。そのため、手元に届くまで 2〜3週間ほど かかることもあります。

また、中華万年筆は 当たり外れ があることも覚悟の上で注文する必要があります。そのため、あまり高価なモデルには挑戦しない方がよいかもしれません。

もしトラブルがあった場合は、Amazon のカスタマーサービスに連絡すると対応してもらえます。

届くまでの時間も含めて、中華万年筆はちょっとした海外通販のような楽しみがあります。


ロングナイフニブとは?横太・縦細の不思議なペン先

TAIUTYU万年筆 カジュアル ゴールドトリムの商品名にはロングナイフと記載があり、商品説明文にはロングブレード、そして画像には長刀1.0mmとの表記があります。

TAIUTYU万年筆 ロングナイフニブ
【引用】TAIUTYU万年筆 ロングナイフニブ | Amazon

これらはすべて、中華万年筆でよく見られる同じニブ形状の別翻訳です。

もとの中国語では長刀尖と書き、直訳すると長い刃のペン先という意味になります。そこから英語表記では Long BladeLong Knife となり、日本では ロングブレード、ロングナイフ、長刀ニブ といった表記が使われています。

こちらはHongdian N8 ロングナイフニブのペン先です。

このニブはペンポイントを長く伸ばして研ぐ形になっており、横線が太く、縦線が細くなるという特徴があります。これは欧米でいうアーキテクトニブ(設計図に使われるペン先)に近い性質です。

さらにペン先が斜めに研がれているため、書く角度によって字幅が変化します。そのため、同じ万年筆でも書く角度によって文字の表情が変わります。少し不思議で、そして面白いペン先です。

TAIUTYU万年筆 カジュアル ゴールドトリム 1.0mmロングナイフ1.0mm は、おそらく字幅を表しているのだと思います。ただしロングナイフニブの場合、書く角度によって字幅が変化するため、この数値は最大幅を示している可能性が高そうです。

字幅が 1.0mm あると、通常のニブであれば BB(極太) に相当するかなりの太字です。しかし、手元にあるロングナイフニブの Hongdian N80.5mm〜1.0mm と記載がありますが、実際の書き味としては 中字から太字程度の可変幅ニブという印象です。

Amazonに掲載されている写真を見ると、1.0mmの方がペンポイントがかなり大きく見えます。中華万年筆には通常使いというより、面白みのあるペン先を求めているので 1.0mm のペン先を選びました。

ボディカラーは全9種類から選べます。

この TAIUTYU万年筆 がどのような字幅の変化をもたらすのか楽しみです。

TAIUTYU万年筆 ロングナイフニブ 1.0mm
【引用】TAIUTYU万年筆 ロングナイフニブ | Amazon

もし、細めの字幅が好みであれば、TAIUTYU万年筆 カジュアル ゴールドトリム 0.7mmロングナイフ を選ぶのが良いのかもしれません。


ロングナイフニブも筆圧をかけない方が書きやすい

Hongdian N8 のロングナイフニブも、筆圧をかけない方が細い線と太い線のコントラストを楽しめます。しかし、力を入れて書くと、せっかくの字幅の変化が生かせません。

ロングナイフニブは筆圧で線幅を変えるペン先ではなく、書く方向や角度によって線の太さが変化するタイプのペン先です。そのため、安定したインクフローが重要になります。

特にインクフロー(インクの出)がよいペンでは、筆圧をかけて書いてしまうと、せっかくの字幅の変化を楽しむことができなくなってしまいます。

金ペンと同じように、筆圧をかけず、ペン先の角度による線の変化を楽しむ書き方が向いています。

Hongdian N8 ロングナイフニブ

筆圧をかけない書き方は、正しいペンの持ち方から始まります。以前の記事でも紹介していますが、ぜひ正しいペンの持ち方を練習してみてください。


筆圧をかけないための万年筆の持ち方

ステンレスニブ(鉄ニブ)だと、かなり強く意識しないと筆圧をかけずに書くというのが難しいですが、筆圧をかけない書き方をするためには、先ずペンの持ち方を変える必要があります。

万年筆の持ち方
  1. 手の力を抜き、手首は 90° くらいの角度にする
  2. 中指の指先の横腹親指と人差し指の間に万年筆をバランスよく乗せる
  3. ペン先の刻印(ロゴ)は必ず上向き
  4. 親指人差し指で軽く支える
  5. ペン先が紙に触れるまで、手首を内側に曲げる

下記がGPT5で生成した正しい万年筆の持ち方です。

万年筆の正しい持ち方
万年筆の正しい持ち方:Created by GPT5

筆圧をかけない書き方をするには、万年筆を軽く持つことが何よりも重要です。強い筆圧の原因の多くはペンを強く握る持ち方にあります。

下の例では、ペンを持つ指に力が入りすぎて、人差し指が反り返ってしまっている悪い例です。実は、自分も以前はこのような持ち方をしていて、無意識に強く握り込んでいました…。

指に力が入いる悪い万年筆の持ち方
ペンを持つ手に力が入ってしまっている例:Created by GPT5

書道家・大江静芳氏の動画では、万年筆の持ち方がとても分かりやすく解説されています。文字や写真だけではイメージしづらい方は、こちらの動画を参考にしてみてください。

Post Date:2026年2月22日 

万年筆と行書はなぜ相性がいいのか ― 4つの共通点から考える

万年筆と行書の美学

軟調ペン先に興味を持ったのは、万年筆のペン先がもともと柔らかいものだったと知ったからです。 書きやすさや安定性が重視され、硬いペン先が主流となった今だからこそ、あえて軟調ペンを選びたい──そう考えるようになりました。

軟調ペン先の特性を活かすために始めたのが、

  • 行書
  • 書く瞑想

です。

万年筆で行書の練習を重ねるうちに、行書と万年筆の相性のよさは、感覚から確信へと変わっていきました。

そこで今回、万年筆と行書の関係性について、あらためて考察したいと思います。


万年筆と行書の共通点①:力をいれない

万年筆と行書の最初の共通点は"力を入れない"ということです。

近代以降、万年筆は耐久性の向上や、ボールペンのように筆圧をかけて書く筆記具に合わせる形で、強い筆圧でも書ける構造へと変化してきました。しかし本来、万年筆は筆圧を必要としない筆記具です。

一方、行書は力を抜いて書く書体です。力を抜くことで、万年筆はペン先のしなりが生き、行書では線の入りと抜けが自然につながります。

現代の万年筆は強い筆圧でも安定して書けるよう調整されていますが、軟調ペン先(ソフトニブ)はペン先が柔らかいため、筆圧をかける書き方では本来の良さが発揮されません。

行書もまた流れを大切にする書体であり、力を入れると線が詰まり、同様に書きづらくなります。

まずは万年筆を正しく持ち、力を抜く感覚を体に覚えさせることが大切です。


万年筆と行書の共通点②:線の表情を楽しむ

万年筆は「線の情報量」が多い筆記具です。ボールペンやシャープペンは、基本的に一定の太さ・一定の濃さで線を出します。一方、万年筆は構造上、線がわずかに変化します。

万年筆は水性インクを使います。紙に染み込み、わずかなにじみや濃淡が生まれます。書き出しはやや濃く、書き進めるにつれてインクは落ち着き、ペンを抜くときには薄くなります。この濃淡が線に立体感を与えます。

軟調ペン先(ソフトニブ)では、フレックスニブのような大きな強弱はありませんが、ペン先は紙に触れた瞬間にわずかにしなり、抜きでは自然に細くなります。

このように、万年筆で書くと、意図していなくても線にさりげない抑揚が生まれます。

一方、行書は、線の強弱、入りと抜け、連続する運筆によって表情をつくる書体です。

  • 入りをやや強くすれば芯のある印象に
  • 抜きを柔らかくすれば軽やかな印象に
  • 連綿をつなげれば流動感が生まれます

このように、線そのものが感情やニュアンスを伝えるのが行書の特徴です。

万年筆、とくに軟調ペン先は、こうした微細な変化を自然に線へと反映させます。だからこそ、線で表情をつくる行書と、万年筆は本質的に相性がよいのです。


万年筆と行書の共通点③:流れが続く

万年筆と行書に共通するもうひとつの特徴は、流れが途切れないことです。

万年筆は、ペン先を強く押し付けなくても毛細管現象によりインクが安定して供給されます。そのため、紙の上を滑らせるように書くことができます。強い筆圧を必要としない分、手の動きが止まりにくく、運筆のリズムが保たれます。

とくに軟調ペン先は、わずかなしなりによって筆記時の衝撃を吸収します。これにより、書き続けても手に余計な力が入りにくく、自然な流れが維持されます。

一方、行書もまた、運筆の連続性を前提とした書体です。単に線と線をつなげるだけではなく、入りと抜けによってリズムを生み出し、そのリズムが「流れ」を形づくります。

力を入れた瞬間、行書の流れは途切れ、万年筆本来の滑らかさも失われます。

力を入れず、流れるように書ける万年筆と行書の組み合わせは、長時間書き続けても疲れにくいという利点があります。


万年筆と行書の共通点④:抜いて終わる

万年筆と行書に共通する最後の特徴は、抜いて終わることです。

万年筆で書き終えるとき、力を残したまま止めれば、線はそこで断ち切られます。しかし、力を抜いて終えれば、線は自然に細くなり、やわらかく収束します。

そこには、無理に形を作ろうとする意志はありません。ただ、流れが静かに収束していくだけです。

行書もまた、トメを強調して終わる書体ではありません。ハネやハライは、力で作る形ではなく、流れの中で抜いた結果として現れるものです。だからこそ、線の終わりには余韻が残ります。

万年筆、とくに軟調ペン先は、そのわずかな抜きの変化を素直に受け止めます。終わり方に余韻を残すという美学は、万年筆と行書のあいだで静かに共有されます。


行書の「入り(入り方)」と「抜き(ハネ・ハライ)」

行書を“動き”として捉えると、意識すべきなのは「入り」と「抜き」の二つです。

入りとは、筆が紙に触れる最初の瞬間のことです。どの角度で入り、どの程度の力で接地するかによって、線の印象は大きく変わります。

抜きとは、線を終えるときの処理です。ハネやハライは、形として作るものではなく、力を抜いた結果として現れる動きです。

筆圧をかけずに書く万年筆は、この「入り」と「抜き」の変化を素直に線へ反映します。とくに軟調ペン先では、入りのわずかなしなりと、抜きの収束が自然に表れます。


やっぱりカスタムヘリテイジ912が好き

最初に購入した軟調万年筆という思い入れもありますが、とても書きやすく、魅力のある一本です。

筆圧をかけない本来の書き方と、万年筆ならではのよさを教えてくれました。

Custom Heritage 912 SM

インクフローは安定しており、ペン先はわずかにしなります。線は静かに変化し、無理に表情を作ろうとしなくても、自然と抑揚が生まれます。

ペン先の軟らかさだけで言えば、プラチナ #3776 センチュリー SF(細軟)の方が上です。ですが、初めての一本としては、やや繊細すぎると感じるかもしれません。字幅が細字に限られる点も含めると、扱いやすさとのバランスを考えたいところです。

パイロット ELABO(エラボー)も、CustomシリーズのSFM / SMよりも"しなやかな"ペン先です。こちらはEF, F, M, Bと4種類の中から字幅を選べます。より軟らかいペン先が体験できますが、軸がスリムです。

万年筆価格が高騰している今、気軽に何本も試せる時代ではなくなりました。だからこそ、PILOT Custom Heritage 912 SM(中字・軟)は、最初の一本としても、長く寄り添える一本としても、安心して選べる万年筆です。

軟調ペン先(ソフトニブ)には、フォルカンニブのような派手さはありません。しかし、そのさりげない変化の中に安心感があります。軟調ペン先の魅力は、強く主張することではなく、書き手の力を抜かせてくれることにあります。

書くたびに、やはり好きだなと感じる一本です。


万年筆高騰の中での選択

万年筆愛好家にとっては受難の時代とも言えるほど価格は上昇しています。軟調ペンと行書の相性のよさを実感できたとしても、渋沢栄一が2枚、3枚と必要になるとなれば、気軽に試せるものではありません。

少しでも出費を抑えたいのであれば、Amazon・楽天・Yahoo!ショッピングなど、信頼できる大手ECサイトでの購入も選択肢のひとつです。店舗で購入するより安価な場合もあり、ポイント利用や還元を活用することで、実質的な負担も抑えられます。

価格を抑えられたという満足感に背中を押されて、清水寺の舞台から飛び降りてみれば、そこは意外にも極楽浄土かもしれません。万年筆は、手にしてはじめてその価値がわかる道具です。

2万円前後で抑えたいのであれば、Custom 74Custom 91の軟調ペン先(SFM・SM/14K・5号)がオススメです。

3万円まで許容できるのであれば、Custom 742Custom 912の軟調ペン先(SFM・SM/14K・10号)を選びたいところです。


デジタル時代に、あえて手で書くということ

行書と万年筆の関係性について、次の4点を書いてきました。

万年筆で行書を書くと、大人っぽく味わい深い字が、さりげなく書けるようになります。すると、字を書くことそのものが楽しくなります。

デジタル時代のいまだからこそ、手で書く時間を最大限に楽しみたいものです。


行書の学び方

行書の学び方についての過去記事となります。一緒に行書を学んでいきましょう。

Post Date:2026年1月19日 

木製が好き。でも万年筆は……そして、世界樹に。

WANCHER 世界樹 サンダルウッド wz ステンレスソフトニブ

ボールペンは、Faber-Castell(ファーバーカステル)の Ambition(アンビション) と Emotion(エモーション) を、木軸で愛用してきました。

Faber-Castell Ambition & Emotion

木軸があれだけ好きだったのに、気がつけば木軸の万年筆が手元にありません……。

アンビションやエモーションには万年筆タイプもあります。

しかし、万年筆を選ぶときにはペン先、とくに軟調ニブ を基準にしてきました。自分が購入する量産モデルの軟調ニブは、コストや安定性の面から樹脂軸が主流となりやすく、結果として樹脂軸が中心となっていました。

下の写真は Faber-Castell Ambition(ボールペン)です。傷も多くなりましたが、使い込むほど艶が増し、エイジングがとても美しい一本です。

Faber-Castell Ambition Ball Pen

WANCHERの万年筆でも、軸で選ぶというより、まずKEIRYU ニブ小太刀 といったペン先ありきで、エボナイトだから選んだわけではありませんでした。

WANCHER 世界樹は「木軸の万年筆が欲しい」と思って初めて選んだ万年筆です。もちろん、ソフトニブを選べたことも、背中を押した大きな理由でした。


日本メーカの木軸万年筆

日本の万年筆メーカーで、定番モデルとして木軸万年筆を展開しているのは、主に次の3モデルです。

いずれも高価なモデルです。そして残念ながら、通常モデルにはある軟調ペン先という選択肢は用意されていません。

『#3776センチュリー屋久杉』は実物を見ましたが、屋久杉の細かい木目が何とも言えない味わいを醸し出しています。

PLATINUM の公式サイトには「屋久杉万年筆の加工手順」が公開されていますが、それを見ると、素材の選別から乾燥、加工まで非常に手の込んだ工程が必要で、まさに一本モノの万年筆であることがよく分かります。


WANCHER の木軸万年筆

WANCHER は、ペン先の個性と素材の選択肢を重視した万年筆づくりを行う日本のブランドです。ペン先には JOWO のスチールニブを採用しつつ、KEIRYU ニブ小太刀研ぎなど、日本語筆記を意識した独自のニブも展開しています。

世界樹シリーズでは、サンダルウッド、黒檀、ベラウッド、チークウッドといったコスパの高い木軸モデルが用意されています。

  • サンダルウッド(白檀)
    • きめ細かく、手触りが非常にやさしい
    • 落ち着いた木目で、上品な雰囲気
    • 経年で自然な艶が出る
  • 黒檀(エボニー)
    • 非常に硬く、重量感がある
    • 木軸の中では寸法安定性が高い
    • 表情の変化は少なめ
  • ベラウッド
    • 明るめの色味と素直な木目
    • 軽量で取り回しが良い
    • 木軸らしいナチュラルさが強い
  • チークウッド
    • 油分を多く含み、水や湿度に比較的強い
    • さらっとした独特の触感
    • 使い込むと落ち着いた艶に変化

経年変化を楽しむならオリーブウッドも魅力的です。ただ、オリーブウッドは木目の個性が一本一本異なるため、オンライン購入では「好みと合うかどうか」は届いてみないと分かりません。

一方でサンダルウッド(白檀)は、落ち着いた色味と緻密な木目が特徴です。派手さはありませんが、光の当たり方で表情が静かに変わり、使うほどに艶が増していきます。

白檀の「控えめだけど、確実に育つ」感じに惹かれて、サンダルウッドを選びました。

WANCHER 世界樹 サンダルウッド wz ステンレスソフトニブ

キャップを閉めた状態で握ると、木そのものの温度が伝わってきます。とはいえ、実際に指が触れるグリップ部は樹脂で、木の質感を“触れて感じる”というより“眺めて味わう”万年筆です。

WANCHER 世界樹 サンダルウッド wz ステンレスソフトニブ

木軸万年筆は「新品が完成形」ではありません。手の油分や日々の使用によって、少しずつ艶と表情が育っていく。その変化を楽しめるのが、世界樹シリーズの大きな魅力だと感じています。

時間がそのまま表情になる──木軸ならではの楽しみです。


書き心地とバランス

世界樹 サンダルウッドは、キャップを外すと 12g前後。少し軽く感じますが、JOWO のペン先はインクフローが良く、筆圧をかけなくてもスッと線が出ます。

WANCHERの万年筆は、KEIRYUニブ(峰万年筆)、小太刀研ぎ(誠エボナイト)、ステンレスソフト(世界樹)と3本目です。

左)誠エボナイト 中央)世界樹 右)峰万年筆

キャップはねじ式です。WANCHERドリームペンはキャップ内部にスプリング機構があり、閉めたときにしっかり密閉されるため、インクの乾きが起きにくい構造になっています。

一方で世界樹は、そこまで強い密閉構造ではないため、しばらく使わない期間があると、インクが乾いて書き出しがかすれることもあります。

ただ、毎日使っているぶんには、乾きはほとんど気になりません。


中華製 木軸万年筆

Hongdian N8、Hongdian 620、Jinhao Dadao と、中華万年筆も何本か試してきましたが、インクフローも安定しており、価格以上に満足できる万年筆でした。

そこで「中華万年筆でも木軸はないか」と探して見つけたのが Jinhao 9056(Ranvi) でした。

素材表記には Juglans regia / Rosewood / Ebony とあります。Juglans regia はヨーロピアンウォールナット(胡桃)、Rosewood は日本で 紫檀(したん) と呼ばれることも多い ローズウッド系(Dalbergia 属)の木材、Ebony は 黒檀です。

ニブはステンレスで、「イリジウムポイント」と記載があります。字幅は F(0.5mm)のみです。

ウォールナットの色味は好みです。

Jinhao Dadao はインクフローも良く、超ビッグサイズながら、意外と書きやすい一本でしたが、木軸のJinhao 9056はどんな書き味になるのか──。

あれ?

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