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Post Date:2026年5月10日 

ラジオな生活 —— Tivoli Audioで再発見した音楽との出会い

Tivoli Audio Model One Digital Gen.2でラジオを聴く

Tivoli Audio Model One Digital Gen.2 を購入した目的は、Wi-Fi接続を活かして、Apple Music や Amazon Music を BGM として流すことでした。

しかし、実際に使い始めてみると、Apple Music や Amazon Musicを流すより、ラジオやインターネットラジオ、Spotifyを聴く時間の方が長くなっています。

特にFM放送は、ここまで聴くようになるとは思っていませんでした。以前から朝は radiko でラジオを聴いていましたが、気がつくと自然にラジオを流すようになっています。

その理由を自分なりに考えてみると、次の3つではないかと感じています。

  1. ワクワク感
  2. friction(フリクション)が低い
  3. 偶発性

この3つを手がかりに、Model One Digital Gen.2 でラジオを聴く時間がなぜ心地よく感じられるのかを考えてみたいと思います。


Tivoli Audioでラジオを聴くと、なぜかワクワクする理由

radiko でも同じ番組は聴けるのに、Tivoli Audio でラジオをつけるとなぜかワクワクします。

それは、ラジオならではの揺らぎや実在感のある体験に理由があるのかもしれません。


1. 部屋に入り込んできた見えない電波を捉えている

インターネット配信は、データがどこを通っているのか具体的な場所をイメージしづらく、仕組みを論理として頭の中で理解しようとする「論理上の不可視」です。

一方で、ラジオ放送は、東京タワーやスカイツリーから飛んできた電波をラジオで受信すると音声や音楽になるという、子どもの頃に感じたような不思議さを持った「想像できる不可視」です。

よく聴こえるラジオ局にチューニングを合わせたり、アンテナの位置や向きを変えて受信感度を上げたりする行為は、見えないけれど確かに存在するものを、自分の身体を通して“つかまえにいく”体験です。

👉 「世界に満ちている見えない何かに、ほんの少し触れているような実在感と手応え」が、小さなワクワクを生みます。


2. ラジオ放送には“揺らぎ”がある

ラジオの音は、常にわずかな揺らぎを含んでいます。ノイズが混じったり、少し遠のいたり、急にクリアになったりと、完全に固定された音ではなく、コントロールできない揺らぎが発生します。

そのため、音は常にわずかに揺れ続け、同じように聴いていても微妙に印象が変わります。

そもそもFM放送は、音に応じて周波数をわずかに変化させ、それを音として再生する方式であり、信号の揺れが音として現れます。

👉 「完全にはコントロールできない」小さな不確実さが、期待とわずかな緊張を生み、それがワクワクにつながります。


3. ラジオ放送には“不可逆性(一回性)”がある

ラジオの不可逆性は、「一時停止できない」「30秒巻き戻せない」といった機能の話だけではありません。 もっと感覚的なレベルで、「時間の主導権が自分ではなく“放送側”にある」という種類の不可逆性です。

radiko のタイムフリーを使えば、番組の内容は後から何度でも聴き直せます。けれどそれは、再生ボタンを押した瞬間から始まる、自分主導の時間です。

一方、リアルタイムのラジオ放送では、時間は放送側の都合で淡々と流れていきます。自分のタイミングで始めたり止めたりするのではなく、「いま流れているもの」に耳を傾ける体験です。

👉 「いま・ここでしか起きていない」という一回性が、その瞬間に意識を引き戻し、わずかな緊張と集中を生み、それがワクワクにつながります。


4. 質量のあるラジオ音

Tivoli Audio で聴くラジオはクリアで聴きやすく、少しボリュームを上げると、低音も感じられる質量感のある音が前面に広がります。

Tivoli Audio は、ラジオを“オーディオ機器”として設計しているので、単に情報として音を受け取るのではなく、音そのものに触れているような感覚があります。

とくにFM放送で流れる音楽は、その瞬間がよい音楽との出会いになります。

👉 音に質量と存在感があることで、ラジオで出会う音楽の体験がより鮮明になり、ワクワクを生みます。


フリクションが低く、自然と流し続けられる

フリクションとは、何かを始めるときや続けるときに感じる「手間や面倒さ」のことです。

Model One Digital でFMラジオを聴く場合は、電源を入れるだけで再生が始まり、“情報にたどり着くまでの手間や負荷”が極端に少ないです。

また、Spotify Connect で Model One Digital 本体に登録しておけば、リモコンのプリセットボタンから Spotify のプレイリスト再生を始められます。ただし、Spotify Premium にしていない場合は音質に制限があり、CM も入ります。

TuneIn でラジオ局を聴く場合も、Chromecast であれば最初はスマートフォンでの操作が必要ですが、再生が始まればスマートフォンは不要になります。

これらと比べると、AirPlay での再生はスマートフォン経由となるためフリクションが高く、常にスマートフォンが必要となることでバッテリーも消耗します。

フリクションの低さという観点では、次の順になります。

  1. FMラジオ
  2. プリセットした Spotify
  3. TuneIn のラジオ局
  4. AirPlay での Amazon Music再生

フリクションが低いほど、意識せずに音を流し続けることができ、結果としてラジオを聴く時間が増えていきました。


インターネットラジオもやっぱり捨てがたい

インターネットラジオは、BGMとして流し続けるのに適しています。

TuneInは、ラジオ番組や音楽チャンネルをインターネット経由で聴けるサービスで、Amazon Echoなどでも利用できます。

中でも「1.FM」は、さまざまなジャンルの音楽を配信しているスイスのインターネットラジオ局で、BGM用途に非常に向いています。

Tivoli Audio Model One DigitalでもChromecastを使えばTuneInをラジオっぽく聴くことができます。

そして、Tivoliで聴くラジオ局を探している中で見つけたのが「Ella Radio」でした。


TuneInで見つけたElla Radioがスゴすぎる

Ella Radio は、2026年1月5日から放送が開始されたドイツのインターネットラジオ局で、名前の由来はジャズシンガーの Ella Fitzgerald です。

Tivoli Audio Model One Digital Gen.2 でTuneInを聴く

Bass Jazz(ベース・ジャズ)は、Ella Radioのチャンネルのひとつで、次のように紹介されています。

Bass Jazzは、ジャズアンサンブルの基盤であるコントラバスの、深く温かみがあり、リズムを牽引する音に焦点を当てたチャンネルです。

【中略】

Bass Jazzは、集中して作業をしたいときや静かな夜、そして低音の繊細な表現を楽しみたい人に最適です。グルーヴと温かみ、そして洗練された音楽性に満ちた世界にぜひ浸ってみてください。

【引用】Ella Radio - Bass Jazz

まさにベーシストが主役の楽曲ばかりが流れ、いつ聴いても新鮮です。ベースの低音を軸にした音楽と、安定したウォーキングベースのテンポは、仕事や読書、勉強のBGMとして非常に相性がよいと感じています。


ラジオで出会う音楽の偶発性

ラジオで流れる音楽との出会いは偶然です。Spotify や Amazon Music といったサブスク型の音楽配信ではパーソナライズが進み、どうしても自分好みの音楽が中心になりがちです。

ラジオでは、「あ、いいなこの曲」と思っても、もう一度最初から聴くことはできません。こうした偶発的な出会いは、音楽を大量に消費するサブスクリプションとは異なる価値を感じさせます。

パーソナリティの曲紹介を聞き逃しても、あとから曲名を知りたいときは、FM局のプレイリストで確認できます。

下記は、首都圏で聴ける主なFMラジオ局のプレイリストです。

ラジオで聴いた音楽も、あとから曲名やアーティストを確認できますが、「その瞬間に出会う一期一会のような音楽の価値」は、やはりラジオならではだと感じています。


音楽を聴くためのラジオ

Tivoli Audio でラジオを中心に楽しむのであれば、名機 Model One BT です。

ラジオだけでなく、Spotify や TuneIn をラジオっぽく聴きたいのであれば、Model One Digital Gen.2 がオススメです。

Tivoli Audio Model One については、下記の記事に詳細を書いています。

Tivoli Audio 以外では、「ラジオで音楽を楽しむ+Bluetoothスピーカー」という Model One BT と同じコンセプトのラジオとして、台湾のオーディオメーカー Sangean(サンジーン)が発売している WR-101、WR-302、WR-304 があります。

木製キャビネットと背面バスレフ構造は共通仕様です。WR-101 にはFM用のロッドアンテナが付属していますが、WR-302/304はFM用アンテナも内蔵されています。

WR-101背面
WR-101背面 | amazon.co.jp
WR-302背面
WR-302背面 | amazon.co.jp

ラジオは FM 76–108 MHz / AM 522–1710 kHz に対応しており、日本のFM放送、ワイドFM、AM放送をカバーしています。

Bluetooth は高音質コーデックの aptX には対応していますが、iPhone が採用している AAC には対応していません。ただ、Tivoli Audio Model One にも AAC や aptX といった高音質コーデック対応との記載はありません。

WR-101 は小型ボディながら、89mm のフルレンジ(低音・中音)に加え、40mm のツイーター(高音)を備えた 2ウェイ・スピーカー+電子クロスオーバー構成となっています。そのため、フルレンジ構成の Model One よりもクリアに聴こえるのではないかと思います。トーンコントロールも備えており、好みの音に調整できそうです。

WR-302 と WR-304 は横型・縦型というレイアウトの違いはありますが、基本的な仕様はほぼ同じです。WR-304 はACアダプター駆動のため、ひとまわりコンパクトなサイズになっています。どちらも 3インチのフルレンジスピーカーを備えており、シンプルな構成でラジオとBluetoothスピーカーを楽しめます。

また、Sangean 製品は KOPEK JAPAN(コペックジャパン)が正規輸入販売元となっており、国内正規品であればサポートを受けられるので安心です。

一方で、インターネットラジオを中心に考えるのであれば、JBL Authentics 200 という選択肢もあります。

数少ないインターネットラジオ対応機で、アプリ経由でTuneInのラジオ局を選択でき、プリセット登録にも対応しています。

AirPlay や Chromecast での接続が可能なほか、Amazon Music、Spotify Connect にも対応しています。さらに、Amazon Alexa と Google アシスタントの両方を利用できます。

JBL Authentics 200 は、単なるインターネットラジオ受信機にとどまらず、さまざまな音楽サービスや再生手段と柔軟に接続できる点で、他に類を見ない存在です。

Post Date:2026年5月7日 

1本差しから2本差しへ ― なぜ2本持つようになったのか

PILOT 太軸筆記具用 シース 2本差

「持ち歩く万年筆は1本でいい」。そう考えて、FREESE(フリーゼ)の1本差しペンケースを使っていました。余計なものは持たず、その日の気分で選んだ1本だけを使う。その方が道具としても扱いやすく、自然だと思っていたからです。

この1本差しペンケースは、自宅での万年筆の保管用としてもちょうどいいです。

ところが、ノートと向き合って考える時間が増えるにつれて、状況が少し変わってきました。ログやTODOなど小さな文字を書くときには細字、見出しや思考を書き出すときには中字、と用途に応じて使い分けるようになってきました。

また、万年筆を替えることで気分転換にもなります。

こうして細字と中字の2本の万年筆を持ち歩くようになると、それらをまとめて持ち運べた方がよいと考え、2本差しの万年筆用ペンケースを購入することにしました。


2本差しの万年筆ケースに求めた条件

目的は、細字と中字の2本の万年筆を持ち歩くことです。

  1. 2本の万年筆が収納できる

    PILOT Custom 743 や Custom Heritage 912 を持ち運ぶため、最大径φ16mm前後の万年筆が2本収納でき、大きすぎないサイズであること。

  2. ペン同士が接触しない

    万年筆どうしがぶつかって擦れや傷がつくのは避けたい。内部が仕切られている、あるいは干渉しにくい構造であること。

  3. すぐに取り出せる

    書こうと思ったときに、手間なく取り出せること。

  4. シンプルなデザイン

    装飾のないシンプルなデザインで、革の質感を活かしたもの。

  5. 高価すぎないこと

    革製品は価格帯が広いため、日常的に使える範囲のものを選びたい。

これらの条件を満たすものとして、いくつかのペンケースを検討しました。


ペンケースの種類

ペンケースにはいくつかの種類があります。構造によって使い勝手が大きく変わるため、用途に応じて選ぶ必要があります。

愛用しているFREESEのペンケースには2本差しもありますが、細軸の万年筆でないと2本収納するのは難しく、内部に仕切りもありません。そのため、今回は以下の3タイプから検討しました。

WANCHER の万年筆は軸が太く、FREESEの1本差しには入らず、WANCHER テラサキ レザーペンケースを使用していますが、このペンケースフラップ式です。

フラップ式は構造がシンプルなのでサイズも小さく、2本差しでも持ち運びやすそうです。そこで、フラップ式を候補として、PILOT シース 2本差<太軸用>の詳細をチェックしました。


PILOT のシースとペンケース

シース・ロールペンケース(革) 検索結果一覧|PILOT に、少数本の万年筆を持ち運ぶためのシースやペンケースが掲載されています。

ちなみに、シース(sheath)とは、ペンの保護や少数のペンを携帯することを目的としたもので、形状は鞘(さや)状、あるいは筒状に近いものを指します。

PILOTには2本収納できる「トレンダーレザー05 シース 2本差」もありますが、こちらは内部に仕切りがありません。そのため、今回重視した「ペン同士が接触しない」という条件には合わず、候補から外しました。

また、収納本数を3本まで広げると、シースに加えて、ロール式やファスナー式のペンケースも選択肢に入ります。いずれも万年筆を1本ずつ独立して収納できる構造になっています。

「ペンサンブル ロールファスナーペンケース 3本差」にも少し心を奪われましたが、今回はなるべくシンプルに2本の万年筆を持ち歩くことを想定していたため、太軸筆記具用の2本差しシースを選びました。


PILOT 太軸筆記具用 シース 2本差を使ってみて

実際にPILOT 太軸筆記具用 シース 2本差を使ってみると、まず感じたのは作りの安定感です。革はしっかりしており、型崩れしにくそうです。過度な装飾はなく、PILOTらしいシンプルで実用的なデザインです。

太軸筆記具用というだけあって、Custom 743 や Custom Heritage 912 のような最大径φ16mm前後の万年筆も無理なく収まります。2本を入れても窮屈な感じはなく、太軸用として十分な余裕があります。仕切りもきちんと作られており、ペン同士が直接触れない点も安心です。

PILOT シース 2本差 <太軸用>

写真はElabo(エラボー)とCustom Heritage 912を収納したものです。

PILOT シース 2本差 <太軸用>

下は、1本差し、2本差し、3本差しを並べた写真です。PILOT 太軸筆記具用 シース 2本差のサイズは45×165×38mmで、2本収納できるケースとしては、邪魔にならない絶妙なサイズ感です。

PILOT シース 2本差 <太軸用>

横から見ると万年筆が少し露出していますが、鞄の中で傷ついてしまうことはなさそうです。

PILOT シース 2本差 <太軸用>

フラップを開けて取り出す必要はありますが、構造はシンプルなので、出し入れに大きな手間は感じません。ファスナー式のように開閉幅を気にする必要もなく、必要な1本をすぐに取り出せます。

革の質感や経年変化を前面に楽しむタイプというより、万年筆を安全に持ち運ぶことを重視した、機能的な美しさのある製品です。


まとめ

1本差しは、気に入った万年筆を1本持ち歩くには、シンプルでスリムな使いやすいペンケースです。しかし、2本を持ち歩くなら、1本差しを2つ持ち歩くよりも、2本をまとめて収納できるケースの方が合理的です。

「PILOT 太軸筆記具用 シース 2本差」は、高級感を前面に出した革製品というより、万年筆を安全に持ち運ぶためのシンプルな道具です。華やかさはありませんが、まさに質実剛健という印象です。

Custom 743 や Custom Heritage 912 のような太軸寄りの万年筆も収納でき、普段使いで万年筆を2本持ち歩くケースとしては、かなり使いやすいと感じました。

Post Date:2026年4月22日 

Tivoli Audio Model One Digital Gen.2を選んだ理由 ― BTと比べて見えた違い

Tivoli Audio Model One Digital Generation 2

Model One BTとDigital Gen.2でかなり悩みましたが、最終的に選んだのはModel One Digital Gen.2でした。

決め手になったのは、『定山渓で出会った、空間に溶け込む音』で触れた、旅行中の宿泊先で聴いたあの音です。

自然に空間へ広がる鳴り方が強く印象に残り、その体験が最終的な選択につながりました。

翠山亭倶楽部定山渓(すいざんていくらぶじょうざんけい)

客室にはTivoli Audioのスピーカーが備え付けられており、滞在中も心地よい音に包まれて過ごすことができます。ゲストラウンジのバータイムには、TANNOYのスピーカーから流れるジャズが空間に静かに溶け込み、特別な時間を演出してくれます。

BTのアナログ的な魅力も捨てがたかったのですが、ストリーミング音楽をBGMとして聴く自分の使い方には、スマートフォン連携を前提としたModel One Digitalの方が合っていました。

Tivoli Audio Model One Digital Generation 2

開封の儀はいつもワクワクします。


Model One BTとDigitalの違い、そしてGen3の進化

今回悩んだModel One BTとDigital Gen.2には、機能面だけでなく、コンセプトや使い方にも違いがあります。

BT と Digital の違いは、以下の表の通りです。

− Model One BT と Model One Digital gen.2 の比較 −
項目 Model One BT Model One Digital(Gen.2)
コンセプト アナログラジオ+Bluetoothスピーカー ストリーミング再生に対応したラジオ
接続 Bluetooth 5.0 AirPlay 2 / Chromecast / Bluetooth
出力 6.0W 記載なし
音の傾向 丸みがあり空間に溶け込む 輪郭が明瞭で空間に広がる
ラジオ AM / FM(ワイドFM対応) FM(ワイドFM対応)
操作性 アナログダイヤル ベゼル+リモコン
ディスプレイ なし 小型ディスプレイあり
定価 ¥37,400 ¥62,700

WiFi環境があり、ストリーミング前提でBGM的に使うなら、Model One Digital Gen.2。アナログ的な操作感とFM/AMラジオ中心なら、Model One BTです。

Model Oneシリーズを調べる中で、よりデジタル化が進んだModel One Digital Gen.3 の存在も知りました。

Gen.3は、Gen.2よりさらにデジタル寄りになり、“クラシックなラジオ”というより"小型の本格デジタルスピーカー"に近い印象です。


ラジオとしての完成度の高さ

Tivoli Audio Model One Digitalを使って最初に驚いたのは、ラジオの音です。

"進化したClassicラジオ"と謳われていますが、実際に使ってみると、自宅にあるラジオと比べてもFMの受信感度が高く、音声も音楽も非常にクリアに聴こえます。

Tivoli Audio Model One Digital Generation 2

これは、3インチのフルレンジスピーカーによる中域の明瞭さが、人の声を聞き取りやすくしている要因のひとつと考えられます。

加えて、バスレフ構造によって低音が適度に補われることで声に厚みが生まれ、単なる情報としての音ではなく、実在感のある音として再生されます。

リモコンの「FM Scan Strength Set」を「Strong Station」に設定すると、ラジオ局をスキャンした際に受信状態の良い局のみが検出されます。これらの局をプリセットしておくと、選局も簡単になります。

単に音が良いだけでなく、"長時間でも疲れずに聴けるラジオ"としての完成度も高く、Radikoの利用が中心になってから少し遠のいていたラジオのある生活に、再び戻りたくなります。


ラジオの感度をあげる

Tivoli Audio Model One Digitalは、全体として受信感度が高いと感じます。ただし、ラジオの受信状態は居住地や周囲の環境に大きく左右されます。

ロッドアンテナを伸ばして向きを変えたり、受信しやすい位置を探したりしても改善しない場合は、外付けアンテナを試す方法もあります。左右に伸びた2本の導線からなるダイポールアンテナは、シンプルで効果が得られやすいアンテナです。窓辺に設置すると、受信状態が改善されやすくなります。


Tivoli Audio Model One Digital の低音

Model One Digitalは、3インチのフルレンジスピーカーを1基だけ搭載していますが、低音も意外なほどしっかり再生します。Model One BTは出力6Wと公表されていますが、Model One Digital Gen.2は、それよりも余裕のあるスケール感で鳴っているように思えます。

Model One BTが底面ポート(円形)を採用しているのに対し、Digitalは背面に横長のバスレフポートを備えており、この構造が低音の厚みや広がりに効いているようです。

Tivoli Audio Model One Digital Generation 2

実際にバスレフポートに指を当てると、低音に合わせて「ボン、ボン、ボン」と空気が押し出されるのがわかります。

前面のスピーカーから直接届く音に対し、低音はキャビネットとポートの働きによって少し空間に回り込むように広がるため、前に強く出るというより、全体を下から支えるように聴こえます。

こうした仕組みは一般にヘルムホルツ共鳴として説明されますが、Model One Digitalでも、その効果によって小型機とは思えない量感が生まれているのだと思います。

中域の明瞭さと、ふくらみすぎない低音の心地よさがいちばん伝わりやすいのが、レジーナ・スペクターのアルバム『11:11』に収録されている『Rejazz』です。

彼女のどこか危うげな歌声とダブルベースの組み合わせが印象的で、『Wasteside』や『Marry Ann』もとても気持ちよく聴けます。


接続方式で変わる低音の表情

BluetoothとAirPlayで低音の違いを聴き分けやすいのが、ビル・エバンス・トリオによる『Baubles, Bangles and Beads』です。

エディ・ゴメスの力強く、かつスリリングに動き回るベースラインが印象的な一曲です。スコット・ラファロのベースがアタックの強さと輪郭の明瞭さを特徴とするのに対し、ゴメスはガット弦らしい、やや丸みを帯びた落ち着いた質感が魅力です。

この曲をBluetooth接続で聴くと、ベースは「ボン…ボン…」と胴鳴りが中心に感じられ、全体としてまとまりのある響きになります。一方でAirPlayで聴くと、そのまとまりの中に、弦を弾いた際のわずかなアタックやニュアンスが少し感じ取りやすくなります。

Bluetoothは圧縮伝送とはいえ、イヤフォンで聴いている限りでは音質に大きな不満を感じることはありません。しかし、Tivoli Audio Model One DigitalでBluetoothとAirPlayを聴き比べてみると、低音の輪郭や空間的な広がりの面でわずかな違いが感じられます。


Amadana CDプレーヤーはBluetooth接続で

いままではAmadana CDプレーヤーをSONYのサウンドバーにBluetoothで接続していましたが、接続先をModel One Digitalへ変更しました。

Tivoli Audio Model One Digital Generation 2

一度ペアリングしてしまえば、次回以降はBluetoothモードに切り替えるだけで、自動的にCDプレーヤーと接続されます。

Bluetooth接続は簡単で便利ですが、ラジオやAirPlayと比べると音量差が気になります。音量バランスとしては、ラジオ > AirPlay > Bluetooth の順で、特にAirPlayとBluetoothの差が目立ちます。

そこで、CDプレーヤーのBluetooth接続と比べて、Apple Musicに取り込んだ方がよりクリアに聴こえるのではないかと考え、試してみました。

Tivoli Audio Model One Digital Generation 2

ロン・カーターのサントリー・ホワイトのCM曲を収録した日本企画のベストアルバム『The Man with the Bass』をApple Musicに取り込み、AirPlayで再生してみました。

CDからMusic Appに取り込んだ音源はApple Lossless(ALAC)で保存できるため、元のCDに近い情報を保ったまま扱えます。これをAirPlayで再生すると、Bluetooth接続よりも音の輪郭やニュアンスが感じ取りやすくなる場面がありました。

『36414』『Double Bass』で聴き比べてみると、AirPlay接続の方が、弦を指で弾くアタック音や音の輪郭をよりはっきりと感じ取ることができました。


使ってみてわかった、リモコンの便利さ

Model One Digitalは本体の電源ボタンとベゼルで操作できますが、リモコンでの操作はわかりやすく、使ってみると便利さを実感できます。

Tivoli Audio Model One Digital Generation 2

電源をオンにしたあと、2段目右側にある「Sourceボタン」で入力モードを切り替えます。FMラジオ → Wi-Fi(AirPlay)→ Aux In → Bluetooth の順に切り替えることができます。

FMラジオを聴く際は、プリセット呼び出しやスキャン機能が便利です。受信状態の良いラジオ局を登録したり、設定に応じて受信可能な局をスキャンできるため、聴きたい局へすぐに切り替えられます。

また、AirPlayで音楽を再生しているときには、リモコンから曲送りや音量調整ができるのも便利です。スマートフォンを毎回手に取らなくても操作できるため、BGMとして音楽を流す際の使い勝手の良さを実感しました。

見た目はクラシックですが、実際の使い勝手には現代的な快適さがきちんと備わっています。Model One Digitalは、音の良さだけでなく、こうした日常的な操作性の面でもよくできた製品だと思います。


まとめ:聴く体験に勝るものはなかった

最初にTivoli Audioに惹かれたのは、アナログチックなラジオとしての佇まいでした。

しかし、実際に“邪魔にならない心地よさ”の音を聴いて、音楽配信サービスをBGMとして流すスピーカーとしての使い方が自分に合っていることに気がつきました。

また、実際に使ってみると、ラジオとしての完成度の高さにも驚かされました。

Model One BTにはアナログ的な魅力があり、Digital Gen.2にはスマホ連携を前提とした現代的な使いやすさがあります。両者はコンセプトも使い方も異なっています。

Model One Digital Gen.2は、日常の中で長く使いたくなる一台です。


AirPlay設定で「WiFi Setup Enabled」にならない

AirPlay設定で「WiFi Setup Enabled」にならない場合は、本体背面の「SETUP」ボタン操作が必要です。

クイックスタートガイドのAirPlay 2設定手順には、この「SETUP」ボタンについての記載がなく、設定をやり直そうとしてもできませんでした。

オンラインのオーナーズマニュアルには、次の手順が示されています。

  1. 電源ボタンを押して本体の電源を入れる
  2. Wi-Fiモードで、本体背面の「SETUP」ボタンを短く押す
  3. 「Wireless Setup Enabled」が表示されるまで待つ

Model One Digital Generation 2 | Owner's Manual

「SETUP」ボタンの操作については、Gen.3のマニュアルの方が分かりやすく、「WiFiモードで“WiFi Setup Enabled”が表示されない場合は背面のSETUPボタンを押す」と明記されています。

マニュアルを読んで問題は解決しましたが、クイックスタートガイドだけでは分かりにくく、設定に時間がかかってしまったのは残念でした。


【追記:その1】Spotify対応の意味

仕様にもSpotify®対応と記載されていますが、AirPlay2 / Chromecast に対応しているため、スマホのSpotifyアプリから楽曲を再生できるのは当然だと思っていました。

しかし実際には、Spotifyのプレイリストやラジオを本体のプリセットに登録できることが、「Spotify対応」の意味でした。オーナーズマニュアルには、次のように記載されています。

Spotify プレイリストをプリセットに追加する:リモコンを使用して、保存したプリセットにプレイリストを追加します。 使用したい番号プリセットを長押しして、画面上の確認を待つだけです。 プリセットを削除するに、リモコンの番号プリセットボタンを押し続けます。

Model One Digital Generation 2 | Owner's Manual

  1. Tivoli Audio Model One Digitalに接続する
    Spotifyで楽曲を選択して、左下にあるスピーカーアイコンを選択

    SpotifyからModel One Digitalに接続

  2. Spotifyの"プレイリスト/ラジオ"をTivoliで再生
  3. Model Oneのリモコンでプリセットボタンを長押し
  4. 「Preset Added」の表示で登録完了

登録したプレイリスト/ラジオは、Wi-Fiモードでプリセットボタンを押すだけで再生できます。

Spotify®対応のTivoli Audio Model One Digital Gen.2

スマートフォンを操作しなくても、ラジオのような感覚でSpotifyのプレイリスト/ラジオを再生できるため、BGM用途としての相性が非常に良いと感じました。


【追記:その2】TuneInをChromecastで聴く

TuneInは、インターネット経由でラジオ番組を聴けるサービスで、ジャンル別の音楽専門局も多数あります。

Model One DigitalでTuneInを聴くのであれば、AirPlayよりもChromecastで接続した方が、BGMとしての使い勝手は格段によくなります。

これは、AirPlayがスマートフォンから音声データを送る仕組みであるのに対し、Chromecastは再生情報(URLなど)をデバイスに渡し、デバイス自身がインターネットから直接ストリーミングする仕組みだからです。

Tivoli側で再生が始まればスマートフォンに依存せず、アプリを閉じても再生が続きます。一方、AirPlay接続ではTuneInアプリを閉じると再生が停止します。

Chromecastの設定も難しくありません。iPhoneでAirPlayの設定が完了していれば、Google Homeアプリから簡単にTivoliへ接続できます。

Google HomeでCheomwcastを設定する

  1. Model One Digigitalの電源を入れてWiFiモードにします
  2. "Connecting to WiFi" が表示されたら設定開始です
  3. Google Home 右上の「+」ボタンから「デバイス追加」を選ぶとAirPlayで設定した同じWiFi上のTivoliを見つけてくれます
  4. デバイス名を付ければ完了です
Google HomeでChromecastを設定する

Chromecastの設定が終了したら、TuneInアプリからChromecastを選択してTivoli Audioに接続します。

ChromecastでTivoli Audio Model One Digital Gen.2に繋げる

Gen.2では、残念ながらTuneInはプリセットできませんが、一度スマホのTuneInアプリから接続すれば、そのラジオ局を聴いている限りはスマホは不要となります。

TuneInに接続中のTivoli Audio Model One Digital Gen.2

画面には、曲名とラジオ局(Love Songs Cafe)が表示されます。

Model One Digital Gen.2でTuneInをAirPlayとChromecastで接続して、再生をした場合の違いをまとめました。

− AirPlay と Chromecast の違い (TuneIn) −
項目 AirPlay Chromecast
必要アプリ なし Google Home
再生主体 iPhone Model One Digital
通信内容 音声データ 再生データ(URLなど)
音量調整 iPhone本体, Tivoli本体 Google Home, Tivoli本体
アプリ終了 停止 継続
スマホ依存 再生中は常時 再生開始時のみ

TuneInで聴きはじめるときにはスマホが必要ですが、「1.FM Adore Jazz」や「Love Songs Cafe」をずっとかけっぱなしにしてBGMとして使うのであれば、相性のよい使い方だと思います。

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