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Post Date:2026年8月29日 

JoWo OmniFlex を WANCHER に装着 ─ FPR Ultra Flex と比べて分かったこと

JoWo #6 Omniflex with WANCHER

FPR Ultra Flex でステンレス製フレックスニブの面白さを知り、勢い余って JoWo #6 OmniFlex ニブを搭載した Monteverde OmniFlex を購入しました。

Amazon US から発送で、商品到着まではおよそ2週間。届いたペン先を WANCHER の万年筆に装着してみました。

最初に感じたのは FPR Ultra Flex とは少し違う「軟らかさ」です。ところが、筆圧をかけたときのペン先の開き方を比べてみると、より大きく開くのは FPR Ultra Flex でした。

同じステンレス製のフレックスニブでも、形状も書き味も、線幅変化の出方もかなり違います。今回は JoWo #6 OmniFlex と FPR Ultra Flex の書き味や、ペン先の開き方の違いなどを比べてみます。


フレックスニブとは

フレックスニブとは、筆圧をかけたときにペン先がしなり、左右のタインが開いて切り割り(スリット)の幅が広がることで、線幅に変化をつけられるペン先です。

筆圧をかけずに書けば細い線になり、少し力を加えると太い線になります。文字に強弱や抑揚をつけられるのが、フレックスニブの大きな特徴です。

一般的な万年筆のペン先にも多少のしなりはありますが、フレックスニブは線幅の変化を出しやすいように設計されています。ただし、ここで注意したいのは、「ペン先が軟らかいこと」と「スリットが大きく開くこと」は別の性質だという点です。

たとえば、セーラー万年筆の21Kペン先では、筆圧をかけるとペン先そのものが撓むことで、切り割りの開きを最小限に抑えながら筆圧を受け止める構造になっていると説明されています。

つまり、ペン先が軟らかく感じられるからといって、必ずしも線幅が大きく変化するわけではありません。反対に、切り割りが大きく開くペン先でも、書き味としては硬めに感じる場合があります。

パイロット、プラチナ、セーラーといった国産万年筆メーカーには、「フレックスニブ」という名称のニブはありません。ただし、PILOTのフォルカン、いわゆるFAニブは、筆圧に応じてペン先がしなり、切り割りも開くことで線幅に強弱をつけられるため、フレックスニブに近い性格のニブといえます。


JoWo #6 OmniFlex はかなり独特な形をしている

JoWo #6 OmniFlex の第一印象は、ペン先の大きさと独特な形状です。

#6サイズだけあってペン先そのものが大きく、左右の肩には深い切り欠きが入っています。一般的な万年筆のペン先とはシルエットがかなり異なり、正面から見ると左右に角が生えたようにも見えます。

JoWo #6 OmniFlex のペン先

どこか悪魔っぽく見えるのも、この左右対称の大きな切り欠きと、中央へ向かって細く伸びるペン先の形によるものかもしれません。

裏側から見ると、ペン芯に対してニブが大きく張り出していることもよく分かります。

JoWo #6 OmniFlex のペン芯

FPR Ultra Flex も、フレックスさせるために特徴的な形状をしています。しかし JoWo OmniFlex は、それとはまた違った形状で柔軟性を持たせています。特に肩の部分に入った大胆な切り込みは、見た目だけでも「普通のニブとは違う」と感じさせます。

ただし、特徴的な形をしているからといって、FPR Ultra Flex より大きく開くわけではありませんでした。その違いは、後ほど実際に書き比べながら見ていきます。


JoWo OmniFlexをWANCHERに装着する

Monteverde OmniFlex は、ニブとペン芯、そしてそれらを固定するハウジングがひとつのユニットになっています。

JoWo #6 OmniFlex ユニット分解

ただし、Monteverde 側のハウジングをそのまま WANCHER の万年筆に取り付けることはできません。そのため、Monteverde OmniFlex のニブとペン芯をハウジングから引き抜き、WANCHER 側のハウジングに組み替えて使います。

ハウジングとは、ニブとペン芯を外側からまとめて固定している筒状の樹脂パーツです。外側にはネジ山があり、首軸の内側にねじ込むことで、ニブとペン芯を万年筆本体に固定する役割を持っています。

Monteverde 側のハウジングからニブとペン芯を引き抜いたら、それぞれの位置を合わせながら WANCHER 側のハウジングに差し込みます。特に、ニブの切り割りがペン芯の中心とずれていないかを確認しながら、位置を整えていきます。


FPR Ultra Flex と比べるとニブサイズはかなり違う

WANCHER に装着した JoWo #6 OmniFlex と FPR Ultra Flex を並べてみると、まず目につくのがニブサイズの違いです。

FPR Ultra Flex と JoWo #6 OmniFlex

JoWo #6 OmniFlex のほうが全体にひとまわり大きく、肩からペン先までの距離も長く見えます。左右の切り欠きも深く、ニブ全体が横方向に大きく張り出したような形をしています。

一方の FPR Ultra Flex は、JoWo #6 OmniFlex と比べると細身で、ニブ全体もコンパクトです。しかし、筆圧をかけたときには切り割りが大きく開き、線幅の変化も FPR Ultra Flex のほうが大きくなります。

実際に筆圧をかけて線を書いてみると、その違いははっきり出ます。左の FPR Ultra Flex と右の JoWo OmniFlex では、線幅にかなりの違いがあります。感覚的には、FPR Ultra Flex は細字(EF)から太字(B)、JoWo OmniFlex は細字(F)から中字(M)までの線幅変化です。

FPR UltraFlexとJoWo #6 OmniFlexの線幅の違い

※ FPR Ultraflex のニブには1.1 EFという刻印があり、1.1mmから Extra Fine までの線幅を表しているのかもしれません。

ニブサイズの大きさや見た目の迫力と、実際にどれだけ切り割りが開くかは別でした、、。


JoWo OmniFlex は FPR Ultra Flex より軟らかく感じる

ペン先が紙にあたるタッチは、JoWo OmniFlex のほうが FPR Ultra Flex よりも軟らかく感じられます。FPR Ultra Flex はややカリカリとした硬質な書き味ですが、JoWo OmniFlex はインクフローもよく、スラスラと滑るように書けます。

筆圧をかけずに書いている範囲では大きな字幅変化はなく、むしろソフトニブに近い、滑らかな書き味です。

JoWo #6 OmniFlexで少し筆圧をかけて書く

切り割りの開き方だけを見れば、FPR Ultra Flex のほうが大きく開き、線幅の変化も大きくなります。一方で、普通に文字を書いたときの「軟らかさ」は、JoWo OmniFlex のほうが強く感じられました。

ここでも、「大きく開くこと」と「軟らかい書き味」は、やはり別の性質だということが分かります。


まとめると、FPR と JoWo は性格がかなり違う

FPR Ultra Flex と JoWo OmniFlex は、同じステンレス製フレックスニブでも性格がかなり違います。

FPR Ultra Flex は、筆圧をかけたときに切り割りが大きく開き、線幅の変化をしっかり出せるニブです。細い線から太い線まで変化をつけやすく、フレックスニブらしい使い方を楽しめます。

一方の JoWo OmniFlex は、FPR Ultra Flex ほど大きく開くわけではありません。しかし、紙当たりは軟らかく、インクフローもよく、通常筆記ではスラスラと滑るように書けます。

大きな線幅変化を楽しみたいなら FPR Ultra Flex、普段使いの書きやすさや滑らかさを重視するなら JoWo OmniFlex、という違いが見えてきます。

どちらが優れているというより、フレックスニブとしての性格が異なると考えたほうがしっくりきます。


ステンレス製フレックスニブは設計でここまで変わる

今回 JoWo OmniFlex と FPR Ultra Flex を比べてみて興味深かったのは、同じステンレス製でも、ニブの形状によって書き味が大きく変わることです。

JoWo OmniFlex は、大きな #6 ニブの肩に深い切り欠きが入った独特な形状です。一方の FPR Ultra Flex は、より細身のニブながら、筆圧をかけると切り割りが大きく開きます。

つまり、フレックスニブの性格を決めているのは、素材の軟らかさだけではありません。ニブの長さや幅、厚み、切り割りの長さ、肩の形状など、さまざまな要素が組み合わさっています。

ステンレスは金に比べて硬い素材ですが、形状や設計によって、ここまで異なる書き味や線幅変化を生み出せるところに、ステンレス製フレックスニブの面白さがあります。

Post Date:2026年8月11日 

ステンレスフレックスニブの実力 ── FPR Ultra Flexが生み出す線の表情とは

FPR Ambassador Ultra Flex

ソフトニブとフレックスニブの違いについては「ソフトニブとフレックスニブの違い ── そしてステンレスソフトニブの実力」で書きました。

ソフトニブ(Soft Nib)は、筆圧に対する弾力があり、書き味が柔らかいニブを指します。

一方、フレックスニブ(Flex Nib)は、ペン先がしなって左右に開き、線幅に変化をつけることを目的としたニブです。

- ソフトニブとフレックスニブの違い -
ソフトニブ フレックスニブ
主な目的書き味の柔らかさ線幅変化
しなり適度非常に大きい
線幅変化少ない大きい
筆圧軽くても心地よいコントロールが必要

日本の万年筆メーカーでは、PILOTのフォルカン(FA)が、フレックスニブに最も近い存在です。Custom 743 FA は、軽く筆圧を変えるだけで線幅に変化が生まれ、味わいのある字を書くことができます。

PILOTのフォルカンのようにペン先がしなり、先端が開いて線幅が変わるのは、金ペンだからこそ実現できるものだと思っていました。

しかし調べてみると、ニブの形状や設計を工夫することで、ステンレス製でも優れたフレックスニブが作られていることを知りました。

JoWoにもステンレス製のフレックスニブがありますが、探していたときには入手できませんでした。そこで購入したのが、FPR (Fountain Pen Revolution) の Ultra Flex ニブです。

FPRはアメリカの万年筆ブランドですが、「インド製万年筆を世界へ」という理念のもと、インドのメーカーと協力して万年筆やニブを販売しています。


ステンレスフレックスニブの比較

Amazonでステンレス製フレックスニブを探してみました。以前はなかった中華万年筆などのフレックスニブも見つかりました。

- ステンレス フレックス ニブの比較 -
ニブスリット*1肩の形状ブリーザーホール*2設計の特徴
FPR Ultra Flex非常に長い細く絞り込むなし長いスリットと細いタイン*3で最大の線幅変化を狙う
Noodler's Flex非常に長いやや細く絞る非常に小さいシンプルな構造でタイン*3全体をしならせる
Monteverde OmniFlexやや長い左右に開口部丸穴JoWo #6 OmniFlex。(ニブ単体販売)左右の開口部が特徴
Conklin Flexやや長い左右に開口部ハート現行はJoWo #6 OmniFlex(Amazon掲載写真は初代ニブ)
Majohn Flex非常に長いやや細く絞る三日月形長いスリットと大型ブリーザーホールで柔軟性を確保

*1 スリット(Slit) とは、ペン先の中央に刻まれた細い切り割(切れ込み)のことです。筆圧をかけると、このスリットを挟んだ左右のタインが開き、インクの流れる量が増えることで線幅が太くなります。

*2 ブリーザーホール(Breather Hole) とは、ペン先のスリット終端付近に設けられた穴のことです。丸形やハート形、三日月形などメーカーによって形状はさまざまですが、現在ではインクや空気の通り道というよりも、筆圧によってスリット終端に集中する応力を分散し、ひび割れを防ぐ役割が重要と考えられています。

*3 タイン(Tine) とは、ペン先の中央にあるスリットによって左右に分かれた2本の先端部分のことです。筆圧をかけると左右のタインが開き、その隙間が広がることでインクの流れる量が増え、線幅が太くなります。


FPR Ultra Flex

FPR Ultra Flex(ウルトラフレックス)の最大の特徴は、非常に長いスリットと細く絞り込まれた肩です。一般的なニブよりもスリットを大きく延長することで、左右のタイン全体が長い板バネのようにしなりやすい構造になっています。

さらに、肩から先端にかけて細く絞り込まれた形状により、タインの剛性を低減。少ない筆圧でもペン先が大きく開き、現行のステンレス製フレックスニブの中でもトップクラスの線幅の変化を実現しています。

また、このニブには一般的なブリーザーホールがありません。 代わりにスリットをそのまま延長したシンプルな構造です。スリットを長く取ることで、タイン全体が大きくしなる構造になっています。

肩から先端に向かって複雑な肉抜き加工を施すことなく、「長いスリット」「細いタイン」「細く絞り込まれた肩」という3つの要素で柔軟性を実現しています。シンプルで合理的な設計が特徴です。

FPR Ambassador Ultra Flex nib

こちらは Amazon US商品なので米国発送となります。


Noodler's Flex

Noodler's(ヌードラーズ)の特徴は、根元近くまで伸びた長いスリットの先に小さなブリーザーホールがあることです。左右のタインを長くすることで、ペン先全体がしなりやすい構造にしています。

肩の絞り込みは控えめです。タインにも適度な幅が残されているため、剛性とのバランスを保ちながら柔軟性を確保しています。

非常に小さなブリーザーホールと長いスリットを採用し、タイン全体が板バネのようにしなる構造になっています。複雑な加工を行わず、スリットの長さとニブ形状だけで柔軟性を実現する、非常にシンプルなアプローチが特徴です。

そのため、極端な線幅の変化を狙うというよりは、適度な弾力を持たせたフレックスニブを目指した設計と考えられます。

Noodler's #6 Steel Nib - Flex

こちらは Amazon US商品なので米国発送となります。


Monteverde OmniFlex

Monteverde OmniFlex(モンテベルデ・オムニフレックス)は、ドイツの JoWo社製「#6 OmniFlex」 ニブです。JoWoは世界有数の万年筆ニブメーカーであり、自社ブランドだけでなく、多くの万年筆メーカーへOEM供給を行っています。

最大の特徴は、ブリーザーホールの左右に設けられた大きな開口部です。FPR Ultra Flex やNoodler's Flex のようにスリットを極端に長くしたり、肩を細く絞り込んだりするのではなく、この開口部によって肩の剛性を下げ、ペン先がしなりやすくなるよう設計されています。

スリットは一般的な長さに抑えられ、タインにも十分な幅が残されています。そのため、ペン先全体を大きくしならせるというよりも、左右の開口部によって肩の周辺をたわみやすくする設計です。

Monteverde OmniFlex nib

こちらは 交換用ニブとして販売されており、Amazon US商品なので米国発送となります。


Conklin Duragraph

Conklin公式サイトでは、フレックスニブを搭載した万年筆や交換用ニブは 「JoWo製 #6 OmniFlex」 と案内されています。しかし、Amazonに掲載されている Conklin Duragraph(コンクリン・デュラグラフ) の写真は、現行のJoWo OmniFlexとは異なる形状です。

Original non-JoWo OmniFlex nib

このニブについて調べてみると、Goulet「JoWo OmniFlex Nib Introduction」に JoWo製へ移行する前の Original non-JoWo OmniFlex nib が掲載されていました。この記事は2020年10月に公開されていることから、Conklin OmniFlexニブは、その後 JoWo製へ移行したものと思われます。

Amazonで購入する場合は、旧型フレックスニブが届くのか、それともJoWo製OmniFlexニブが届くのかが分かりません。購入前に販売元へ確認することをおすすめします。


Majohn Flex

Majohn(マジョーン)のフレックスニブの特徴は、長いスリットと三日月形のブリーザーホールです。一般的なニブよりも長いスリットを採用することで、左右のタインがしなりやすい構造となっています。

三日月形のブリーザーホールは、一般的な丸穴よりも開口部が大きく、スリット終端部の応力を分散しながら、長いスリットと組み合わせて柔軟性を確保しています。またスリットはブリーザーホールの先にも続いています。

三日月形の大型ブリーザーホールと長いスリットを活かしながら、柔軟性と扱いやすさのバランスを重視した設計と言えるでしょう。

Majohn Flex nib

こちらの商品は中国からの発送となります。

中華万年筆は、商品写真と異なるニブが届くこともあるため注意が必要です。ただし、Amazonで購入した場合は、商品説明と異なるものが届けば返品・返金の対象になります。


FPR Ultra Flex を選んだ理由

購入当時に入手可能だったステンレス製フレックスニブは、Noodler's Flex と FPR Ultra Flex の2種類でした。

どちらも非常に長いスリットを採用していますが、FPR Ultra Flex は肩の絞り込みがより大きく、タインも細く設計されています。 そのため、より大きな線幅の変化が期待できると考え、FPR Ultra Flex を選びました。

ちなみに、FPR も Noodler's も 「出荷元 / 販売元 Amazon US」となっている Amazon.com の商品です。『配送料・手数料』という欄がありますが、『国際送料無料』としてマイナスされており、アメリカからの配送にもかかわらず送料はかかりませんでした。

FPR Ambassador Black + Steel EF Ultra Flex の価格は、米国公式サイトでは62ドルです。Amazon.co.jp では、執筆時点で1万円前後で販売されています。

商品到着までは2週間ほどかかりました。海外発送なので時間はかかりますが、中華万年筆の購入経験から待ち時間には慣れています。

高級万年筆ではないため、化粧箱も非常にシンプルです。

FPR Ambassador Ultra Flex の化粧箱は簡素

インクカートリッジ2本とコンバーターが付属しています。インクカートリッジは、国際標準規格(Standard International)に対応しているので日本での入手も容易です。

FPR Ambassador Ultra Flex セット内容

キャップの天冠(キャップ上部)には、FPRの万年筆をモチーフにしたロゴがあしらわれています。

FPR Ambassador Ultra Flex 天冠のロゴ

FPR Ultra Flexの実力

ニブには「FPR Flex EF」と刻印されています。事前に写真で確認していたとおり、非常に長いスリットと細く絞り込まれた肩が特徴です。

FPR Ambassador Ultra Flexニブ

また、ニブの側面が大きくえぐられたようなデザインになっていて、裏側から見ると、魚のエラが張ったようにも見える独特な形状です。

FPR Ambassador Ultra Flex nib 裏側

ニブサイズは、PILOTの5号ニブ(Custom 74など)とほぼ同じ大きさです。

Custom 67 と FPR Ambassador Ultra Flex

筆圧を加えて書くと、ペンの先端がたわんでスリットが開き、線幅が太くなります。

FPR Ambassador Ultra Flex の書き味

書き味は、柔らかいというよりも、ペン先の先端に近い部分が「ぐにっ」と曲がるような感覚です。筆圧をコントロールすることで線幅に変化をつけられますが、CUSTOM 743 FAのように自然に変化するというより、自分で意識してペン先を開かせる必要があります。そのため、金ペンのしなやかな弾性とは異なる、加工によって柔軟性を持たせたステンレスフレックスニブらしい書き味だと感じました。

それでも、この価格でここまでの線幅の変化を楽しめるのは大きな魅力です。

FPR Ambassador Ultra Flex で書いた文字

金ペンの価格が毎年のように上がり、気軽に何本も揃えられる時代ではなくなりました。

PILOTも2026年7月の価格改定で、Custom 74が44,000円、Custom Heritage 912は49,500円となりました。もはや「エントリークラスの金ペン」といえる存在ではなくなってしまったように感じます。

だからこそ、ステンレスニブには、素材ではなく設計や加工の工夫で新しい書き味を追求してほしいと思います。

FPR Ultra Flexは、その可能性を十分に感じさせてくれる一本でした。


また物欲の神が降臨

ブログを書くためにステンレスフレックスニブについて調べているうちに、Monteverde OmniFlex が気になる存在になってしまいました。

Wancherで購入した JoWo #6 ステンレスソフトニブ は、価格を考えると非常に完成度が高く、「ステンレスニブもここまで書き味を追求できるのか」と感心させられました。

同じJoWo製の OmniFlex はどんな書き味なのか試してみたくなります。

……気が付いたら、ポチってました。

届いたら、FPR Ultra FlexJoWo OmniFlex の書き味や設計の違いについて書いてみたいと思います。

ステンレスフレックスニブの世界は、思っていた以上に奥が深いようです。

Post Date:2026年8月6日 

大きな画面に惹かれて買ったKindle Scribe。でも本当の価値は、読むことの先にあった。

Kindle Scribe

2023年に購入した Kindle Paperwhite(第11世代)は、読書に欠かせない存在です。軽くて持ちやすく、防水性能もあり、テキスト中心の読書にはほとんど不満がありません。

ただ、雑誌や漫画など固定レイアウトのコンテンツでは、視力の変化もあってか、文字が小さく感じることが増えました。ピンチアウトで拡大し、画面を動かしながら読むのは煩わしく、「もっと大きな画面で快適に読みたい」と思うようになりました。

そこで購入したのが、2024年モデルの10.2インチ Kindle Scribeでした。

目的はシンプルで、「大きな画面で、もっと楽に読むこと」。実際、その期待は裏切られませんでした。雑誌も漫画も、Paperwhiteよりずっと読みやすい。

しかし、Kindle Scribe を使っているうちに気づいたのは、画面の大きさだけでは語れない、本当の価値でした。

それは次第に、「読む道具」から「思考する道具」へと変わっていったのです。


大きいことは正義だった

Kindle Scribe を使って最初に感じたのは、「画面が大きいだけで、ここまで読みやすくなるのか」ということでした。

Kindle Scribe(2024モデル 10.2インチ)の表示領域は、縦約20.7cm、横約15.5cmです。縦向きで読むとA5判に近いサイズ感で、文庫や新書はもちろん、B6判の本よりもゆったり表示できます。

特に変化を感じたのは漫画です。Paperwhiteでは、吹き出しの文字が小さいと拡大することがありましたが、Scribeではほとんどその必要がありません。ページを開いて、そのまま読む。たったそれだけのことが、思っていた以上に快適でした。また絵の細かい部分まで楽しむことができます。

一方で、雑誌はさすがに紙と同じとはいきません。細かな文字は、Scribeでも拡大が必要です。それでもPaperwhiteと比べれば格段に読みやすく、ピンチアウトや画面を動かす操作は大幅に減りました。

ビジネス書や技術書でも、大画面の恩恵ははっきりあります。図表やスクリーンショットが見やすくなり、内容を追いやすくなりました。単に文字が大きく見えるだけではありません。ページ全体を俯瞰しながら読めることで、構成や流れもつかみやすくなります。

購入前は「大きな画面があれば、もっと快適に読めるだろう」と考えていました。そして、その期待は間違っていませんでした。

大きいことは、やはり正義でした。

Kindleシリーズは世代を重ねるごとに画面サイズが大きくなってきましたが、その流れを大きく変えたのがKindle Scribeです。

− Kindleシリーズのスクリーンサイズ −
Kindleシリーズ スクリーン 保有
Kindle Paperwhite
(第11世代)
6.8インチ 約13.8cm 約10.4cm 保有
Kindle Paperwhite
(第12世代)
7インチ約14.2cm約10.7cm-
Kindle Scribe
(2024モデル)
10.2インチ約20.7cm約15.5cm保有
Kindle Scribe
(2026モデル)
11インチ約22.3cm約16.7cm-

実際に比べてみるとその差は数字以上に大きく感じられます。

Kindle Scribe と Kindle Paperwhite

Kindle Scribeは「思考する道具」だった

大画面は、たしかに読書体験を大きく変えてくれました。けれど実は、この画面サイズが本当に生きてくる場面は、読んでいるときだけではありませんでした。

Kindle Scribeは、付属のプレミアムペンを使って、本を読みながらその場で手書きのメモを書き込めます。この Active Canvas が、Kindle Scribeを「思考する道具」へと変えてくれました。

Active Canvas とは、電子書籍を読みながら、ページ上に手書きでメモを書き込める機能です。紙の本でも直接書き込む勇気はなかったので、本を読んでいるときに何か思いついたときは、ジョッターメモなどに書いていましたが、本とメモが別々でした。

Kindle Scribeでは、書籍の形式に応じて書き込み方法が変わります。リフロー型の書籍では、気になった一文に線を引き、その横へ手書きのメモを追加すると、本文のレイアウトが自動で調整されます。一方、PDFや譜面・図などの画像部分には、そのまま直接書き込むことができます。

『ブランドで読む 万年筆史: 名品と売場からたどる万年筆文化史 ひと味違う大人のための教養』

読んだ内容と、そのとき考えたことが同じ場所に残るので、あとから見返したときも「なぜそう考えたのか」を振り返りやすくなります。これは紙の本にはない、デジタルならではの良さだと感じています。

Active Canvasは、基本的に横書きのリフロー型書籍に対応しています。ただし、すべての本で同じように使えるわけではありません。

本によっては、ページ上に直接書き込むことはできず、ハイライトやメモアイコンに紐づく手書きメモしか追加できないものもあります。

大きな画面は、読むためだけではありませんでした。考えるための余白であり、思いついたことを書き留めるのにもちょうどよいサイズだったのです。

Kindle Scribeは、「読むこと」と「考えること」の境界をなくしてくれます。


行書やベースの練習にも活用できる

Kindle Scribeの手書き機能は、読書だけでなく、手を動かしながら学ぶ場面でも活躍しています。行書やベースの練習でも、その便利さを実感しました。

手書きには、大きく分けて2つの使い方があります。

1つは、電子書籍やPDFに直接書き込む方法です。ページの余白や図の近くに気づいたことを書き込めるので、紙の教則本に書き込むような感覚で使えます。

もう1つは、手書きメモを使う方法です。直接書き込めない書籍でも、ページの上か下にメモ欄を開いて、文字や図を書けるので、練習ノートとして活用できます。

例えば、行書の練習です。

この本は、お手本をなぞったり、その隣に「くずし方」や「つなげ方」を真似しながら書き込んだりできます。紙の教則本で練習しているような感覚ですが、何度でも書き直せるので、練習という点では紙の本より便利です。

『いつのまにか字が上手くなる本』

『きれいな字を速く書く技術』はページへ直接書き込めないため、手書きメモを使って練習しています。メモ欄はページの上または下に配置できるので、お手本を見ながら繰り返し練習できます。

『きれいな字を速く書く技術』

一度閉じたメモはメモマークをペンでタップすると開きます。

『きれいな字を速く書く技術』

ベースの練習でも同じです。

ウォーキングベースの教則本を読みながら、音の構成を譜面へ直接書き込んで確認しています。あとから見返したときにも、そのとき何を考え、どのように理解したのかが一目で分かります。

『101 Walking Jazz Bass Lines』

付属のプレミアムペンは充電不要で、必要なときにすぐ書き始められます。ガラスの上を滑るような書き味ではなく、適度な抵抗感があるため、文字も書きやすく感じました。

Kindle Scribeは、読書端末というだけでなく、学びを書き留めるノートとしても活躍しています。


使ってみて気づいた細かな使いやすさ

実際に使い始めてから、「これは便利だな」と感じたことが2つあります。

1つ目は、電源ボタンの位置です。

これまでのKindleシリーズでは本体の下側にありましたが、Kindle Scribeでは側面に配置されています。そのため、机やテーブルの上に置いて読んでいるときに、誤って電源ボタンを押してしまうことがなくなりました。

もう1つは、画面が自動で上下反転することです。

Kindle Scribeは左手で持つことを前提に、左側のベゼルが広くなっています。しかし、本体を上下逆に持つと画面も自動で上下反転するため、右手でも左手でも持ちやすいよう配慮されています。

どちらも派手な機能ではありませんが、毎日使っていると、その使いやすさを実感しました。


Kindle Scribe を買っても、Paperwhiteは手放せなかった

バスタイムの読書や、電車で片手に持って読む。そういう場面では、今でもKindle Paperwhiteに手が伸びます。

軽く、防水性能があり、鞄にも気軽に入れて持ち歩けます。Scribeを購入した今でも、Paperwhiteの居場所はなくなりませんでした。

一方、Scribeの居場所は自宅です。雑誌を読む。漫画を読む。読みながら気づいたことをActive Canvasへ書き込む。そうした「じっくり向き合う読書」は、大きな画面と手書きの余白があるScribeの得意分野です。

自宅から持ち出すのは、喫茶店などでゆっくり本を読みたいときくらいです。

Scribeを購入する前は、「これ一台で十分だろう」と思っていました。しかし実際には役割がきれいに分かれ、今ではどちらも手放せない存在になっています。


現在販売されているのは2026年モデル

使用しているのは2024年モデルの64GBですが、現在販売されているのは2026年モデルです。

2026年モデルでは、画面サイズが11インチへ拡大され、本体は約33g軽く、約0.3mm薄くなりました。さらに、ページめくりやペン入力も高速化されています。

一方、2026年モデルには16GBモデルもありますが、容量が少なく、フロントライトも搭載していません。暗い場所での読書には不便なため、就寝前の読書を考えているのであれば、おすすめしません。


純正カバーは必要?

Kindle Scribeには純正の折りたたみレザーカバーがありますが、価格は決して安くありません。

Scribeは基本的に自宅で使っており、外へ持ち出すのは喫茶店などでゆっくり読書をするときくらいです。そのため、高価な純正カバーは必要ないと考えました。

代わりに選んだのは、サードパーティ製の保護ケースです。ペンを収納できるホルダーも付いており、本体をしっかり保護できます。

Kindle Scribe 用 ケース【NOUKAJU】

質感も十分で、普段使いで不満を感じることはありません。純正にこだわらなければ、このくらいのケースで十分だと感じています。


まとめ

Kindle Scribe を購入したきっかけは、大きな画面でした。雑誌や漫画をもっと快適に読みたい。それが一番の目的です。

実際に使ってみると、大画面の読みやすさは期待以上でした。漫画はほとんど拡大せずに読めるようになり、技術書や図表も見やすくなりました。

しかし、使い続けるうちに、それ以上の価値に気づきました。

Active Canvasで本にメモを書き込みながら考えを整理し、行書やベースの練習にも手書きを活用するようになりました。

Kindle Scribe は、単なる電子書籍リーダーではなく、「読むこと」と「考えること」を自然につないでくれる道具になりました。

一方で、Paperwhiteを使わなくなったわけではありません。お風呂や電車ではPaperwhite、自宅でじっくり読むときはScribeというように、それぞれに役割があります。

もし、大きな画面を理由にKindle Scribeが気になっているのであれば、その期待はきっと裏切られません。そして実際に使い始めると、それ以上の価値が見つかるかもしれません。

大きな画面に惹かれて購入したKindle Scribeでしたが、本当に価値を感じたのは、その先にありました。

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