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Post Date:2026年4月17日 

定山渓で出会った、空間に溶け込む音

翠山亭倶楽部定山渓のゲストラウンジに設置されているTANNOY

翠山亭倶楽部定山渓(すいざんてい くらぶ じょうざんけい)に宿泊したとき、バーラウンジに流れていたジャズの音に思わず足を止めました。

翠山亭倶楽部定山渓(すいざんていくらぶじょうざんけい)

客室にはTivoli Audioのスピーカーが備え付けられており、滞在中も心地よい音に包まれて過ごすことができます。ゲストラウンジのバータイムには、TANNOYのスピーカーから流れるジャズが空間に静かに溶け込み、特別な時間を演出してくれます。

ブックシェルフに囲まれたラウンジのカウンター奥に、 TANNOY のスピーカーが凛とした姿で佇んでいました。

翠山亭倶楽部定山渓 ゲストラウンジ

ANNOYはクラシックを聴くためのスピーカーという固定観念がありましたが、その音はジャズでも心地よく空間に響いていました。トランペットの音色は主張することなく、その場の空間に静かに滲んでいきます。

翠山亭倶楽部定山渓 ゲストラウンジにあるTANNOY

音が良い、というよりも、空間に自然に溶け込んでいる。主張することなく、しかし確かにそこにある。そんな音のある空間でした。

バーテンダーのN氏によると、音量を上げれば低音の響きをより感じることもできるそうですが、静かな空間での会話を邪魔しない、その染み渡るような音の広がり方がとても印象的でした。


客室で再び出会った「邪魔にならない音」

客室には Tivoli Audio Model One Digital が置かれていました。

翠山亭倶楽部定山渓 客室にある Tivoli Audio Model One Digital

かつて、SoundLink Revolve に惹かれたのも、旅館の客室に設置されていたものを使ったことがきっかけでした。日常から離れた素敵な部屋で聴く落ち着いた音楽は、いつもよりも魅力的に感じられます。

翠山亭倶楽部定山渓(すいざんていくらぶじょうざんけい)

客室にはTivoli Audioのスピーカーが備え付けられており、滞在中も心地よい音に包まれて過ごすことができます。ゲストラウンジのバータイムには、TANNOYのスピーカーから流れるジャズが空間に静かに溶け込み、特別な時間を演出してくれます。

少し前にKITTEのアンジェ ビュロー(ANGERS bureau))で Tivoli Audio Model One BT を見かけて物欲が再燃していたこともあり、Model One Digital Gen.2 の奏でる音を試してみることにしました。

バーラウンジの余韻が残っていたこともあり、流したのは Scott LaFaro のベースが際立つ「Alice in Wonderland」。粒立ちのよいベースのフレーズが静かに身体に馴染んでいきます。

驚いたのは、この小さな木製キャビネットのスピーカーが、先ほどのTANNOYで感じた感覚と、どこか通じるものを持っていたことです。

ウッドベースの音は輪郭が立ちすぎず、それでいて埋もれることもない。音の立ち上がりと消え際が滑らかで、フレーズの流れが自然に感じられます。

だいぶ前の記憶なので正確ではないかもしれませんが、Model One BTにはどこかラジオのような懐かしさがありました。だからこそ「いいな」と感じたのだと思います。一方で、今回聴いたModel One Digital Gen.2は、音の輪郭や粒立ちが少し整い、より洗練された印象を受けました。


「邪魔にならない音」とは何か

今回、TANNOY と Tivoli Audio に共通して感じたのは、“邪魔にならない心地よさ”でした。それは単に音量が小さいということではありません。

  • 必要以上に自己主張しない
  • 音が前に出てこない
  • 空間に自然に馴染む

つまり、音が“聴く対象”ではなく、“そこにあるもの”として存在している状態です。そのため、長くその空間にいても、耳が疲れることがありません。


“聴かせる音”と“溶け込む音”の違い

Tivoliの音は、“音のある世界”と“音のない世界”の境界を曖昧にします。普段はAmazon Echo Studioのステレオ構成にEcho Sub(サブウーファー)を組み合わせて音楽を聴いていますが、これはこれで素晴らしい音楽体験が得られます。

Echo Studioで再生される音楽は、きれいに整えられた輪郭を持ち、トランジェント(音の立ち上がり)もやや際立っています。音は立体的に広がり、その存在を明確に感じさせます。さらにサブウーファーによって低音が加わり、全身を包み込むように音を“聴かせる”方向のスピーカーです。

この違いは、単なる音質の良し悪しではなく、設計思想の違いによるものだと思います。

Echo Studioは、DSPによって音の輪郭や低音、空間表現を積極的にコントロールし、“音を聴かせる”方向にチューニングされています。一方でTivoliは、フルレンジスピーカーと比較的シンプルな構成により、音を過度に加工せず、そのまま空間に溶け込ませるような鳴り方をします。


Tivoliの出発点はラジオから

Tivoliの出発点はラジオであり、「言葉を正確に伝える」という思想が設計の根底にあります。そのため、音は主張しすぎることなく、気がつけば音楽がそこにあるような自然さを感じさせます。

デジタル音源は、DSP(デジタル信号処理)によって音質が整えられていますが、その補正は過剰ではありません。“作り込まれた音”ではなく、あくまで自然さを損なわない範囲にとどめられています。

また、声がよく聞こえる中域を重視した設計により、ベースは量感で押し出されるのではなく、音の輪郭やフレーズとして自然に浮かび上がります。

Scott LaFaro のような動きのあるベースのフレーズも、美しく表現されます。


フルレンジスピーカーが生む自然なつながり

Tivoli Audio Model One Digital Gen.2は、単一のフルレンジスピーカーで音を再生しています。

翠山亭倶楽部定山渓 客室にある Tivoli Audio Model One Digital

一般的なスピーカーは高音・中音・低音をそれぞれ別のユニットで分担しますが、フルレンジはひとつのユニットですべての帯域を鳴らします。

音の輪郭が過剰に際立つこともなく、音はひとつのまとまりとして空間に広がっていきます。それが、音のつながりの自然さとして感じられます。


Class ABアンプが生む滑らかな音

Tivoli Audio Model One Digital Gen.2 には、Class ABアンプが採用されています。

一般的な小型スピーカーで使われているデジタルアンプ(Class D)は効率に優れていますが、音の輪郭や立ち上がりが強調されやすく、音の存在感がはっきりと感じられます。

一方、Class ABアンプはアナログ的な特性を持ち、歪みが少なく、滑らかで自然な音を再生します。音のエッジが立ちすぎることがなく、やわらかく空間に広がっていきます。長時間聴いていても疲れにくい音です。

− Class AB と Class D の違い −
方式 音の傾向 歪み 効率 発熱 特徴
Class AB 滑らかで自然 少ない 中程度 中程度 切り替え時の歪みを抑えた設計
Class D 輪郭がはっきり・クリア 少ない 非常に高い 非常に小さい 小型・高出力・高効率

Model One BT と Digital Gen.2、どちらを選ぶか

ここまで書いてきたように、Tivoliの音の魅力は「主張しない自然さ」にあります。では、その音を楽しむうえで、Model One BT と Digital Gen.2 のどちらを選ぶべきかが悩みどころです。

比較のポイントは大きく3つあります。「音の方向性」「接続方法」「価格」です。

まず音の方向性ですが、アナログに強くこだわるのであれば BT だと思いますが、Digital Gen.2 は、DSPによって整えられた、より安定した音になります。

次に接続方法です。BT は、Bluetooth接続のため音声データを圧縮して再生しますが、Digital Gen.2は、AirPlayやChromecastに対応しており、より情報量を保ったまま再生できます。

そして価格。Model One BT は 37,400円(税込)、Model One Digital Gen.2 は 62,700円(税込)と、価格差も小さくありません。

− Model One BT と Model One Digital Gen.2 の比較 −
項目 Model One BT Model One Digital Gen.2
音の方向性 よりアナログ的 DSPで少し整えられた安定した音
接続方法 Bluetooth(圧縮) AirPlay2 / Google Cast
(高品質伝送), Bluetooth(圧縮)
ラジオ AM / FM / ワイドFM FM / ワイドFM
リモコン なし あり
価格 37,400円(税込) 62,700円(税込)

ラジオは受信環境によっては、うまく受信できないこともありますが、電波で聴く放送は自然で、耳に心地よく届きます。

また、Model One Digital Gen.2はAM放送には対応していませんが、ワイドFMに対応しているため、東京では「TBSラジオ」「文化放送」「ニッポン放送」をワイドFMで聴くことができます。

東京スカイツリーからは、以下のラジオ局が送信されています。

  • J-WAVE:81.3MHz
  • NHK-FM 東京:82.5MHz
  • TBSラジオ(ワイドFM):90.5MHz
  • 文化放送(ワイドFM):91.6MHz
  • ニッポン放送(ワイドFM):93.0MHz

また、東京タワーからは、以下の2局が送信されています。

  • TOKYO FM:80.0MHz
  • interfm :89.7MHz

Moel One Digital Gen.2 なら、スマホはAirPlay2で接続、Amadana CDプレーヤーはBluetoothで接続すればいいのかなあ、、、

嗚呼、物欲の神様…。

Post Date:2026年4月9日 

ページを半分に折る ── トラベラーズノートで思考ログを記録する

TRAVELER'S notebook Brown

使い始めたのは、空港で出会ったトラベラーズノート(茶)でした。

TRAVELER'S notebook 2015年 ワッペン

そのすぐ後に、限定のブルーエディションが発売、、、。

さすがにすぐに買い替える勇気はなく、「ブルーいいな」「欲しいな」と声に出していたら、当時の仕事仲間が誕生日にプレゼントしてくれました。

それ以来、ブルーを中心に10年以上使い続けています。

表紙の革は時間とともに表情が変わり、経年変化を楽しめます。結束バンドやリペアキットでパーツを交換しながら、長く使い続けられる文房具です。

トラベラーズノートは、ページを縦に半分に折り、左にログ、右に思考を書く使い方をしています。

単なるノートではなく、「思考を残すためのログ装置」です。


トラベラーズノートは「ログ」に向いている

トラベラーズノートは自由度の高いノートですが、実際に使い続けていく中で、最も相性が良いと感じたのが「ログ用途」でした。

打ち合わせの内容や会話の断片、ふと浮かんだアイデアなど、その場で消えていく情報をそのまま書き留める。この使い方において、トラベラーズノートは非常に扱いやすいです。

その理由のひとつが、MD用紙と万年筆の相性の良さにあります。

MD用紙の良さを知ったのも、トラベラーズノートのリフィルがきっかけでした。万年筆でもにじみや裏抜けがなく、インクの乗りも自然で、書くこと自体がストレスになりません。

普段は、温かみのあるクリーム色のMDクリームと、ページ数が倍の軽量紙(128ページ)を使っています。軽量紙は、万年筆で書いてもにじみや裏抜けはありませんが、裏の文字は多少透けます。

ただ、実用上は気にならないレベルです。

また、人前で広げても堂々とした風格があるのも、このノートの特徴です。


ページを半分に折る理由

トラベラーズノートをログ装置として使う中で、ログの取り方も試行錯誤を重ねてきました。その中で落ち着いたのが、ページを縦に半分に折って使う方法です。

013 トラベラーズノート リフィル 軽量紙 を縦半分に折る

書ける量が減ることで、要点だけが残る

ページを半分にすると、書ける量は当然少なくなります。トラベラーズノートは1ページを縦に折ると、左右とも実際に書けるのは5cmほどです。

しかしその制約によって、自然と要点だけを書くようになりました。

文章を書こうとせず、その場で必要な情報だけを残す。結果として、ログとして扱いやすい形に整っていきます。


今どこを書いているかが明確になる

新しいページを書き始めるときに半分に折ることで、ノートを開いたときに書き始めるページを容易に見つけることができます。

これは副次的な効果ですが、ノートを開いてすぐに書き始められるため、非常に便利です。

「新しいページに書き始めるときに折る」

たったこれだけで、使い勝手は大きく変わります。


バレットジャーナルもどき

書く領域が限られているため、バレットジャーナルを参考にした記号を使っています。

バレットジャーナルの詳細は「初心者でも簡単!バレットジャーナルの書き方の基本 - KOKUYO」にまとめられていますが、ここでは箇条書きで素早く簡潔に書くための記号だけを取り入れています。

自分なりの記号は以下の通りです。

  • ⬜︎ タスク
  • ☑️ 完了済みのタスク
  • ☆ 重要
  • ⚪︎ イベント
  • ? 疑問
  • ! アイデア
  • → 結論

記号を付けておくと、振り返りの際にタスク化したり、アイデアのキーワードを拾いやすくなります。


ログと考えを分けて書ける

半分に折ることで、自然と左右で役割が分かれます。

  • 左:事実や会話(ログ)
  • 右:気づきや解釈(思考)
 
左(ログ) 右(思考)
・カフェで作業
・大学生がノートで勉強
? 大人はなぜノートを使わない
☆ 思考整理は紙の方がよい
  ⬜︎ 思考整理方法を調べる
  ⬜︎ A5ノートパッドを検討
・ユーザーから「使いづらい」との声 モバイルファーストになっていない
  ⬜︎ インセプションデッキの確認
!新入社員に使ってもらう案

この分離によって、記録と考えが混ざらなくなり、後から読み返したときの解像度が上がります。

ページを半分に折ることで、ノートは単なる記録ではなく、「ログと思考を同時に扱うためのフレーム」に変わります。


ログの取り方のコツ

ページを半分に折ることで書き方の枠はできましたが、実際に使い続ける中で、いくつか意識しているポイントがあります。

特別なルールではありませんが、これらを意識することで、ログとして使いやすくなりました。


① 書き直さない(そのまま残す)

ログは整理しません。

  • 書き直さない
  • きれいにまとめない
  • 消さない

→ 思考の流れを残すことを優先


② 1行で書く

短文でまとめてなるべく1行で書く

  • 1行 = 1情報
  • 長く書かない
  • 改行を多めに使う

→ 後から読み返しやすくなる


③ 記号で軽く分類する

前述したバレットジャーナルを模した記号で分類します。

  • タスク
  • アイデア
  • 疑問

→ 見返したときに拾いやすい


④ 完成させない

ログは、きれいに仕上げることを前提にしていません。

  • 途中で終わってOK
  • ページを使い切らなくてOK

→ 思考の途中をそのまま残します


トラベラーズノートを長く使うためのメンテナンス

トラベラーズノートは構造がシンプルなため、修理やメンテナンスも比較的簡単です。

ゴムが伸びてきたため、リペアキット(009/010)を使って、本体のゴムと金具を交換しました。併せてリフィルノートを束ねる連結バンドも新しいものに交換しました。

リフィルのセット方法は、連結バンドを使ったリフィルのセット方法を参照してください。

TRAVELER'S notebook 連結バンド、リペアキット、クラフトファイル

また、外側に取り付けてポケットとして使えるクラフトファイル(020)も新調。

020 TRAVELER'S notebook クラフトファイル

さらに、羽田空港の文房具店で下敷きを見つけたためこちらも新調し、クリアホルダーも追加しました。

ちなにトラベラーズノートの下敷きですが、ネットでは和気文具のものしか見つかりません。東京駅にある TRAVELER'S FACTORY STATION で訊いたら、3月時点で「今年分はもう売り切れました」と言われました。しかし、たまたま訪れた羽田空港T1の南青山 Shosaikanで見つけ購入。

TRAVELER'S notebook 下敷き クリアホルダー

革製品なので、「ラナパー レザートリートメント」などで、汚れ落としや保護、ツヤ出しといったケアをしながら使っています。

手を入れながら、長く使い続けられるのも、このノートの魅力です。

TRAVERER'S notebookのメンテナンス

トラベラーズノートは「思考のログ装置」になる

トラベラーズノートは、好きなリフィルで自由に使えるノートですが、ページを縦に半分に折り、左にログ、右に思考を書く。

これだけで、記録と考えを同時に扱えるようになります。

書き直さない1行で書く完成させない。 この3つを意識することで、思考の流れをそのまま残せるようになります。

もともとトラベラーズノートは、「旅するように日常を記録する」というコンセプトで作られたノートブックです。TRAVELER’Sも旅行者ではなく、日常を移動しながら記録する人という意味です。

整理されたノートではなく、思考の過程そのものが残るノート。トラベラーズノートは、もともとそういう道具なのかもしれません。

Post Date:2026年4月6日 

「書いて捨てる」から「少し残す」へ ─ Mnemosyne A5ノートパッドという選択

マルマン ニーモシネ ノートパッド&ホルダー<A5> と ノートパッド&カバー<A5>

打ち合わせの内容や日々の気づきはトラベラーズノートにログとして残し、思考の整理や作業中のメモにはペーパージャケット flexでA4のコピー用紙を使ってきました。

「書いては捨てる」その手軽さが、考えを広げるにはちょうどよかったからです。

TRAVELER's notebook と Paper Jacket

しかし、A4サイズのペーパージャケット flexは、手狭な机の上ではやや扱いづらい。さらに、その場で捨ててしまう「思考プロセス」も、本当に全てをすぐに手放してよいのかと考えるようになりました。

サイズだけを考えればA5のペーパージャケット flexが自然な選択です。

ただし、「少し残す」という使い方を前提にすると、まず一時的に保管できるスペースと、思いついた瞬間に書き出せる即時性、さらに思考を広げるための余白が必要になります――その条件を満たすのが、A5ノートパッド+パッドカバーでした。

ところが、いざ探してみると、この選択には驚くほど選択肢がありませんでした。


A5ノートパッドは選択肢が少ない

A5ノートパッドで探してみましたが、候補はそれほど多くありませんでした。Amazonで入手できる主な製品は以下の通りです。

ノートパッドを持ち歩く前提で考えると、カバーの存在も重要になります。そうなると実質的な選択肢は次の3つに絞られます。

  • ロディア No.16 + カバー
  • ニーモシネ ノートパッド&ホルダー <A5>
  • ニーモシネ ノートパッド&カバー <A5>

ロディアは専用カバー以外にも対応するカバーが多く、選択肢は比較的豊富です。ただ、紙の表面が非常に滑らかで書き心地は悪くないものの、インクフローのよい万年筆では乾きが遅く、手を置いたときにインクが付いてしまうことがありました。

一方で、ニーモシネは「万年筆でもにじみにくく、裏抜けしにくいマルマン社独自の高品質な国産筆記用紙を使用」と謳われていますが、実際に使った経験はまだありません。

また、ニーモシネのホルダーはPP(ポリプロピレン)、カバーはPVC(ポリ塩化ビニール)といった素材が使われており、実用性を重視した作りです。長く使い続けたくなる魅力という点では、やや物足りなさを感じます。


まずは、比較的安価に試せるニーモシネから

ロディア No.16用のカバーを使い、中身をツバメモやニーモシネに入れ替えるという選択肢も考えました。カバーの選択肢が豊富で、レザー製も含めて満足度の高い構成にできそうだったからです。

しかし、レザーカバーは高価で初期コストがかかるうえ、メモパッドの厚みやペンホルダーの有無など、実際に使ってみないと自分の使い方に合うかどうかは判断できません。

そこで、まずは比較的安価に試せるニーモシネのノートパッド&ホルダーを選ぶことにしました。

これまで方眼ノートを使ったことはありませんでしたが、横罫よりは自由度が高そうだと感じたこと、そしてホルダーの方がニーモシネのノートパッド&カバーより手を出しやすい価格だったことも理由です。


厳密にはA5ではないニーモシネ

ニーモシネ ノートパッド&ホルダーが届き、開封してみると「あれ、A5より大きい?」という違和感がありました。

MDノート<A5>と並べてみると、ホルダーは一回り以上大きい…。

マルマンのサイトで仕様を確認すると、カバーは縦238×横170×厚12mm、そしてメモパッドは<A5>と表記はあるものの、本体寸法は縦227×横148×厚9mm。一般的なA5サイズ(縦210×横148mm)よりも縦方向に約1.7cm長くなっています

ニーモシネ ノートパッド  A5 方眼罫 N188A

本文寸法の縦212×横148mmというのは、ミシン目から切り取った後のサイズのようです。

つまり、「本体はA5より大きく、切り取るとほぼA5になる」という構成のノートパッドです。

一方、ニーモシネのノートパッド&カバー<A5>は逆の仕様になっています。メモパッドの本体寸法は縦210×横148mmでA5サイズですが、本文寸法は縦195×横148mmと、切り取ったメモはA5より縦方向に約15mm短くなります。

詳細は下表を参照してください。

 
Mnenosymeノートパッド&ホルダー <A5>ノートパッド&カバー <A5>
型番HN188APH169
本体サイズ縦238×横170×厚12㎜縦227×横167×厚12㎜
素材PPPVC
ノートパッド型番N188AH169
ノートパッド縦227×横148×厚9㎜縦210×横148×厚20㎜
切り取ったあと縦212×横148㎜縦195×横148㎜
用紙80g/㎡(厚めの上質紙)70g/㎡(コピー用紙より上)
罫線の種類特殊5mm方眼罫8mm横罫マージン付
枚数70枚50枚

8mm横罫のA5ノートパッドは70g/㎡と、一般的なコピー用紙(64g/㎡)よりも厚いため、万年筆でも裏抜けしにくいかと思っていました。しかし、実際にはインクフローのよい万年筆では裏抜けが発生します。

そのため、両面仕様ではありますが、基本的には片面のみで使用しています。


ニーモシネ ノートパッド&ホルダーの使い勝手はいい

日付とタイトルを書き込めるフォーマットになっており、短期的な記録を整理するには十分な機能があります。5mm方眼も主張が強すぎず、思考の邪魔になることはありません。

ニーモシネ ノートパッド  A5 方眼罫 N188A

万年筆との相性もよく、細字から中字までしっかりと受け止めてくれます。

ノートパッドの良さを活かすには、表紙がない方がすぐに書き始められますし、表紙があると書くときにかなり邪魔になります。

表紙をぐるっと後ろに回して差し込むとすっきりします。

下記の製品紹介の写真では、表紙を切り取って使っているように見えます。

【引用】Amaon - ニーモシネ ノートパッド&ホルダー<A5>

…ってことで、切り取ってしまいました。

また、背表紙を逆に折りたたむことでコンパクトに使えるため、PC横に置いたときのサイズ感もちょうどよく収まります。

切り取ったメモは左側のポケットに保存できるので、短期保存にも向いています。

持つ楽しさを感じるタイプの文房具ではありませんが、機能性は非常に高いメモパッドです。一方で、リフィルは特殊5mm方眼罫のN188Aに限られており、選択肢がないのが残念です。


もう一つの選択肢、ニーモシネ ノートパッド&カバー

ニーモシネが意外といいかもしれないと思い始めた矢先、新生活セールで「ニーモシネ ノートパッド&カバー」が大幅値引きに。使い道も決めないまま、物欲の神に従ってそのままポチッと。

薄型のパッドカバーはPVC(ポリ塩化ビニール)製ですが、「塩ビですが、何か?」という割り切り方が逆に悪くありません。

ホルダーと比べると、全体的に一回りコンパクトなサイズ感です。

  • ホルダー:H238×W170×D12mm
  • カバー :H227×W167×D12mm

使い方として考えたのがToDoリストです。8mm横罫は一見すると幅がありますが、これまで使っていた無印良品のToDoリストは12mm罫なので、それと比べると行間はやや狭くなります。

その一方で横幅は広いため、タスクだけでなく補足も書けるようになりました。結果として、これまでより多くの情報を書き込めそうです。

また、これまで無印良品のToDoリストをカバンに無造作に突っ込み、すぐにヨレたり折れたりしていたことを考えると、カバー付きのノートパッドはそうしたトラブルの回避にもつながります。

ただ、長年無印のToDoリストを使ってきたため、この使い方には少し慣れが必要になりそうです。


ふたつのノートパッドで手書きライフを充実させる

ペーパージャケットのA4コピー用紙で行っていた思考整理は、A5ノートパッドへと移行しました。これまで使っていたペーパージャケットは、自宅で落書き帳として使っていこうと思います。

ニーモシネ ノートパッド&ホルダーは、「書いては捨てる」という軽さを保ちながらも、「少し残す」という使い方を可能にしてくれました。その結果、思考のプロセスにも変化が生まれてきています。

また、ニーモシネ ノートパッド&カバーは、これまでより多くの情報をToDoとして管理できるようになりそうです。

どちらも完璧ではありません。サイズの微妙な違いやリフィルの制約など、気になる点もありますが、役割を明確にして使い分けることで、手書きの「思考整理」と「タスク管理」の使い勝手は確実に向上しました

文房具としての楽しさという点では物足りなさを感じる部分もありますが、機能性という意味では非常によくできた道具です。そして何より、「書く楽しみ」を少し増やしてくれました。

トラベラーズノートと共に書くことを楽しんでいきたいと思います。

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