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2023年3月12日

自宅練習用の最強のベースアンプはX4Cだった!

PJB X4C RED とリン酸鉄リチウムイオンモバイルバッテリー

エレクトリックアップライトベースのIbanez UB804をベースアンプなしで練習を続けていましたが、そろそろステップアップしてベースアンプから音を出したい!

「10W-30Wぐらいで、コンパクトなアンプで、、」

「でも、一応エレクトリックアップライトだから中低音域も欲しい」

と、探していたら PJB (PHIL JONES BASS) NANOBASS X4C に出会って一目惚れ。

  • 超コンパクトでデザインが可愛い!
  • 小さなボディなのに音がいい!
  • モバイルバッテリーで動く!

と、驚きの3連チャンでした。


自宅練習用ベースアンプに必要な要素

自宅では騒音の問題があるので大音量は不要ですし、場所を取らないコンパクトさは必須です。かといって、弾いていて悲しくなるようなベースアンプは欲しくありません。小型のアンプでもやっぱり音がよくなくては。

ということで、以下のポイントで購入を考えようとしていました。

  1. アンプ出力
    10-30W出力

  2. サイズ
    30cm四方より小さいもの

  3. 音質
    歪まずに低音がそれなりに鳴ってくれる

電池で駆動する超小型のベースアンプは知っていましたが音的には満足できなかったので、USB-PD対応の大容量モバイルバッテリーで駆動させるというのは目からウロコです。

  • コンセントの確保を考えなくてよい
  • 電源ケーブルを這わせる必要がない

というのは、自宅練習でもとってもハッピーなことでした。それに部屋に置くのでデザインもやっぱり無視できない要素でした。

ということで、

  1. アンプ出力
  2. サイズ
  3. 音質
  4. バッテリー駆動の必要有無
  5. デザイン

これらのポイントを考慮して自分の演奏スタイルや用途に合ったベースアンプを選ぶことが重要です。音質に関しては、購入前に自分のベースで試奏するというのがベストですが、少なくともメーカーのサイトやYoutubeなどで、どんな音を奏でてくれるのかはチェックしましょう。

NANOBASS X4C | PHIL JONES BASS にベーシスト池田達也氏がX4Cでデモ演奏する動画があります。この動画の最後でエレクトリックアップライトベースを弾いていたのが購入の決め手となりました。


PJB NANOBASS X4C

PJB(PHIL JONES BASS:フィル・ジョーンズ・ベース)のアンプは、Phil Jones氏が長年にわたって研究を重ねた高音質なベースアンプとして知られています。

PJB NANOBASS X4Cは、大ヒットしたPJB NANOBASS X4の後継機モデルで外見とアンプとしての基本性能は同じで、モバイルバッテリーでも駆動できるようになったモデルです。

カラーバリエーションは、ブラック、ホワイト、レッドの3色に限定モデルのピーコックブルーがあります。

レッドかホワイトを考え、白色だと汚れが目立つかもと赤色にしましたが、渋めの赤でいい感じです。

PJB NANOBASS X4Cは、超小型で軽量ながらパワフルなベースアンプです。X4Cの主な特徴は以下の通りです。

  1. 幅は16cmで、高さと奥行きが20cm、重さは2.6Kgと軽量かつコンパクトなデザインです。しかし、35W(AC電源)15W-40W(モバイルバッテリー)の出力があり、携帯性に優れつつも十分なパワーを持っています。
  2. フラットでワイドレンジな周波数特性を持ち、低音から高音まで幅広い音域でクリアなサウンドです。エレクトリックアップベースの中低音域での演奏でも音が歪んでしまうこともありません。
  3. USB-PD規格に対応していて DC12V-20V(12V/1.5A以上)のモバイルバッテリーで動作するので、コンセントを気にせずにどこでも使うことができます。
  4. ステレオミニジャックのAUX IN / Bluetooth 5.0を備えているので、リズムマシンを繋げたり、スマホで曲を流しながらの練習ができます。

下記は、詳細のスペックです。

■スピーカー:PJBカスタム4インチ+ RALFRパッシブラジエター ■出力:35W(バッテリー駆動時 : 15W~40W) ■周波数特性:68Hz ‒ 15KHz ■EQ: Bass 100Hz, +/-15dB Mid 1kHz(Band width 120Hz-10kHz), +/-15dB Treble 10kHz, +/-15dB ■入力:3系統(Input、Aux、Bluetooth 5.0) ■入出力端子: インプット、AUXインプット(ミニステレオ)、ヘッドホン アウト ■サイズ:160(W) x 200(H) x 197(D)mm ■重量: 2.6kg


PJB NANOBASS X4Cに最適なモバイルバッテリー

12V-20Vのモバイルバッテリーで駆動する X4C ですが、製品に同梱されていた「【必ずお読みください】モバイルバッテリーについて」という紙には、下記のように記載されています。

  • 20Vタイプ:AC電源と同等以上のサウンドが得られます
  • 12Vタイプ:音質や音量が若干劣ります。音が歪む事があります

X4Cの推奨バッテリーとして、

が掲載されていますが、

象と散歩: USB PD対応でエコなリン酸鉄リチウムイオン電池のモバイルバッテリーで紹介した 12V/1.67A(20W) の ELECOM DE-C39-12000 にしました。自宅練習用としては十分な音量が出るし、音が歪む(潰れる)ようなこともありません。

X4CのType-Cに差し込んで緑色のランプが点灯すれば利用可能です。試しにモバイルバッテリーのUSB-A(9V/2.2A 18W)から供給してみると供給電力は18Wありますが、電圧が足りずに緑色のランプが点灯せず使えませんでした。

X4CをELECOM DE-C39-12000 で駆動

リン酸鉄リチウムイオン電池のモバイルバッテリーは、電池の寿命が長く、ELECOM DE-C39-12000 は、通常のモバイルバッテリーと比べて倍の1,000回の充電が可能なので、X4Cの電源としても最適です。


X4Cはモバイルバッテリー何時間動く?

PJB X4Cの説明では、12V/1.5A 10,000mAhのモバイルバッテリーで約17時間使用可能とありますが、CIO SMARTCOBY PROの説明欄にはX4Cで10時間以上とあります。

バッテリー例 アンプ出力 音質 使用可能時間
出力: DC12V/1.5A 容量: 10000mAh 15W Max. 約17時間
出力: DC20V/2.25A 容量: 20000mAh 40W Max. 優良 約11時間

ELECOM DE-C39-12000は、12V/1.67A 最大出力20Wで、容量は12000mAhです。

最大出力20Wは、下記で計算で求まります。

12V x 1.67A ≒ 20W

次にモバイルバッテリーの容量を12Vでワット時(Wh)に変換します。

12000mAh ÷ 1000 × 12V  = 144Wh

バッテリー20W出力での使用可能時間は、

144Wh ÷ 20W = 7.2h

つまり7時間12分利用できる計算になります。

しかし、CIO SMARTCOBY PRO の 12V/1.5A 最大出力は18W、バッテリー容量は10,000mAhで同様に計算をすると

10000mAh ÷ 1000 × 12V ÷ 18W ≒ 6.67h

6時間40分です。

計算では電力のロストやバッテリーの劣化を考慮していないので、実時間より大きくなるはずです。しかし、計算値の方が小さいということは、X4Cで常時18Wを消費しているわけではないということが推測できます。

つまり、CIO SMARTCOBY PRO(12V/1.5A)で10時間以上使えるということは、ELECOM DE-C-12000 もX4Cを10時間以上+α 駆動できるということになります。

毎日の使用時間が短いですが、1週間使ってもバッテリーの消費はわずかです。


Ibanez UB804とX4Cの相性は抜群

ベースをケースにしまってしまうと弾かなくなってしまうので、部屋の片隅にスタンドを設置してUB804をいつでも弾けるようにしています。X4CをUB804のスタンドの足元に設置してみました。

UB804 と X4C

コンセントの確保や電源コードが必要ないというのは、邪魔にならずスッキリとしたセッティングになるので部屋の片隅に出しっ放しにしておくのに都合がよいです。

折角スッキリとしているところに、長いシールドを這わすと台無しになってしまうので、1mのパッチケーブルにしました。

X4CをIbanez UB804の足元に設置


音質

X4Cには3バンドのイコライザー(High, Middle, Low)がありますが、フラットにしているとすごくクリアな音です。ノイズもないしローポジションからハイポジションまでとってもいい感じです。

エレクトリックベースっぽさを軽減させるために Middleを下げた音にしましたが、気に入っています。

エレクトリックアップライトベースではMiddleを少し下げる

モバイルバッテリーで駆動するPJB(Phil Jones Bass) NANOBASS X4C は、エレクトリックアップライトベースの自宅練習用ベースアンプとして最強のベースアンプですが他の楽器でもいい音を奏でてくれます。


2022年8月11日

アップライト・ベースの練習にチューナーは必須アイテム

Ibanez UB804 with KORG AW-LT100B(表面)

エレクトリック・アップライト・ベース(Electric Upright Bass)の練習では、練習前のチューニングだけではなく、練習中にもチューナーを使ってピッチを確認しましょう。


チューナーの仕組み

チューナーの仕組みには下記の3種類の方式があります。

名称 方式
ピエゾ(Piezo) 楽器の振動でチューニング(本体に取り付ける必要あり)
マイク(Mic) マイクで拾った音(振動)でチューニング
ライン入力 電気信号でチューニング(シールドで接続が必要)

ヘッドにクリップで挟むクリップチューナー(ピエゾ式)は、EUBの練習に使える手軽なチューナーです。


ベース専用チューナーを使おう

低音を瞬時に拾ってくれるベース専用チューナーがオススメです。

の2つで悩みました。

両方ともクリップ式の低音楽器専用のチューナーで、可動範囲が広いのでディスプレイを自分の見やすい位置に設定できます。

下記は、KORG AW-LT100Bの可動域です。

KORG AW-LT100Bの可動域

ダダリオのチューナーは駆動時間が分かりませんでしたが、単4電池1本で100時間駆動するKORG AW-LT100B を購入。これなら、練習中にずっと点けっ放しにできます。

KORG AW-LT100B
  • 低音の振動もしっかり拾えるベース専門チューナー
  • 可動範囲が広い(見やすい位置に設置できる)
  • 単4電池1本で100時間駆動

測定範囲は、E0(20.60Hz)〜 C5(523.3Hz)です。A=440Hz でチューニングするとベースの各開放弦の周波数は下記の通りです。

開放弦 音(周波数)
1弦(G弦) G1(97.999Hz)
2弦(D弦) D1(73.416Hz)
3弦(A弦) A1(55.0Hz)
4弦(E弦) E1(41.203Hz)

KORG AW-LT100B の使用感

コントラバスであればクリップをブリッジ(駒)に挟むのでしょうが、Ibanez UB-804 の場合は、ヘッドに取り付けます。

Ibanez UB804 with KORG AW-LT100B(裏面)

チューニング時の注意点は、3弦開放弦のA1の周波数は55Hzですが、ディスプレイ上にはAとしか表示されません。1オクターブ上のA2(110Hz)でも表示上はAなので、ベース初心者だと最初は戸惑うかもしれませんが、慣れの問題です。

基準音のAは、436〜445Hzで1Hz単位で変更でき、電源をOFFにしても記憶されています。ディスプレイの左上に常に表示されているので基準音が何になっているかを確認しましょう。

KORG AW-LT100Bは、ベース専用のチューナーということもあり、低音への反応はとてもよいです。そうは言っても早いテンポでは音が拾えないので、メトロノームを♩= 60-66 にして、やや遅いテンポでのスケール練習で一音一音を確認しましょう。

また、ピエゾ式のチューナーは、振動で音程を判定しているので、ハイポジションで弾く高音では、弦の振動幅が少なくなりチューナーが音を拾いづらくなります。

機能的には、C5(523.3Hz)まで測定可能とありますが、UB804では、1弦21フレット(E4 329.628Hz)ぐらいまでが、チューナーで音程を拾える範囲です。

しかし、E4まで測定できるということは、ハイポジションでのCからEまでのスケール練習でチューナーを使った練習ができるということです。この範囲でチューナー使えれば十分です。


EUB初心者は練習でチューナーは必須

EUB(Electric Upright Bass)にはフレットがないので、自分が出している音程を確認するためにチューナーは必須アイテムです。「象と散歩: アップライト・ベースの運指トレーニング」で紹介しているスケール練習で、1音1音、音程を確認しながら練習しましょう。

特に、ハイポジション(サムポジション)では、半音ごとの間隔が狭くなるのと、親指を使った弾き方になるので、音程がブレブレになります。しっかりと一音づつチューナーで音程を確認しながら練習しましょう。


練習でチューナーを使う理由

チューナーを見ながら練習するのは、A=440Hzのピッチで演奏しなければならないということではありません。テンポやピッチがジャストでないことが、グルーヴ感や味となります。

しかし、独りよがりの気持ち良さではなく、他の楽器と合わせたときのアンサンブルを大切にしなければ音楽は成立しません。

そういう意味で、無骨なまでに融通の効かないチューナーを使って音程を確認することが、他の楽器とのアンサンブルでのピッチの合わせ方につながります。

練習中にメトロノームを使う理由も同じです。メトロノームを使った練習については、「象と散歩: 最高に可愛い機械式メトロノームでリズム感を鍛える」を参考にしてください。

チューナーとメトロノームを使ってスケール練習することが、ウォーキング・ベース上達への道のりと信じて練習しましょう(自分への戒め)。

2022年6月24日

7つのスケールでウォーキングベーラインを組み立てる

Ibanez UB804-MOB

アップライト・ベースの弾き方に慣れるために 「アップライト・ベースの運指トレーニング」で紹介した「バイブル・フォー・ジャズ・ベース」でのスケール練習をしています。

ロー・ポジションとハイ・ポジションそれぞれで、メジャー・スケールとマイナー・スケールの2パターンで練習しています。

スケール練習を行うことで、アップライトベースの右手と左手のフォーム、ポジション、運指にも少しづつ慣れてきました。

このスケールを覚えることは、運指練習だけでなく、ウォーキング・ベースラインの組み立てにも活用できます。

3年後、確実にジャズ・ベースが弾ける練習法」に7つのスケールについての説明がありますが、また新しい言葉がたくさん、、、。

と、いうことで今回は、スケールについてまとめてみました。


ダイアトニック・スケールとは?

「ダイアトニック・スケールとは、1オクターブを7つの音に分けた7音音階です。」というと、難しく聴こえますが、みんなが知ってる♪ドレミファソラシド♪のことです。

この♪ドレミファソラシド♪には、メジャースケールとマイナースケール以外に5種類、計7種類のスケールがあります(メジャー系3種類、マイナー系4種類)。

また、この7つのダイアトニック・スケール上に成り立つダイアトニック・コードが7つあります。ダイアトニックコードには、1度、3度、5度の3和音(トライアド)と、7度を加えた4和音(セブンスコード)があります。

以下、Key=C のダイアトニック・セブンスコードで説明をしていきますが、キーについては、象と散歩: ウォーキングベースを学ぶなら譜面が読めるようになろう(♯と♭との戦い) を参照してください。


Key=Cのダイアトニックスケール

下表は、調号(♭, ♯)が付かない、キーが C のダイアトニック・スケール、ダイアトニック・コード、スケールについてまとめた表になります。

備考欄にはメジャー系スケールであれば、メジャー・スケール(アイオニアン)と違う音について、マイナー系スケールであれば、マイナー・スケール(アエオリアン)と違う音についてを記載しています。

下表は Key=C ですが、キーが異なってもメジャー系であれば、Ⅰmaj7, IIm7, Ⅲm7, Ⅳmaj7, Ⅴ7, Ⅵm7, Ⅶm7♭5 というのは同じです。

Diatonic Scales (Key=C) Diatonic Code Scale 備考
C D E F G A B C D E F G A Ⅰmaj7Cmaj7 Ionian Major Scal
C D E F G A B C D E F G A IIm7Dm7 Dorian♭6→M6
C D E F G A B C D E F G A Ⅲm7Em7 PhrygianM2→♭2
C D E F G A B C D E F G A Ⅳmaj7Fmaj7 LydianP4→Aug4
C D E F G A B C D E F G A Ⅴ7G7 MixolydianM7→♭7
C D E F G A B C D E F G A Ⅵm7Am7Aeolian Minor Scale
C D E F G A B C D E F G A Ⅶm7♭5Bm7♭5 LocrianM2→♭2, P5→dim5

同じく、調号(♭, ♯)が付かない、キーが Am のダイアトニック・スケール、ダイアトニック・コード、スケールが下記になります。こちらもマイナー系のキーであれば Ⅰm7, IIm7♭5, ♭Ⅲmaj7, Ⅳm7, Ⅴm7, ♭Ⅵmaj7, ♭Ⅶ7 というのは同じです。

Diatonic Scales (Key=Am) Diatonic Code Scale 備考
A B C D E F G A B C D E F Ⅰm7Am7 Aeolian Minor Scale
A B C D E F G A B C D E F IIm7♭5Bm7♭5 LocrianM2→♭2, P5→dim5
A B C D E F G A B C D E F ♭Ⅲmaj7Cmaj7 IonianMajor Scal
A B C D E F G A B C D E F Ⅳm7Dm7 Dorian♭6→M6
A B C D E F G A B C D E F Ⅴm7Em7 PhrygianM2→♭2
A B C E E F G A B C D E F ♭Ⅵmaj7Fmaj7Lydian P4→Aug4
A B C D E F G A B C D E F ♭Ⅶ7G7 MixolydianM7→♭7

Ioinan Scale(アイオニアン・スケール)

アイオニアン・スケールは、いわゆるメジャースケールです。

記号英語日本語
RRoot完全1度
M2Major 2nd長2度
M3Major 3rd長3度
P4Perfect 4th完全4度
P5Perfect 5th完全5度
M6Major 6th長6度
M7Major 7th長7度
OctOctarve完全8度

Ⅰmaj7/♭Ⅲmaj7 で使えるスケールとなります。下の譜は Cmaj7(Cメジャーセブン)のスケールです。

Ioinan Scale(アイオニアン・スケール)

セブンスコードの構成音は、1度、3度、5度、7度なので、Cmaj7のCode Tone(コード・トーン)は、C,D,E,B です。

Code Tone 以外のD(2度), F(4度), A(6度) ですが、これをコード・トーンの後ろに音の高さ順に並び変えると C, D, E, B, D, F, A となり、Dは9度(9th)、Fは11度(11th)、Aは13度(13th)となります。

この9th, 11th, 13th は Tension Note(テンション・ノート)と呼ばれています。テンションとは緊張という意味ですが、Jazzではこの緊張感ある音がよく使わます。


Avoid Note(アボイド・ノート:回避音)

スケールの中には、不協和音となる音なので使わない方がよいという Avoid Note(アボイド・ノート)というのがあります。

アイオニアン・スケールでは、4度(P4)/11度(11th)の音がコード・トーンの3度(M3)と半音しか違わず、響きが汚くなるため Avoid Note(アボイド・ノート) となります。

Avoid Note は和音としては避けるべき音とされていますが、ベースは基本的に単音の楽器なので、ウォーキングベースラインの中では、通過音として Avoid Note も使われています。


Drian Scale(ドリアン・スケール)

ドリアン・スケールは、マイナー系のスケールで、Ⅱm7/Ⅵm7 で使えるスケールです。

記号英語日本語
RRoot完全1度
M2Major 2nd長2度
♭3Minor 3rd短3度
P4Perfect 4th完全4度
P5Perfect 5th完全5度
M6Major 6th長6度
♭7Minor 7th短7度
OctOctarve完全8度

下の譜は Dm7のスケールとなります。

Drian Scale(ドリアン・スケール)

マイナー・スケールとドリアン・スケールとの違いは、♭6 が M6 へ半音上がっていることです。ドリアンスケールの特性音が、M6なのに M6/13th は、コード・トーンである ♭3(3度) と増4度(トライトーン)の関係にあり不協和音となるため Avoid Note になっています。

まだ勉強不足です、、、。


Phrygian Scale(フリジアン・スケール)

フリジアン・スケールもマイナー系スケールで IIm7/Ⅴm7 で使えるスケールです。

記号英語日本語
RRoot完全1度
♭2Minor 2nd短2度
♭3Minor 3rd短3度
P4Perfect 4th完全4度
P5Perfect 5th完全5度
♭6Minor 6th短6度
♭7Minor 7th短7度
OctOctarve完全8度

下の譜は Em7のスケールとなります。

Phrygian Scale(フリジアン・スケール)

マイナー・スケールとフリジアン・スケールの違いは、M2 が ♭2 へ半音下がっていることです。フリジアン・スケールには Avoid Note はありません。


Lydian Scale(リディアン・スケール)

リディアン・スケールはメジャー系スケールで Ⅳmaj7/♭Ⅵmaj7 で使えるスケールです。

記号英語日本語
RRoot完全1度
M2Major 2nd長2度
M3Major 3rd長3度
Aug4Augmented 4th増4度
P5Perfect 5th完全5度
M6Major 6th長6度
M7Major 7th長7度
OctOctarve完全8度

下の譜は Fmaj7のスケールとなります。

Lydian Scale(リディアン・スケール)

メジャー・スケールとリディアン・スケールの違いは、P4 が Aug4 へ半音上がっていることです。リディアン・スケールにも Avod Note がありません。


Mixolydian Scale(ミクソリディアン・スケール)

ミクソリディアン・スケールもメジャー系スケールで Ⅴ7/♭Ⅶ7のスケールです。

記号英語日本語
RRoot完全1度
M2Major 2nd長2度
M3Major 3rd長3度
P4Perfect 4th完全4度
P5Perfect 5th完全5度
M6Major 6th長6度
♭7Minor 7th短7度
OctOctarve完全8度

下の譜はG7のスケールとなります。

Mixolydian Scale(ミクソリディアン・スケール)

メジャー・スケールとミクソリディアン・スケールの違いは、M7と♭7へと、7度の音が半音下がっていることです。また他のスケールと異なり、特性音である♭7は、コードトーンとなっています。

ミクソリディアン・スケールの Avod Note は、コードトーンの5度(P5)の半音下のP4/11thです。


Aeolean Scale(アエオリアン・スケール)

アエオリアン・スケールはマイナー・スケールのことです。

記号 英語 日本語
RRoot 完全1度
M2 Major 2nd長2度
♭3 Minor 3rd 短3度
P4 Perfect 4th 完全4度
P5 Perfect 5th 完全5度
♭6 Minor 6th 短6度
♭7 Minor 7th 短7度
Oct Octarve 完全8度

Ⅵm7/Ⅰm7 のスケールとなります。下の譜は Am7 のスケールです。

Aeolean Scale(アエオリアン・スケール)

Avoid Note は、P5 の半音上にある ♭6/13th です。


Locrian Scale(ロクリアン・スケール)

ロクリアン・スケールもマイナー系スケールです。 Ⅶm7♭5/IIm7♭5 で使えるスケールです。

記号英語日本語
RRoot完全1度
♭2Minor 2nd短2度
♭3Minor 3rd短3度
P4Perfect 4th完全4度
dim5Diminished 5th減5度
♭6Minor 6th短6度
♭7Minor 7th短7度
OctOctarve完全8度

下の譜はG7のスケールとなります。Bm7♭5 です。

Locrian Scale(ロクリアン・スケール)

マイナー・スケールとロクリアン・スケールの違いは2音あり、M2が♭2へと、2度が半音下がっていることとP5がdim5へと5度が半音下がっていることです。Avoid Note はルートの半音上の ♭2/♭9 です。


スケールでウォーキングベースを組み立てる

Autum Leaves の出だしをスケールアプローチだけで組み立ててみます。キーは♭が2つあるのでB♭です。

Autum Leaves コード進行

B♭を基準としたドミナント・コードとスケールは下記のようになります。

B♭Scale B♭ C D E♭ F G A
Code Ⅰmaj7 IIm7 Ⅲm7 Ⅳmaj7 Ⅴ7 Ⅵm7 Ⅶm7♭5
Scale Ionian Dorian Phyrigian Lydian Mixolydian Aelolian Locrian

これをコード進行にあてはめて、各スケールを使ってウォーキング・ベースラインを作ります。

Cm7 F7 B♭maj7 E♭maj7 Am7♭5 D7 Gm
IIm7 Ⅴ7 Ⅰmaj7 Ⅳmaj7 Ⅶm7♭5 Ⅲm7 Ⅵm7
Dorian Mixolydian Ionian Lydian Locrian Phyrigian Aelolian

下の譜は、上表の各スケールから1,2,3,5 と 8(1),7,6,5 を使った簡単なウォーキング・ベースラインです。

Autum Leaves - WalkingBass Line

これだけでもウォーキングベースっぽいですよね。色々と試してみたいと思います。

2022年4月23日

アップライト・ベースの運指トレーニング

Ibanez Upright Bass UB804

ウォーキング・ベースを弾きたいと、Ibanez の エレクトリック・アップライト・ベース UB804 を購入しました。

ウォーキングベースを始めるときに、買うべき2冊の教則本」で紹介した教則本で、

  1. 音楽基礎理論を学ぶ
  2. 読譜について学ぶ

までは、順調に進んでいましたが、アップライト・ベース(EUB)の弾き方に悪戦苦闘です。

アップライト・ベースの弾き方を学ぶ」で、アップライト・ベースでの 左手のフォーム と 右手の弾き方 について記載しましたが、左手のフォームと運指は、まだまだ練習が必要です。

Ray Brown's Bass Method のE〜E♭のスケール練習で、ローポジションでの運指練習をしていましたが、ハイポジションでの運指がわかりません。

この本で、ハイポジション(サムポジション)の記載があるのは、3弦(A弦)でのCメジャースケールなど数例しかありません。

C major scale
A弦(3弦)でのCメジャースケール

12フレット(A)の指番号Tが親指(Thumb)です。

そもそも4(小指)から始まるのも理解できませんが、ハーフポジションは不動のポジションなのでしょうか?

その程度の理解度ですが、学習意欲だけはあるので、ハイポジションが練習できる教材(練習方法)はないかと、Youtubeで検索。

ん? これは Ray Brown's Bass Method にある E〜E♭ までのメジャースケールと同じ?」

♩=120 と早いテンポで弾いていますが、間違いありません。しかも、ハイポジションでのスケール練習もあります。


アップライトの運指練習用の教則本

納 浩一presents バイブル・フォー・ジャズ・ベース

ということで、「納 浩一presents バイブル・フォー・ジャズ・ベース」をポチり。

第1章の「楽器の基礎練習」は、

  1. 初級編(ローポジション)
    • E〜E♭のメジャースケール(1オクターブ上下)
  2. 上級編(ハイ・ポジション
    • C〜Gのメジャースケール(2オクターブ上下)
  3. 応用編(3-7度跳び)
  4. リズムトレーニング(メトロノームを使った練習)

という構成で、上級編でサムポジションを使ったハイポジションのスケール練習があります。

サムポジションについて学べる「バイブル・フォー・ジャズ・ベース」は貴重な教則本です。しかも Ray Brown も勧めるスケール練習です。

第2章は「ウォーキングベース」についてですが、未読です、、、。


ローポジションでの運指練習

ウォーキングベースを学ぶなら譜面が読めるようになろう(♯と♭との戦い)」で疑問を呈したF♯とG♭問題ですが、「バイブル・フォー・ジャズ・ベース」では、G♭メジャースケールでの記載となっています。

ベースの指板上では同じですが、後述する「何の音を出しているかを声にする」ときに、

  • F♯→G♯→A♯→B→C♯→D♯→F→F♯
  • G♭→A♭→B♭→B→D♭→E♭→F→G♭

と唱えるかの違いがあります。


ローポジションの練習

先ずは、メトロノームを使わずに、Eメジャースケールから順番に、左手のポジションを確認しながら、1音づつ、しっかりと音を出し、弾いている音を声に出します。

下記の5つに注意して左手のフォームに意識を向けます。

  1. ネックを握る手の形はC字型
  2. 人差し指から半音先中指
  3. 中指から半音先小指
  4. 薬指は中指に添える
  5. 親指は中指の反対側でネックを支える

各指には番号が振られています。

指番号
指番号

ローポジションでは3フレットを、人差し指(1)、中指(2)、小指(4)で押弦しますが、

  • 2の指(中指)を使うときは、1の指(人差し指)と2の指(中指)で押弦
  • 4の指(小指)を使うときは、1の指、2の指、3の指、4の指で押弦

に注意してください。

慣れてきたら、「最高に可愛い機械式メトロノームでリズム感を鍛える - メトロノームでリズム練習」で紹介した方法で、メトロノームを♩=40に設定して、メトロノームの音をドラムのスネアが鳴る、2拍、4拍と捉えて練習します。このときの実テンポは♩=80 となります。

初めから早いテンポで練習すると、左手のフォームが崩れて、指がバタつきます。フォームとポジションを意識して、何の音を出しているかを声にして練習しましょう


ポジションチェンジ

アップライト・ベースの弾き方を学ぶ - ポジションチェンジ」で、人差し指からのポジションチェンジについて触れましたが、D♭メジャースケールでは 1,4,2,4 という、小指から中指に移動する新たなパターンが出現します。

D♭ major scale
D♭メジャースケール

D弦(2弦)で、1の指(人差し指)で、E♭(1フレット)の後に、F(3フレット)は、4の指(小指)ではなく、スライドして2の指(中指)で押弦、そして、G♭(4フレット)を4の指で押さえます。

次が、G弦(1弦)での 1,4,2,4 の運指となります。

A♭(1フレット)、B♭(3フレット)を1の指(人差し指)と4の指(小指)で押弦した後に、スライドしてC(5フレット)を2の指(中指)、 D♭(6フレット)を4の指(小指)で押さえます。

戻るときも同じで、4,2,4,1 です。

この 1,4,2,4 の運指は、Dメジャースケール、E♭メジャースケールでも出現します。


マイナースケールでも練習しよう

「バイブル・フォー・ジャズ・ベース」では、メジャースケールでの運指練習しかありませんが、メジャースケールができるようになったら、次にマイナースケールでも練習しましょう。

メジャースケールとマイナースケール」からの再掲となりますが、マイナースケールは、3度,6度,7度 が半音下がった ♪ドレミ♭ファソラ♭シ♭ド♪ という音の並び順です。

記号英語日本語
RRoot完全1度
M2Major 2nd長2度
♭3Minor 3rd短3度
P4Perfect 4th完全4度
P5Perfect 5th完全5度
♭6Minor 6th短6度
♭7Minor 7th短7度
OctOctarve完全8度

D♭のマイナースケールは、C♯mです。運指はこんな形になるのでしょうか。

C♯ major scale
C♯マイナー・スケール

ハイポジションでの運指練習

下記の動画が「バイブル・フォー・ジャズ・ベース」のCメジャースケールからGメジャースケールでのハイポジションのスケール練習です。

初心者を突き放すような動画ですが、ゆっくりと練習していきましょう。

スケール練習の前にサムポジションでの運指について学びましょう。下記の動画で3パターンの T,1,2,3 という指の使い方が学べます。

G弦(1弦)の3パターンを譜面にしてみました。

1)ハーフポジション

ローポジションなら1フレット、2フレット、3フレットですが、ハイポジションでは開放弦が12フレット(G)で、13フレット(A♭)、14フレット(A)、15フレット(B♭)です。

Thumb: Harf Position
Half Position
2)1st ポジション

ローポジションの2フレット、3フレット、4フレットです。ハイポジションでは開放弦が12フレット(G)で、14フレット(A)、15フレット(B♭)、16フレット(B)です。

Thumb: 1st Position
1st Position
2)2nd ポジション

2nd ポジションは、15フレット、16フレット、17フレットですが、開放弦と同じ12フレット(G)の次に、14フレット(A)、16フレット(B)、17フレット(C)と弾いています。Cメジャースケールのソ(G)、ラ(A)、シ(B)、ド(C)です。

Thumb: 2nd Position
2nd Position

上記3パターンをD弦(2弦)、A弦(3弦)、E弦(4弦)でも弾いてみましょう。


サムポジションでの音の出し方

親指の関節で押弦しますが、指が痛い、、、

またサム・ポジションでは、支えとなる親指が指板上にありますので、身体でベースを押さえ込まないと音が鳴りません。これはエレクトリック・アップライト・ベースでも同じです。

サムポジションに慣れてきたら「バイブル・フォー・ジャズ・ベース」のハイポジションでのスケール練習にトライです。

譜面は、CメジャースケールからGメジャースケールまで8パターンありますが、先ずは、C→D♭→D→E♭ までの4パターンで練習します。

いつか、ハイポジションを使うときのために、練習あるのみです。


リズムトレーニング

「バイブル・フォー・ジャズ・ベース」のリズムトレーニングでは、メトロノームが鳴るときを4拍の何れか(1拍目 or 2拍目 or 3拍目 or 4拍目)として捉える方法も載っています。

しかし、これだと実テンポが4倍速となり、メトロノームを♩=40で設定しても、実際のテンポは♩=160となります。

KORG の電子メトロノームMA-2のように♩=30で設定できるものであれば、上記の練習でも♩=120となります。

初心者は、メトロノームの音を2拍/4拍で捉える方法で♩=40(実テンポ♩=80)から始めればよいかと思います。

また、上級編で紹介されている、メトロノームを1拍半(3拍で2回)で捉えるのはかなり高度です。


アップライト・ベースの指南書

エレクトリック・アップライト・ベース(EUB)は、コントラバス(ダブルベース)は買えないけど、という人のニーズに応え、更にIbanez UB804は通常のエレキベースと同じスケール長にして楽器としてのハードルをかなり下げてくれています。

しかし、そもそも初心者がアップライト・ベースを弾きたいと思ったときに、学べる教則本が少なすぎます。

今回紹介した「バイブル・フォー・ジャズ・ベース」もスケール練習としては、最高の一冊かと思いますが、初心者がウォーキングベースを始めるにあたっては難解です。

ウォーキングベースを弾くための音楽理論の基礎については「ウォーキング・ベース超入門」を読み、次に「確実にジャズ・ベースが弾ける練習法」で深め、運指は「バイブル・フォー・ジャズ・ベース」のスケール練習というのが、いまのところの最適解です。

目標は、「1年後に、コード進行を見ながら、自分なりの Walking Bass Line を組み立てられる」でしたが、アップライト・ベースの弾き方に時間を要しています。

まだまだ、先は長い、、、