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2012年3月5日

インターネット広告が新聞広告を抜いた?

2011年 マスコミ四媒体とインターネットの広告費

2012年2月15日に経済産業省の特定サービス産業動態統計調査の2011年12月確報が掲載され、その後、2月23日に電通が2011年の日本の広告費のニュースリリースをアップしていましたので、これらのデータを使ってマスコミ4媒体とインターネットの広告費の動向について考察してみました。

電通の2011年日本の広告費については、下記のように評されています。
2011 年(平成 23 年)の総広告費の特徴

媒体別にみると、「テレビ広告費」(前年比 99.5%)、「新聞広告費」(同 93.7%)、「雑誌広告費」(同 93.0%)、「ラジオ広告費」(同 96.0%)のいずれも減少し「マスコミ四媒体広告費」は同 97.4%と前年を下回った。・・・(中略)・・・「インターネット広告費」(同 104.1%)はソーシャルメディア活用などの新手法が増えた結果、引き続き増加となった。

一方、経済産業書の特定サービス産業動態統計調査によると、「テレビ広告費」(前年比 101.1%)、「新聞広告費」(同 98.3%)、「雑誌広告費」(同 98.6%)、「ラジオ広告費」(同 100%)で、「マスコミ四媒体広告」(同100.4%)と前年維持となっています。また「インターネット広告費」(同 171.6%)については大きく増加したという結果になります。

ふたつの資料には下記に示すように乖離があります。インターネット広告費については、電通の資料では媒体費と広告制作費が合算されていますが、広告制作費を除いても618,900(百万円)となり経済産業省の値とは大きく異なります。

2011年 広告費 特定サービス産業動態統計調査vs電通資料(単位:百万円)

インターネット広告が新聞広告を抜いた?

昨今、インターネット広告費が新聞広告費を上回ったというニュースが散見されましたが、マスコミ四媒体とインターネットの広告費について、経年グラフを描いてみました。

経済産業書の特定サービス産業動態統計調査

経済産業省のデータでみるとインターネット広告費は、2009年に雑誌を超えて、2011年には「新聞広告費」3,816億、「インターネット広告費」3,814億と僅差まで迫ってきています。

経済産業省 特定サービス産業動態統計調査より(単位:百万円)
2011年を月別に表したのが、次のグラフになりますが、第1四半期は各媒体共に震災の影響で、自粛ムードもあり広告告出稿も低迷していたことが分かります。また2011年は新聞広告費とインターネット広告費が拮抗していたことが分かります。但し、12月にはインターネット広告費が差を広げているので、2012年は新聞広告費を大きく引き離す可能性はあります。
経済産業省 特定サービス産業動態統計調査より(単位:百万円)

電通ニュースリリース - 2011年広告費

前述したように電通のインターネット広告費は媒体広告費と広告制作費の合算です。この合算額でのインターネット広告費では、既に2009年に新聞広告費を追い抜いています。下記のグラフは、広告制作費を除いた媒体広告費のみを使用して作成した経年グラフとなります。
電通ニュースリリース 平成24年2月23日より(単位:億円)

インターネット広告費は、経済産業省のデータよりも1年早く、2008年に雑誌広告費を超えています。また新聞広告費との比較では、2010年に追いつき、2011年には「新聞広告費」5,990億、「インターネット広告費」6,189億とインターネット広告費が新聞広告を超える額となっています。

2012年の広告費の動向

データとしては、この他に博報堂の月次売上高月次売上高推移(博報堂・大広・読売広告社3社合算)のExcelファイルが掲載されています。こちらは博報堂の業績データなので、このデータから広告費全体を推し量ることは難しいですが、参考値とはなります。

経年データから単純に時系列分析をすれば、インターネット広告費が2012年には、新聞広告費を大きく引き離す結果になると思いますが、2011年の月別のデータ、また、ここ数年の新聞広告費の下げ止まりをみると、広告出稿主側が媒体を使い分けてきているのではないかという感はあります。但し、昨年からスマートファンの利用が増加しているので、スマートフォンに特化した広告が急成長する可能性はあります。

何れにせよ、ニュース記事だけではなく、公開されているデータを自分で加工してトレンドをみることが大切だと思います。

今日の一曲


Everything But The Girl のデビューアルバム『Eden』のギター・デュオで奏でられる音楽は「ネオ・アコ」と言われていましたが、90年代中頃からエレクトリックポップへとシフトしていきます。1996年にリーリスされたアルバム『Walking Wounded』 は、そんな変遷期の1枚です。3曲目に収録されている Single は
、アコースティックとエレクトリックポップの中庸的な位置付けにあり、とても気持ちよく聴ける一曲です。

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