アオリイカを対象としたエギングでコウイカ類は外道とされていますが、餌木を着底させた釣り方をしているとスミイカが釣れます。スミイカについては、過去にきざしKeygramを使う(その2)でも触れていますが、一部再掲します。
スミイカは、関東地方でのコウイカの別名です。真っ黒な大量のスミを吐くことからこう呼ばれているのだと思います。東京湾では10月頃から乗合船でのスミイカ釣りが始まります。 また下記にあるように、カミナリイカも甲イカ目コウイカ科で、見た目が似ているためコウイカと混同されています。
房総(千葉)のエギングで釣れるスミイカの殆どはカミナリイカです。またカミナリイカは一般的には、その文様からモンゴウイカ(紋甲烏賊)と呼ばれています。
また、英語名は Kisslip Cuttlefishです。確かに全身キスマークにも見えます...
そんな幸せいっぱいそうな英語名を持ちながら目つきはかなりの悪人です。
コウイカ コウイカは、水深10m-100mのやや内湾的な砂泥底にすみ、冬の終わりから春先にかけて浅海に浮上してきて産卵する。この時期に釣ることが多い。 カミナリイカ とコウイカと混同している釣り人が多い。浅海に多くて身近な甲イカであり、大型になるので釣って面白く、食べて美味しい。
スミイカの釣れる時期
「スミイカ」でググられた時期をGoogleトレンド(カテゴリは釣り)で調べてみると、10,11月がピークとなっていることがわかります。実際にある程度サイズも大きくなって堤防から釣れる時期もこの頃です。産卵後に成長したカミナリイカは、水温が下がるまでは浅瀬にいるので、この時期は堤防からも釣ることができます。
ズル引きエギングでスミイカを釣る
コウイカの仲間は砂泥底(さでいぞこ)に生息し、あまり中層や表層では泳いでいません。水族館でみたコウイカもアオリイカよりも底にいました。以前NHKで放映された「知られざる野生 東京湾~イカの王国」でも館山の砂泥底を泳ぐカミナリイカの姿がありました。
水槽の砂底にいるコウイカの幼イカ@八景島シーパラ |
と、いうことでコウイカ類を釣るには底狙いで間違いありません。餌も海底に佇むエビや魚です。なのでエギングで餌木を着底させてからシャクっているとコウイカ類も釣れるのです。エギングを始めた時に、アオリイカは二段シャクリ、スミイカはズル引きが基本だと師匠にも教わりました。勿論、中層の餌木を果敢に攻めてくるカミナリイカもいます。
ズル引きとは、その名の通り、餌木を底まで落として海底をズルズルと引っ張ってくることです。下記は、釣り用語集での説明です。
ズル引き ワームを底まで落とし、底をズルズルと引きずるようにゆっくりワームを動かすこと。 ワームとは 疑似餌のことでやわらかいソフトルアーの一種です。自然界には存在しない生物やミミズ(ストレートワーム)、ザリガニ(クローワーム)、に似せて作られている。ハードルアーに比べると比較的よく釣れるのでバス釣りではクランクベイトやスピナーベイトなどのフォローとして使用される場合が多い。
【引用:超簡単!まるわかり釣り用語集)
ズル引きエギングは単純な動作です。上記の説明のように餌木を着底させてからゆっくりと引きずってくるだけです。そう考えると餌木を早く沈め、しっかりと底を取れるようにした方が効率的です。
ズル引きエギングに最適な餌木
コウイカ用のエギングも仕掛けは、DUEL(YO-ZURI)から発売されているボトムシュリンプ 3.0号のようなズル引き専用餌木もあります。(残念ながら販売終了)
写真をみてわかるように餌木の下にオモリ(6号 23g)が付いています。海底では下図のように餌木が底に付かないため、根掛かり防止になっているようです。餌木のサイズは3.0号(ボトムシュリンプ 3.0号)と3.5号(ボトムシュリンプ 3.5号)があり、コウイカの生態を鑑みた仕掛けになっています。釣り方についてはボトムシュリンプの製品情報に掲載されています。
ボトムシュリンプ製品情報から転載 |
ボトムシュリンプのようなズル引き専用の餌木を購入しなくても、スナップに「なす型」か「六角型」のオモリを餌木と共に装着するだけで十分です。ボトムシュリンプは3.0-3.5号の餌木です。餌木は号表記ですが、もともとは寸なので、9 - 10cm 程度の大きさです。自分で餌木を用意することで、サイズも色も色々と試すことができます。
餌木サイズとオモリについての組み合わせを色々と試してみましたが、自分にとっての最適な組み合わせは、餌木サイズは2.5号で、オモリは、3-4号です。オモリが大きくなると飛距離も出ますが、ロッドへの負担も大きくなります。
オモリの号数は、尺貫法の匁(もんめ)で1号=1匁です。1匁は、3.75g なので、4号のオモリは約15gです。YO-ZURI パタパタQ ラトル 2.5号を使うとすると重量は10gなので、合計で25gとなります。
4.0号の餌木(YO-ZURI エギ アオリーQ RS 4.0号)が24gなので、4号餌木よりも重くなります。ロッドへの負荷が気になるようでしたらオモリを3号(11g)に下げると、合計が21gになり、4号餌木よりも軽くなります。
餌木サイズを下げても軽量化を計ることができますが、餌木が小さくなると、掛かりが甘くなりイカをばらしてしまうリスクが高まります。YO-ZURI アオリーQ RS 2.0号は、8.3gなので、4号のオモリと組み合わせると合計約23gとなり、この組合せでは4号餌木よりは軽くなります。
上記の組合せはエギングロッドを前提としていますので、ダイワ ロッド ジグキャスター 90MHのような硬め(ミディアムヘビー)のルアーロッドを使うのであれば気にする必要はなくなります。
ズル引きエギングのロッド
エギングロッドでズル引きを楽しむのであれば、ダイワ エメラルダス X 86MHのような硬めのエギングロッドで4.0号の餌木まで対応しているものであれば、2.5号餌木+オモリ4号でも大丈夫かと思いますが、自己責任でお願いします。
ズル引きエギングのリール
リールも普段エギングで使っているリールで問題ありません。DAIWAであれば2500、SHIMANOであれば3000番のリールです。シャクリのエギングと併用するのであれば、やはりダブルハンドルを選びましょう。
ズル引きエギングのコツ
ズル引きは根掛かりのリスクが大きくなりすので、初めてキャスティングする場所では、最初は餌木を付けずにオモリだけにして、手前までズル引いてくると海底の様子がわかります。
キャスティングは、少し長めにラインを垂らして、オモリの自重を使って飛ばします。あとは、ゆっくりとリールを巻いて、数m動かしたら、しばらく止めてを繰り返します。止めている間もテンションを張っておきます。 たまにシャックって海底を跳ね上げるのも効果的です。
リールを巻く速度、距離、止めている時間を色々と試して自分のベストパターンをつくりましょう。
スミイカが餌木に食いついてくるのは、ズル引きを止めた瞬間、若しくは動き出す瞬間です。リールを巻き始めた瞬間に“ズンっ”と重くなったら、ひと呼吸まってからロッドを立ててあわせます。
リールを巻き始めた瞬間に餌木に食らいついてきたときに、あわせが早いと、食腕だけが餌木のカンナに掛かっているときもありますので、あわせは慌てないことが大切です。
手前に寄せてから十分に墨を吐かせてからあげます。
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