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2008年8月23日

顧客満足度調査(CS調査)

以前、ネットプロモータスコアについてふれましたが、普段実施しているアンケートによる顧客満足度調査について改めて考えてみたいと思います。

顧客満足度=Customer Satisfactionの調査目的は、顧客満足度の向上にあります。そのためには、顧客満足度に影響を与えている要因を探り、影響度を数値的に評価する必要があります。


何を改善すれば、顧客満足度が向上するのか!」

これが企業にとって一番知りたいことです。

顧客満足度に影響する各要因の影響度を数値で表すことで、優先順位を付けることが可能となり、効果的、効率的に顧客満足度向上への改善施策を実施できることになることでしょう。


満足度調査の設問を考える

顧客満足度調査を実施するときには、下表のように総合評価と個別評価で設問を組み立てます。

総合満足度評価
個別満足度評価 1. 価格
2. デザイン
3. 機能性
4. 品質
5. 接客態度
6. アフターサービス
7. 店舗の利便性

総合満足度評価

総合満足度評価では、以下の3パターンが有用であるかと思います。設問者側が何を目的とするかによって使い分けが必要でしょう。また下記の設問を複数併記する場合もあります。

  • [製品やサービス] についての総合評価をお聞かせください(総合評価)
  • [製品やサービス] をまたご購入・ご利用されたいと思いますか(継続意向)
  • [製品やサービス] を友人・知人などに勧めたいと思いますか(推奨意向)

注意点としては、製品やサービスにもよると思いますが、推奨意向を総合満足度評価とした場合の各要因の影響度と推奨意向の場合は異なることがあります。例えば、継続意向の場合は、機能評価を重視し、推奨意向の場合は接客態度やわかりやすさを重視する場合などがあります。


個別満足度評価

個別満足度評価の項目をきちんと洗い出せていないと、意味の無い結果となってしまいます。上記の例でアンケートを実施した場合に、もし顧客が支払い手段やポイント制度に不満を抱いていたとすると、正しい結果が得られません。アンケート項目については、仮説をたてて洗い出しを丹念に行うことが大切です。


5段階評価


5段階評価 素点
非常に満足5
やや満足 4
どちらともいえない(普通) 3
やや不満 2
非常に不満 1

アンケートで満足度調査をする場合は上記のような5段階評価がポピュラーだと思います。そして「非常に満足」を5点、「非常に不満」を1点として定量評価を行います。但し、5段階評価を点数化する意味と問題点を理解して使用するべきだと思います。評価軸は人によって異なり、「やや満足」と「非 常に満足」との間隔は人によって異なります。また有効桁数の観点からも、例えば前年より平均点が0.1~0.2ポイント向上したということに意味があるの か否かを考えるべきだと思います。

(評価軸のイメージ)

評価軸のイメージ


4段階評価


4段階評価 素点
非常に満足 5
やや満足 4
やや不満 2
非常に不満 1

中庸性を排除し、白黒をはっきりさせ、「どちらともいえない」を外した4段階評価で行う場合もあります。但し、個人的には、設問側のエゴではないかと考えます。アンケートの基本は、答えやすさにあると思いますので、回答者が回答に迷ってしまうような設問は避けたいものです。そういった意味では、個別満足度評価では、「わからない」という選択肢の追加の検討も必要だと思います。


7段階評価


7段階評価 素点
非常に満足 +3
満足 +2
やや満足 +1
どちらともいえない(普通) 0
やや不満 -1
不満 -2
非常に不満 -3

5段階評価で選択肢をなぜ「非常に満足」「やや満足」とするのでしょうか。

「非常に満足」「満足」とした場合には、「満足」とまでは言い切れないという回答者が「どちらともいえない」を選択してしまうかもしれません。

また「満足」「やや満足」では、満足度の非常に高い層が「満足」という回答の中に埋もれてしまいます。「非常に満足」の層や「非常に不満」記された要因は個別にみる必要があります。

そう考えると5段階評価では、 「非常に満足」「やや満足」で落ち着くのではないでしょうか。回答者側の視点でみても「満足している」という回答者は、一瞬迷うものの「非常に満足」まではいかないのであれば、「やや満足」を選択することでしょう。

この「非常に満足」と「やや満足」の間に「満足」追加したものが7段階評価になります。7段階の場合は、+3点から-3点を付与することにより、点数がプラスであれば満足でマイナスであれば不満と評価できます。

(次は、実際の評価について考えてみたいと思います。)

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