各種イベントの中止、TDLやUSJの休園、プロ野球や大相撲の無観客試合、学校の臨時休校、企業のテレワーク推進など、身近にもあっという間に新型コロナウィルスの影響が広まっています。
マスクだけでなく、SNSでの拡散からトイレットペーパー、ティッシュペーパーなども小売店の棚からなくなりました。経済産業省が マスクや消毒液やトイレットペーパーの状況 ~不足を解消するために官民連携して対応中です~ (METI/経済産業省) で現状について伝えていますが、実際に近所のスーパーなどで伽藍とした棚をみると不安を煽られます。
台湾では、デジタル担当政務委員(大臣)の唐鳳(オードリー・タン)氏(38)がマスクの在庫情報を政府がリアルタイムで提供して、アプリで店舗の在庫状況を確認できるというのが、日本でもニュースになっていましたが、流通のデータがそんなに細かく取得できるというのに驚きです。やっぱりこれからはデータの時代です。
日本でも、流通データまでは取得できなかったとしても、昨今、オリンピックチケットの抽選販売を行ったばかりなので、国が一括購入をしてECで販売するのことぐらいはできないものかと思ってしまいます。
感染者数を可視化
米ジョンズ・ホプキンス大学の集計データによると、3月7日時点で世界の感染者数が10万人を超えたとニュースサイトに記載されていたので、データソースを探してみたところ、
ジョンズ・ホプキンス大学システム科学工学センター(CSSE)が、Coronavirus COVID-19 (2019-nCoV)、モバイル版は、Dashboard Coronavirus COVID-19 (Mobile) というサイトで世界の新型コロナウイルス感染者数を地図とグラフで可視化して提供していました。
もちろん、日本の感染者数も確認することができます。
3月7日時点のデータでは、
- 感染者数:420名
- 死者数:6名
- 退院者:46名
- 現患者数:368名
とあります。
しかし、残念ながら日本という一括りで都道府県別には分けられていません。
ちなみに日本にマーキングされているもうひとつは、集計上は Others となっているダイアモンドプリンセスに関するデータについてです。
都道府県別新型コロナウイルス感染症患者数マップ
日本では、同じような形でデータを可視化しているところはないかと探してみると、「都道府県別新型コロナウイルス感染者数マップ」(2020/11 更新終了)が、ジャッグジャパン株式会社より公開されていました。こちらのデータは都道府県別にマッピングされています。
COVID19_Japan - For publication に記載されている説明を読むと、
本マップは、米国ジョンズ・ホプキンズ大学のシステム科学工学センター (CSSE) が公開している「 Wuhan Coronavirus (2019-nCoV) Global Cases (by Johns Hopkins CSSE)」に着想を得て、日本国内にフォーカスして公開しております。本マップはジョンズ・ホプキンズ大学とは一切関係ありません。
とあり、Operations Dashboard for ArcGIS を使っていて、グラフをクリックすることで、表示するコンテンツを絞り込むことができます。
例えば、「直近一週間の感染者増加数(男女別)」棒グラフで3月7日を選ぶと他のグラフ、地図が連動して変化し、15名の感染者数都道府県別の内訳数と場所が地図上で表示されます。
データソースについては、
原則、自治体発出の文章を基準についており、1日1回公開の厚生労働省発出の文章によって二重チェックと採番の反映を行う。自治体発出の文章が間に合わない場合のみ、記者会見のストリーミング動画を一次ソースにする場合がある。
と、記載されていますが、データ更新もむちゃくちゃ早いです。
データの即時性
都道府県別新型コロナウイルス感染者数マップの最終更新日は、閲覧時点で2020/3/7 23:41となっていますが、その時点のデータでは、
- 感染者数:461名
- 死者数:6名
- 退院者:69名
と、ジョンズ・ホプキンス大学システム科学工学センター(CSSE)のデータと41名の差があります。このブログを書き始めた時点のデータが443名だったので数時間の間にデータが更新されていました。
CSVデータもダウンロード可
データはCSV形式でダウンロードすることもできます。CSVデータは、Creative Commons「BY-NC 国際4.0」として提供されています。
フォーマットについては、「新型コロナウイルス感染者数マップ」について – J.A.G JAPAN に説明があります。
CSVデータを使ってみた
CSVデータを実際に使ってみました。
ただ、このグラフには、現時点の患者数がなかったので、実患者数累計=累計-(退院数累計+死亡合計)で求めグラフを作成してみました。
新型コロナウイルス感染者数が地図やグラフで可視化されているサイト
上記で紹介した、ジョンズ・ホプキンス大学システム科学工学センター(CSSE)の Coronavirus COVID-19 (2019-nCoV)、ジャックジャパンの 都道府県別新型コロナウイルス感染者数マップ 以外にも下記のサイトで同じような地図とグラフでデータの可視化がされています。(参考:COVID-19 Maps & visuals | CIDRAP)
- 新型コロナウイルスをマップ化しているサイト一覧
- Coronavirus COVID-19 global cases (Johns Hopkins)
- Novel coronavirus (COVID-19) outbreak timeline map (HealthMap)
- Novel coronavirus infection map (University of Washington)
- COVID-19 surveillance dashboard (University of Virginia)
- Novel coronavirus (COVID-19) situation dashboard (WHO)
- Coronavirus disease 2019 (COVID-19) in the US (CDC)
- Geographical distribution of COVID-19 cases worldwide (ECDC)
- COVID-19 coronavirus tracker (Kaiser Family Foundation)
- COVID-19 coronavirus oubreak (Worldometer)
- Coronavirus: the new disease Covid-19 explained (South China Morning Post)
- Mapping the Wuhan coronavirus outbreak (Esri StoryMaps
しかし、日本の新型コロナウイルス感染者に関しては、都道府県別で確認できる、ジャックジャパンが提供する都道府県別新型コロナウイルス感染者数マップが最も優れています。
ジャックジャパン株式会社の関係者みなさまの努力に敬意を表したいと思います。「新型コロナウイルス感染者数マップ」へのご寄付について – J.A.G JAPAN というページもありますので、賛同される方は是非。(サイトの更新は2020年11月で終了しています。)