2016 年から始まった「山の日」にちなんで、平成23年社会生活基本調査の登山・ハイキングについての調査結果が再掲されていました。
統計局ホームページ/統計トピックスNo.96/登山・ハイキングを行った人の状況 によると、15歳以上の登山・ハイキング人口は 973万人で、過去1年間に登山・ハイキングを行った人の割合は9%とあります。これは10人集まれば1人ぐらいは、山に行っているという換算になります。
年代別に登山・ハイキングの人口割合をみると60代が220万人と突出していますが、30代から50代も160-170万人と少なくはありません。
女性にも人気のスポーツ
統計表一覧 平成23年社会生活基本調査(スポーツ) から登山・ハイキングの年代別の男女比を作成してみました(下図参照)。男女比は、全体では51:49と山に行く約半分が女性です、20代、30代、50代では女性の比率が男性を上回っています。
後述する「森林セラピー」なども相成ってか、登山・ハイキングは女性にも人気なリクリエーションなようです。
歩行運動の4段階活用
平成23年社会生活基本調査の中でも「登山・ハイキング」とありますが、登山とハイキングの違いは何でしょうか?またトレッキングという言い方もあります。
辞書を調べてみると、
「登山」は、”山に登ること”(大辞泉)です。これに対して「ハイキング」は、”自然を楽しみながら野山などを歩くこと”(大辞泉) で、トレッキングは、”健康やレクリエーションを目的とした山歩き。また、高山の山麓を徒歩で旅行すること”(大辞泉)とあります。
Google先生は、トレッキング を ”高いところまでは(無理して)登らない山歩き" と教えてくれます。「無理して登らない」というのがちょっとかわいいですね。
つまり、山頂を目指す登山と違って、トレッキングは必ずしも山頂は目指さず、山歩きが目的となります。またハイキングは自然を楽しみながら歩くことが目的で、山である必要はありません。
何か、すっきりした感じです。
そして、同じ歩行運動の「ウォーキング」は、”健康維持、体力増進のための歩行運動”(大辞泉) です。歩くことが自体が目的なので自然のある野山に出かける必要はありません。
この4つの歩行運動系を活動レベル順に並べると
となり、歩行運動の活用形での最上級形が登山といった感じでしょうか。
検索からみた登山の傾向
下表は、GoogleとBingでの「登山」「トレッキング」「ハイキング」の検索結果数(2017.1.15)です。Googleで登山の検索結果数は1億6,700万件もあります。また Bingではトレッキングよりもハイキングの方が検索結果数が多くなっています。
キーワード | Bing | |
登山 | 1億6,700万 | 1,290万 |
トレッキング | 7,230万 | 731万 |
ハイキング | 4,870万 | 998万 |
次に Google Trends で関連ワードについて調べると、登山は「富士山」です。やっぱり日本人として一度は富士山に登ってみたいという表れなのでしょうか。
そして、トレッキングの関連キーワードは、「トレッキング シューズ」「トレッキング ポール」「トレッキング ブーツ」「トレッキング 服装」などトレッキングに必要となる用具が検索されていることがわかります。
一方、ハイキングは「ハイキングコース」です。ハイキングには専門の用具は必要ないと考え、どこに行こうかと場所を決めるために検索していると思われます。
また Google Trends でトレッキングとハイキングの検索動向をみると、冬季は落ち込んで、GWと秋に検索の山があります。ハイキングは、この傾向が顕著で、特にGW時期に多く検索されています。ハイキングは、新緑と紅葉を楽しむレジャーとしての王道のようです。
検索結果からハイキングがトレッキングよりも手軽に楽しめるレジャーであるということが伺えます。このことからも、歩行運動の活用形でのハイキング<トレッキングという定義が正しいことが裏付けされます。
森林浴を楽しもう
森林浴、森林セラピーと言われていますが、山の中を歩くと「なぜ気持ち良いか」を科学的に証明しようと「フィトンチッド」や「マイナスイオン」の効果が研究されています。神奈川県厚木市にある七沢・飯山の森を歩いたときにもこんな立て看板がありました。
フィトンチッド(phytoncide)とは、1930年頃にロシア・レニングラード大学の ボリス・ペトロヴィチ・トーキン教授が作り出した合成語で、ギリシア古語の「フィトン(植物)」と「チッド(殺す)」から作られたそうです。
製薬会社のサイトにもフィトンチッドについての説明がありました。
森林浴の効用としてよく知られるのがフィトンチッドの効果です。フィトンチッドは樹木が自らを外敵から守るために発する香りの成分で、主な成分はテルペン類と呼ばれる有機化合物です。
フィトンチッドは植物が殺菌を殺して活性化させる森の精気です。
森林浴の語源
「森林浴」という言葉は、1982年に当時の林野庁長官だった秋山智英氏が提唱したキャッチコピーだったようで、森林浴の歴 について に詳しく記載されています。
森林浴とは、1982年林野庁の「森林浴構想」に端を発し当時の秋山林野庁長官が命名し、「森林の中には殺菌力を持つ独特の芳香が存在し森の中にいることが健康体をつくる。」との構想のもとに発表された言葉である。
【引用】森林浴の歴 について
「森林の中には殺菌力を持つ独特の芳香が存在し、森の中にいることが健康体をつくる」というのは、まさにフィトンチッドを指しています。
しかし、フィトンチッドなどといわれなくても、森林の美しい景観、風に騒めく木々の声、川のせせらぎ、野鳥や虫の鳴き声、土や落葉の上を歩く感触、新鮮な空気、森の香り、など五感を満たしながら森林を歩くのは気持ちがいいものです。
特定非営利活動法人 森林セラピーソサエティ が、森林セラピー基地、森林セラピーロードを認定しています。整備されていて歩きやすいコースがたくさん掲載されていますので、全国62の森|森林セラピー総合サイト を参考に森林浴に是非、出かけてみてください。
フィトンチッドの看板の写真を掲載した、七沢・飯山のハイキングコースについても「鐘ヶ嶽ハイキングコース」「白山順巡礼コース」が、セラピーロードとして認定されています。こちらのコースの詳細は、 七沢・飯山ハイキングマップ | 厚木市 を参照してください。
最初に購入したトレッキング用具はコレ
ここからが物欲の本題です。トレッキングの三種の神器は「ザック」「シューズ」「雨具」とも言われています。しかし、取りあえず使えるものがあったこともあり、最初に購入したのは、その何れでもありませんでした。
森林で五感を満たしながら、、、と記載しましたが、五感というには足りないものがひとつあります。そう「味覚」です。山に行くとお湯を沸かしてスープを飲んだり、珈琲を嗜んでいる人たちがいます。
「あれ、欲しい!」
ということで、登山用のガスコンロ(登山用語では、シングルバーナー(ストーブ))を物色してみました。値段はピンキリですが、火を扱う器具なので安全性も踏まえて下記の観点で検討。
- ガスカートリッジを扱っているメーカー(安全性)
- ガスカートリッジは店舗でも購入可能(消耗品の購入)
- Amazon Prime 対象商品(購入の利便性)
候補として見つけたのは、PRIMUS(プリムス) P-153 ウルトラバーナー、スノーピーク(snow peak) ギガパワーストーブ GS-100、 キャプテンスタッグ オーリック小型ガスバーナーコンロ M-7900 の3点です。
キャプテンスタッグのストーブには、コッヘル(クッカー)とセットになったキャプテンスタッグ オーリック小型ガスバーナー・クッカーセット M-6400 もあります。
ちなみにコッヘル(クッカー)とは、ウィキペディアでは下記のように説明されています。
コッヘルとは、キャンプ、登山等主に屋外で使用される携帯用の小型の調理器具である。語源はドイツ語のKocher(調理するもの、調理器具)による。英語のクッカー(Cooker )とほぼ同義。
【引用】コッヘル - Wikipedia
日本語にすれば携帯鍋です。
セットになっているコッヘル(クッカー)の中にガスカートリッジを収納できるので、かさばらない工夫がされています。単純な仕組みですが、ザックに荷物を詰め込むときに、とても大切なことだということを実感します。
セットになっているコッヘル(クッカー)は、キャプテンスタッグ カートリッジクッカーセット M-8579 で容量は820mlです。沸かせるお湯の量は600mlぐらいなので、カップラーメンなら2杯、コーヒーなら3-4杯分です。
スノーピーク トレック900 SCS-008 もコッヘル(クッカー)の中にガスカートリッジが収納できます。こちらは容量が900mlと少し大きく、更にふたの部分がフライパンとしても利用できるタイプになっています。
価格に惹かれて キャプテンスタッグ オーリック小型ガスバーナー・クッカーセット M-6400 を購入しましたが、キャプテンスタッグのシングルバーナーとクッカーは単品でも販売されています。購入前にセットで購入するのとどちらがお得か比較してみてください。
何れにせよガスカートリッジは別売です。
水の持ち運びに
珈琲を飲むためには水を持ち運ばなければなりません。初めの頃は、ペットボトルをそのままザックに突っ込んでいたのですが、いまは Platypus(プラティパス)2リットルボトル を使っています。
これはかなり優れものです。
- 形状が柔軟なため水筒やペットボトルに比べてパッキングしやすい。
- 水の量を減らすとコンパクトになる(最大2リットル)
- 中身が空になったら、コンパクトに折りたためる。
- 空気を抜けばチャプン、チャプンとザックの中で水が揺れない。
- 再利用可能でゴミにならない。
2リットルも必要ないというのであれば、1リットルタイプのソフトボトルがあります。
自動点火装置が使えなくなった、、、
キャプテンスタッグ オーリック小型ガスバーナーをいつも山に行くときには持ち歩いていましたが、1年程で圧電点火装置が壊れてしまったので、ライターをケースに入れています、、、。
次は スノーピーク(snow peak) ギガパワーストーブ GS-100 かなと夢見ながらも、まだ現役です。
さあ、ストーブ(登山用ガスコンロ)をザックに詰めて森林浴に出かけましょう!
※ 場所によっては火の利用が禁止されていますので、ルールに従って利用してください。
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