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2023年9月2日

LAMY カリグラフィー ニブで楽譜を描く:その選択過程と理由

カリグラフィー 1.5mmで描いた楽譜

エレクトリック・アップライト・ベースでウォーキングベースを練習していますが、読譜の練習も兼ねてベースラインを楽譜に描いています。

しかし、楽譜に馴染みがなかった自分にとっては、譜面を描くということは、かなり労力が必要で面倒な作業です。

そこで、ベースの練習のモチベーションを高めるために専用の楽譜用万年筆があるか調べてみました。万年筆の濃いインクなら楽譜の視認性も向上します。


ミュージック ニブ

日本を代表する万年筆ブランドである「プラチナ万年筆」「パイロット」「セーラー万年筆」、それぞれから楽譜の作成を支援するためにデザインされたミュージック ニブと呼ばれる特別なペン先の万年筆が発売されています。

ミュージック ニブの最大の特徴は、その独特な書き味です。横線は細く、一方で縦線は太く書くことができます。この特性を活かして、楽譜を構成する音符、休符、記号、線などを独特なタッチで描写することができます。

ミュージック ニブは、特殊なペン先の構造に起因して一般的なペン先に比べてやや高めの価格設定となっています。しかしながら、その性能と機能は、楽譜を描くことにおいて高い品質と効率性を提供してくれるに違いありません。


プラチナ万年筆 #3776 センチュリー ミュージック

プラチナ万年筆の #3776 センチュリー(ミュージック)は、楽譜を美しく描くための万年筆です。最大の特徴は、縦の線を太く、横の線を細く描くことができる特殊なペン先です。ペンポイントは幅広な平らで、スリット(ペン先の割れ目)は2本あります。これによりインクフローの量を多くして太い線を描けるようになっています。

またペン先のインク量が多いので、使っていないときにペン先が乾いて描けなくなることを防ぐために、キャップはスリップシール機構が採用されており、使っていない間にインクが乾燥するのを防ぐ役割を果たします。


パイロット カスタム 74 万年筆 ブラック MS(ミュージック)

パイロット カスタムシリーズのペン先にはMS(ミュージック)モデルがラインナップされています。

  • CUSTOM 74
  • CUSTOM 742
  • CUSTOM HERITAGE 912

MS(ミュージック)ペン先は、特殊な形状で、ペンポイントは広く平坦になっており、スリット(ペン先の割れ目)は2本あります。この設計により、ペン先が3つに分かれており、独自の書き味を提供します。

パイロット カスタム74は、初めての金ペンとしても人気の高い万年筆ですが、MS(ミュージック)ペン先は、楽譜をはじめ、縦線と横線の太さの変化を活かした文字やデザインを描く際にも優れた性能を発揮できることが期待できます。


セーラー万年筆 プロフィットライト ゴールドトリム ミュージック

セーラー万年筆のプロフェッショナルギアとプロフィット シリーズには、ミュージック ニブがあります。ペンポイントが平坦にカットされた特殊な形状は、プラチナ万年筆やパイロットのミュージックニブと同じですが、セーラー万年筆のミュージック ニブにはスリットが1本しかありません。

以下のモデルでミュージックペン先が利用可能です:

特に、プロフィット ライトは14Kの金ペンとしてはリーズナブルな価格設定です。また、コスト重視であれば、ステンレス製のプロフィットカジュアルという選択肢も用意されています。


安価なミュージックペン「写譜カリ」から学んだこと

趣味で使用するものということで、清水の舞台を飛び降りる覚悟で、スリットが2本入ったパイロット カスタム 74 ブラック MS(ミュージック)の購入を決断。

しかし、冷静に考えると、どんどんと弱気になってしまいます。

  • 趣味のためとはいえ普段使っている万年筆より高いものが本当に必要?
  • 楽譜用の万年筆を使う頻度は高くないのでは?
  • 少し高い万年筆を買うなら前から気になっている軟ペンの方が先では?

自分の「勇気」と「財力」を踏まえて、より経済的な楽譜用の万年筆が存在しないかを探してみると、写譜に適したカリグラフィーペン「写譜カリ1(ペン先1.5mm)」「写譜カリ2(ペン先1.1mm)」がセットになっている商品を見つけました。

中国産の万年筆は試したことがなく、低価格な万年筆は、インク漏れや書き心地についての不安もあります。

しかしながら、「写譜カリ」は、楽譜を書き写す「写譜(しゃふ)」という美しい言葉と、細い線から太い線までを描けるカリグラフィーペンは、楽譜の描写にも適していることを教えてくれました。さらにAmazonの動画で、1.1mmと1.5mmの太さの違いが分かりました。

写譜カリ」は、楽譜用の万年筆を探す上で新たな視点をもたらしてくれました。


写譜用にカリグラフィーペンを探す

カリグラフィー(Calligraphy)とはアルファベットをアートとして美しく書く技法です。カリグラフィー用の万年筆は、一本のペン先で細い線から太い線まで描ける特徴があります。これはミュージック・ニブと共通です。

しかし、ニブの形状はかなり異なります。ミュージックニブは、ペンポイントが広く平坦になっていますが、カリグラフィーニブにはペンポイントがなく、ペン先の先端がカットされたようになっています。下写真は1.5mm幅です。

ミュージックニブとカリグラフィーニブの比較

ニブの形状は違うけど、「写譜カリ」を信じ、書き心地が快適でありながら手ごろな価格のカリグラフィー万年筆を探して、以下の二つを候補としました。

  • セーラー万年筆 ハイエースネオクリア カリグラフィー
  • LAMY joy

セーラー万年筆はhocoro(ホコロ)の筆文字(特殊ペン先)を持っていますが、書き心地は悪くありません。ただし、安価なペンのデザインには限界を感じます。

一方で、LAMYはデザインに加えて書き心地や品質においても絶対的な信頼感があります。


LAMY Safariをカリグラフィーペンに改造

LAMY Safariを2本所有しているため、3本目のLAMYの万年筆を購入することには少し躊躇してしまいますが、「LAMY Safari はニブが交換できる」ことを思い出しました。

LAMYの交換用ニブには、1.1mm1.5mm1.9mmという3つのカリグラフィー用のペン先が用意されています。

悩みに悩んだ楽譜を描くための万年筆は、LAMY Safari のニブ交換』で解決です。


LAMY Safari カリグラフィー 1.5mm で写譜

ベースの練習で使っている楽譜は、8段か12段です。なので「写譜カリ」の動画を参考に1.5mmのカリグラフィーを選びました。

LAMY 交換用ペン先 カリグラフィー 1.5mm

LAMYのニブ交換については、「1分で簡単!LAMYサファリの『ニブの交換方法』と注意点を写真で解説」という記事を参考にしました。セロテープを貼って引っ張れば簡単にニブが外れました。新しいニブを差し込みも力なくできます。

新しいニブが装着できました。

LAMY Safariにカリグラフィー ニブを装着

通常の持ち方だと、カリグラフィー 1.5mmのペン先では、縦線は太く横線は細く描くことができますが、角度によって太さに変化がでるので音符の旗もカッコよく描けます。

LAMY Calligraphy 1.5mm で描いたアルファベット、線、音符

カリグラフィー ニブに交換しても、インクフローもよく、LAMY Safari の書き心地の良さは変わりません。

残念ながら、カリグラフィー ニブが装着されているLAMY Safariはありません。LAMY Safari を持っていないのであれば、LAMY Joy(カリグラフーペン)という選択もあります。

ニブの形状から音符の玉(符頭:ふとう)を丸く描くのが難しい、、、。丸い音符を描くのであればペン先幅が1.0mmの方が描きやすいかもしれません。

この符頭の完成度が、ミュージックニブとカリグラフィーニブで楽譜を描く場合の最大の違いなのでしょうか。

それでもカリグラフィーニブでの符頭も許容範囲です。


カリグラフィーペンで音符を描くコツ

通常の持ち方だと縦線が太くなってしまうので、音符の玉から伸びている線(符幹:ふかん)を書くときには、ペンを90度回して、ペン先の全面を譜面に当てて描く必要があります。スリット(ペン先の割れ目)の部分が紙に当たっていないとインクが出ません。

音符の棒は万年筆のを90度回転させて描く

同様に、シャープ記号の縦線を細く、横線を太くしたい場合も、縦線も横線もペンを90度回転させた状態で描きます。

この書き方のコツに慣れるまでには少し練習が必要でした。

実際に譜面を描いてみたのがこちらです。

LAMY Calligraphy Nib 1.5mmで描いた譜面

予想通り視認性がよく、実用的です。また、1.5mmのペン先サイズもちょうどよいと感じました。「写譜カリ」に感謝しています。

読譜の練習を兼ねて、写譜も重ね、エレクトリックアップラライトベースでウォーキングベースラインの練習にも励みたいと思います。


LAMY カリグラフィーで書いた日本語

LAMY カリグラフィーのペン先で普通に日本語を書くと、勝手にアーティスティックな文字に仕上げてくれます。簡単なメッセージを添えるときにインパクトのある文字で表現できます。

カリグラフィーニブで書く日本語も悪くない

LAMYカリグラフィー、かなりいい感じで気に入りました。

2022年6月18日

五線譜を書くのも大人の鉛筆が都合よい

「大人の鉛筆」と「鉛筆シャープ」

上から2本は、随分と前に購入した「大人の鉛筆」シリーズです。まだまだ現役として活躍中で、最近では譜面を書くのにも使っていました。

しかし、写真の上から2番目の PRIME TIMBER は、口金のネジの受けが木で、ネジ穴が緩くなり、芯を出すためにノックすると簡単に外れるようになってしまいました。

HIGHTIDE penco PRIME TIMBER

譜面を書くときに、音符は書き込みは と、2本のペンを使い分けていたので、譜面を書くときにも筆記用具は2本は必要!

PRIME TIMBER は、ハイタイドのpencoブランドと北星鉛筆(株)とのコラボレーション商品で、気に入っていたシャーペンでした。

同じものが購入できるのかとAmazonで検索してみると、廃版になっているようですが、まだAmazonで購入できます。

同じものを購入しようかと思いましたが、久しぶりのシャーペン購入の機会です。折角なので新しいものはないかと「太芯シャープ」で探してみました。

下記の3つは、芯が2.0mmで、デザインもシンプルな木製シャープペンシルです。

MUJI 木軸2mm は、無印良品の店舗で手にしてみましたが、軸がかなり太く握りづらい。書くというより描くための筆記用具といった感じです。

芯が2.0mm ではありませんが、「KOKUYO 鉛筆シャープ1.3mm」のデザインがとってもシンプルだったので、白と赤、2本の鉛筆シャープと2Bと赤の替芯を購入。

早速使ってみましたが、いままで使っていた大人の鉛筆と比べると軽すぎて、ペンの重さがしっくりきません。

実際にどのくらいの差があるのかと計量器で測ってみると

  • 大人の鉛筆 10g
  • 鉛筆シャープ 5g

と、鉛筆シャープは大人の鉛筆の半分の重さです。普段、万年筆やボールペンを使っている大人からするとかなり軽く感じます。

大人の鉛筆は、木製軸の両端に金属が使われていて、重心は先端にありますが、上部の金具の重さとのバランスで「書くという動作」に適した重さと絶妙なバランスです。

普段、大人が使っているであろう筆記用具と、違和感がないように設計されている点でも大人の鉛筆というネーミングに納得です。


譜面を書くのも心地よい

五線譜上の音符も力を入れなくてもムラもなくきれいに塗りつぶせます。芯はBを使っていますが、はっきりとした音符が書けます。練習では少し離れた位置から譜面を見るので視認性が高いことは大切です。

しっかり読める譜面が書ける大人の鉛筆

芯先が丸くなってきたら、専用の芯削りを使います。楽しいひとときです。

芯削りは楽しい作業

書きやすく、視認性が高い音符が書ける大人の鉛筆はウォーキングベースを練習するのにも必須アイテムとなっています。


五線譜ノート

文房具屋を訪れても音楽ノートなるものが、ほとんどない世の中になってしまいました。

リングノートの方が広げられるので使いやすいだろうと、マルマンノート 音楽譜 12段 を購入しました。しかし、コードやコメントなどを記載していくので五線譜と五線譜の間隔が広い10段にすればよかったと後悔しています。

また、キャンパスノート 音楽帳 A4 12段 は、A4なのでB5ノートより大きくなってしまいますが、五線譜と五線譜の間隔が14mmと、マルマンの12段より4mm幅広です。

練習に使うための音楽ノートは書き込める余白が大切です。


サステナブルな大人の鉛筆

大人の鉛筆も発売から10年以上が経過していますが、長きに渡って販売されています。またラインナップも増えて、漆塗りの大人の鉛筆もあります。

一瞬、物欲の神様が降臨しかかりましたが、鉛筆シャープを購入したばかりです。我らが救世主アロンアルファでpenco PRIME TIMBER (ペンコ プライムティンバー を復活させました。

大人の、大人による、大人のための鉛筆」というブログ記事を書いたのが2013年なので、大人の鉛筆を9年ぐらい使い続けていることになりますが、まだ頑張ってくれそうです。


変化の激しい時代にも変わらないものがある

新しい「太芯シャーペン」を探したつもりが、結局は、「鉛筆シャープ」と「大人の鉛筆」に戻ってきてしまいました。

「鉛筆シャープ」は三角形から六角形へとより鉛筆に近い形状に回帰し、シンプルなデザインになりましたが、「これ、いいな」と思った自分の変わらないモノへの価値基準に驚きです。

そして、譜面を書くのにも「大人の鉛筆」は、最適な筆記用具です。

古き良きものを懐かしむという懐古主義的な要素だけではなく、鉛筆としての良さを大人にも提供しつづけてくれる北星鉛筆に感謝いたします。

ガンバレ!北星鉛筆。