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2015年3月31日

できるだけ簡単に腹を凹ましたい!

ダイエット始めるにあたって記載したマインドマップを再掲しますが、自分のダイエットの目標は下記の二点です。

  • 体重を減らす
  • お腹を凹ます
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今回は、お腹の凹まし方についての考察と実践です。しかし、意志薄弱な自分にはハードな筋トレや運動は到底できそうにもありません。モットーは「楽しく、簡単に」です。そんなお手軽且つ効率的にお腹を凹ませる方法として実践してみようと思ったのが「ドローイン」と「水平足踏み」でした。

  1. ドローイン
  2. 水平足踏み

なぜ、ドローインと水平足踏みを選択したかという前に、お腹の脂肪について考えてみたいと思います。


内臓脂肪と皮下脂肪

「お腹の周りにこんなに…」とつまんでいるのは皮下脂肪です。皮下脂肪は、皮膚の下にある皮下組織につく脂肪で体の表面に近い部分にあるので、つまんだ部分の厚さを測ることによって肥満度を確かめることができます。一方、内臓脂肪は、内臓の周り(正確には小腸や大腸を支えている腸間膜内)にあり、外から計測することはできませんが、お腹がポッコリとでている場合には、内臓脂肪型肥満の疑いありです。

内臓脂肪の蓄積量は、CTなどによる測定が必要ですが、最近の体組成計といわれる高機能体重計では、内臓脂肪レベルを測定することが可能です。

しかし、もっとも簡単な測定方法は腹囲(へそ周りの)の計測です。


なぜメタボ診断での腹囲は男性に厳しいのか?

一般的に男性は内臓脂肪が溜まりやすく、女性は皮下脂肪が多いといわれています。厚生労働省の説明によれば、下図の左が男性に多い内臓脂肪型肥満で、右側が女性に多い皮下脂肪型肥満です。そのため厚生労働省のメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の判定基準である内臓脂肪の蓄積を評価する腹囲(へそ周り)は、男性85cm以上、女性90cm(内臓脂肪面積 男女ともに≧100㎠に相当)と、男性の方が厳しくなっているのです。

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但し、実際には内臓脂肪の蓄積(腹囲)に加えて、脂質異常、高血圧、高血糖のうち2つ以上の項目があてはまった場合にメタボリックシンドロームと診断されます。詳細は厚生労働省の下記のページで確認してみてください。

あなたは大丈夫? メタボリックシンドロームをチェックしよう!|厚生労働省

厚生労働省の「H24 国民健康・栄養調査」によれば、30代、40代と急激に腹回りに脂肪を貯蓄して、40歳以上の男性の半数以上が腹囲85cm以上と、メタボチェックの対象となってしまっています。

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見た目の弊害の皮下脂肪、健康を阻害する内臓脂肪

では、なぜ厚生労働省は「メタボ」といって、内臓脂肪型肥満に対して注意喚起をしているのでしょうか。それは、皮下脂肪による肥満よりも内臓脂肪による肥満の方が健康に害を及ぼす危険があるからだと説明しています。

内臓脂肪がたまることによって、脂肪細胞から糖尿病や高血圧症、高脂血症を引き起こす悪い生理活性物質が多く分泌され、血管の炎症や血栓をつくりやすい状態を起こします。反対に血糖値をコントロールしやすくしたり、動脈硬化を抑えたりする良い生理活性物質の分泌は減り、動脈硬化が進みやすくなります。

【厚生労働省】メタボリックシンドローム - 内臓脂肪がたまるとなぜ危険

内臓脂肪型肥満は、糖尿病、脳卒中、心疾患(心筋梗塞等)といった生活習慣病の原因となるようです。


蓄積しやすい内臓脂肪、されど落としやすい?

健康を阻害する要因となる内臓脂肪は、加齢による基礎代謝の低下、運動不足、カロリーの過剰摂取(食べすぎ)によって直ぐに蓄積されますが、代謝が活発なので落としやすいという特徴があります。一方で皮下脂肪は経年で蓄積され燃焼されづらい脂肪です。

ということなので、お腹を凹ませるためには、先ずは内臓脂肪を落とすことを考えるのがよさそうです。


内臓下垂もお腹ポッコリの原因?

インナーマッスル(体幹部の深層筋)の 腹横筋 は、腹圧を上昇させてコルセットのようにお腹の内臓を包み込んでいる筋肉です。内臓を支えている腹横筋が弱まり、腹圧が低くなるとお腹が膨らみ内臓が垂れ下がってお腹ポッコリのできあがりです。

また腹横筋は、腰椎安定化にも役立っているようなので、腹部のインナーマッスルを鍛えることは腰痛にもよさそうです。


内臓脂肪を落とし、インナーマッスルを鍛える

内臓脂肪を落とすには、下記の2点しかありません。

  1. 消費カロリーを増加する
  2. 摂取カロリーを制限する

今回は、1.消費カロリーを増加する という観点から考えてみたいと思います。消費カロリーを増加するためには、辛い運動をしなければならないと思いがちですが、普通に生活しているだけでもカロリーは消費されます。これが基礎代謝といわれているものです。


基礎代謝量の計算方法

基礎代謝量の計算方法は、健康・栄養フォーラム - 基礎代謝量の推定 にありますが、下記の計算式で推定値を求めることができます。

国立健康・栄養研究所の式(Ganpule et al., 2007)
基礎代謝(kcal/日)=〔0.0481×体重(kg)+0.0234×身長(cm)-0.0138×年齢(歳)-定数(男性: 0.4235、女性:0.9708)〕×1000/4.186

健康・栄養フォーラム - 基礎代謝量の推定 のサイトに 性別、年齢、身長、体重を入力するだけで簡単に基礎代謝量を計算できるフォームが用意されていますが、HTML5で計算式をつくってみました(IEでは動作しません)。

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性別: 
年齢:  歳
身長:  cm
体重:  kg
基礎代謝量(推定値):  0 Kcal / 日

-------------------------------------------

身長と体重はそのままで年齢を変更してみるとわかりますが、同じ身長と体重でも加齢と共に基礎代謝量は低下します。この要因のひとつが筋肉量の低下です。筋肉はエネルギーを消費します。一般に筋肉量が1キロ増加すると基礎代謝量は50Kcalアップするそうです。

筋肉を付けて基礎代謝量を増やせば、内臓脂肪は消費され、お腹も凹むはずです。


やっぱり、腹筋運動?????

お腹の脂肪を燃焼させるためには、やっぱり腹筋運動をしなければならないのでしょうか?

答えは "NO" です。

なぜかといえば、お腹周りの筋肉量はさほど多くないからです。人間の体のなかで筋肉量が多いのは、足や背中、胸の筋肉です。つまり筋肉量の少ない腹筋を鍛えることによって、筋肉を増やして内臓脂肪を消費させるというのは非効率的な方法です。

また「足腰が弱くなった」といわれるように、加齢と共に下半身の筋肉は衰えてきます。筋肉量も多く、立位の姿勢を維持する抗動筋(大腿四頭筋、大殿筋、腹筋群、背筋群)の衰えを防ぐことが、結果的に内臓脂肪を燃焼させることにつながります。

そして、内臓を支えるインナーマッスルを鍛えることで美しくお腹を凹ますことができます。


ドローインの効果は?

ドローイン(draw-in)によってインナーマッスルである腹横筋は鍛えられると言われていますが、本当なのかを調べるために下記を参考にしてみました。腹部引き込み運動というのは、ドローインのことです。

Draw-in による腹横筋および内・外腹斜筋の筋厚変化

腹部引き込み運動時にみられる腰部多裂筋の筋活動評価 : 実施肢位による検討

腹圧呼吸練習を併用した腹部引き込み運動による腹横筋収縮能力の向上

上記から得た自分の解釈は、

【ドローインはインナーマッスルを鍛えるのに有効な方法である】
  • ドローインは腹横筋の有効なトレーニングである
  • 但し、正しく実施しないと効果は得られない
  • 立位でのドローインは有効
  • 腹圧呼吸(お腹に力を入れて息を吐き切る)と共にドローインを実施すると効果的

正しいドローインのやり方

ネットで検索するとドローインの方法にもいろいろとあるようですが、タイトルも素敵な下記の図書を参考にしました。

ドローインの方法が丁寧に解説されていますが、実践しようとすると結構難しいと思いました。また呼吸法、姿勢についても参考になります。


足腰を鍛える水平足踏み

もうひとつが、足腰の筋肉の衰えを防ぐための水平足踏み法です。これは、循環器専門医の加藤治秀先生が、高齢者向けに考案したものですが、3分間の運動としては結構ハードで、腿、股関節に効いていると実感できます。

2000年に出版された書籍で既に新品は手に入りませんが、やり方は簡単です。3分~3分半で交互に足踏みを300回行うのですが、コツは下図のように腿を水平まであげることです。足踏みというよりは腿上げに近い運動です。

水平足踏み

3分から3分半で300回とありますが、300回はとてもできませんでした。最初は、60回(1秒に1回)から初めて、徐々にスピードと回数をあげて、4カ月後にやっと3分で300回ができるようになりました。

しかし、いまでも3分間の運動で心拍数は上昇し、息が上がります。そして股関節や太ももは限界状態です。下記は、水平足踏み時の3分間の心拍数の推移です。

平常時が76bpmぐらいなので、心拍数も倍まで上昇しているのがわかります。3分間の運動なので28calと表示されていますが、消費カロリーは気にする必要はないと思っています。

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半年間で ウェスト、10cm減

ドローインはどこでも簡単にできますが、水平足踏みは、なかなか毎日はできていません。それでも週3-4日のペースで半年間続けています。

結果はといえば、ウェストは10cmサイズダウンです。何よりも昨年から始めたトレッキングが楽になり、水平足踏みの効果を実感しています。

ということで、ドローインと水平足踏みという短時間で手軽にできる運動を(できるかぎり)継続することで「お腹を凹ます」という目標は必ず達成できます。

お腹周りが気になる方は、気張らず、気長に構えて、是非、実践してみてください。

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