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Post Date:2019年7月22日 

Markdown(Typora)でフローチャートを描く

flowchart.js で描画した横書きフロー

TyporaでMarkdownを始めよう! | 象と散歩 でTyporaでのMarkdownの書き方を紹介いたしましたが、今回は、TyporaでMarkdown第2弾として、flowchart.js を使ったフロチャートの書き方です。


文法サポートでダイアグラムをチェック

最初にTyporaのメニューバーの "ファイル(F) → 設定" で文法サポートのダイアグラムをチェックをします。

Typora文法サポート

これで、シーケンス図、クラス図、フローチャート、ガントチャートなどを記述することができるようになりますが、今回は、flowchart.js を使ってフローチャートを記述する方法を紹介します。


Markdownでフローチャートを描く

フローチャートは、```flow から ``` の間に記述しますが、Typoraでは、

```flow

と書いて Enterすると、フローチャートダイアグラムが開きますので、こちらに記述していきます。

Typoraでのflowダイアグラム

前半にエイリアス名の定義(エイリアス名==>コマンド: 処理名)を記述します。次に後に定義したエイリアス名を使ってフローを記述していきます。

```flow
# エイリアス名の定義
# フローの記述
```

コマンドの記述方法

エイリアス名で使うコマンド一覧です。利用できるオブジェクトは、処理ボックス、入出力ボックス、サブルーチンボックス、条件分岐などがあります。

コマンド(エイリアス名の定義) 意味
alias_name=>start: TEXT 処理開始
alias_name=>end: TEXT 処理終了
alias_name=>operation: TEXT 処理
alias_name=>iputoutput: TEXT 入出力
alias_name=>subroutine: TEXT サブルーチン
alias_name=>condition: TEXT 条件分岐
alias_name=>COMMAND : TEXT :>URL[https://.....] 処理名のURLリンク
  • alias_name=> の間はスペース不用
  • command:NAME の間にはスペース必要

下表は、フローを記述するコマンド一覧です。フローはすべてのオブジェクトが繋がるように記載します。

コマンド(フローの記述) 意味
alias_name1->alias_name2 name1からname2へ矢印
alias_name(right) 右方向へ矢印
alias_name(left) 左方向へ矢印
alias_name(yes) alias_name1(条件分岐)で"yes"の場合
alias_name(no) alias_name1(条件分岐)で"no"の場合

縦型のフローチャート例

flowchart.js にもサンプルがありますが、実際の記述と図形を見た方がわかりやすいかと思います。

``` flow
st=>start: 開始
op1=>operation: 処理1
op2=>operation: 処理2
cd1=>condition: 条件分岐1
cd2=>condition: 条件分岐2
sb1=>subroutine: サブルーチン
io1=>inputoutput: 出力 
e=>end: 終了

st->cd1
cd1(yes)->op1->sb1->cd2
cd1(no)->sb1->cd2
cd2(yes)->io1
cd2(no)->op2->io1
io1->e
```

下図は、Typoraで描画したフローチャートです。

flowchart.js で描画した縦書きフロー

横書きのフローチャート例

同じフローチャートを横書きにした例です。横方向に矢印を伸ばすために st(right)->cd1 のように (right) を使います。

``` flow
st=>start: 開始
op1=>operation: 処理1
op2=>operation: 処理2
cd1=>condition: 条件分岐1
cd2=>condition: 条件分岐2
sb1=>subroutine: サブルーチン
io1=>inputoutput: 出力 
e=>end: 終了

st(right)->cd1
cd1(yes)->op1(right)->sb1->cd2
cd1(no)->sb1(right)->cd2
cd2(yes)->io1
cd2(no, right)->op2->io1
io1->e
```

Typoraで描画するとこんな感じです。

flowchart.js で描画した横書きフロー

まとめ

draw.ioなどでフローチャートを描いて画像で貼り付けてもいいのですが、Markdownのプレーンテキストの特徴を生かして flowchart.js でフローを描きましょう。同じくTyporaでサポートしているMermaidでもフローチャートを記述できますが、flowchart.jsの方がシンプルなフローで好きです。


Typora で Markdown シリーズ

Typora での Markdown の記述方法については、下記のシリーズで紹介しています。





Post Date:2019年7月21日 

TyporaでMarkdownを始めよう!

最高のMarkdownエディタtypora

Markdownは、文章を記述するための軽量マークアップ言語でネット上で文章を共有するのに便利に使えます。拡張子は.mdですが、中身はテキスト文章なので軽量ですし、特殊なエディタやビューアーがなくても中身を確認できます。

IT技術者でなくてもブログの下書き、メモやレポートなどにも活用できます。


Markdown形式の特徴

  • シンプル

    簡単な記号で書式を指定できるので、HTMLタグよりも100倍簡単です

  • 書式が使える
    Markdownは、表(テーブル)もあり、使える書式も文章を書く上で十分です。また、LaTeX, flow, sequence, mermaid をサポートしているので、数式、フローチャート、シーケンス図、ガントチャートなどもテキスト表記で描けます
  • 互換性がある
    MarkdownからHTML、Word形式、PDFなど他のフォーマットに変換できます

Markdownは、シンプルで書式が使えて、互換性があるだけではありません。何よりも キーボードから手を放さぜずに書けるというのは、文章を書く上でとても大切なことです。


Typoraは最強のMarkdownエディタ

多くのMarkdownエディタが、編集画面と表示画面の二画面で構成されていますが、Typoraは、WYSIWYGWhat You See Is What You Get)なインターフェイスで、入力したものがそのまま描写されます。またフローチャート、シーケンス図、ガントチャートなどもコマンドベースで作成することができます。

更には、後述するGUIでの表(テーブル)機能のサポート、Excelなどからの表のコピペ、画像コピペなど、コマンドで面倒な部分はGUIでサポートしてくれます。Typoraは、Linux/Mac/Windowsで動作し、現在は、β版ということで無料で利用できます。

2021年11月に有料となり¥1,969(税込)です。クレジットカード/デビッドカード、PayPalで購入できます。(2022/1/31追記)

Typoraの特徴
  • 軽量でシンプルなエディタ
  • WYSIWYGなインターフェイス
  • フローチャート、シーケンス図など図が描写できる
  • 面倒なコマンドはGUIでサポート

と、とっても便利なTyporaです。いま時点で最高のMarkdownエディタだと思います。


TyporaでのMarkdown文法

Typoraは、下記の段落と改行以外については、標準のMarkdownに準拠しています。


段落と改行

ネット上で共有されている文章は、読み手の環境に依存するために改行はあまり使われていません。受けとったメールが変なところで改行されていて読みづらいと思ったことは、誰しもが経験したことがあるのではないでしょうか。

文章を読みやすくするためには段落を使います。HTMLでは<p></p>で文章を囲みますが、MarkdownではEnterを押して改行すると次の段落になります。Markdownでも改行はあり、半角スペース2つで改行なのですが、TyporaではSHIFT+ENTERで改行となります。

改行された
文章


見出し

見出しは6段階です。#の数が少ない方が大きな見出しとなり、htmlのh1からh6タグまでに相当しています。

# 見出し(h1)
## 見出し(h2)
### 見出し(h3)
#### 見出し(h4)
##### 見出し(h5)
###### 見出し(h6)

Sample
見出しのサンプル


リスト

リストは -* です。Tabキーでインデントを付けることもできます。

- 順序なし1
 - インデント1
  - インデント2
- 順序なし2

Sample
  • 順序なし1
    • インデント1
      • インデント2
  • 順序なし2

番号を付けたリストも作成できます。番号は、1.からでなくても始められます。Enterで次のリストとなり、文字を入力せずに続けてEnterするとリストは終了します。

1. 順序付き1
 1. インデント1
 2. インデント2
2.順序付き2

Sample
  1. 順序付き1
    1. インデント1
    2. インデント2
  2. 順序付き2

チェックボックスも作ることができます。

- [x] チェック済み
- [ ] 未チェック

Sample
チェック済み
未チェック

文字を強調する

文字を *(アスタリスク)で囲むと斜体になります、アスタリスクふたつで囲むと太字で、三つで囲むとと斜体と太字の組み合わせとなります。

*斜体(イタリック)*
**太字**
***Bold & Italic***

Sample
Shatai(Italic)
太字
Bold & Italic

打消し線

~(チルダ)2つで囲むと打消し線付きの文字となります。

~~打消し線~~

Sample
打消し線

参照リンクは、[タイトル](URL)で記述します。

[象と散歩](https://walking-elephant.blogspot.com)

Sample

画像

画像の差し込みは、参照リンクの記述と似ていますが、先頭に!(エクスクラメーション)を付けます。

![画像タイトル](画像URL)

で指定します。Typoraでは、![画像タイトル](まで入力するとURL指定とフォルダからの画像選択の両方を促す表示となります。WEB上の画像を利用するのであれば ”画像のURLを入力” にURLを指定し、ローカルに保存されている画像を使う場合は、フォルダアイコンをクリックして画像を選択します。

Typoraで画像挿入

もっと簡単に画像をコピー&ペーストすることもできます。画像をコピペするとWindowsであれば、C:\Users\ユーザ名\AppData\Roaming\Typora\typora-user-images\ に画像が保存されます。


引用

引用は > を使います。二重引用の場合は >> です。メールなどの引用符でも使いますから馴染みがあるかと思います。

> 象と散歩をするようにゆっくりとデータ解析やマーケティングについて考えて
> みようと思っていますが、物欲という雑念が払拭できません。
> 趣味のエギング、アクアリム、三線は永遠の初心者です。
>
> 【引用】[象と散歩](https://walking-elephant.blogspot.com)

Sample
象と散歩をするようにゆっくりとデータ解析やマーケティングについて考えてみようと思っていますが、物欲という雑念が払拭できません。趣味のエギング、アクアリム、三線は永遠の初心者です。

【引用】象と散歩

コード

1行でコード(等幅フォントで整形)を記載する場合は、`(バッククォート)で囲みます。

`1+1=2`

複数行の場合は `(バッククォート)3つで括りますが、Typoraの場合、```で改行、若しくは、``` 言語名でコード入力用のボックスが生成されます。

``` gas
function myFunction() {
Browser.msgBox('hello, world!');
}

注釈

文献を引用した場合や、補足説明をする場合に使う注釈は、[^注記号][^注記号]: 補足文 を使います。本文中の注記号にマウスオーバーすると補足文の内容が表示されます。

Sample
注釈のつけ方1
1 注釈1の補足

表(Table)

表(Table)は、各セルの内容を |(パイプ) で括ります。列は2列以上が必要で、最初の行はTable Header(TH)となり、2行目が表レイアウト、3行目からが、Table Data(TD)となります。2行目の表レイアウトは省略できます。

|TH1|TH2|TH3|
|----|----|----|
|TD1|TD2|TD3|

Sample
TH1 TH2 TH3
TD1 TD2 TD3

表の幅は100%(表示画面の最大)ですが、各セルの比率は、-(ハイフン)で変更することができます。またセル内の左揃え、中央揃え、右揃えは、:(コロン)で表します。

|左揃え|中央揃え|右揃え|
|:--|:----:|--:|
|TD1 |TD2 |TD3 |

Sample
左揃え          中央揃え          右揃え
TD1
TD2
TD3

Typoraの場合は、最初のヘッダー行のみ入力をしてエンターを押すと、表ツールが立ち上がるので、行、列の追加削除、文字位置などが簡単に行えます。

Typoraで表を作成


水平線

水平線は、***, 若しくは、---で書きます。

Sample


エスケープ

Markdown として意味がある記号の前に、\ を書くと文字をそのまま記述できます。

\*\*太字になりません\*\*

Sample
**太字になりません**

目次

Tyoraで目次を作成するときは、[TOC]と記載するだけです。見出しの1~6が目次となります。


Typora の文法サポート

Typoraでは、メニューバーの "ファイル(F) → 設定" で文法サポートの各項目をチェックすると、下付き、上付き文字、ハイライトがサポートされます(ダイアグラムについては別途説明)。

Typora文法サポート


下付き文字

下付き文字は、~(チルダ)で囲みます。

H~2~O

Sample
H2O 

上付き文字

上付き文字は、^(ハット)で囲みます。

X^2^

Sample
X2

ハイライト

文字をハイライトするときは、=(イコール)ふたつで囲みます。

==ハイライト==

Sample
ハイライト

絵文字

Markdownでは、絵文字コードを :(コロン)で囲って、絵文字を埋め込めむことができます。しかし、絵文字コードを覚えるのは大変です。絵文字を使うのであれば、EMOJI CHEAT SHEET に絵文字の一覧があります。絵文字をクリックするとコードがコピーされるので便利です。但し、:simple_smile:などのいくつかの絵文字は使えませんでした。

:smile:
:sweat:
:cry:
:thumbsup:
:elephant:

Sample
😄😓😢👍🐘

HTMLタグで文字装飾をする

TyporaではHTMLタグもそのまま記載できます。文字色ぐらいはMarkdownでも対応してもらいたいところですが、下線、文字色、文字寄せ、ルビ文字などは、HTMLタグで記述します。


HTMLで下線

下線はhtmlタグ<u>を使います。

<u>下線</u>

Sample
下線

HTMLで文字色

文字色はhtmlタグ<font>を使います。

<font color="red">文字を赤色にする方法</font>
<font color="blue">文字を青色にする方法</font>
<font color="gray">文字を灰色にする方法</font>

Sample
文字を赤色にする方法
文字を青色にする方法
文字を灰色にする方法

HTMLで文字寄せ

文字寄せは divタグ の style属性 を使います。

<div style="text-align: right;">
右寄せ
</div>
<div style=”text-aligh: center;”>
中央寄せ
</div>
<div style=”text-align: left;”>
左寄せ
</div>

Sample
右寄せ
中央寄せ
左寄せ

追記:2019.08 文字寄せについて追記しました。


HTMLでルビ文字

ルビ文字はhtmlタグ<ruby>を使います。

<ruby>霰<rt>あられ</rt></ruby>

Sample
あられ

LaTeXで文字装飾をする

Typoraの文法サポートでインライン数式をチェックするとLaTeXが使えます。LaTeXは、数式の記述や論文の体裁を整えるためのものですが、ちょっと構文が面倒です。[改訂第7版]LaTeX2ε美文書作成入門 など書籍で勉強するか、LaTeXコマンド集 を参照してください。

TyporaでLaTexを使うには、$(ダラー)で囲みます。複数行にまたがる場合は、$$で囲みます。


LaTexで数式

数式はこんな風に書きます。

$ \ce{CH4 + 2 $\left( \ce{O2 + 79/21 N2} \right)$} $

Sample
数式

LaTexで文字色

LaTeXを使って文字色を付けることもできます。

$ \textcolor{red}{文字色を赤色にする方法} $
$ \textcolor{blue}{文字色を青色にする方法} $
$ \textcolor{gray}{文字色を灰色にする方法} $

Sample
文字色を赤色にする方法
文字色を青色にする方法
文字色を灰色にする方法

Markdownで図形も描ける

Typoraでは、文法サポートのダイアグラムをチェックしていると、フローチャート、シーケンス図、ガントチャートいった図形もプレーンテキストで表記することができます。こちらの記述方法については、別途、書きたいと思います。

簡単シンプルで色々できるMarkdownをTyporaで始めましょう。


Typora で Markdown シリーズ

Typora での Markdown の記述方法については、下記のシリーズで紹介しています。
参考にしてください。









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