Markdownは、文章を記述するための軽量マークアップ言語 でネット上で文章を共有するのに便利に使えます。拡張子は.mdですが、中身はテキスト文章なので軽量ですし、特殊なエディタやビューアーがなくても中身を確認できます。
IT技術者でなくてもブログの下書き、メモやレポートなどにも活用できます。
Markdown形式の特徴
Markdownは、シンプルで書式が使えて、互換性があるだけではありません。何よりも キーボードから手を放さぜずに書ける というのは、文章を書く上でとても大切なことです。
Typoraは最強のMarkdownエディタ
多くのMarkdownエディタが、編集画面と表示画面の二画面で構成されていますが、Typoraは、WYSIWYG (W hat Y ou S ee I s W hat Y ou G et)なインターフェイスで、入力したものがそのまま描写されます。またフローチャート、シーケンス図、ガントチャートなどもコマンドベースで作成することができます。
更には、後述するGUIでの表(テーブル)機能のサポート、Excelなどからの表のコピペ、画像コピペなど、コマンドで面倒な部分はGUIでサポートしてくれます。Typoraは、Linux/Mac/Windowsで動作し、現在は、β版ということで無料で利用できます。
2021年11月に有料となり¥1,969(税込)です。クレジットカード/デビッドカード、PayPalで購入できます。(2022/1/31追記)
Typoraの特徴
軽量でシンプルなエディタ
WYSIWYGなインターフェイス
フローチャート、シーケンス図など図が描写できる
面倒なコマンドはGUIでサポート
と、とっても便利なTyporaです。いま時点で最高のMarkdownエディタだと思います。
TyporaでのMarkdown文法
Typoraは、下記の段落と改行以外については、標準のMarkdownに準拠しています。
段落と改行
ネット上で共有されている文章は、読み手の環境に依存するために改行はあまり使われていません。受けとったメールが変なところで改行されていて読みづらいと思ったことは、誰しもが経験したことがあるのではないでしょうか。
文章を読みやすくするためには段落を使います。HTMLでは<p></p>で文章を囲みますが、MarkdownではEnterを押して改行すると次の段落になります。Markdownでも改行はあり、半角スペース2つ
で改行なのですが、TyporaではSHIFT+ENTER
で改行となります。
改行された
文章
見出し
見出しは6段階です。#の数が少ない方が大きな見出しとなり、htmlのh1からh6タグまでに相当しています。
# 見出し(h1) ## 見出し(h2) ### 見出し(h3) #### 見出し(h4) ##### 見出し(h5) ###### 見出し(h6)
Sample
リスト
リストは -
か *
です。Tabキーでインデントを付けることもできます。
- 順序なし1 - インデント1 - インデント2 - 順序なし2
Sample
番号を付けたリストも作成できます。番号は、1.からでなくても始められます。Enterで次のリストとなり、文字を入力せずに続けてEnterするとリストは終了します。
1. 順序付き1 1. インデント 1 2. インデント 2 2 .順序付き2
Sample
順序付き1
インデント1
インデント2
順序付き2
チェックボックスも作ることができます。
- [ x ] チェック済み - [ ] 未チェック
Sample
チェック済み
未チェック
文字を強調する
文字を *(アスタリスク)
で囲むと斜体になります、アスタリスクふたつで囲むと太字で、三つで囲むとと斜体と太字の組み合わせとなります。
*斜体(イタリック)* **太字** *** Bold & Italic ***
Sample
Shatai(Italic)
太字
Bold & Italic
打消し線
~(チルダ)2つで囲むと打消し線付きの文字となります。
~~打消し線~~
Sample
打消し線
リンク
参照リンクは、[タイトル](URL)で記述します。
[象と散歩]( https : //walking-elephant.blogspot.com)
Sample
画像
画像の差し込みは、参照リンクの記述と似ていますが、先頭に!(エクスクラメーション)を付けます。

で指定します。Typoraでは、
Sample
象と散歩をするようにゆっくりとデータ解析やマーケティングについて考えてみようと思っていますが、物欲という雑念が払拭できません。趣味のエギング、アクアリム、三線は永遠の初心者です。
【引用】象と散歩
コード
1行でコード(等幅フォントで整形)を記載する場合は、`(バッククォート)で囲みます。
`1+1=2`
複数行の場合は `(バッククォート)3つで括りますが、Typoraの場合、```
で改行、若しくは、``` 言語名
でコード入力用のボックスが生成されます。
``` gas function myFunction() { Browser.msgBox('hello, world!'); }
注釈
文献を引用した場合や、補足説明をする場合に使う注釈は、[^注記号]
と [^注記号]: 補足文
を使います。本文中の注記号にマウスオーバーすると補足文の内容が表示されます。
Sample
注釈のつけ方
表(Table)
表(Table)は、各セルの内容を |(パイプ)
で括ります。列は2列以上が必要で、最初の行はTable Header(TH)となり、2行目が表レイアウト、3行目からが、Table Data(TD)となります。2行目の表レイアウトは省略できます。
| TH1 | TH2 | TH3 | |----|----|----| | TD1 | TD2 | TD3 |
Sample
表の幅は100%(表示画面の最大)ですが、各セルの比率は、-(ハイフン)
で変更することができます。またセル内の左揃え、中央揃え、右揃えは、:(コロン)
で表します。
|左揃え|中央揃え|右揃え| |:--|:----:|--:| | TD1 | TD2 | TD3 |
Sample
Typoraの場合は、最初のヘッダー行のみ入力をしてエンターを押すと、表ツールが立ち上がるので、行、列の追加削除、文字位置などが簡単に行えます。
水平線
水平線は、***
, 若しくは、---
で書きます。
Sample
エスケープ
Markdown として意味がある記号の前に、\
を書くと文字をそのまま記述できます。
\*\* 太字になりません \*\*
Sample
**太字になりません**
目次
Tyoraで目次を作成するときは、[TOC]
と記載するだけです。見出しの1~6が目次となります。
Typora の文法サポート
Typoraでは、メニューバーの "ファイル(F) → 設定" で文法サポートの各項目をチェックすると、下付き、上付き文字、ハイライトがサポートされます(ダイアグラムについては別途説明)。
下付き文字
下付き文字は、~(チルダ)で囲みます。
H ~ 2 ~ O
Sample
H2 O
上付き文字
上付き文字は、^(ハット)で囲みます。
X ^ 2 ^
Sample
X2
ハイライト
文字をハイライトするときは、=(イコール)ふたつで囲みます。
==ハイライト==
Sample
ハイライト
絵文字
Markdownでは、絵文字コードを :(コロン)で囲って、絵文字を埋め込めむことができます。しかし、絵文字コードを覚えるのは大変です。絵文字を使うのであれば、EMOJI CHEAT SHEET に絵文字の一覧があります。絵文字をクリックするとコードがコピーされるので便利です。但し、:simple_smile:
などのいくつかの絵文字は使えませんでした。
: smile : : sweat : : cry : : thumbsup : : elephant :
Sample
😄😓😢👍🐘
HTMLタグで文字装飾をする
TyporaではHTMLタグもそのまま記載できます。文字色ぐらいはMarkdownでも対応してもらいたいところですが、下線、文字色、文字寄せ、ルビ文字などは、HTMLタグで記述します。
HTMLで下線
下線はhtmlタグ<u>
を使います。
<u> 下線 </u>
Sample
下線
HTMLで文字色
文字色はhtmlタグ<font>
を使います。
<font color = "red" > 文字を赤色にする方法 </font> <font color = "blue" > 文字を青色にする方法 </font> <font color = "gray" > 文字を灰色にする方法 </font>
Sample
文字を赤色にする方法
文字を青色にする方法
文字を灰色にする方法
HTMLで文字寄せ
文字寄せは divタグ の style属性 を使います。
<div style = " text - align : right ; " > 右寄せ </div> <div style =” text - aligh : center ;” > 中央寄せ </div> <div style =” text - align : left ;” > 左寄せ </div>
Sample
追記:2019.08 文字寄せについて追記しました。
HTMLでルビ文字
ルビ文字はhtmlタグ<ruby>
を使います。
<ruby> 霰 <rt> あられ </rt></ruby>
Sample
霰あられ
LaTeXで文字装飾をする
Typoraの文法サポートでインライン数式をチェックするとLaTeXが使えます。LaTeXは、数式の記述や論文の体裁を整えるためのものですが、ちょっと構文が面倒です。[改訂第7版]LaTeX2ε美文書作成入門 など書籍で勉強するか、LaTeXコマンド集 を参照してください。
TyporaでLaTexを使うには、$(ダラー)で囲みます。複数行にまたがる場合は、$$で囲みます。
数式はこんな風に書きます。
$ \ce { CH4 + 2 $\left ( \ce { O2 + 79 / 21 N2 } \right ) $ } $
Sample
LaTexで文字色
LaTeXを使って文字色を付けることもできます。
$ \textcolor { red }{文字色を赤色にする方法} $ $ \textcolor { blue }{文字色を青色にする方法} $ $ \textcolor { gray }{文字色を灰色にする方法} $
Sample
文字色を赤色にする方法
文字色を青色にする方法
文字色を灰色にする方法
Markdownで図形も描ける
Typoraでは、文法サポートのダイアグラムをチェックしていると、フローチャート、シーケンス図、ガントチャートいった図形もプレーンテキストで表記することができます。こちらの記述方法については、別途、書きたいと思います。
簡単シンプルで色々できるMarkdownをTyporaで始めましょう。
Typora で Markdown シリーズ
Typora での Markdown の記述方法については、下記のシリーズで紹介しています。
参考にしてください。