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2023年5月22日

MOOKとネットで始める「万年筆の横書き美文字」

「8大法則でたちまち美文字」で美文字練習

美しい文字は、印象を良くするだけでなく、自分自身にも自信を与えてくれます。また、万年筆で書く文字は独特の質感や雰囲気があり、大人な魅力を醸し出します。

そんな万年筆で書く美文字に憧れ、書籍を購入して美文字の練習を始めましたが、普段のノートやメモ書きは横書きで、縦書きで文字を書くことは皆無です。

「横書きの練習をしなければ」

そこで、これらのコンテンツと後述するいくつかのWebサービスを使って横書きの練習を開始しました。


横書きのコツ

大江静芳氏の「美文字に近づく 横書きの綺麗な書き方」という動画で横書きのバランスについて学ぶことはできますが、一文字一文字がキレイに書けるのが前提です。

美文字に近づく 横書きの綺麗な書き方


「ひらがな」と「カタカナ」を練習しよう

常用漢字だけでも2,000文字以上ありますが、それに比べてかな文字(ひらがな/カタカナ)は合計で92文字しかありません。ひらがな/カタカナの練習を通じて、美文字の基礎をしっかりと学びましょう。

大江静芳氏が講師を務めたNHKまる得マガジン「8大法則でたちまち美文字」のテキストは、非常に分かりやすく説明されています(MOOKとしても発売されています)。さらに、「静芳(せいほう)のYouTube書塾」に「ひらがな」と「カタカナ」の書き方が解説された動画が公開されています。

テキスト付録の「かな文字の練習帳」とYouTube動画の説明を参考にして以下の手順で練習します。

  • 練習帳の文字をなぞる(右脳的練習)
    美しい文字のかたちをイメージしながら、文字をなぞって書いていきます。
  • 動画の説明を見ながら書く(左脳的練習)
    YouTube動画の解説を聞きながら、文字を書いていきます。

「右脳的練習」と「左脳的練習」を交互に繰り返すことで、美文字の定着を図ります。

※ MOOK(ムック)とは、「Magazine(マガジン)」と「BOOK(ブック)」の略語で、本と雑誌の中間的な性質を持った出版物のことです


右脳で形を覚える

「8大法則でたちまち美文字」の付録①「ひらがな」と付録②「カタカナ」を使用しますが、そのままだと文字が大きいので縮小コピー(A4からB5に縮小)します。

「8大法則でたちまち美文字」で美文字練習

そして、縮小コピーをした用紙の上にトレーシングペーパーを重ねて、繰り返しなぞることで文字の形とバランスを右脳に記憶させます。

  1. 『8大法則でたちまち美文字』の付録をA4からB5へ縮小でコピー
  2. B5としてコピーした「ひらがな」と「かたかな」の2枚をA4 1枚としてコピー
  3. トレーシングペーパーでなぞる

見本は縦書きに右から縦書きで「あいうえお」と右から左に書かれていますが、左から横書きで「わらやまはな…」と書くか、文字の形を覚えることに徹して「わをん、やゆよ」と左から縦書きに書いていきます。

繰り返し何回も書いて、文字の形を脳にしっかりとインプットしましょう。


左脳で理解する

左脳で文字の書き方を理解するために、大江静芳氏のYouTubeチャンネル「静芳(せいほう)のYouTube書塾」の動画を見ながら方眼罫/5mmのレポート用紙に書いて練習しています。

長い動画なので倍速視聴でタイパです。1.75倍速でも十分に説明を理解できますし、テンポよく書いて行けます。1.75倍速で再生すると、「ひらがなの書き方 全文字解説」は20分24秒、「カタカナの書き方 全文字解説」は12分28秒です。

つご30分弱ですので毎日の練習にちょうどいい時間です。



算用数字

ひらがな/カタカナと合わせて算用数字も練習しておきましょう。下の動画は「ボールペンで算用数字の書き方」ですが、万年筆でも書き方は同じです。


漢字の練習は?

基本的な美文字のコツについては、「8大法則でたちまち美文字」で学ぶことができますが、漢字を一文字ずつ練習するのは大変な作業です。文部科学省の学習指導要領によると、小学校で習う常用漢字だけでも1,006字もありますので、これだけでも気が遠くなりそうです。

学年 漢字数
第一学年80
第二学年160
第三学年200
第四学年200
第五学年185
第六学年181
合計1,006

静芳(せいほう)のYouTube書塾」の動画で、小学校1年生と2年生の漢字ぐらいは練習しようと思っていますが、まだ見られていません。


好きな文章で練習する

普段書いている文章や、好きな言葉で文字の練習をすることで、全体的な文字のバランスを含めて確認できるので漢字を一文字づつ練習するよりも効率的です。実際に入力した文章をお手本として表示してくれたり、練習帳を作成できるサービスを使うと、より実践的な練習ができます。


ペン字場

ペン字場』こちらも同じく、入力した15文字までの文章で練習用紙を作成できます。1行15文字でなぞり書き用が5行あるので練習用紙としては優れています。

  1. 練習したい文章を入力

    ペン字場:オリジナル練習用紙作成

  2. 練習用紙の表示

    ペン字場:オリジナル練習用紙


ペン字の味方

『ペン字の味方』は、自分で練習したい文章を入力して作成した練習用紙をダウンロードできます。

  1. 練習したい文章を入力

    ペン字の味方:オリジナル練習用紙作成

  2. フォーマットを選択

    ペン字の味方:フォーマットの選択

  3. ダウンロード

また、 練習用紙一覧 | 『ペン字の味方』から小学生で習う常用漢字(1,006字)の練習用紙などもダウンロードして利用できます。

ペン字のお手本変換ツール

ペン字のお手本変換ツール』は、練習用紙のダウンローなどの機能はありませんが、入力した文字のお手本を表示してくれます。文字サイズを変更できるのが便利です。

ペン字のお手本変換ツール

漢字の書き順

字の練習をするようになって、自分の漢字の書き順がいい加減だったことを再認識しました。美しい字を書くためには、書き順は非常に重要です。

書き順の確認には、漢字の正しい書き順(筆順) を使っています。左上の検索窓に調べたい漢字を入力して検索すると、書き順がアニメーションで表示されます。

漢字の正しい書き順(筆順)

グリッド表示でコマ送りにすると漢字のバランスを意識した書き順がわかるので、美文字練習の参考になります。また「ポイント」には漢字の書き方のアドバイスなども表示されています。

漢字の正しい書き順(筆順)

3,000円で美文字練習を練習を始めよう

テキスト1冊とネットの無料コンテンツで美文字練習ができます。

初期投資は、テキスト、つけペン、ボトルインクで合計で3,000円です。

3,000円で毎日30分を楽しむことができるだけでなく、趣味と実益を兼ねているため、自己投資として非常にコストパフォーマンスが高いのではないでしょうか。

初めて万年筆を使うのであれば、こちらの動画も参考となります。

2023年5月7日

合皮カバンの剥がれは補修クリームでキレイに直せる

鞄の底の角を修理(修理前と修理後)

MOUSTACHE(ムスタッシュ)の持ち手が本革で、本体は合皮(合成皮革)のトートバックを使っています。合皮の鞄は、軽く、柔らかくてしなやかな手触りが特徴で、耐水性もあるので雨の日でも使えます。

MOUSTACHE トートバッグ VYE4805

デザインもシンプルで軽いバッグなので気に入っていたのですが、擦れやすい鞄の底の角と、物を出し入れする度に動く開口部の合皮が剥がれてきてしまいました。


トートバッグとは?

通勤の人を見ていると、女性は圧倒的にトートバックが多く、男性はトートバックとバックパック(ビジネスリュック)が大半を占めています。

「トートバッグ」の「トート」とは、英語の「to tote」(運ぶ、持ち運ぶ)という動詞から来ています。つまり、「トートバッグ」は手で持って運ぶことができるバッグのことです。トートバッグは、通常は持ち手が長く、開口部が広いのが特徴です。開口部が広いのでPCなど荷物の出し入れも簡単です。


合皮(PUレザー)とは?

合皮の鞄などで使われているPUレーザーは、フェイクレザーとも言われていますが、本物の皮革に似せて作られた人工素材で、Polyurethane Laser(ポリウレタンレザー)の略称です。

プラスチック系合成樹脂のポリウレタン(PU)を布地に貼り付けて作られているのがPUレザーです。本革の製品と比べると安価ですが、耐久年数では本革に劣り、次第に剥がれてきてしまいます。


合皮の修理

気に入っていた鞄なので「もう少し使いたい」と、自分で簡単に修理できる方法を調べてみると、合皮の修理方法には以下の2種類がありました。

  1. 補修シール
  2. 補修クリーム

破れているわけではないし、簡単そうな補修クリームを選択。


コロンブスの補修クリーム

靴のメンテナンス製品を販売している COLUMBUS のコロンブス 『アドカラー』と『アドベース』を購入。

コロンブス アドベースとアドカラー

アドカラーは、浅い傷用の補修クリームです。色々な色があるので、絵の具のように混ぜて色を作ることができます。

アドベースは、深い傷を埋めるための補修用クリーム(色味は白)で、密着性・耐屈曲性に優れていて、アドカラーと混ぜて使用可能です。

アドカラーは、合皮でも使用可能とあります。

Q:合皮にも使用できますか?

A:合皮にも使用可能です。しかし成分が水系のため、本革と違い、合皮のような水を弾く素材ですと密着しない可能性があります。

【引用】コロンブス公式オンラインショップ | アドカラー

アドカラーとアドベースがセットになっているものを楽天で購入しました。

安価なので、とりあえず試してみるのにもちょうどいいですね。


補修クリームで簡単修理

修理の手順は簡単です。

  1. 修理する部分の汚れを落とす
  2. アドベースとアドカラーを混ぜる
  3. 補修部分に塗布する
  4. 乾かす(自然乾燥なら一晩)
  5. 皮革用クリームで仕上げる

アドペーストとアドカラーを混ぜる

どの位の比率で混ぜればいいのかわかりませんでしたので、とりあえずアドペーストとアドカラー(黒)を1:1にしてみました。

アドベースとアドカラーを1:1で配合

パレットがないので空き缶の上で、筆代りの綿棒でよく混ぜてから、剥がれていた部分の上から塗りました。綿棒は細かい塗布作業に向いています。

アドベースとアドカラーをよく混ぜる

最初は薄く塗ってみましたが、乾かしてみるとまだ剥がれた部分が目立つので上から厚く塗り直しました。ドライヤーで乾かしてもいいようですが、そのまま一晩放置するとかなりいい感じです。


仕上げは靴クリーム

無印良品の『くつクリーム』で仕上げました。布に塗布して靴を磨くのと同じように使います。これで完成。

無印良品 くつクリーム

ポロポロと剥がれた箇所もキレイに

思った以上に、いい出来栄えです。

鞄の底の剥がれは下写真のようでしたが、

鞄の角は擦れて剥がれやすい

アドペーストとアドカラーでの修復作業後はこんな感じです。

アドベースとアドカラーで補修した鞄の角

パット見には修復跡はわかりません。

そして、こちらは開口部の剥がれですが、

剥がれてしまった開口部

拡大すると荒さが見えますが、使っている分には気になりません。

補修後の開口部

サステナブルな補修クリーム

コロンブス アドベースとアドカラーは、安価で簡単に合皮のポロポロ剥がれを修復できるサステナブルな補修クリームです。

乾いたら色移りもしません。合皮のカバンも補修クリームでこまめに修理しながら使えば長く使えそうです。合皮の鞄で補修クリームの実力を確認できたので、今度は本革の鞄も修理したいと思います。

2023年5月5日

美文字練習は、iro-utsushi<いろうつし>木軸の中字で!

万年筆のペン先を持つ「つけペン」たち

iro-utsushi<いろうつし>は、パイロットの万年筆のペン先を使用した国産のインクをつけながら書く『つけペン』です。パイロットのペン先は、10,000万円以上のモデルでは14K(金)のペン先が使われていますが、kakunoをはじめとするエントリーモデルのペン先は特殊合金です。

iro-utsushiのペン先も特殊合金です。しかし、つけペンは、ペン先に「ペン芯」がないので通常のエントリーモデルの万年筆と比べるとペンタッチにしなやかさがあります。


普段と同じ書き心地で不便さを楽しむ

普段づかいのペンと書き心地で大きく違わない万年筆のペン先を持つ『つけぺん』を選びました。万年筆との違いは、インクを付けながら書くという不便さです。

ちょっとした不便さは、意味のある特別な時間を演出してくれます。

デジタル化が進み文字を書く機会は減る一方です。だからこそ、文字を書く時間を大切にすることが、より意味を持ち、文字というものの奥深さや、手書きの温かみを再確認することがでるのではないでしょうか。


木軸の中字

iro-utsushi<いろうつし>には樹脂軸と木軸がありますが、木軸は丸みを帯びたフォルで手に馴染みやすいフォルムです。ペンが転がらないように1面だけ平らに削られていますが、この部分がペンを握るときに中指に乗せる部分にもなるので握りやすいペンです。

木軸には、モクメとブラックがあります。

iro-utsushi<いろうつし>モクメとブラック

F(細字)はモクメを購入したので、M(中字)はブラックにしました。

iro-utsushi<いろうつし>M(中字)とF(細字)

木軸のブラックは、深みのある黒色が美しく高級感があります。樹脂軸の方が安価ですが、見栄え的にも、持ちやすさ的にも木軸推しです。

iro-utsushiの中字は、日本語の文字に合わせて、海外製万年筆のM(中字)と比べると若干細くなっています。それでも、中字はインク量も多いので、筆圧もいらずに滑らかに書けて、万年筆らしい個性のある文字が書けます。


字を練習するなら中字を

普段は細字の万年筆を使っていますが、字を練習するときには、ハッキリとした筆跡で滑らかに書ける中字で少し大きめに書くようにしています。字幅のある大きめの文字は誤魔化しが効かないので、字を練習するのであれば「中字」が最適だと思います。

MDつけペンとiro-utsushi 中字

MDつけペンも中字でとても書きやすい中字のペンです。極細字、細字の万年筆で「カリカリ」と書いていたので、「スラスラ」という滑らかな中字の書き心地は異世界でした。

下記がiro-utsushiモクメ細字、iro-utsushiブラック中字、MDつけペンの書き比べですが、iro-utshiの中字より、MDつけペンの方が若干、字幅が太いです。

iro-utsushi M(中字)は細め

iro-utsushi中字とMDつけペンは、特殊合金とステンレスというペン先の違いはありますが、共に柔らかい筆跡が特徴で、書き心地の違いはほとんどありません。ただし、MDつけペンはペンポイントが軸の中央にあるため、普段、他の万年筆を使っていると、最初は違和感を感じるかもしれません。

iro-utsuhi中字は、安価なペン先ながらも、非常に丁寧に作り上げられており、字幅が太くなっても優等生な整った文字が書けます。PILOTというメーカーならではの、高い日本品質が感じられます。一方、MDつけペンは字幅が少し太い分、インクの濃淡と文字幅にムラが出るので、より個性的な文字が書け、外国製万年筆のような魅力があります。

整った字が書けるという意味では、美文字練習にはiro-utsushi 中字を、より個性的にというのであれば、MDつけペンがオススメです。

MDつけペンで書く文字が素敵と思って、MD万年筆も購入しましたが、iro-utsushi<いろうつし>中字を購入して、違いが明確になりました。

どちらも2,000円前後の価格帯のペンとしては非常に満足度が高いと言えます。


色々買って楽しむ

趣味として使うお金と考えれば、色々なつけペンを使ってみるのも楽しいので、決して無駄な投資ではありません。hocoroは、筆文字しか持っていないので細字の書き心地はわかりませんが、同価格帯のセーラー万年筆 ハイエースネオが書きやすいと評判なので、安心して使えると思います。

メーカー製品価格(税込)備考
PILOTiro-utsushi1,980円木軸, 細字 or 中字
SAILORhocoro1,480円細字
MD Paper ProductsMDつけペン2,200円中字

色々な『つけペン』を使って、文字を書く時間を楽しんでください。

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