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2024年7月7日

万年筆デビューを成功させる!初心者が選ぶべき1本とは

Custom Heritage 912 SM

金ペンの軟調万年筆(Custom Heritage 912 SM)を使うことで、「筆圧をかけずに書く」という感覚を指先で理解できました。ボールペンよりも筆圧をかけていないつもりでしたが、万年筆の正しい書き方を理解できていなかったようです。

「筆圧をかけない書き方」に慣れると、万年筆がいかに優れた『書く道具』であるかを実感できます。また、ペン先が柔らかいと、中字の万年筆でも細めの字も書くことができます。

筆圧をかけずに書くためには、軽くペンを握れる太めのボディと、柔らかいペン先がポイントです。

逆に、万年筆に慣れていなく筆圧をかけて書く人には、グリップが細く、硬いペン先で字幅が細い万年筆が書きやすい万年筆となります。


定番エントリーモデルの14K 軟調万年筆を選ぶ

ファースト万年筆には、定番のエントリーモデルである14K軟調万年筆を選びましょう。

万年筆はもともと筆圧をかけずに書く筆記具でしたが、現代ではシャープペンシルやボールペンに慣れている人が多く、筆圧をかけても書きやすい万年筆が新たな常識となっています。

しかし、万年筆本来の書き味を楽しむためには、筆圧をかけずに書くことを意識することが大切です。初めて万年筆を選ぶ際は、日本メーカーの定番エントリーモデルの中から、14Kの軟調ペン先を採用したものを選ぶのがオススメです。


定番のエントリーモデルから選ぼう!

日本の万年筆メーカーは、日本語の「とめ・はね・はらい」といった漢字の特徴を意識して万年筆を製造しています。定番のエントリーモデルは、長年多くの万年筆ファンに愛されており、ファースト万年筆として間違いのない選択と言えるでしょう。

日本の代表的な万年筆メーカーの定番エントリーモデルの金ペンは以下の通りです。

メーカー製品ペン先価格(税込)
パイロットカスタム 7414K 5号¥17,600
カスタム ヘリテイジ 91
プラチナ万年筆センチュリー #377614K 大型¥22,000
セーラー万年筆プロフィット スタンダード14K 中型¥17,600
プロフェッショナルギア スリム

数年前までは、少し背伸びをすれば手が届く価格帯だったエントリーモデルの金ペンですが、度重なる価格改定により、2024年現在では発売時の1.6倍から2倍にまで値上がりしています。それでも、「一生モノ」と考えると、購入する価値は十分にあります。

以下は、2019年以降の価格改定履歴です。人件費、物流費、そして万年筆のペン先の金やイリジウムといった原材料価格の高騰で、仕方がないのかもしれませんが、お財布的には厳しくなりました。

価格改定履歴
Custom74#3776Profit
発売時¥10,000(税抜)¥10,000(税抜)¥10,000(税抜)
2019年¥12,000
(税込 ¥13,200)
¥13,000
(税込 ¥14,300)
¥14,000
(税込 ¥15,400)
2021年¥18,000
(税込 ¥19,600)
2022年¥16,000
(税込 ¥17,600)
2024年¥16,000
(税込 ¥17,600)
¥20,000
(税込 ¥22,000)
※ 発売年によって税率が異なるので、発売時の価格は税抜価格です

金ペンを使おう!

万年筆のペン先にはステンレスと金がありますが、紙に触れたときの「しなり」が大きく異なります。ステンレス製のペン先は硬いため、たわみを感じられません。

一方、金製のペン先は柔らかく、筆圧に合わせてしなやかにたわむため、滑らかな書き心地が楽しめます。エントリーモデルは14Kですが、金の含有量が多いほどペン先が柔らかくなるため、予算が許せば18Kや21Kの万年筆を選ぶのもオススメです。


軟調ペンという選択

定番のエントリーモデルは、筆圧をかけて書くことに慣れている万年筆初心者でも書きやすいように、ペン先のしなりを少なくし、スリットがあまり広がらないように設計されています。

例えば、パイロット CUSTOMのスペシャルサイトでは、Custom74について以下のように説明されています。

ボールペンの広がりにより、強い筆圧が一般化した日本人に合った書き味を目指したシリーズ。硬いタッチを基本に軟字も用意し、なめらかな書き味を実現。 ペン先は発売当時8種類、6年後の1998年に3種類追加し、現在の11種類に。

【引用】CUSTOMスペシャルサイト

Custom74の前身である、Custom67は、今より「しなり」がある軟らかいペン先だったといいます。時代と共に硬質化しているのは、他メーカーのエントリーモデルの万年筆にも共通する傾向と言えるでしょう。

しかし、金ペン先本来の「しなやかさ」を活かしつつ、筆圧をかけてもインクフローが安定しているだけの万年筆では、万年筆らしさや個性が失われてしまいます。

そこでおすすめしたいのが、ペン先を意図的に柔らかくした「軟調ペン」です。

PILOT Custom Heritage 912 SM(ソフトミディアム)のペン先

軟調ペンは、筆圧によって筆跡に強弱をつけやすく、ボールペンにはない万年筆ならではの感触を味わえます。また、自然と筆圧をかけずに書く習慣が身につくというメリットもあります。

エントリーモデルで軟調ペンをラインナップしているのは、パイロットとプラチナ万年筆です。

メーカー製品軟調ペン先
パイロットカスタム 74SF(細軟)/ SFM(細中軟)/ SM(中軟)
カスタム ヘリテイジ 91
プラチナ万年筆センチュリー #3776SF(細軟)

残念ながらセーラー万年筆には軟調ペンがありません。


パイロット Custom 74

パイロットの創業(1918年)から74年目(1992年)に発売されたカスタム 74は、30年以上愛され続けているロングセラーモデルです。

ペン先は11種類あり、軟調ペン先もSF(ソフト・ファイン)、SFM(ソフト・ファインミディアム)、SM(ソフト・ミディアム)の3種類が用意されています。これだけペン先の種類があると迷ってしまいますが、この11種類を全て試すことができるカスタム74試筆台というのが全国各地にあります。近くにあれば是非軟調ペン先の書き味を体験してみてください。

※ C(コース)とMS(ミュージック)は、19,800円(税込)

パイロットでは、ニブサイズ(ペン先の大きさ)を号数で表しています。Custom 74は14K 5号ですが、10号と15号のサイズもラインナップされています。

ニブサイズが大きくなると金の使用量も増えるため、価格も高くなります。

カスタムニブ・サイズ価格(税込)
Custom 7414K 5号¥17,600
Custom 74214K 10号¥26,400
Custom 74314K 15号¥39,600

10号以上のペン先には、SU(スタブ)、FA(フォルカン)、WA(ウェーバリー)といった特殊なペン先もあります。


Custom 74のデザインが好きになれない方へ

カスタム74の特徴である『丸いクリップ』が好きになれませんでした。カスタム ヘリテイジ 91は、同じ14K 5号のペン先ですが、ロジウム仕上げにシルバーのパーツで統一されたシンプルなボディデザインが魅力です。※写真はCustom Heritage 912

Custom Heritage 912 SM

両橋が丸いバランス型のCustom 74に対し、両端が平らなベスト型のHeritage 91は、若干全長が短くなりますが、基本的な仕様は同じです。

比較項目Custom 74Custom Heritage 91
デザインバランス型ベスト型
ペン先14K 5号14K 5号 ロジウム仕上げ
ペン種EF・F・SF・FM・SFM・M・SM・B・BB
サイズ最大径φ 14.7mm 全長 143mm最大径φ 14.7mm 全長 137mm

カスタム ヘリテイジにもニブサイズが10号のCustom Heritage 912がありますが、15号はありません。

カスタム ヘリテイジニブ・サイズ価格(税込)
Custom Heritage 9114K 5号 ロジウム仕上17,600円
Custom Heritage 91214K 10号 ロジウム仕上26,400円

プラチナ万年筆 #3776 センチュリー

3776という数字は、日本最高峰である富士山の標高に由来し、「日本最高峰の万年筆」を目指すというプラチナ万年筆の想いが込められているとあります。

#3776 センチュリーの最大の特徴は、大きなペン先と、インクの乾燥を防ぐ「スリップシール機構」を搭載したキャップです。この機構のおかげで、年に数回しか使わない場合でも、万年筆をスムーズに使い始めることができるという優れものです。

#3776には軟調ペン先もラインナップされていますが、SF(細字軟)のみとなっています。

#3776 Century 字幅の種類

公式サイトでは「柔らかいペン先 筆圧により少し太い字も書ける」と説明されていますが、写真だけでは細字と細軟の違いが分かりづらいかもしれません。しかし、#3776 センチュリー 試筆台設置店では、全種類のペン先の書き味を試すことができます。


中字?細字?万年筆の字幅選び

手帳やノートに細かい字を書くことが多いなら、細字の万年筆が適しています。しかし、万年筆ならではの個性豊かな字を楽しみたいなら、中字がおすすめです。特に中字の軟調ペンは、筆圧によって字幅に変化が生まれるため、筆圧をかけずに書くことで細めの字を書くことも可能です。

下写真は、Custom Heritage 912 SM(中字軟)で筆圧を入れて書いたとき(上)と筆圧をかけないで書いたとき(下)の線の太さの違いです。同じペン先でこれだけ太さの違いを出せます。

Custom Heritage 912 SM:筆圧による字幅の違い

中字の軟調ペンを使うことで、万年筆の正しい書き方である「筆圧をかけない書き方」をマスターできます。もし太い字幅が好きになれないという場合には、SM(中字軟)より少し字幅の細いSFM(中細字軟)という選択肢もあります。

しかし、万年筆を1本手に入れると、きっともう1本欲しくなるはずです。最初にSM(中字軟)を選んでおけば、2本目にはSF(細軟字)を選ぶことができ、中字と細字の字幅の違いを楽しめます。

また、プラチナ万年筆にはSM(中字軟)がないため、最初にパイロットの中字軟を選び、2本目にプラチナ万年筆のSF(細軟字)を選ぶと、メーカーやデザインの違いも楽しめます。


ファースト万年筆にオススメの一本

ファースト万年筆を選ぶ際に大切なポイントは2つあります。

  1. 万年筆らしい文字が書けること
  2. 筆圧をかけない書き方を習得できること

この2つのポイントを満たすためには、以下の3つの条件を満たす万年筆を選びましょう。

  1. 日本の万年筆メーカーの定番モデル
  2. 金ペン(14K)
  3. 中字の軟調ペン

これらの条件を考慮すると、選択肢として残るのは、パイロットのCustom 74 SM(ソフト・ミディアム)、またはCustom Heritage 91 SM(ソフト・ミディアム)です。どちらにするかは、あなたのデザインの好みで選んでください。


正しい万年筆の持ち方

万年筆で筆圧をかけずに書くためには、ボールペンとは異なる持ち方を習得する必要があります。

生成AIに正しい持ち方を指示して絵を描いてもらいました。

万年筆の正しい持ち方
Created by Dall-E 3

日本の万年筆の多くは、キャップを後ろに挿して使うことで、筆記時のバランスが良くなるように設計されています。そのため、書く際にはキャップを後ろに挿すのがおすすめです。

万年筆の持ち方

  1. 手の力を抜いて手首を90°にする
  2. "中指の横腹"と"親指と人差し指の間"に万年筆をバランスよく乗せる
  3. ペン先の刻印は上向きになるように
  4. "親指"と"人差し指"で軽く支える
  5. ペン先が紙に触れるまで、手首を内側に曲げる

と、こんな感じですが、百聞は一見に如かず。大江静芳氏の動画を参考に、正しい持ち方を身につけましょう。

万年筆の正しく持てれば、筆圧をかけずに書くというのにも慣れてきます。

14K軟調万年筆で万年筆ライフを楽しんでください!

2024年4月30日

万年筆を持ち運ぶなら一本差しペンケースを!

FREESE 本革一枚作り ペンケース

お気に入りの万年筆が、持ち運びの際に傷や汚れがつくのは避けたいですよね。一本差しのペンケースなら、他の筆記具とぶつかることなく、万年筆をしっかりと保護してくれます。

一本差しペンケースは種類や素材、価格が様々です。そんな中、オススメはFREESEのペンケースです。これは本革一枚で作られており、そのシンプルな作りが逆に丈夫さを生み出しています。また、その価格はとても手頃なので、リピート購入も容易です。このペンケースを選ぶ際に重要なのは、万年筆のペン先がぴったりと収まるサイズ感と、内側の柔らかな素材です。これらが大切な万年筆をしっかりと保護してくれます。


万年筆 一本差しペンケースとは?

一本差しペンケースとは、その名の通り、万年筆を1本だけ収納できるペンケースのことです。他の筆記具とぶつかることなく、万年筆を保護することができます。

また、一本差しペンケースには、万年筆をより特別なものに見せてくれるというメリットもあります。しかし、意外と安価なものもあり、選ぶ楽しさもあります。


万年筆 一本差しペンケースを選ぶ際のポイント

以下に示すペンケースは全て1,000円前後で購入可能なものです。あなたの好みに合った万年筆用一本差しペンケースを選ぶ際には、以下のポイントを参考にしてください。


一本差しペンケースの素材と構造の選び方

万年筆 一本差しペンケースには、革製布製木製など、様々な素材のものがありますが、安価なペンケースは壊れやすかったりするので、壊れる要素が少ない(ファスナーやボタン、フラップなどがない)、構造がシンプルなペンケースを選びましょう。

  • 布製: 軽くて持ち運びやすく、お手入れも簡単です。
    Anawakia 筆入れ袋
  • 木製: 温かみがあり、万年筆との相性抜群です。
    HeroNeo ペンケース 木製
  • 革製: 高級感があり、丈夫で長持ちします。
    FREESE ペンケース 本革 1本収納タイプ

木の製品は温もりがあって大好きなのですが、ペンケースの場合には一つ問題があります。例えば、HeroNeoの木製ペンケースの場合、収納可能なペンのサイズは17.3x5.72x2.38cmと記載されています。しかし、このうち2.38cmが直径を指しているのかは不明で、太めの万年筆を収納できるのかという不安があります。また、余裕度が大きすぎるとペンケース中で万年筆がカタカタと動いてしまい、万年筆を保護するという目的から外れてしまいます。

布製と革製を比較すると、本革なら革製の方が見た目もいいし、皮なら経年変化も味となるので長く使えそうです。ということで、一枚皮で作られているシンプルなFREESEのペンケースにしました。


一本差し万年筆ケースのサイズ選びと注意点

万年筆の太さに合わせて選ぶ必要がありますが、実際に万年筆を入れてみないとわかりません。最初に購入したFREESEのペンケースは、2本収納タイプです。サイトでは下記のように記載されています。

  • 1本収納タイプ:縦16.5cm、横3.3cm
  • 2本収納タイプ:縦17.0cm、横3.5cm

1本と2本で0.2cmしか変わらないように記載されていますが、実測値では2本収納タイプの横幅は4.3cmぐらいはあります、、、。


2本収納タイプ(for モレスキンペン)

モレスキンペン(MoleskineとKaweco のコラボレート万年筆)は、キャップ部分が、かなり太めです。

一本収納タイプだと入らないと困ると思い、2本収納できる少し大きめタイプにしましたが、正解でした。

>FREESE 本革一枚作り 2本収納タイプ(レッド)

この万年筆はクリップがないので出し入れするためには、2本収納タイプの隙間が必要でした。しかし、緩いというわけではなく、逆さにして振っても万年筆が抜け落ちることはありません。

FREESE 本革一枚作り 2本収納タイプ(レッド)

しっかりと万年筆を収納してくれます。


1本収納タイプ(for カスタムヘリテイジ912)

先に2本収納タイプを保有していたので、カスタムヘリテイジ912 と プロフェッショナルギアのペンケース選びは、2本収納タイプを基準に考えました。

2本の万年筆は、サイズの記載があります。

  • φ15.7mm 140mm(カスタムヘリテイジ912)
  • φ18.0mm 129mm(プロフェッショナルギア)

2本収納タイプだと、カスタムヘリテイジの長さだと上部があらわになってしまいます。

FREESE 本革一枚作り 2本収納タイプ(レッド)

これだと鞄の中で、他のものと擦れてしまう可能性があるので、上部まで覆われる1本収納タイプにしました。

FREESE 本革一枚作り 1本収納タイプ(ブラウン)

ちょうどいい感じです。


1本収納タイプ(for プロフェッショナルギア)

こちらはブルーを選びましたが、ブラウンと比べてレザーの厚さと硬さがかなり異なっていました。

FREESE 本革一枚作り 1本収納タイプ(ブルー)

色の違いというよりは、使われている皮の品質の違いなのかもしれません。ブラウンと比べてブルーは、かなり柔らかいので、短いプロフェッショナルギアも取り出すことができますが、硬いブラウンの方だと、短い万年筆を取り出すのに苦労します。

短い万年筆用であれば2本収納タイプの方がいいかもしれません。


FREESE ペンケースの使い勝手

高級感あふれる感じではありませんが、シンプルな作りで見た目も悪くありません。

裏地は柔らかく肌触りのよいスエードで、しっかりと万年筆を守ってくれます。内側のスエード生地もポロポロと剥がれてしまうこともありません。暫く使っていると万年筆の形状にも馴染んできます。

皮の品質にバラツキがあるのかもしれませんが、1,000円とは思えないクオリティです。長く使うために時折レザー用のクリームを塗っています。

お気に入りの万年筆を持ち運びには、最適なペンケースです。


デスクでは一本差しのペンスタンドを

デスクに座っているときは、毎回ケースにしまうのも手間になるので、一本差しのペン立てが便利です。他のペンとぶつかることもないですし、机の上で万年筆が主張してくれます。

COREDA(コレダ)ブラックウォールナット ペンスタンド 1本

ペンスタンドは温もりのある木製を選びました。

2024年3月12日

初心者が行書を学ぶ前にみるべきオンラインコンテンツ

象と散歩:美しく速く書く技術

万年筆で流れるように美しい字を書きたい!

そう思い立ち、「美文字」というキーワードで検索して字の練習を始めましたが、結局、「ひらがな」から卒業することができずに挫折してしまいました。

しかし、「初心者こそ、速くカッコよく書ける行書を学ぶべき」と知り、再挑戦することにしました。

行書は、楷書よりも速く書けるだけでなく、読みやすく美しい書体です。しかも、基本パターンを学べば多くの漢字に適用することができるので効率的です。

行書で書くことによって、筆記速度が上がるだけでなく、速く書くことで集中力も高まります。万年筆で書けば、さらに味わい深い字になります。

しかし、「そもそも、行書って何?」という方も多いのではないかと思います。そんな、字の練習を始めようかと重あれている方が、最初にみるべきコンテンツを紹介していきます。


行書は、速く書くことができると実感できる動画

群馬県の公式動画「【中学国語】行書の魅力」では、中学の国語の授業の中で、行書の魅力を分かりやすく解説しています。

この動画では、行書を「楷書よりも速く書ける」「読みやすい」書体であるといっていますが、確かに、行書を知らなくても、字を速く書こうとすると、何となく続けて書いたりしているのではないでしょうか。

何となく続けるのではなく、行書には一定度のルールがあることを示しています。この動画の中では、速く書くコツ(行書の書き方の特徴)として、下記の2点について説明されています。

  1. 丸み
  2. 連続

また、下記は、教育出版の中学校書写にある、小学校で習う漢字の行書と楷書です。

一生涯役立つ速く書く技術である「行書」を、学校教育の中で教えてもらいたかった、、、。


行書についての知識を得る

続いては、大江静芳氏の「【速くきれいに書きたい方へ】ボールペンで行書の基本と書くコツ」です。この動画で、行書の歴史、魅力、特徴について学ぶことができます。行書について、もう少し詳しく知ることができます。

行書の特徴は、下記の3点についての説明があります。

  1. 線の連続(日、幸、言、書)
  2. 点折部分<曲線的に書く>(口、共、思)
  3. 点画の省略(きへん、れっか、もんがまえ)

「点画」は、てんかく、と読み、漢字を構成する最小単位の線のことです。点、横画、縦画、縦払、横払、曲げ、はね、とめなどの種類があります。

この動画の中では、群馬県の中学国語にはなかった点画の省力についての説明があります。


行書の書き方を知る

書道家の上平泰雅氏による「【劇的改善】行書の書き方【おさえるべき5つのポイント】」は、初心者向けの行書の説明動画です。下記の5つのポイントについての説明があります。

  1. 点画の省略(きへん、しめすへん、さんずい、もんがまえ)
  2. 点画の連続(三、つかんむり、さんづくり、れっか、口)
  3. 点画の変化(大、西、立)
  4. 筆順の変化(くさかんむり)
  5. 曲線的である(くち)

この5つが行書を書く上での基本ルールとなりますが、例としてあげている漢字は一部にすぎません。この基本ルールに基づくパターンをもう少し覚えれば、色々な漢字に適用できるようになります。


書き順(筆順)を覚えよう

行書は、点画と点画が繋がる流れを指す「筆脈」を意識するとあります。しかし、正しい書き順をわかっていなければ、筆脈を意識することはできません。

またそれ以前に、筆順を理解していないと、例えば、「と」「」を行書で書く時に繋げる部分がわからなくなってしまいます。


基本的な筆順

  • 上から下へ:三、
  • 左から右へ:川、林
  • 横画は縦画より先:十、共、青 複数の横画があるときは最初の横画の次に縦画
  • 貫く縦画は最後

上記のルールに当てはまらないものは、間違えやすい書き順としてもよく取り上げられています。

自分は、「共」に始まる「異」「選」、そして「青」の上の部分の書き順を間違っていました。いままで書き順を意識したことがあまりありませんでしたが、速く書くと自然に線が繋がっていくので、改めて正しい書き順の大切を実感しました。


行書を練習するには

行書を効率的に習得するには、以下の3つのポイントを押さえることが重要です。


1. 行書のパターンを学ぶ

行書の基本ルールには、以下のようなものがあります。

  • 省略:点画を省略する
  • 繋ぎ:点画を繋げて書く
  • 変化:形や位置を変える

これらの基本ルールにはパターン化されたものが多いので、このパターンを色々な漢字に適用することで、効率的に行書での書き方を習得できます。


2. 筆順を覚える

点画を物理的につなげるときだけではなく、スムーズに速く書くためにも、正しい筆順の理解は大切です。


3. 速くたくさん書く

速くたくさん書く練習としても「書く瞑想(ジャーナリング」は最適です。書く瞑想については象と散歩: 書く瞑想:ジャーナリングの始め方で紹介していますので、そちらをご覧ください。


行書を練習するための教材

行書は、速く美しく書ける実用的な書き方にも関わらず、初心者が普段の筆記具で学べる教材がほとんどありません。また上記で紹介した行書の動画で紹介されているパターンは限られています。

しっかりと学ぶのであれば、象と散歩: 字が汚いと悩むあなたへ!字を速く、きれいに書ける「行書」を初心者が学ぶ方法で紹介した、下記のUdemyの2コースです。

Udemyにある武内和恵氏の美文字講座
多彩な講座から自分に合った講座を探そう!

書籍では、「きれいな字を速く書く技術」がオススメです。

基本パターンが習得できたら、行書にも色々な書き方がありますので、自分の気に入った行書の書き方を調べて、真似てください。


お気に入りの万年筆で、行書練習を楽しく

お気に入りの筆記具を購入すると、気持ちも高まりますし、「使わないともったいない」という気持ちにもなります。中字の万年筆は、筆圧をかけずに、味わいのある文字を書けるのでオススメです。

特に、パイロットの金(14K)軟ペン中字と、セーラー万年筆の金ペン(21K)中字は、とても書きやすく、多くの人に愛されています。

カスタム ヘリテイジ 912 SMとプロフェッショナルギア

行書は、最初は難しいと感じるかもしれません。しかし、基本ルールをパターンとして覚えれば、必ず、今まで以上の字が書けるようになります。

お気に入りの万年筆で行書を練習して、カッコいい字を書きませんか?

2024年2月5日

万年筆沼へようこそ!21K中字と14K軟調中字の違いとは

MDノートとプロフェッショナルギア 金 中字

ジャーナリングを始めるにあたって、速く長時間書き続けられる万年筆を探していました。 14金 軟調中字21金 中字で悩んだ末、14金 軟調中字のパイロット ヘリテイジ912 SM(ソフトミディアム)を選びました。

しかし、21金のペン先もずっと気になっていたため、物欲の赴くままにセーラー万年筆 プロフェッショナルギア 金 中字も購入。

そこで今回は、14金 軟調中字21金 中字を実際に使用した書き心地の違いについてレビューします。


プロフェッショナルギアの特徴

セーラー万年筆のフラッグシップモデルであるプロフェッショナルギアは、2003年に発売されました。発売当初の中字の価格は2万円(税別)でしたが、その後、原材料費や人件費、物流費などの上昇の影響を受け、2回の価格改定が行われました。

2020年まで価格が据え置かれていたのも驚きですが、ここ数年で価格が1.5倍に上昇しています。

下図は、ペン先の原材料である金とイリジウム(ペンポイント)の価格推移と、プロフェッショナルギアの価格推移を比較したものです。

万年筆の原材料の価格推移とプロフェッショナルギアの価格推移
※ イリジウムは表を整えるために0.3g単位に変換

プロフェッショナルギアの価格改定は、原材料費の高騰からも理解はできるのですが、、、。


21Kのペン先の魅力

プロフェッショナルギアの最大の特徴は、21金のペン先です。セーラー万年筆は1969年以来、50年以上にわたり21金のペン先の開発と製造にこだわり続けている、世界で唯一の21金のペン先を使用する万年筆メーカーです。

高い加工技術とコストの影響が受けいやすい21金のペン先をこの先も提供していってもらいたいと思います。

「プロフェッショナルギア 金」の21金のペン先は、ゴールドとロジウムのバイカラーが美しく、高級感のある仕上がりです。2021年1月製造分から、ペン先の刻印が新しいロゴに変更となり、従来の「1911」の刻印もなくなりました。

プロフェッショナルギア 金 中字のペン先

ペン先の刻印の21Kの下にある875は、「21金」の金の含有量である87.5%を示しています。


万年筆の金ペンのK表記について

万年筆の金ペンには、14K、18K、21Kなどの記載がありますが、これは金の含有率を表しています。金の純度はカラット(K)という単位で表され、24分率という特殊な基準が使われています。

具体的には、以下のように換算できます。

  • 24K = 24/24 = 100%
  • 21K = 21/24 = 87.5%
  • 14K = 14/24 = 58.3%

数字が大きくなるほど金の含有率が高くなり、より柔らかい書き心地になる傾向があります。

下記は、一般的な万年筆のペン先の金の含有率による違いです。

  • 14K:比較的硬めの書き心地で、耐久性に優れている
  • 18K:14Kと21Kの中間の硬さで、滑らかな書き心地と耐久性のバランスが取れている
  • 21K:柔らかい書き心地で、筆記時の負担が少なく、滑らかなインクフローを楽しめる

セーラー万年筆の21Kと14Kの違いについては下記の説明がありました。

【図】セーラー万年筆:21金ペン先の特徴

セーラー万年筆の21Kペン先は、しなやかな弾力と安定性を両立するように設計されています。適度な柔らかさによって、軽いタッチで線の強弱やインクの濃淡を表現することができます。また、ペン先の開きを抑えることで、インクフローの安定性を実現しています。


短軸の利点?

プロフェッショナルギアは、他の万年筆と比べて同軸が少し短く、全長129mmです。短軸のメリットは、携帯性の良さです。シャツの胸ポケットにも収まる長さで、持ち運びに便利です。

軸長140mmのパイロット カスタムヘリテイジ912と比較した写真がこちらです。

パイロット カスタムヘリテイジ912とセーラー万年筆 プロフェッショナルギアの長さの違い

キャップを外して書くと、掌に収まる長さで「短っ!」と感じますが、尻部にキャップを装着すると全長149mmとなり、筆記に適した長さになります。

パイロット カスタムヘリテイジ912とセーラー万年筆 プロフェッショナルギアの尻部にキャップを装着したときの長さの比較

また、重心のバランスもキャップを尾部にはめた方が良いです。


プロフェッショナルギア 中字の書き味

プロフェッショナルギアの中字は、インクフローが非常に良好で、筆圧をかけずに速く書いても線がかすれたり、インクが出ないといったことがありません。軽いタッチで素早く長い線を描いても、安定したインク供給が行われていることがよくわかります。

プロフェッショナルギア 金 中字で長い線を書く

インクフローが良いといっても、パイロット カスタムヘリテイジ 912 ソフトミディアムと比べるとインク量は少なく、中字でも細い線もきれいに書けます。そのため、日本語(漢字)を書くのに適した中字の万年筆と言えます。

中字なので細い線が美しいプロフェッショナルギア

フェザータッチと呼ばれているので、21Kはもっと柔らかいだろうというイメージがありましたが、実際に書いてみると、紙へのペン先のタッチは「カスタムヘリテイジ912 SM」の方が柔らかいと感じました。これはインク供給量にも起因していると思いますが、プロフェッショナルギア中字の書き心地をオノマトペで表すと「さらさら」です。「ぬらぬら」とした書き心地を求めるなら「カスタムヘリテイジ912 SM」です。


ペン先の大きさ

下の写真は、パイロット カスタムヘリテイジ912 SMとの比較です。「大判」という表示から、もっと大きいイメージを持っていましたが、ペン先の大きさはパイロットの10号のペン先とほぼ同じです。

パイロット カスタムヘリテイジ912とセーラー万年筆 プロフェッショナルギアのペン先比較

違うメーカーで、ペン先のタイプも中字と軟中字の比較となりますが、前述した通り書き心地が違うので、使う人の好みとなってしまいます。

万年筆 ペン先 筆感 書き心地
Professional Gear Medium
21K
さらさら 硬すぎず柔らかすぎない絶妙なバランス
Custom Heritage 912 Soft Medium
14K
ぬらぬら 筆圧によって線の太さを変化させることができ、繊細な表現が可能

21Kはインク供給量が多くなくても途切れがないという点を考慮すると、ジャーナリングのように速く書き続けるための万年筆であれば、プロフェッショナルギアの方が向いていると考えられます。


プロフェッショナルギアのデメリット

最大のデメリットは価格です。

販売価格は、33,000円(税込)です。Amazonや楽天で安価に購入できる場合もありますが、最初の1本としては、選びづらい価格帯と言えるでしょう。

もう一つのデメリットは、デザイン性の選択肢が少ないことです。

飽きのこないシンプルなデザインで、ボディカラーはブラックのみ、装飾部は金か銀を選択できます。年齢、性別を問わず、長く使える落ち着いたデザインとカラーですが、選択肢が少ないと感じられる方もいるかもしれません。インペリアブラックというカラーも存在しますが、価格はさらに高くなります。


プロフェッショナルギアは買うべき一本か?

LAMY SafariやMD万年筆も書き心地は良いと感じていましたが、14金 軟調中字や21金の中字を使ってみると、素人でもわかる歴然たる差があります。特に、万年筆らしい字が書ける中字のペン先は、価格によって差が大きく出ます。

プロフェッショナルギアの中字は、滑らかで柔らかい書き心地と、鮮明なインクフローを実現し、細かい字も美しく書ける万能的な万年筆です。

プロフェッショナルギア 中字を使えば、道具にふさわしい美しい字を書きたいという気持ちが自然と湧いてきます。

価格はそれなりにしますが、

  • 次の万年筆が欲しくなる
  • 書きづらいから使うのをやめてしまう

といったことを考えると、初めての万年筆としてもオススメできます。

万年筆選びに迷っているなら、「プロフェッショナルギア 中字」を検討してみてはいかがでしょうか。滑らかな書き心地と鮮明なインクフローが生み出す至極の筆記体験は、あなたの日々をより豊かに彩り、文字を書く喜びを与えてくれることでしょう。

2023年12月2日

ジャーナリングにカスタムヘリテイジ912ソフト・ミディアムが最適な理由

Custom Heritage912 とフラットに開くノート

万年筆の世界に足を踏み入れてから、ずっと憧れていたのは、以下の特徴を持つペン先を持つ万年筆でした。

  • 金ペン
  • 軟ペン

これまで試し書きの経験しかありませんでしたが、その柔らかく、滑らかな書き味に触れ、日本語の美しさを引き立てる「トメ」、「ハネ」、「ハライ」が表現できることにも感動しました。自分が大人な美しい行書を書いている姿を妄想することができます。

「いつか買いたい!」

と思いながらも、価格面で躊躇していました。しかし、ジャーナリングを始めてみて、普段使っているMD万年筆やLAMY Safariの中字は、書きやすい万年筆ではあるけど、ペンをしっかりと持ってペン先を紙に当てる書き方をしているため、速いスピードで書き続けることには限界があることに気づきました。書き続けていると、考えが止まる前に手が疲れてしまいます。

保有していた万年筆の中では、Watermanフィリアス M(中字)がジャーナリングに適した万年筆でした。

Watermanフィリアスのニブは大きい

スチール製ですが、大型のニブ(ペン先)で、滑らかな書き味を提供してくれます。またインクフローもよいので、筆圧をかけずに軽やかに文字を綴れます。しかし、線の太さの強弱の表現は、あまり得意ではなく、ペン先が直ぐに乾いてしまうので、1週間使ってないとインクが出なくなるとといった煩わしさがあります。


金ペンの特徴

金ペンとは、金製のペン先を持つ万年筆のことです。金ペンには、14K、18K、21Kなどがありますが、数値が大きいほど金の含有量が多く、ペン先は柔らかくなり、滑らかで濃い書き味になります。しかし、金の含有率は価格にも比例します。

金の純度は、金の含有量を24で割ったもので表されます。24Kを100とした金の含有率で、14Kは14/24(58.33%)の金を含み、21Kは21/24(87.50%)の金を含みます。また、Kは、Karat(カラット)の頭文字で、金の純度を表す単位です。

21Kになるとペン先がかなり柔かくなるので、軟調ペンといった特殊ペン先の必要はないかと思います。


ニブ(ペン先)のサイズの違い

同じ金の純度でもニブ・サイズが大きいと弾力性がでるので、ペンタッチが柔らかくなり、軽い筆圧でもインクが流れやすくなります。ペンのサイズもメーカーによって異なりますが、セーラー万年筆だと超大型、大型、中型、パイロット万年筆だと10号、5号のように記載されれています。

下表は、ニブ・サイズによる一般的な違いです。

金製 大型ニブ 金製 中型ニブ
柔らかさ 柔かい 硬い
字幅の変化 筆圧によって変化しやすい 安定している
インクフロー 多い 少ない
価格 高い 安い

柔軟さを求めるなら大型ニブが最適ですが、高額になります。予算に制限がある場合は、ソフト調の中型ニブがいいのではないでしょうか。


軟ペンの特徴

軟ペンは、柔らかいペン先で、筆圧をかけるとペン先が開きます。滑らかな書き味で、インクフローもよいので、線の太さの強弱を表現しやすく行書などにも向いています。

パイロットは、ソフト調の細字(ソフト・ファイン)、ソフト調の中細字(ソフト・ファインミディアム)、ソフト調の中字(ソフト・ミディアム)、超ソフト調(フォルカン)と軟ペンの宝庫です。

パイロットの14K 5号のペン先を選ぶのであれば、柔らかさを求めてソフト調のペン先がいいかもしれません。


柔らかく滑らかに書ける万年筆の選択肢

柔らかく滑らかに書くためには、ペン先の材質やサイズが重要です。一般的に、14Kや21Kなどの金製のペン先は、スチール製のペン先よりも柔らかく滑らかに書くことができ、ペン先のサイズが大きいほど柔軟性があります。また、細字よりも中字の方が線が太く、インクの量も多いので、滑らかに書くことができます。

上記の条件に合致する万年筆として、以下の3つを候補にあげました。

  1. セーラー万年筆 プロフェッショナル ギア 中字(21K・大型)
    21Kの大型ペン先を搭載した万年筆です。装飾部には金と銀があり、重厚感のあるデザインです。

  2. パイロット カスタムヘリテイジ 912 ソフト・ミディアム 中字(14K 10号)
    14Kの10号ペン先を搭載した万年筆です。ソフト・ミディアムはペン先が柔らかく、しなやかに曲がります。デザインは、とてもシンプルです。

  3. パイロット カスタムヘリテイジ 91ソフト・ミディアム(14K 5号)
    14Kの5号ペン先を搭載した万年筆です。912よりペン先のサイズが小さいですが、軟調ペンは、ペン先が柔らかいので、滑らかに書くことができそうです。

カスタム742(14K 10号)、カスタム74 (14K 5号)という選択肢もありますが、クリップの特徴的なデザインの玉クリップ(クリップの先にある丸い玉)がどうにも好きになれません。またカスタムは、万年筆の両端が丸くなっているバランス型ですが、カスタムヘリテイジは、両端が平らなベスト型です。

カスタム 742 SM
Custom 742 はバランス型

万年筆の形状には大きく2種類あり、両端が丸くなっているものがバランス型で、両端が平らなものがベスト型です。丸いのと平たいの。 | 筆記具専門店キングダムノート|スタッフブログにも記載されていますが、両端が平らなベスト型の方が歴史が古いとあります。丸みのあるもに懐古を覚える現代では、バランス型の方がスタイリッシュに見えるのが不思議です。


パイロット カスタム ヘリテイジ 912に決めた理由

セーラー万年筆 プロフェッショナル ギアがAmazonでかなり安価に販売されていたので、かなり迷いましたが、最初から気になっていたパイロットのソフトミディアムのペン先の万年筆に決定。ソフト・ミディアムであればカスタムヘリテイジ91で十分と購入を決めたところで、Watermanフィリアスのデカいペン先が脳裏に浮かんでしましました。

「やっぱり少しでもニブ・サイズは大きい方がいいのでは、でも値段が、、、」

と、葛藤している最中に

あ、912をポチってしまった、、、


カスタムヘリテイジ 912 の書き味は

「気持ちよく書ける!」が、最初の印象です。ミディアムサイズのニブの字幅は、細すぎず、視認性の高い文字が綴られていきます。

Custom Heritage912 のニブ

ソフト調のペン先ですが、柔らかすぎず、非常に書きやすいです。筆圧によって字幅を変化させることができ、トメ・ハネ・ハライといった表現もできます。インクフローは良好ですが、「ぬらぬら感」は強すぎません。ただし、インクの消費量が多いため、カートリッジだとコスパが悪いので、付属のプッシュ式のコンバーターの利用が必須です。

購入目的であったジャーナリングでは、『速く書き続けることができる』万年筆として素晴らしい性能を発揮しています。

ペンを握ってしまうと書き続けているうちに手が疲れてきますが、中指にペンを乗せて、親指と人差し指で軽く支えるという万年筆の本来の持ち方でペンをコントロールすることができるので、ペンを強く握る必要がありません。カスタムヘリテイジ912を使うと、もっと書き続けたくなります。

ブラックのボディでデザインがシンプルなので、手にしてカッコいいという訳ではありませんが、そのシンプルさにより長く使っても飽きがこないデザインと言えます。

万年筆の好みは人それぞれですので、必ずしもすべての人に合うとは限りません。しかし、カスタムヘリテイジ912は、滑らかな書き味と、軟ペンの特徴である柔らかい書き味を兼ね備えているため、長時間の筆記でも疲れにくく、快適に書き続けることができます。ジャーナリング用の万年筆を探しているの方は、是非、検討してみてください。