土鍋は日本の伝統的な調理器具で、自然素材ならではの温かみのある調理が可能です。食材の旨味を引き出す特性を持ち、土鍋ひとつで短時間に、簡単で美味しい料理を食卓に並べることができます。
これまでも、
- 土鍋ご飯(長谷園 かまどさん)
- 土鍋で燻製(長谷園 いぶしぎん)
と、長谷園の土鍋を愛用してきましたが、蒸し料理専用の「ヘルシー蒸し鍋 どんぐり」を迎えたことで、料理の幅が広がりました。蒸し料理はヘルシーで手軽なため、季節を問わず食卓で活躍しています。
長谷園は1883年(明治16年)創業の陶磁器メーカーです。
職人による伝統的な製法を守りながら、現代の暮らしに合った商品を生み出し続けています。価格帯はやや高めですが、丈夫で長く使える調理器具で、使い込むほどに風合いが増し、自然と愛着が湧いてきます。
なぜ蒸し料理なのか
健康志向の高まりとともに、油を使わず、鍋底の少量の水から立ちのぼる蒸気で食材に火を通す蒸し料理への関心も高まっています。
蒸し料理は油を使わずに調理できるため、カロリーを抑えられ、素材の栄養素を壊しにくいというメリットがあります。野菜は甘みが引き立ち、肉や魚は余分な脂が落ちて、健康的に素材の旨味を楽しむことができるので、ダイエット中の食事としても最適です。
また、調理の手間が少ないのも蒸し料理の良さです。切って並べて火にかけるだけなので、忙しい日でも無理なく料理できます。
さらに、蒸し料理は季節を選ばないのも大きな魅力です。
冬は湯気とともに温かさを楽しめ、夏はさっぱりとした一品として食卓に加えられます。蒸した野菜をそのまま食べても、冷やして副菜にしても美味しく、使い勝手の良さを実感します。
蒸し料理は、日常に“ヘルシーな食卓”を届けてくれます。
✨ なぜ土鍋で蒸し料理なのか?
土鍋の大きな特徴は、熱がゆっくりと伝わることにあります。
土鍋は遠赤外線の効果によって、食材の表面だけでなく内部までじんわりと熱を届けるため、旨味を逃がしにくいのが特長です。その結果、蒸した野菜はみずみずしさと甘みが際立ち、肉や魚はふっくらとした仕上がりになります。
また、土鍋は蓄熱性に優れており、火を止めた後も穏やかに熱が伝わり続けます。金属製の蒸し器のように急激に冷めることがなく、余熱を活かしてじっくり蒸し上げられる点も魅力です。これにより、食材の風味を保ったまま、やさしく火を通すことができます。
こうした土鍋の特性は、蒸し料理において次のような効果として表れます。
- じんわり温まるため、野菜の水分を逃がしにくい
- 沸騰しても温度が急に上がりすぎず、素材の味が穏やかにまとまる
- 遠赤外線効果で、芯までふっくらと熱が伝わる
特に野菜は、土鍋で蒸すと味が濃く感じられます。キャベツやにんじんは甘さがぐっと深まり、きのこ類は香りが引き立ち、根菜はほくほくとした優しい食感に仕上がります。
また、蒸し料理は鍋底から立ち上る蒸気で加熱するため、食材の水分や旨味が流れにくい調理法です。こうした蒸し料理の特性を、土鍋は最大限に引き出してくれます。
陶製の"すのこ"がポイント
土鍋で蒸し料理をするとき、もうひとつ大切なのが陶製のすのこです。鍋本体だけでなく、このすのこがあることで、蒸し上がりに大きな違いが生まれます。
陶器は金属と比べて熱の伝わり方が穏やかで、表面温度が急激に上がりにくい素材です。そのため、鍋底から立ち上る蒸気がやわらかく食材に当たり、ムラなく熱が伝わるのが特徴です。
また、陶製のすのこはわずかに水分を含みます。これによって蒸気が過剰になりにくく、野菜が水っぽくならず、べちゃつきにくい仕上がりになります。金属製の蒸し器で起こりがちな「表面だけが先に熱くなる」状態を防いでくれるのもポイントです。
土鍋のやわらかな熱まわりと、陶製すのこがつくる穏やかな蒸気。この組み合わせによって、野菜は芯までふっくら、甘みを保ったまま蒸し上がります。
蒸し料理の美味しさは、鍋だけで決まるものではありません。土鍋と陶製すのこが一体になってこそ、素材の持ち味を引き出す蒸し料理が完成します。
陶製すのこは、かまどさん 二合~五合炊き用のオプションとしても販売されています。かまどさんに合わせるとこんな感じです。
かまどさんのサイズに合わせて3種類の陶製すのこが販売されてます。
- 五合炊き用/AMS-21:φ21cm
- 三合・四合炊き用/AMS-19:φ19cm
- 二合炊き用/AMS-17:φ17cm
「ヘルシー蒸し鍋 どんぐり」という選択
こうした土鍋と陶製すのこの特性を、ひとつの道具として形にしたのが「ヘルシー蒸し鍋 どんぐり」です。
持ち手のない丸みのあるデザインと、落ち着いた色合いが印象的です。サイズは大と小の2種類があります。
- 大:φ28cm×h16.0cm/1,800㎖/3kg
- 小:φ24cm×h14.5cm/1,100㎖/2kg
収納性や日常使いを考えて、小サイズを選びました。
野菜などの蒸し料理は数分で仕上がるため、鍋が小さくても問題ありません。回数を分けて蒸すことで、できたてを順に食べられるので、家族で囲む食卓にも都合のよいサイズです。
蒸し鍋という名前ですが、空焚きにも対応しており、炊飯からローストチキン作りまで、幅広い調理に使えます。蒸すことを軸にしながらも、日々の料理に柔軟に寄り添ってくれる万能な土鍋だと感じています。
野菜を蒸して美味しく味わう
いろいろな野菜を試してみましたが、どれも驚くほど美味しく食べられます。ブロッコリーやカリフラワー、ロマネスコなどは、蒸すことで甘みが引き立ち、とても相性の良い食材です。
葉野菜は蒸し時間が長くなるとべちゃっとするので、短時間で仕上げるのがポイントです。
セロリやトマトといった野菜も、蒸すことで食感がやわらかくなり、味わいがぐっと濃厚になります。生で食べると少し癖を感じる食材でも、蒸すことで印象が大きく変わります。
さらに、トマトの上にチーズをのせて蒸すと――
熱でチーズがとろりと溶け、コクが加わって美味しさが一段と増します。シンプルですが、満足感の高い一品になります。
また、蒸し料理は野菜だけでなく、もやし+魚や肉といった組み合わせにも向いています。
写真は、もやしの上に鮭をのせて蒸したもの。ポン酢でさっぱりと食べられ、おかずとしても十分な満足感があり、自然にたんぱく質も摂れるのが嬉しいところです。
ディップを作ろう
蒸し野菜に塩とオリーブオイルをかけるだけでも美味しく食べられますが、ディップを添えると味の幅がぐっと広がります。
ここでは、手軽に作れて、蒸し料理と相性の良い2つのディップを紹介します。
牛乳で作るバーニャカウダー
バーニャカウダーというと、生クリームやオイルをたっぷり使うイメージがありますが、牛乳を使うと、軽くてやさしい味わいに仕上がります。蒸し野菜との相性も抜群です。
材料(作りやすい分量)
- 牛乳
- にんにく
- アンチョビ
- オリーブオイル(少量)
作り方
刻んだにんにくとアンチョビを弱火でゆっくり温め、香りが立ったら牛乳を少しづつ加えます。沸騰させないようにヘラでかき混ぜながら温め、全体がなじんだら完成です。
牛乳ベースなので、野菜の甘みを邪魔せず、蒸したての野菜をそのまま引き立ててくれます。油分が控えめな分、食後も重くならないのが嬉しいポイントです。
ヨーグルト味噌ディップ
こちらはちょー簡単な混ぜるだけで完成するヨーグルト味噌。和と洋の中間のような味わいで、蒸し野菜にとてもよく合います。
材料
- プレーンヨーグルト
- 味噌
- ごま油
- レモン汁
ヨーグルトと味噌を同量にすりごま入れて混ぜます。ごま油、レモン汁をお好みで加えて完成です。さっぱりしつつもコクがあり、セロリやトマト、根菜類とも相性が良いソースです。
蒸し料理は油を使わない分、こうした発酵食品のソースを添えることで、満足感と栄養のバランスが取りやすくなります。
いろいろな蒸し野菜を、ディップと一緒に楽しんでみてください。
〆はうどんで…。
蒸し料理に使った鍋に残ったお湯には、野菜の旨味が溶け込んでいます。塩と胡椒を少し加えるだけで、十分に美味しいスープになります。
ヘルシーを意識して始めた蒸し料理ですが、〆にうどんを入れると、これがまた格別。
食欲にも、物欲にも、なかなか勝てません……。
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