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Post Date:2020年7月25日 

双眼鏡を持って夜空を見上げよう!

Vixen REGALO Z7x50

2020年3月、米国の探査衛星「ネオワイズ」が発見したネオワイズ彗星。次回地球に接近するのは5,000年先という壮大なロマンです。7月中旬から夕方から夜にかけて観測できるとありました。

事前の情報では肉眼でも見える3−4等星程度の明るさとあります。

国立科学博物館-宇宙の質問箱-星座編 に明るさによる星の数の違いというのがあります。肉眼では1等星から6等星まで確認できるとあります。しかし、東京では3等星でかなり見えづらくなります。

具体的に確認できる3等星は、北斗七星の中で確認できます。”おおくま座” の一部である北斗七星は6つが2等星で、1つが3等星です。

北斗七星(メグレズ 3等星)

夜空を見上げてみると、北斗七星のメグレズは目を凝らして辛うじて見えます。やっぱり東京では3等星が限界のようです。

残念ながら雨が続き観測のチャンスがなかなか来なかったのですが、束の間の晴れ間を縫って天体双眼鏡を持って出かけてみました。

暫く肉眼で北西の空を眺めていましたが、心待ちしていた尾を引く”ほうき星”はどこにも見当たりません、、、、。

そこで天体双眼鏡を使ってみると尾を引く星がクッキリと見えました。

ネオワイズ彗星

「ありがとう、天体双眼鏡!」

追記:

あとで知りましたが、彗星の場合は同じ等級の星より暗く感じるという記載を見つけました。

彗星の等級は、同じ等級の星と比較したときに、ぼんやり見える部分すべてを含めた光量が等しくなるという意味で、同じ見え方であるということではありません。一般的に彗星の場合は、同じ等級の星より暗く感じられます。

【引用】(速報)ネオワイズ彗星が明るい(2020年7月) | 国立天文台(NAOJ)


双眼鏡で天体観測

ネオワイズ彗星で活躍してくれた Vixen REGALO 7x50 ですが、以前、知人から双眼鏡なら気軽に天体観測ができるから「Vixen(ビクセン)の7x50ぐらいを探してみたら」というアドバイスで購入したものです。Amazonで確認すると2013年3月に購入していました。

REGALO Z7x50

購入してから7年が経っていますが、いまだに何の不都合もなく使えています。


7x50を選択する理由

7x50というのは、倍率が7倍で口径が50mmという双眼鏡です。ネオワイズ彗星を見るときに他の双眼鏡と比べてみて実感できましたが、天体観測に使う双眼鏡では、倍率よりも明るさが重要となります。この明るさの指標となる ひとみ径 は下記の式で求まります。

ひとみ径 = 対物レンズ有効径÷倍率

ひとみ径を2乗した数値が"明るさ"です。

明るさ = ひとみ径2

7x50の双眼鏡は、上記の計算式から、ひとみ径は、7.1mmで、明るさは、50.4 となります。

明るいところから急に暗いところに入って目が見えなくなった経験はありませんか?徐々に目が慣れてくると見えてきますが、これは瞳孔が開いてより多くの光を取り込めるようになるからです。人の瞳孔は、明るいときには2mmまで閉まり、暗いときには7mm程度まで開いて取り込む明かり量を調整しています。

真っ暗な場所で最大7mmまで瞳孔が開いているとすると、それよりもひとみ径 が小さい双眼鏡で見たときには像が暗くなってしまいます。つまり、ひとみ径 が暗いときの人の瞳孔と同じ7mmが天体観測で最も効率的に明かるさを取り込めるということです。この ひとみ径 7mmから逆算した、「倍率が7倍で、レンズ口径が50mm」 の双眼鏡が暗い場所での天体観測に向いていると言われている所以です。


お勧めの天体双眼鏡

ひとみ径 と共に双眼鏡の性能を決めるレンズも大切です。ガラス硝材の一種で高い屈折率が特徴の Bak4(Bak4>Bak7)が採用されていてるものを、また光の透過率を上げ視野を明るくするためのレンズ加工のコーティングは、単層コーティング(マゼンタコート)よりも多重層コーティング(マルチコート)の方が優れて(PFMコート>マルチコート>マゼンタコート)いますので、

  • Bak4
  • マルチコート

と記載がある双眼鏡を選びましょう。

あと気にする点としては、実視界とアイレリーフです。実視界は、双眼鏡を動かさずに見ることができる範囲で角度が広い方が見える範囲が広いということになります。アイレリーフは双眼鏡からどの程度レンズから目を離せるかの距離で、眼鏡をしている場合には、15mm以上が必要とあります。

また三脚が付けられるかも大切です。7倍の双眼鏡でも手振れがあり、月のクレーターなどを観測するときも三脚で固定した方がじっくりと観測できます。

今回、オススメする天体双眼鏡は上記の条件を満たしており、天体望遠鏡、双眼鏡、顕微鏡などを光学製品を専門として実売価格で2万円以下(2020.07時点)で購入できる Vixen(ビクセン)、Kenko Tokina(ケンコー・トキナー)、MIZAR(ミザール)から選びました。しっかりとしたものを購入すれば長く楽します。

会社 Vixen Kenko Tokina MIZAR
製品名 ASCOT ZR 7x50WP Artos 7×50 BK7050
倍率 7倍 7倍 7倍
レンズ有効径 50mm 50mm 50mm
プリズム材質 Bak4 Bak4 Bak4
コーティング PFMコート マルチコート マルチコート
実視界 6.4° 6.5° 5.7°
アイレリーフ 17mm 18.1mm 20mm
重量 1,015g 880g 840g
防水
三脚装着
実売価格 17,375 13,757 7,523

Vixen ASCOT ZR 7x50WP


Vixen ASCOT ZR 7x50WP

ビクセンは、1949年創業で天体望遠鏡、双眼鏡、顕微鏡などを製造・販売している会社です。会社のビジョンは、「星を見せる会社」になることとあり、星空観望会を始めとする「星を見せるイベント」なども熱心に開催しています。また女性にもっと天文を楽しんでもらえるよう、2009年に ”宙(そら)ガール” として手軽に楽しめる天体双眼鏡(8x21)セットを販売していました。

アスコット ZRx50WPは、紹介する天体双眼鏡の中では最も高価ですが、天体双眼鏡でVixenを外す訳にはいきません。防水設計もされており、野外での夜露や急な雨などでも安心して利用できます。


Kenko Artos 7x50


Kenko Artos 7x50

ケンコー・トキナーは、1957年創業です。ホームページでは、2020年7月 姿を現したネオワイズ彗星! | ケンコー・トキナー と、ネオワイズ彗星の情報など、天文に関する情報を提供してくれているので時々訪れています。アートス 7x50 は防水加工もされており、十分な性能です。

また安価な入門用のミラージュ 7x50 がありますが、こちらはプリズム材質がBak4でない、コーティングも単層コート(マゼンタコート)と性能的には若干見劣りします。


MIZAR BK7050


MIZAR BK7050

ミザールテックは、1952年創業で、1957年から「安価で誰でも楽しめる望遠鏡を作ろう」と望遠鏡、顕微鏡の製造・販売を始めたとあります。BK7050は防水加工でないということから定価も実売価格も安価です。防水でない双眼鏡を使っていますが、野外でも濡れないように気を付けていれば通常の使い方では問題ありません。プリズムはBak4、マルチコーティングも施されています。ただ実視界についてAmazonの製品紹介では、6.4°とありますが、ホームページ上は5.7°となっていたのでこちらの数値を掲載しました。5.7°だとするとVixen、Kenkoの双眼鏡と比べて若干視野が狭く感じるハズです。


天体双眼鏡も三脚を使うと簡単

都内からでも簡単に天体観測を楽しめるお月様ですが、色々な姿を見せてくれるので飽きずに楽しめますが、月を楽しむのであれば、

  • 三日月 
  • 半月

のときがお勧めです。


三日月で地球の淡い灯りを感じる

月は太陽の光を反射しているので明るく見えるのですが、三日月をよくみると太陽に照らされていない部分も見えます。これは地球照といって太陽の光を地球が反射して月を照らしている部分です。

地球照(ちきゅうしょう、英語:earthshine)とは、月の欠けて暗くなっている部分が、地球に照らされて、うっすらと見える現象である。

【引用】地球照 - Wikipedia

地球に照らされた月も天体双眼鏡で眺めると趣があります。


半月でクレーターを堪能する

クレータがハッキリと見えるのは半月のときです。7x50の天体双眼鏡でも月がこんなにもボコボコしているのだと感動します。(下写真は望遠鏡の映像)

半月のときのクレーター

ただ、7倍の双眼鏡でも手に持って観測していると手振れでしっかりとは見えません。

双眼鏡にビノホルダーを取り付ければ、三脚が使用できるようになります。

ビノホルダーで三脚に双眼鏡を取り付ける

双眼鏡にビノホルダーを取り付けるネジ穴は統一企画なので、各社のビノホルダーを取り付けることができます。


三脚より一脚が便利

三脚はしっかりと双眼鏡を固定してくれるので月などを固定してみるには向いていますが、あちらこちらと夜空を探索するのは不便です。自立はしませんが、一脚でも手振れ防止にはなりますし、組み立ても片付けもススっと脚を伸ばすだけで超簡単です。

こちらは、一脚としても小型三脚としても使えます。


星座早見版

色々なアプリもありますが、やっぱりアナログに原点回帰です。紙製だとすぐにボロボロになってしまいますが、こちらの星座早見版は樹脂製です。また蛍光なので薄暗い中でも確認しやすくなっています。

星座版の日付と時間を合わせますが、星座版は緯度経度東経135度の子午線を基点として作成されていて、場所でいうと兵庫県明石市になります。住んでいる地域の緯度によっては星座版と実際に見える星の位置が異なるので調整が必要です。版には東京や福岡といった記載がありますが、東京であれば東経140度なので、子午線と5度ずれているので5日戻します。また福岡であれば東経130度なので5日先に進めます。

天体双眼鏡で夜空に輝く過去の光を眺めるのは格別な時間の過ごし方です。星座の星々が確認できたら、星座についてのギリシャ神話を調べていくのもまた一興です。

Post Date:2014年3月30日 

天体双眼鏡で夜空を眺めよう

Vixen REGARO Z7x50

製品についての情報をアップデータしました(2023.6)
また、2020年度版の天体双眼鏡についての記事もアップしています。
象と散歩: 双眼鏡を持って夜空を見上げよう!

「智恵子は東京には空がないといふ。ほんとの空がみたいといふ。」

あまりにも有名な高村光太郎の智恵子抄「あどけない話」の冒頭の一節です。智恵子は故郷の青空こそが本当の空だと言ったようですが、智恵子抄が出版された1941年当時であれば東京でも満天の星空を臨むことができたことでしょう。いまでは街の灯りに影を潜め随分と少なくなってしまいましたが、それでもベランダから空を見上げるとポツリ、ポツリと星を確認することができます。

少なからず男の子には、天体望遠鏡への憧れがあります。アイザック・ニュートンが発明した大きな口径の反射式天体望遠鏡の側面に立ち、星を観察する姿はまさに羨望のまなざしです。

しかし、実際に天体望遠鏡を使ってみると、憧れと現実は異なりました。友人から使わなくなったという天体望遠鏡(残念ながら屈折式)を借りてみたのですが、セッティングには時間がかかるし、星に照準を合わせるのも一苦労。

丁重に返却したときに「簡単に星を観察したいんだったら"天体双眼鏡"がいいよ。」「Vixen(ビクセン)の7x50ぐらいを探してみたら」とのアドバイス。天体双眼鏡?双眼鏡で星が見えるの?


天体双眼鏡

Vixenは日本屈指の光学機器メーカーで古くから天体望遠鏡や顕微鏡といった好奇心を醸成してくれる宝物を手掛けている会社です。他にも天体双眼鏡を販売しているメーカーもありますが、個人的にも小さな海の生き物にはまっていたときにビクセンのミクロボーイという実体顕微鏡にお世話になっていましたので、友人のいう通りに迷わずVixenの双眼鏡を調べてみました。

7×50というのは、倍率が7倍で口径が50mmということでした。これが一般的な天体双眼鏡のスペックのようです。暗い夜空を見るために集光力の高い50mmといった大きな口径の双眼鏡になります。なぜ天体観測用の双眼鏡で7x50が一般的であるかといえば、双眼鏡の性能を表す「ひとみ径」と関係しています。ひとみ径は、

ひとみ径=対物レンズ有効径÷倍率

で、求められます。つまり7x50の双眼鏡のひとみ径は、50mm÷7≒7.1mmとなります。この7mmというのが人間の瞳孔の最大径(暗闇での瞳孔径)とほぼ同じなので、暗い環境でも肉眼と同じ明るさが得られるとされているようです。

しかし、本当に倍率が7倍ぐらいで天体観測ができるのでしょうか?

7倍というのは70m先のものが1m手前に見える倍率です。流石に土星の輪っかも木星の模様も見ることはできませんが、月のクレーターはハッキリと確認できますし、東京の空にもこんなにもたくさんの星があったのかと驚きます。どのくらい星が見えるかといえば、オリオン座の三ツ星の下にあるオリオン座イオタ星を含む小三ツ星がはっきりと確認することができるくらいです。

オリオン座の三ツ星の下にあるイオタ星

さてビクセンの双眼鏡を調べてみると、アルティマ、アスコット、フォレスタの各シリーズに7x50の双眼鏡がありました。当初はフォレスタ ZR7x50WPにしようと考えていたのですが、Amazonで検索しているとREGARO(レガーロ)Z7x50(販売終了)というものを見つけました。このレガーロというシリーズは量販店用のモデルで低価格が売りでした。防水仕様ではありませんが、アウトドアが中心でなければ問題にはなりませんし、性能的には FORESTA(フォレスタ)ZR 7x50(生産中止)とほぼ同じで、とてもコスパの高い双眼鏡でした。

※購入時は¥ 9,950でしたが、現在は Ascot ZR 7×50WP よりも高値で販売されています


天体観測用双眼鏡の選択ポイント

天体観測の双眼鏡の選択のポイントとなるのは、明るさ、レンズ(プリズム)とコーティング、それに視界幅です。7x50の双眼鏡であれば計算上のひとみ径と明るさは同じです。

次にレンズ(プリズム)についてですが、一般的な屈折式の天体望遠鏡は上下がさかさまに見えてしまいます。これが星を探す上での違和感でもあるのですが、双眼鏡はポロプリズム(プリズム2個:左右で4個)で、上下が逆にならないように屈折させて像を正立させます。

Bak4というのは光学ガラスのコードナンバーで、屈折率の高いプリズムで明るくクリアに見ることができます。安価な双眼鏡の場合はBak4よりも屈折率の低いBK7が使用されています。

またコーティングは光の透過率を上げ視野を明るくするためのレンズ加工ですが、マルチコート<フリーマルチコート<PFMコートとランクされています。マゼンタコートは、単層コートです、

下記は、2023年6月現在で、購入可能な7×50の天体双眼鏡の比較表になります。

メーカー Vixen Nikon Kenko MIZAR
製品名 ASCOT ZR 7×50WP AEX 7X50 Artos 7×50 Mirage 7×50 BK-7050
倍率
対物レンズ有効径 50mm 50mm 50mm 50mm 50mm
プリズム材質 BaK4 ポロプリズム BaK4 ポロプリズム BaK4
コーティング マルチコート マルチコート マルチコート マゼンタコート マゼンタコート
実視界 6.4° 6.4° 6.5° 6.8° 5.7°
見掛視界 44.8° 44.8° 43.4° - -
1000m先視野 112m 112m 113.6m 118.8m -
ひとみ径 7.1mm 7.1mm 7.1mm 7.1mm 7.1mm
明るさ 50.4 50.4 50.4 50.4 51
アイレリーフ 17.0mm 17.1mm 18.1mm 20.0mm 20.0mm
至近距離 9.0m 7.0m 10m - -
サイズ(HxWxD) 170×188
×63mm
179×196
×68mm
165×185
×77mm
167×198
×65mm
180×185
×75mm
重さ 1015g 1,000g 880g 790g 840g
防水 防水 防水 防水 なし なし

実視界/見掛視界
双眼鏡を動かさずに見ることができる範囲で広い方が迫力があり見やすい。

1000m先視野
1000m先の視野。2×1000m×tan(実視界÷2)で求まるため実視界によって決まる。

ひとみ径
双眼鏡の明るさを表す目安で、対物レンズ有効径÷倍率で求まります。人間の瞳孔よりも双眼鏡のひとみ径が小さい場合、光が十分に集められないため暗く感じます。直径が大きいほど視界が明るく見えます。

アイレリーフ
双眼鏡を覗くときのレンズから最大位置で15mm以上あれば眼鏡を着用して利用可能

明るさ
アイレリーフの二乗値 (対物レンズ有効径÷倍率)で値が大きいほど明るく見えます。倍率が同じであれば口径が大きいほど明るく見える。

Nikon AEX 7X50 には、BaK4との記載はありません。また、Kenko Mirage 7×50 は、上位機種のBK-7050にはBaK4と記載があるのでBK7が使われているのではないかと思います。


いまどきの星座早見表

天体観測をする上で欠かせないのがコンパスと星座早見表ですが、いまどきはスマホやタブレットのアプリを使った方が賢明です。

星座表iconおススメのアプリは星座表(iPhone版)星座表(iPad版)です。iOS以外でもWindowsアプリ版Android版があり様々なデバイスに対応しています。外出先で天体観測をするのであればスマホ方が便利ですが、タブレット版の方が画面も大きく使い勝手がいいです。無料版でも星の名前や星座を調べる分には十分ですし、GPSとARにも対応しているので夜空の星と重ねながら観測できます。先ずは肉眼でハッキリと見える星を探してから相対的に探していくとわかりやすいかと思います。天体観測には必需品なアプリです。

iPhone版のダウンロード

iPad版のダウンロード

アプリよりもやっぱり本だよねというのであれば、『双眼鏡で星空ウォッチング 第3版』、『星を楽しむ 双眼鏡で星空観察』がおススメです。双眼鏡での天体観測について丁寧に解説されており、季節ごとに双眼鏡で見られる特徴的な天体や星座が図解されています。


REGARO(リガーロ)Z7×50の使用感

REGARO(リガーロ)Z7x50を購入してから1年以上経ちますが、自宅のベランダからiPadを持ちながら季節ごとの星の移り変わりを楽しんでいます。双眼鏡なので準備も手間も必要ありません。ケースから出してキャップを外すだけです。月のクレーターが観察できるだけでも喜んでしまっています。クレーターの観察方法については下述の日経の記事にもありますが、満月では明るすぎて凹凸がハッキリしないので、月が欠けた半月程度のときに観察してみましょう。妙にゴツゴツと立体感があってとてもリアルです。

難点は、やはり重量と手ブレでしょうか。825g の双眼鏡を上に向けて持っていると、次第に手がプルプルしてきます。また7倍でも手ブレが結構気になるので、月のクレーターをじっくり観察するために専用の三脚ホルダーサンワサプライ マルチスタンド(一脚)を購入しました。一脚を選んだ理由は手軽さからです。固定はできませんが手ブレはかなり軽減されます。

とても気に入っている商品ですが、やはり難点は重量です。男性でも重く感じるので女性や子供にとっては重過ぎです。この重さの原因は口径が50mmといった大きな双眼鏡だからです。そしてなぜ7x50の双眼鏡を選んだかといえば、ひとみ径の7.1mmからです。

ひとみ径については、幾つかの記事を読んでいたのですが、SKY&TELESCOPEという雑誌の記事に面白い記載がありました。これによると瞳孔(Pupil)の大きさ個人差があり、9mmの人もいれば、4mmしか開かない人もいる。しかも加齢によって小さくなると。

For one thing, your eye's pupil shrinks in bright light and expands in the dark. Just how big it can get under a starry sky is the subject of much misunderstanding. The ancient dogma on this topic, printed in countless books, says "The human pupil dilates to a maximum diameter of 7 millimeters." Therefore 7 mm is supposed to be the ideal maximum size for the exit pupil of binoculars or a telescope.

This is the reasoning behind the popular 7x50 "night glass" binocular. Divide its 50-mm aperture by its 7-power magnification and you get an exit pupil 7.1 mm across, just about right.

But it ain't necessarily so. Everybody is different.

Some of us have night-owl pupils that enlarge to nearly 9 mm in the dark; others don't make it to 4 mm. After young adulthood there's a gradual downward trend with age — slowly at first, then more rapidly from about age 30 to 60, then slowly again in your later years. But even among people the same age there's a good 3 mm of scatter, so that some 70-year-olds outdo some teenagers.

しかも考えてみれば真っ暗闇の中で天体観測をしているわけではないので、もう少し口径の小さな双眼鏡でも十分に天体観測ができるのではないかとも思えます。また昨年秋に日経の記事にあった「月のクレーター、双眼鏡でも鮮明、秋の天体観測入門」では、6倍の双眼鏡でも鮮明に月のクレーターが観察できるとあります。Vixen(ビクセン)でいえば、6×30の「アトレックライトII BR6×30WP」が該当します。


Vixen アトレックII BR6x30WP

倍率6倍、対物レンズ有効径32mm、ひとみ径は5mmで、明るさ25、重量は500gです。7×50と比べると倍率も口径も小さいですが、家族で楽しむ天体観測用の双眼鏡として考えるのであれば、手ブレも少なくなりますし、軽量モデルの選択はありかと思います。


7×50の天体双眼鏡

2023.6現在、7x50の天体双眼鏡で入手可能なモデルは、下記となります。

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