Tivoli Audio Model One Digital Gen.2 を購入した目的は、Wi-Fi接続を活かして、Apple Music や Amazon Music を BGM として流すことでした。
しかし、実際に使い始めてみると、Apple Music や Amazon Musicを流すより、ラジオやインターネットラジオ、Spotifyを聴く時間の方が長くなっています。
特にFM放送は、ここまで聴くようになるとは思っていませんでした。以前から朝は radiko でラジオを聴いていましたが、気がつくと自然にラジオを流すようになっています。
その理由を自分なりに考えてみると、次の3つではないかと感じています。
- ワクワク感
- friction(フリクション)が低い
- 偶発性
この3つを手がかりに、Model One Digital Gen.2 でラジオを聴く時間がなぜ心地よく感じられるのかを考えてみたいと思います。
Tivoli Audioでラジオを聴くと、なぜかワクワクする理由
radiko でも同じ番組は聴けるのに、Tivoli Audio でラジオをつけるとなぜかワクワクします。
それは、ラジオならではの揺らぎや実在感のある体験に理由があるのかもしれません。
1. 部屋に入り込んできた見えない電波を捉えている
インターネット配信は、データがどこを通っているのか具体的な場所をイメージしづらく、仕組みを論理として頭の中で理解しようとする「論理上の不可視」です。
一方で、ラジオ放送は、東京タワーやスカイツリーから飛んできた電波をラジオで受信すると音声や音楽になるという、子どもの頃に感じたような不思議さを持った「想像できる不可視」です。
よく聴こえるラジオ局にチューニングを合わせたり、アンテナの位置や向きを変えて受信感度を上げたりする行為は、見えないけれど確かに存在するものを、自分の身体を通して“つかまえにいく”体験です。
👉 「世界に満ちている見えない何かに、ほんの少し触れているような実在感と手応え」が、小さなワクワクを生みます。
2. ラジオ放送には“揺らぎ”がある
ラジオの音は、常にわずかな揺らぎを含んでいます。ノイズが混じったり、少し遠のいたり、急にクリアになったりと、完全に固定された音ではなく、コントロールできない揺らぎが発生します。
そのため、音は常にわずかに揺れ続け、同じように聴いていても微妙に印象が変わります。
そもそもFM放送は、音に応じて周波数をわずかに変化させ、それを音として再生する方式であり、信号の揺れが音として現れます。
👉 「完全にはコントロールできない」小さな不確実さが、期待とわずかな緊張を生み、それがワクワクにつながります。
3. ラジオ放送には“不可逆性(一回性)”がある
ラジオの不可逆性は、「一時停止できない」「30秒巻き戻せない」といった機能の話だけではありません。 もっと感覚的なレベルで、「時間の主導権が自分ではなく“放送側”にある」という種類の不可逆性です。
radiko のタイムフリーを使えば、番組の内容は後から何度でも聴き直せます。けれどそれは、再生ボタンを押した瞬間から始まる、自分主導の時間です。
一方、リアルタイムのラジオ放送では、時間は放送側の都合で淡々と流れていきます。自分のタイミングで始めたり止めたりするのではなく、「いま流れているもの」に耳を傾ける体験です。
👉 「いま・ここでしか起きていない」という一回性が、その瞬間に意識を引き戻し、わずかな緊張と集中を生み、それがワクワクにつながります。
4. 質量のあるラジオ音
Tivoli Audio で聴くラジオはクリアで聴きやすく、少しボリュームを上げると、低音も感じられる質量感のある音が前面に広がります。
Tivoli Audio は、ラジオを“オーディオ機器”として設計しているので、単に情報として音を受け取るのではなく、音そのものに触れているような感覚があります。
とくにFM放送で流れる音楽は、その瞬間がよい音楽との出会いになります。
👉 音に質量と存在感があることで、ラジオで出会う音楽の体験がより鮮明になり、ワクワクを生みます。
フリクションが低く、自然と流し続けられる
フリクションとは、何かを始めるときや続けるときに感じる「手間や面倒さ」のことです。
Model One Digital でFMラジオを聴く場合は、電源を入れるだけで再生が始まり、“情報にたどり着くまでの手間や負荷”が極端に少ないです。
また、Spotify Connect で Model One Digital 本体に登録しておけば、リモコンのプリセットボタンから Spotify のプレイリスト再生を始められます。ただし、Spotify Premium にしていない場合は音質に制限があり、CM も入ります。
TuneIn でラジオ局を聴く場合も、Chromecast であれば最初はスマートフォンでの操作が必要ですが、再生が始まればスマートフォンは不要になります。
これらと比べると、AirPlay での再生はスマートフォン経由となるためフリクションが高く、常にスマートフォンが必要となることでバッテリーも消耗します。
フリクションの低さという観点では、次の順になります。
- FMラジオ
- プリセットした Spotify
- TuneIn のラジオ局
- AirPlay での Amazon Music再生
フリクションが低いほど、意識せずに音を流し続けることができ、結果としてラジオを聴く時間が増えていきました。
インターネットラジオもやっぱり捨てがたい
インターネットラジオは、BGMとして流し続けるのに適しています。
TuneInは、ラジオ番組や音楽チャンネルをインターネット経由で聴けるサービスで、Amazon Echoなどでも利用できます。
中でも「1.FM」は、さまざまなジャンルの音楽を配信しているスイスのインターネットラジオ局で、BGM用途に非常に向いています。
Tivoli Audio Model One DigitalでもChromecastを使えばTuneInをラジオっぽく聴くことができます。
そして、Tivoliで聴くラジオ局を探している中で見つけたのが「Ella Radio」でした。
TuneInで見つけたElla Radioがスゴすぎる
Ella Radio は、2026年1月5日から放送が開始されたドイツのインターネットラジオ局で、名前の由来はジャズシンガーの Ella Fitzgerald です。
Bass Jazz(ベース・ジャズ)は、Ella Radioのチャンネルのひとつで、次のように紹介されています。
Bass Jazzは、ジャズアンサンブルの基盤であるコントラバスの、深く温かみがあり、リズムを牽引する音に焦点を当てたチャンネルです。
【中略】
Bass Jazzは、集中して作業をしたいときや静かな夜、そして低音の繊細な表現を楽しみたい人に最適です。グルーヴと温かみ、そして洗練された音楽性に満ちた世界にぜひ浸ってみてください。
まさにベーシストが主役の楽曲ばかりが流れ、いつ聴いても新鮮です。ベースの低音を軸にした音楽と、安定したウォーキングベースのテンポは、仕事や読書、勉強のBGMとして非常に相性がよいと感じています。
ラジオで出会う音楽の偶発性
ラジオで流れる音楽との出会いは偶然です。Spotify や Amazon Music といったサブスク型の音楽配信ではパーソナライズが進み、どうしても自分好みの音楽が中心になりがちです。
ラジオでは、「あ、いいなこの曲」と思っても、もう一度最初から聴くことはできません。こうした偶発的な出会いは、音楽を大量に消費するサブスクリプションとは異なる価値を感じさせます。
パーソナリティの曲紹介を聞き逃しても、あとから曲名を知りたいときは、FM局のプレイリストで確認できます。
下記は、首都圏で聴ける主なFMラジオ局のプレイリストです。
ラジオで聴いた音楽も、あとから曲名やアーティストを確認できますが、「その瞬間に出会う一期一会のような音楽の価値」は、やはりラジオならではだと感じています。
音楽を聴くためのラジオ
Tivoli Audio でラジオを中心に楽しむのであれば、名機 Model One BT です。
ラジオだけでなく、Spotify や TuneIn をラジオっぽく聴きたいのであれば、Model One Digital Gen.2 がオススメです。
Tivoli Audio Model One については、下記の記事に詳細を書いています。
Tivoli Audio 以外では、「ラジオで音楽を楽しむ+Bluetoothスピーカー」という Model One BT と同じコンセプトのラジオとして、台湾のオーディオメーカー Sangean(サンジーン)が発売している WR-101、WR-302、WR-304 があります。
木製キャビネットと背面バスレフ構造は共通仕様です。WR-101 にはFM用のロッドアンテナが付属していますが、WR-302/304はFM用アンテナも内蔵されています。
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| WR-101背面 | amazon.co.jp |
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| WR-302背面 | amazon.co.jp |
ラジオは FM 76–108 MHz / AM 522–1710 kHz に対応しており、日本のFM放送、ワイドFM、AM放送をカバーしています。
Bluetooth は高音質コーデックの aptX には対応していますが、iPhone が採用している AAC には対応していません。ただ、Tivoli Audio Model One にも AAC や aptX といった高音質コーデック対応との記載はありません。
WR-101 は小型ボディながら、89mm のフルレンジ(低音・中音)に加え、40mm のツイーター(高音)を備えた 2ウェイ・スピーカー+電子クロスオーバー構成となっています。そのため、フルレンジ構成の Model One よりもクリアに聴こえるのではないかと思います。トーンコントロールも備えており、好みの音に調整できそうです。
WR-302 と WR-304 は横型・縦型というレイアウトの違いはありますが、基本的な仕様はほぼ同じです。WR-304 はACアダプター駆動のため、ひとまわりコンパクトなサイズになっています。どちらも 3インチのフルレンジスピーカーを備えており、シンプルな構成でラジオとBluetoothスピーカーを楽しめます。
また、Sangean 製品は KOPEK JAPAN(コペックジャパン)が正規輸入販売元となっており、国内正規品であればサポートを受けられるので安心です。
一方で、インターネットラジオを中心に考えるのであれば、JBL Authentics 200 という選択肢もあります。
数少ないインターネットラジオ対応機で、アプリ経由でTuneInのラジオ局を選択でき、プリセット登録にも対応しています。
AirPlay や Chromecast での接続が可能なほか、Amazon Music、Spotify Connect にも対応しています。さらに、Amazon Alexa と Google アシスタントの両方を利用できます。
JBL Authentics 200 は、単なるインターネットラジオ受信機にとどまらず、さまざまな音楽サービスや再生手段と柔軟に接続できる点で、他に類を見ない存在です。








