瞑想は、いま、また黒船に乗ってヨガやマインドフルネス(Mindfulness)という言葉と共にメディテーションというカタカナに変化を遂げて逆輸入されています。
彼のスティーブ・ジョブ氏が瞑想をしていたのは有名ですが、瞑想から宗教色をなくしたマインドフルネスは、その効果の科学的根拠も研究され、GoogleのSearch Inside Yourself(サーチ・インサイド・ユアセルフ)、インテルのAwake@Intelなど大企業の研修プログラムにも取り込まれています。
そこには神も仏の存在もなく、空を飛ぶこともありません。
試しにマインドフルネスでGoogle Scholarで検索(マインドフルネス - Google Scholar)すると、200件以上の学術論文がヒットします。英語(mindfulness - Google Scholar)では約180,000件です。
この検索結果数からだけでも瞑想が科学的に扱われていることがわかります。
瞑想の効果としては、
- 自己認識力の向上
- 自己制御力の向上
- ストレスの軽減
などがあるとされていますが、なぜエグゼクティブがマインドフルネス(Mindfulness)に注目するのか、Goolgeではどのようにマインドフルネスが行われているかなどについては、下記の図書を参考にしてください。
集中の「サマタ瞑想」、今を感じる「ヴィパッサナー」
瞑想は、集中力を育てる「サマタ瞑想」と事物をありのままに捉える「ヴィパッサナー瞑想」に大別されるようです。
サマタ瞑想は、一点(小さいもの)に集中して心の動きを止める瞑想です。60秒で眠れる、快眠もストレスフリーも思いのままの呼吸法 | 象と散歩 に掲載した、数字を数えながら息を吐きだす「Breath Counting」は、数字を数えるという一点に意識を集中するのでサマタ瞑想の基本となります。
一方、ヴィパッサナー瞑想は、今に気づく事を目的し、自然な呼吸を観察することから始まります。
どちらにしても「瞑想って心を無にする(何も考えない)ことだったんじゃなかったんだ。」というのが正直な感想でした。
では、「マインドフルネス瞑想は?」といえば、日本マインドフルネス学会ではマインドフルネスを
今、この瞬間の体験に意図的に意識を向け、評価をせずに、とらわれのない状態で、ただ観(み)ること
早稲田大学 熊野 宏昭(くまの・ひろあき)教授は、
今の瞬間の現実に常に気づきを向け、その現実をあるがままに知覚して、それに対する思考や感情にとらわれないでいる心の持ち方や存在のありよう
と定義しています。このことから、マインドフルネスもヴィパッサナー瞑想を主体として体系づけられた瞑想方法であるということがわかります。
マインドフルネス瞑想
では、実際に試してみましょう。
- 背筋を伸ばして座る
- 大きく息を吸って、ゆっくりと吐きながら肩の力を抜く(複式呼吸)
- 軽く顎を引いて視線を45°下に落とすか、目をつぶる
- 意識を呼吸に集中する(複式呼吸)
もう少し詳しく説明していきます。
座り方
椅子に座ってもいいのですが、瞑想してると意識するためにも座禅を組んでみましょう。上の写真のように右足を左ももの上にのせ、左足を右ももの上にのせて両足を組むのは結跏趺坐(けっかふざ)、ヨガでは蓮華座(Lotus Pose)といいます。
蓮華のように美しく結跏趺坐(蓮華座)が理想ですが、左足を右の腿の上にのせるだけの半跏趺坐(はんかふざ)ができるならそれでもOKです。
と、いっても、これもなかな難しい。アイタタタタ、、、、
先ずは、安楽座からチャレンジしてみましょう。こちらのサイト(基本の座り方 〜安楽座(あぐら)〜)で非常にわかりやすく説明してくれています。またこちらには「蓮華座(パドマアーサナ)の練習方法」という動画あります。鍛錬です。(2018.01 リンク先 動画の変更)
- 蓮華座(パドマアーサナ)のつくり方
- 足首と股関節と骨盤の意識となじませ方の練習
- 腿のストレッチと、股関節&膝関節のなじませ方
- 股関節と膝、脊柱を意識して前屈のポーズ
と三部構成になっています。かなり気持ちいいです。
結跏趺坐、半跏趺坐、安楽座、何れの場合も膝を床につけます。そのためにお尻の下に座蒲(ざふ)を敷いて、膝が浮かない程度に浅く坐ります。
ちょっと座り心地は悪くなりますが、座禅を組むには股関節だけではなく足首も柔らかくないと組むことができないので、ヨガブロックにつま先を乗せて足首を柔らかくしながら、瞑想のときには座蒲の代わりに坐ることもできます。
印を結ぶ
膝の上に手の甲を乗せて親指と人差し指で円をつくります。これはインドのヨガで行われる「智慧の印」といわれるものです。指にはそれぞれに意味があります。
親指 | 大宇宙(神) |
人差し指 | 小宇宙(自我・心) |
中指 | プライド |
薬指 | 欲望 |
小指 | 無知 |
「智慧の印」の意味は、大宇宙と自我の循環とプライド、欲望、無知の放出だそうです。
マインドフルネスの瞑想では印については触れていません。しかし、座禅を組んで印を結ぶことによって「さあ、これから瞑想するぞ」という意識になります。
また印を結ぶことで、眠くなってきたときに合わせている指が、ずれたり、離れたりするので、眠むくなったことを意識できます。
印の意味は考えずに瞑想のときのポーズ、居眠り防止サインとして印を結びましょう。
呼吸に意識する
瞑想中は鼻から吸って、ゆっくりと鼻から吐く複式呼吸をします。複式呼吸が自然にできなければ初めの数回、意識して複式呼吸をして、そのあとは自然呼吸(胸式呼吸)に戻しても大丈夫です。
次に呼吸に意識を持っていきます。鼻腔から入って器官を通り肺に入る空気の流れ、同じように身体から息を吐き出すときの感覚、呼吸に合わせて上下するお腹や胸などの感覚をゆっくりと観察していきます。
呼吸に意識を向けていても、ふと気がつくと違うことを考えてしまっています。それに気がついたら考えたことに対して「雑念」とラベリングをして、また呼吸に意識を戻します。
これを繰り返します。瞑想の時間は、次第に長くできるようになりますが、最初は3~5分で十分です。慣れてきたら自分が気持ちよく過ごせる時間だけ行ってください。
おススメの瞑想アプリ
初めは、なかなか一人では瞑想がやりにくいと思います。そんなときは瞑想アプリを使ってみましょう。ガイダンスを聞きながら瞑想することで徐々に瞑想にも慣れてきます。
5分間の瞑想:28日間のマインドフルネス瞑想コース1回5分の28日間マインドフルネス瞑想コースは、ガイダンスによる瞑想から徐々にサポートなしに一人で瞑想ができるようにデザインされています。呼吸法、ビジュアリゼーション、ホディースキャン、センサリーアウェアネスなど様々な瞑想があります。また28日間コース以外にも42種類のボーナスガイダンスとテキストによる30秒間のお急ぎ瞑想があります。ガイダンス音声の女性の声も悪くありません。