Echoで音楽を聴くようになったのは Amazon Echo(第3世代)からです。
当初は、無指向性モノラル スピーカーから流れる音楽に満足していました。しかし、Echo第3世代 をステレオ化したら、音の広がりが予想以上に気持ちがいい。
これならばと Echo Plus もステレオペア化。そして、低音に焦がれて Echo Sub(サブウーファー)を購入して Echo Plus ×2 + Echo Sub で 2.1ch 構成へと変遷してきています。
また、最初は Echoで音楽を聴くのが補助的な役割だったので、プライム会員なら無料で聴ける prime music を利用していましたが、Echo Plusを購入して音質がよくなったので、Amazon Music Unlimited Echoプラン(ワンデバイスプラン) に変更しました。
Echoプラン(ワンデバイスプラン) は、月額380円(2022年5月〜 月額480円)と、メジャーな音楽サブスクの中で最も安価なプランです。しかし、Echo2台のステレオ構成では利用できません。
Echo Plus 第2世代をステレオペアにしたときに、もっとEchoデバイスで音楽を楽しもうとAmazon Music Unlimited にアップグレードしました。
そんな、自宅の音響機器として成長してきた Echoデバイスでの音楽環境ですが、少しでも音楽を気持ちよく聴くための方法について紹介したいと思います。
1. 音質向上への近道は最新機種
新しい機種の方が、確実に音質が向上しています。下表はEchoに搭載されているスピーカーの比較表です。
Echoシリーズ最高峰の Echo Studioでは、ツイーター、ミッドレンジ、ウーファーと音域によって3種類のスピーカーが搭載されていますが、それ以外の Echoは、ツイーターとウーファーです。
Echo(第3世代)とEcho Plus(第2世代)を比べると、特に低音の響の差があるので、素人の耳でもウーファーの0.5インチ(1.27cm)の差を感じます。
Echo Dotは、第5世代になってスピーカーサイズが少し大きくなりました。Echo Show 5も第3世代になって少しだけスピーカーが大きくなっています。
Echoシリーズ | ツイーター | ミッドレンジ | ウーファー |
---|---|---|---|
Echo(第3世代) | 0.6インチ ×1 | 2.5インチ | |
Echo Plus(第2世代) | 0.8インチ ×1 | 3.0インチ | |
Echo(第4世代) | 0.8インチ ×2 | 3.0インチ | |
Echo Sub | 6.0インチ | ||
Echo Studio | 1.0インチ ×1 | 2.0インチ ×3 | 5.25インチ |
Echo Dot(第4世代) | 1.6インチ | ||
Echo Dot(第5世代) | 1.73インチ | ||
Echo Show 5 | 1.65インチ 4W | ||
Echo Show 5(第3世代) | 1.7インチ |
Echo(第4世代)は無指向性スピーカーではない
Echo(第3世代)、Echo Plus(第2世代)までは、Amazonの説明にあるようにウーファーは下向きに、ツイーターはスピーカーの底に上向きに設置され、音を反響させて360°をカバーするモノラルスピーカーでした。
一方、新しくなった Echo(第4世代)は、全面に2つのツイーター、上面にウーファーという構成で、指向性のあるステレオ再生のスピーカーとなっています。
反響せずにダイレクトに音が伝わる構造なので、旧世代のEchoと比べれば、こもった感じがなくなり、音がクリアになっているのではないかと思われます。
2. ステレオペア化
Echoデバイスのステレオペア化による音質向上効果は抜群です。
Echo(第3世代)、Echo Plus(第2世代)ともに、ステレオペアにすることで音に広がりができクリアに聴こえるようになりました。
象と散歩: Amazon Echo Plus と BOSE SoundLink Revolve を聴き比べると涙が出るわけ で、360°無指向性スピーカーとしては、BOSEには敵わないと書いていますが、Echo Plus のステレオペア化で SoundLink と別れを告げました。
Echo(第4世代)を2台購入しても BOSE SoundLink revolve より安価です。ステレオペア化したEchoは、手軽に音楽を楽しめるとてもよい音響デバイスです。
しかし、旧機種はAmazonでは既に販売されておらず、Echo(第4世代)は、旧Echoデバイスとはステレオペアができません。
ステレオペアができるEchoデバイスの組み合わせは、Amazon.co.jp ヘルプ: ステレオペア対応のEcho端末 を参照してください。
2台のEchoをできるだけ離す
ステレオペア化したら2台のEchoデバイスをできる離して設置すると気持ちよく音の広がりを感じられます。
残念ながら、ステレオペア化しても左右のバランス(音量)は設定できないので、Echoデバイスを気持ちよく音楽が聴こえる位置に置くか、自分が聴く場所を移動するしかありません。
3. 低音を楽しむEcho Sub
Echo Subは、Alexaの機能を搭載しておらず、単純にEchoシリーズの低音を補強するサブ・ウーファーです。
Echo Plus でも、結構な低音を感じられますが、Jazzを聴くときにもっとベースの響きを感じたいと思い Echo Sub を購入しましたが、低音がとても気持ちよくなりました。
下図は、ホワイトノイズを2.1ch環境で再生しているときの周波数帯域ですが、低音もしっかりと出ていることがわかります。
ゲイリー・ピーコック と マリリン・クリスペル のアルバム「Azure」は、ダブルベースとピアノで奏でる独特の世界ですが、4曲目の「Bass Solo」もベースの低音を Echo Sub が気持ち良く伝えてくれます。
象と散歩: Echo sub で立体音響+低音を楽しむ で書いていますが、1台の Echo Plus に Echo Sub を繋げる(1.1ch)より、Echo Sub なしのステレオペア化(2ch)の方が、いい音で聴けます。
Echo(第4世代)も、先ずは2台でステレオペアにしてからEcho Subを追加した方が、段階的に音質が向上され効果的ではないかと思います。
Echo Sub の置き場所によっては、床や家具が共振してしまいます。必要があればインシュレーター(防振材)を使ってください。
4. イコライザーで調整する
Echo は、ベース(低音)、ミドル(中音)、トレブル(高音)が、それぞれ±6段階で調整できます。Alexaアプリから手動で変更できますが、音声でもイコライザーを変更できます。
といえば、トレブルを現在の設定から1段階強くします。
で、低音を現在の設定から1段階弱くします。また、
と、"プラス/マイナスと数値” で直接指定することもできます。
で、「はい、イコライザーをリセットしました」と全ての値を0に戻します。
音を可視化して調整する
Echoでのオススメのイコライザー設定方法です。
下図は、Echo(第3世代)でホワイトノイズを再生したときの周波数帯域です。ホワイトノイズはあらゆる周波数が同じ強さの音なのでフラットなグラフになるはずです。
Echo(第3世代)では、低音域は出てないのは明白でしたが、ホワイトノイズを再生すると中音域が凹んでいることがわかります。
こもった感じに聴こえるのは、中音域が落ちこんでいるからだとわかりました。
イコライザーの中心周波数の記載はありませんが、ミドルを+6にして、トレブルを−3に設定してみると、
中音域の凹みが減りました。
ボーカル楽曲は、これでかなり聴きやすくなりました。
音質は好みがあるので、ホワイトノイズがフラットになることが一概にいいということではありませんが、簡単に調べられるので、どんな周波数帯域が弱いのかを一度確認してみるといいと思います。
ホワイトノイズでスピーカー特性のチェック方法
専門的なオシロスコープがなくとも、iPhoneアプリの iAnalyzer(App内課金あり)でiPhoneのマイクで拾った音の周波数帯を確認できます。
- Apple Store で iAnalyze をダウンロード
- 「Alexa, ホワイトノイズを再生して」でホワイトノイズを再生
- iAnalyze で再生されているホワイトノイズを録音
と、簡単に音を可視化できます。
5. インシュレーターを使う
Echo Plus(第2世代)はそれなりに低音を響かせてくれるので、設置場所によっては、スピーカーの振動が伝わり家具がビリビリと共振してしまいます。
ウーファーの配置が異なりますが、同じサイズのウーファーを持つEcho(第4世代)も同じかと思います。
ビリビリ音が気になるようであれば、インシュレーター(防振材)を使いましょう。色々なタイプがありますがゴム素材のものを使うだけでも共振を軽減することができます。
6. 高い位置に設定する
高い位置にEchoデバイスを置くと音質がよくなるわけではありませんが、上から聞こえてくる音は自宅では新鮮で、カフェ気分が味わえます。
リビングに設置している Echo Plus は、2台とも高いところに置いて、Echo Subは床に置いています。
7. Amazon Music HD に変更する
Amazon Music Prime は、標準音質(SD)として320kbpsでストリーミング配信されていますが、ファイルサイズを小さくするために圧縮され、元のオーディオ情報からデータが削除されています。
一方、Amazon Music Unlimited のHDではCDと同じオーディオ情報を保持し、Ultra HDになるとCDを超えるハイレゾ音源となります。ビットレートだけで比較すると、HDはSDの2倍、Ultra HDは10倍以上のビットレートで配信されています。
ストリーミングサービス | 音質 | 圧縮方式等 | ビットレート | ビット深度/サンプルレート |
---|---|---|---|---|
Amazon Musci Prime | Standard Definition(SD) | ロッシー圧縮 | 最大 320kbps | - |
Amazon Music Unlimited | ||||
Amazon Music HD | High Definition(HD) | ロスレス(CD同等) | 平均 850kbps | 16bit/44.1KHz |
Ultra HD | ハイレゾ音源 | 平均 3,730kbps | 24bit/44.1kHz〜192kHz |
数値だけを見るとかなりの差がありますが、最上位機種の Echo Studio でなければ HD の意味はないのではないかと考えていました。
しかし、無料トライアル期間に Echo Plus x2 + Echo Sub の2.1ch環境で、Amazon Music HD に切り替えてみると、
HDだからいい音で聴けているというプラシーボ効果かもしれませんが、いい音になった気がします、、、。
無料期間終了までにダウングレードするかを現在、絶賛悩み中です。
最初からHDで契約するよりも、まず Unlimitedで Amazon Musicを体感して、それから HDプランにアップグレードして無料期間終了までにどちらで契約を継続するかを決めるのがいいのではないでしょうか。(Amazon Music HD 無料アップグレードにより削除)
<追記 2022.10.20>
Ultra HDは、Echo Studioでしか聞けませんが、Echo StudioでHDとUltra HDを聴き比べるとUltra HDは、音の一粒、一粒が明瞭で「いい音だな」と実感できます。また空間オーディオ(Dolby Atmos, 360 Reality Audio)も気持ち良い音楽体験を提供してくれます。
より音で音楽を楽しみたいのであれば、Echo Studio がオススメです。
Echo Show5 の音質改善
Echo Show5については、象と散歩: スマートスピーカーに画面があるともっと便利になる?で書いていますが、画面があるので、アルバムジャケット、アルバム名、曲名、アーティストが確認できます。
音楽は、2.1ch環境で聞いているので、Echo Show5で聴くのはPodcastなどの音声コンテンツですが、聞きやすい音ではありません。
Echo Show5 も2台でステレオペアができますが、部屋の中に2台ある絵は想像できませんが、単体でも、
- スピーカーの下に隙間を作る
- イコライザーで調整する
で、音質の改善を図ることはできます。
スピーカーの下に隙間を作る
Echo Show5 のスピーカーは下向きになっているので、本体の下側(全面下の穴)から音が聞こえてきます。また低音が強いので、直接テーブルなどに置くと、共振もして、かなり聞きづらい音になってしまいます。
共振を抑えるためにゴム板のインシュレーターを使ってみましたが、スピーカーと設置面との距離が近いので音のこもりが改善されません。
純正のスタンドもありますが、竹製の茶托 の上に置いたらかなり改善されました。
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Echo Show5の音質改善では、スピーカーの下に隙間を作ることが大切です。
Echo Show5のイコライザー設定
Echo Show5でもホワイトノイズを再生させて周波数帯域を確認してみます。
中音が凹んでいるというよりは、低音と高音が強調されています。イコライザーはミドルをあげるのではなく、ベースとトレブルを下げます。
ベースを-2、トレブルを-1にするとほぼフラットとなります。
この設定をベースにあとは好みで変更してみてください。
Echoで音質改善 まとめ
Echoで気持ちよく聴くために下記の7つの改善について説明しました。
- 最新機種にする
- ステレオ構成にする
- Echo Sub(サブウーファー)を追加する
- イコライザーで調整する
- インシュレーターを使う
- 高い位置に設置する
- Amazon Music Unlimitedにする
今使っているEcho(単体)で、少しでもよい音にしたいというのであれば、
- イコライザーで調整する
- インシュレーターを使う
- 高い位置に設置する
です。
イコライザーは、音の特徴を理解するためにホワイトノイズを再生して可視化してみてください。