1日に2009年6月調査の日銀短観が発表され、業況判断指数(DI:Diffusion Index)が大企業製造業で10ポイント回復とありました。
日銀短観とは、日銀が実施する企業短期経済観測調査の略称で、企業へのアンケート調査で、景況感を表す代表値として業況判断指数(業況判断DI)が用いられます。
業況判断DIとは、各企業に現在の業況を「良い」「さほど良くない」「悪い」の三段階で質問し、「良い」の回答比率から「悪い」の回答比率を差し引いた値です。つまりすべての企業が景気が「良い」と回答すれば100、逆にすべての企業が景気が「悪い」と回答すれば▲100、「良い」と「悪い」が同数の場合は0となります。
大企業製造業の業況判断DIは、景気動向を表す重要な値として用いられています。
ちなみに統計開始以来過去最悪となった前回調査の業況判断DI(大企業製造業)の▲58は、
- 「良い」 ・・・・・・・・ 3%
- 「さほど良くない」 ・・・ 36%
- 「悪い」 ・・・・・・・・ 61%
で、3%-61%=▲58 という結果でした。
各企業が景気が「良い」「悪い」と判断する定量的な数値はありません。なので、はっきり、良いとも悪いとも言えない中庸的な回答(さほど良くない)を除外して、良い(%)-悪い(%)の結果がプラスなら「景気が良い」、マイナスなら「景気が悪い」と判断するシンプルな方法です。
この「良い(%)-悪い(%)」の考え方は、NPS:Net Promoter Scoreで説明したネットプロモータースコアーも同じです。
満足度調査(CS調査)で「良い(%)-悪い(%)」を利用
下記のような5段階での満足度調査を実施します。
あなたはxxxに満足されていますか?1. 非常に満足している
2. まあ満足している
3. どちらともいえない
4. あまり満足していない
5. 不満がある
解答結果(例:)
顧客満足度指数
上記の場合に平均点を算出すると3.15点です。良い(%)-悪い(%)は、40%-15%=25ポイントとなります。このポイントが顧客満足度指数とします。CS調査で大切なのは、「良い」若しくは「悪い」という評価です。また満足度を向上するためには、「良い」という評価を増やすか、「悪い」という評価を減らすかです。この観点からもこの顧客満足度指数は、わかりやすい指標になるのではないでしょうか。定点観測として顧客満足度指数を時系列的に評価することもできます。
良い(%)-悪い(%)というシンプルな計算方法は、何かを評価するときにとてもわかりやすい指標となりますので、アンケート分析などに指標をとして使ってみてください。
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