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Post Date:2012年11月11日 

Passbookのサンプルを1分で作成

iOS6になって新しい機能としてPassbookが追加されました。Passbookの利用法については、"アップルのiOS6の新機能" に利用方法が説明されていますが、下記としての使い方ができます。

Passbookの用途
  • 搭乗券
  • チケット
  • ストアカード
  • クーポン

Passbookで管理するPass(パス)には、QRコードPDF417のような二次元バーコードが付与されています。日本では、おサイフケータイが先行していたので、二次元バーコードでのサービスはあまり馴染みがありませんが、搭乗券やスカイツリーの入場券などに利用されています。二次元バーコードであれば利用者側のデバイスに大きな制限はありませんし、店舗等でも専用の読み取り装置がなくても、スマートフォンなどを読み取り機として代用することができます。日本でも既にANAやぐるなび、TSUTAYA、グルーポンなどでPassbookサービスを開始しています。

カードや印刷物を持ち歩くより、Passbookにまとめて保有できるのであればiPhoneユーザにとっての利便性は向上しますし、Passbookは単にカードや印刷物の代替としてだけではなく、時間や場所、内容の更新をプッシュ通知で知らせてくれます。


時間、場所によるプッシュ通知

Passを生成時に時間と場所でプッシュ通知ができるように仕込むことができます。チケットや搭乗券であれば開始時刻や搭乗時刻のリマインドになります。またクーポンであれば有効期限の通知として利用できそうです。時間によるプッシュ通知の指定には、開始時刻と終了時刻があり、この指定された時間内にロック画面にプッシュ通知が表示されます。但し、時間内であれば何度でも表示されてしまうので、あまり長い時間表示されるのも困りものです。

位置情報によるプッシュ通知であれば、店舗などの近くに来るとプッシュ通知が表示されます。どのくらいの距離で通知されるのかはわかりませんが、実際に利用してみると、かなり離れた地点でもプッシュ通知が表示されます。しかし、そもそもGPSの誤差もあるので、リマインドのためのメッセージだと考えれば、ある程度離れた地点でプッシュ通知を行い、Passの裏面に地図のリンクが用意されていれば便利に使えそうです。

プッシュ通知を行う地点は10箇所まで登録することができるので、複数の店舗がある場合でも、クーポンなどを共通して利用することができます。しかし、店舗数が多いコンビニやチェーン店で位置情報によるプッシュ通知を利用するのであれば、店舗毎のPass発行となってしまうのではないかと思います。

下記は、ストアパスのサービスを利用して発行されたペッパーランチのPassを利用した公式ストアカードによる位置情報のプッシュ通知の例です。

ロック画面に表示されったプッシュ通知のアイコンを右にスワイプすると当該パスを表示することがことができます。

右下の『i』アイコンをクリックするとPassの裏面を表示することができます。

住所から地図アプリのリンクやGoogleマップのリンクがパスの裏面に記載されていれば、地図アプリやSafariを起動することができます。


変更によるプッシュ通知

もうひとつのプッシュ通知機能として、搭乗時刻、イベント開始時間、保有ポイントなどPassの内容に変更があった場合に、変更内容を通知することができます。下記は、アメリカン航空の搭乗券でのプッシュ通知の例です。出発時刻が変更となった場合にロック画面に変更となった内容が通知されます。下記はiPhoneの画面を上から下にスワイプして表示される通知センターの表示画面です。

メッセージをタップするとPassbookが起動され当該Passが表示されます。またPassに変更箇所がマーキングされているので、何が変更となったかが、とても分かりやすいです。

と、いうことで百聞は一見にしかずということで、実際に自分でPassを生成することで、理解は深まると思いますのでサンプルパスを作成してみましょう。サンプルPass作成可能なサイトも幾つかありますが、PassSourceは登録も不要で、実際にあるPassもサンプルとして作成することができます。Pass Kitは画像など更に細かく設定できますし、日本語のUIも提供されています。


PassSourceによるサンプルPassの作成

PassSourceによるサンプルパスの作成方法を下記に示します。iPhone(iOS6の端末)でサンプルを作成すれば、そのままPassbookに登録できます。内容を変更せずに登録するのであれば30秒でサンプルパスを作成することができます。

let's get startedの下にあるCreateボタンをタップしてサンプルパスの作成開始です。

幾つかのサンプルが用意されていますが、ルフトハンザの搭乗券(Lufthansa Boarding Pass)を選択します。

Relevant Dateは、Passがあることを通知するための機能を設定する項目です。

設定時刻になるとアメリカン航空の例で示したプッシュ通知が表示されます。メッセージの表示時間の設定は開始時刻と終了時刻です。

ストアカードやクーポンのサンプルPassでは位置情報(緯度経度)をセットすることができます。

Passの登録情報に設定する位置情報は世界測地系(WGS84)ですが、Geocodingで簡単に調べることができます。Geocodingでは住所やランドマーク名から経度、緯度を検索することができます。

Passの内容を好きなように変更したら、画面下にあるCreateボタンをタップしてPassbookに登録しましょう。

右上にある「追加」をタップすれば、Passbookに登録されます。

登録したパスを削除するには右下の「i」マークをタップします。パスの裏面となり、左上のゴミ箱をタップすれば削除されます。パスが削除されるときのシュレッドアニメーションを是非確認してみてください。


Passbookに追加したパスを更新してみよう

PassSourceでは、更新通知の確認もすることができます。作成したPassの裏面に記載されているupdate this passのURLをタップします。

SafariでPassSourceの更新画面が開かれますので、搭乗時刻(Boarding Time)を変更します。

画面下のUpdateボタンをタップします。

Passの更新画面になりますので、右上の『アップデート』ボタンをタップします。

アップデートと同時にプッシュ通知が配信されてしまいますので、ロック画面ではなく、現在の使用していたSafariの上部に「Boarding time changed to 20:00」とメッセージが表示されます。アメリカン航空の例のように後でプッシュ通知を確認することもできます。

プッシュ通知をタップすると当該Passが起動され、変更となった搭乗時刻がわかりやすく、丸で囲まれています。(ルフトハンザの搭乗券は背景がオレンジなので分かりづらいですが...)


まとめ

PassbookはiOSの標準アプリであり、プッシュ通知もアップルの仕組みを利用しています。各種ASPサービスも提供され始めているので、サービス提供者側にとっても始めやすいサービスではないでしょうか。また利用者側からしてもプッシュ通知もあり、Passbookにまとめられていればとても便利に使えます。

Passbookはウォレット(お財布)というよりもパスケースです。iPhoneが例えNFCに対応したとしても普及してしまったSuicaやPasmoがNFCに対応するとは考えづらいので、iPhoneユーザとしては、おサイフケータイとしての使い方はあきらめて、会員証、クーポン、チケットなどがiPhoneで管理できることを願うのみです。

但し、日本でのスマートフォンにおける4割というiPhoneのシェアを考えるとサービス提供書側としては、6割のAndroid端末のことも考えなければならないので、iPhoneに特化したサービスがどこまで普及するかについては、航空会社だけではなく、コンビニや量販店大手でのPassbook利用がすすまなければキャズムを超えることはできないのではないかと思います。ヤマダ電機のバーコードが二次元バーコードであれば、読み取り機の改修も要らず、容易にサービス開始できたのではないかと思うと残念です。少なくとも前述したスカイツリーの入場券はPassbookに対応してもらいと願う次第です。時間指定の入場券であればプッシュ通知をすることも可能なのですから...。


今日の一曲


気怠い休日の朝にぴったりなアルバムです。Richard Tompsonは、フォークロックギターリストの第一人者で、日本人に響くギターサウンドを奏でます。このアルバムは、かつての妻Lindaと制作されたアルバムですが、4曲目に収録されているJust the Motion - Shoot Out the Lightsは、RichardのギターとLindaのボーカルが絶妙に絡み合っていて、とても心地よく聴ける一曲です。

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