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2014年10月26日

イソギンチャクの飼育には青色LEDスポットライト

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青色LEDの発明で赤崎勇氏、天野浩氏、中村修二氏が2014年のノーベル物理学賞を受賞しましたが、LEDで三原色の発光が可能となり、照明なども一気に普及していきました。しかし、それだけではなくカクレクマノミとイソギンチャクの飼育方法にも大きな変革をもたらしてくれていたのです。 イソギンチャクの飼育には光合成のために照明が必需品ですが、まさにこの青色LEDが救世主となってくれたのです。


イソギンチャクの光合成には青い光

初心者のイソギンチャクとカクレクマノミの共生飼育』の中でも光合成を行うイソギンチャクには青色LEDが最適であると述べましたが、改めてその理由について記載します。

  1. イソギンチャクは共生する褐虫藻の光合成で養分を得る
  2. 光合成に必要な光は、青色(波長 400-500nm)と赤色(600-700m)
  3. 水深5m以上では青色の光しか通らない

ということで、イソギンチャクの褐虫藻が効率的に光合成を行うためには、青色(ブルー)を発光できる青色LEDが適しているということになります。そして光を拡散せずに集約できる青色LEDスポットライトが最もイソギンチャクの飼育に適した照明であるといえるのが自分の結論でした。またLEDライトであれば寿命も長いですし、電気消費量も抑えることができます。


アクシーファインスポット LED 20W ブルー

ボルクスジャパン GrassyLeDio(グラッシーレディオ) RS122 リーフディープV の購入を検討していたのですが、物欲も金額に勝てず、それよりも安価なアクシーファインスポット LED 20W ブルーを購入しました。

※2017.03 時点では共に販売中止となっています。

水槽の水面から近いと海水の飛沫も心配だったので、水面から少し離して使えるアーム型フレキシブルクリップの アクアシステム AXY FINE SPOT も併せて購入しました。


アクシーファインスポット LED 20W で光合成はできるのか?

アクシーファインスポット LED 20W ブルー はメーカーサイトにも波長についての記載がありませんでしたので、メールで問い合わせをしてみたのですが回答はありませんでした…。しかし、購入してみると外箱にWAVE LENGTH(波長)について記載されたシールが貼られていました。

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かなり小さくて見づらいのですが、450nm 中心とした藍色から水色ぐらいまでをカバーしています。このライトを使って1年半が経ちますが、白色化する(褐虫藻が抜けてしまう)こともないので、褐虫藻の光合成に役立っているのだと思います。動画は アクシーファインスポット LED 20W ブルー の点灯直後に、光を全体に当てようと活性化していくハタゴイソギンチャクの様子です。


アクシーファインスポット LED 20W の照射角度

アクシーファインスポット LED 20W ブルー は、付属のレンズを交換することによって照射角度を30° 60° 90°と変更することができます。最初は集中して照射する方がよいのではないかと思い、30°のレンジを使っていましたが、光があたる部分はハタゴイソギンチャクが触手を固く閉じていましたので、中心の4つを60°に変更しました。

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レンズを交換してからは、全体的に触手を伸ばしてゆたっりとしているのでそのままこの構成で利用しています。

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アクシーファインスポット LED 20W での必要な照射時間

アクシーファインスポット LED 20W ブルー の点灯時間は、ハタゴイソギンチャクへの1日の点灯時間(照射時間)は、当初、12時間(AM9-PM9)にしていました。しかし、照射時間が長いとカクレクマノミにとってもよくないのではないかと思い、現在ではAM9-PM18の9時間にしています。それでもハタゴイソギンチャクは成長していっているのでもう少し短くてもいいのかもしれません。カクレクマノミやイソギンチャクの様子を見ながら点灯時間を調整すればよいのではないでしょうか。 ライトの点灯オン・オフには、24時間プログラムタイマーII PT25 が便利です。


アクシーファインスポット LED 20W の難点

慣れてしまいましたが、30cm水槽だとちょっと大きな感じもします。また写真だとわかりづらいかもしれませんが、LED照明なので電球自体に劣化はないのですが、水槽にふたをしていないので海水の飛沫で表面はかなりボロボロになってきています。

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また点灯すると一面ブルーの世界になりキレイなのですが、これが深海魚に赤い種が多い理由かなどと感心はしていますが、肝心のカクレクマノミは青いライトの配下では黒っぽく見えます。

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とはいえ、イソギンチャクの長期飼育には欠かせない青色LEDスポットライトです。

カクレクマノミとイソギンチャクの飼育に必要な機材は、”カクレクマノミとイソギンチャクの飼育に” で紹介しています。


追記(2016.2)/(2017.03)

残念ながら アクシーファインスポット LED 20W ブルー は、現在、Amazonでも楽天でも購入できないようです。同じように低価格で購入できる青色LEDのアクアリウムライトを探してみました。

光合成に足りうる光量が得られるかはわかりませんが、アクアシステムの アクシー ファインスポット LED 10W ブルー はまだ購入できるようです。

グラッシー レディオ RX072 シリーズから、もう少し明るい14Wのブルー系LEDライトが販売されています。こちらも褐虫藻の光合成に必要な400nm-500nmの波長が中心です。

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アクアリウム ライト LED Asta20 (2017.12追記)

優れもののアクアリウムLEDライトが発売されていました。アクアリウム ライト LED Asta 20(マリンタイプ) は 、16個の3W LEDが4chに分けられていて、

  • -CH1: 4pcs 蒼色led;
  • -CH2: 4pcs 白色led;
  • -CH3: 4pcs花紺青led;
  • -CH4: 赤色+グリーン+蒼色+UV

それぞれをリモコンで調光できるとあります。先日、アクアリウムショップで実物をみましたが、現在使っているアクシーファインスポット  LED ブルー(20W)と比べるとかなり明るいです。また白色光がはいると青一色よりも柔らかさを感じます。

波長は460nmをピークとして700nmまでをカバーしているので、ハタゴイソギンチャクの褐虫藻も十分に光合成ができる照明です。

アクアリウム ライト LED Asta20 (サンゴ照明)

水槽に取り付ける灯具(アーム式)も付いていて、価格もAmazonでは5,000円以下で販売されています。小型水槽でカクレクマノミとイソギンチャクを共生飼育するのにぴったりな照明です。


紫色の世界でもハタゴイソギンチャクは飼育できる

真っ青な世界でハタゴイソギンチャクを飼育していましたが、青色LEDが壊れてしまい、青色+赤色+白色の混色のLEDスポットライトに変更してみました。ハタゴイソギンチャクとカクレクマノミの共生は紫色の世界で大丈夫? | 象と散歩 にその様子を記載していますが、消滅しかけたイソギンチャクが紫色の世界で巨大化しています。(2019年6月更新)

紫色の世界のハタゴイソギンチャク

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