脱掃除機の生活を始めて1年が経ちますが、毎日楽しく箒(ほうき)で掃き掃除です。
「そう、楽しいんです」
掃除は仕方なくやっていた家事のひとつですが、箒を使うようになってから「掃き掃除」は、楽しい日課となりました。
掃き掃除は楽しい体験?
なぜ掃除を楽しく感じられるようになったかといえば、下記の3つの理由が考えられます。
- 自分でキレイにしているという実感
- 箒を使うという新しい掃除体験
- いつでも気兼ねなく掃除ができる手軽さ
自分の手で部屋をキレイにするというのは、日本の古き良き道具である箒を使った新しい掃除体験から得られる満足感です。
ちょっと大袈裟な言い方をすれば、部屋を清める儀式を体験できます。
箒での掃除の利点は、早朝でも深夜でも気兼ねなく自分の好きな時間に掃除ができます。
また手編みの箒は、部屋の片隅に吊るしていても見栄えも悪くないので、思い立ったときにサッと掃除を始めることができるのもいいところです。
掃除機は箒より優れている?
箒を手にする前は、どの家庭でも掃除機が使われているのは、掃除機の方が部屋をキレイにすることができるからだと思っていました。
しかし、箒で部屋の掃き掃除をしてみると掃除機に負けず劣らずの清掃能力です。大きな違いはゴミの処理方法にあります。
掃除機は、ゴミやホコリを吸引する機械です。
掃除機(そうじき)は、ゴミやホコリを容器内に回収する家庭電化製品(掃除用吸引機)である。しばしば電気掃除機(でんきそうじき)ともいう。
【引用】掃除機 - Wikipedia
一方、箒は ”掃き出す” までが仕事領域です。
箒で ”掃き出す” から、掃除機で ”吸い取る” へと掃除スタイルが変わったのは、高度成長期に普及した団地という住環境の変化の影響が大きいとあります。
団地では外に掃き出すことはできないので、掃き集めたゴミを回収しなければなりません。
しかし、チリトリでは細かいゴミ(チリやホコリ)を残さずに回収するのは難しいことから、
掃除機 > チリトリ
という関係性が生まれ、
掃除機 > 箒
という掃除機優位論になったのではないかと思います。
”吸い取る” から ”吸着させる” に
掃き出したゴミの問題を解決してくれるのはコロコロ(粘着カーペットクリーナー)です。掃き集めたチリやホコリ、髪の毛などもしっかりとキャッチしてくれます。
”吸い取る” から ”吸着させる” への変化は、掃除機優位論をも覆す可能性を秘めています。
「フローリングでコロコロを使って床にシートが貼り付かないの?」
と懐疑の念を抱かれるかもしれませんが、
ゴミを掃き集めた状態であれば、シートが床に貼り付いてしまうという悲劇は回避できますし、心配であれば粘着力の弱いフローリング専用シートもあります。
掃き掃除は立位で
箒で掃き集めながら直ぐにゴミをキャッチするには、立ったまま使える柄の長いコロコロとの組み合わせが最強です。
無印良品のカーペットクリーナーと木製ショートポールを組み合わせれば見た目にも素敵な粘着式チリトリになります。付属ケースはスタンドにもなるので収納にも便利です。
木製ショートポールは楽天の無印良品公式で購入できます。
右手に座敷箒、左手にカーペットクリーナーという両刀使いで掃除ができます。
敷物の上の掃き掃除
何の根拠もなく、箒はフローリングや畳であれば掃除はできるけど、敷物のなどの掃除には不向きではないかと思っていました。
しかし、毛足の長い室内用マットに埋もれているゴミも、しっかりと、かき出してくれます。
毛足が短いカーペットは、もちろん問題なくホコリやゴミをかき出してくれます。
部屋全体がロールカーペットだと掃き出す場所がないので、箒での掃除は難しいかもしれませんが、部分的な敷物であれば、箒で十分に掃除ができます。
座敷箒(江戸箒)は伝統工芸品ではない
国産の座敷箒は高価ですが、掃除機の買い換えを検討しているのであれば比較可能な値段です。
「箒を試したい!」というのであれば、実用品としての価格帯で提供するために、タイに手編み箒の生産ラインを持つアズマ工業の座敷箒がオススメです。
アズマ工業の手編み箒については、象と散歩: 掃除の基本は「掃いて」「拭く」(吾妻箒)で詳しく書いています。
新しい掃除体験
箒は、いつでも気兼ねなく掃除ができ、Echoでサステナブルな掃除用具です。
掃き掃除のあとはフローリングワイパーで拭き掃除をして仕上げます。フローリングワイパーについては、象と散歩: 掃除の基本は「掃いて」「拭く」(フローリングワイパー編)で書いていますので興味があれば読んでみてください。
「BALMUDA The Cleaner」も掃除機としての機能より、『スイスイとフローリングワイパーのように掃除ができる』という、新しい掃除体験を強く意識した製品です。
箒での掃き掃除も新しい掃除体験ですが、手料理やDIYと同じように、自分がやったことに対して、その価値を過大評価するイケア効果(IKEA effect)に近いのではないかと思います。
コロナで生活様式が変わった今だからこそ、掃除を楽しむ時間に変えてみませんか。