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2021年8月15日

Echo Studio は買うべき1台か?

Echo Studio

Amazon Music HD が 追加利用金なしで利用できるようになったので、ストリーミングで安価にハイレゾ音源を楽しむことができるようになりました。

Amazon Musicでは3種類の音質で楽曲が提供されていますが、ほとんどの曲がHD(CD同等)で聴くことができ、Ultra HD(ハイレゾ)の楽曲も多数あります(2021.8月時点で HD 7500万曲、Ultra HD 700万曲)。

 
音質 圧縮方式等 ビットレート サンプルレート
なし(SD) ロッシー圧縮 最大 320kbps -
HD ロスレス(CD同等) 平均 850kbps 16bit/44.1KHz
Ultra HD ハイレゾ音源 平均 3,730kbps 24bit/44.1kHz-192kHz

しかしながらEchoシリーズでUltra HDの音質を楽しめるのは Echo Studio だけです。

Amazon Music HDについてよくある質問 に記載されていますが、Echo(第2世代)以降では HD(CD同等)には対応していますが、ハイレゾ音源には対応していません。

Echoデバイス HD(CD同等) Ultra HD(Hi-Res) 3Dオーディオ
Echo Dot ✔️    
Echo ✔️    
Echo Studio ✔️ ✔️ ✔️

Echo、Echo Dotでは、Ultra HDの楽曲を選んでもハイレゾ音源を再生できないので、HD(CD同等)として再生されます。

CD音源とハイレゾ音源については、ハイレゾとは? | SONY を参照ください。


新しい音楽体験(3Dオーディオ)

また Amazon Music HD では、3Dオーディオの楽曲も配信していますが、こちらもEcho Studio のみ対応しています。

ステレオは左右、サラウンドは左右・前後から音が聞こえる技術ですが、3Dでは左右・前後・上下と立体的に音が配置された没入感のある音楽体験ができる音響技術です。

Amazon Music HDの3Dオーディオでは、Dolby Atmos(ドルビーアトモス)360 Reality Audio(サンロクマル リアリティ オーディオ) コーデックでマスタリングされた楽曲が提供されています。

Dolby Atmosは、映画館などでも普及してきていますが、360 Reality Audio はSONYが新しく開発した立体音響技術で、360℃の仮想音響空間の中に最大24個の音源を「オブジェクト」として配置して、リアルな音楽体験を生み出します。


360 Realty Audioの楽曲

360 Reality Audio は、2021年4月16日にサービスが開始されたばかりなので提供されている楽曲はまだごく僅かです。

SONYミュージックに 360 Reality Audioに『A LONG VACATION』の楽曲が追加されました とあったので、大瀧詠一の『A LONG VACATION』を Amazon Music アプリで確認してみると確かに3Dタグが付いています。 

大瀧詠一 A LONG VACATION

Amazon Music では、上記のように3Dオーディオ対応曲かをアプリで確認できますが、Dolby Atmon と 360 Reality Audio かは識別できません。

下記は、Norha Jones の『Come Away With Me』ですが、こちらも3Dバッチがありますが、このアルバムは Dolby Atomsです。

Norha Jones - Come Away With Me

360 Reality Audio の体験するには、Echo Studioに

Alexa, ベストオブ サンロクマル リアリティ オーディオ をかけて

といえば、プレイリスト『Best of 360 Reality Audio』で、色々なジャンルの音楽を新しい立体音響で体感できます。


Echo Studio とは?

Echo Studioは、Echoシリーズ最高峰で、3Way 5スピーカー(ツイーター 1.0インチ、ミッドレンジ 2.0インチ×3、ウーファー 6.0インチ)と最大出力330W、100kHz/24ビットのDAC(デジタル アナログ変換回路)のアンプを搭載しています。

100KHz/24ビットとあるので、サンプリングレート 192KHzの楽曲も100KHzまでしか再生できないことを意味するかと思いますが、十分にハイレゾ音源を再生する能力を持ち、3D対応回路と5つのスピーカー配置で3Dオーディオも聴くことができます。

寸胴の図体でEcho Subよりはひとまわり小さいけど、Echo Plusと比べるとふたまわり大きく、直径 206mm、高さ 175mm の円柱形です。

3Dオーディオを楽しむためには高さのあるところに設置した方がいいのでしょうが、置き場所がなく Echo Sub と同様に床に置いてみました。

Echo Studioには、音楽再生中にマイクから拾った音で部屋の音響を分析し、配置場所にかかわらず最良のサウンドが出力されるように音を調整する自動音響調整(Automatic room adaptation)があるのでこちらに期待です。


Echo Studioの音質は?

Echo Studioは、初期設定で自動音響調節機能が働くので、フラットな状態ではないかもしれませんがホワイトノイズで周波数特性を確認してみます。

ホワイトノイズでEchoの周波数特性を確認する方法は、象と散歩: Echo の音質を改善する7つの方法 で紹介していますのでこちらを参照してください。

下図が Echo Studio の周波数特性です。5つのスピーカーが高域から低域までカバーしていますが、各スピーカーが切れ目なく音を紡いでいる感じではありません。

ミッドレンジが3砲も搭載されている割には中域音があまり出ていません。

Echo Studio 周波数特性

Echo Studio のお勧めイコライジング

Echo Studioは、中域が少し弱いので

Alexa, 中音を1にして

と言って、イコライザーのミドルを+1にします。

Alexaアプリの設定で確認したのが下図になりますが、Echo Studio のイコライザー設定には、「ステレオ空間エンハンスメント」のオンオフがあります。

Alexaアプリ(オーディオの設定)

もう一度ホワイトノイズを再生して確認します。

Echo Studio 周波数特性(補正後)

1KHz-2KHzが強くなっていることが確認できます。

と、いうことで、Echo Studioのイコライザーはミドル(中域)を+1でスタートです。


Echo Studioで音楽を聴いてみる

Echo Plus(第2世代)、Echo Studio で HD(CD音質)の曲で聴き比べてみました。音量が小さいと差は感じられませんが、ボリュームを上げると Echo Studio にはステレオ感があります。物理的にスピーカーを左右を離したステレオ感ではなくふんわりとした広がりです。

Ultra HD/3D の楽曲で聴き比べるとその差はさらに明確となります。音の輪郭が明瞭なのでボーカルの通りもよく、ベースの低音は力強く、ピアノなどの高音もキレイに聴こえてきます。


3Dオーディオは立体的?

ステレオ再生を前提として楽曲を3Dとしてリミックスしているのと、Echo Studio との距離が近いためか立体的に音が配置されているようには聞こえません。

音の要素の分解能力は高く、各楽器の音が明瞭に聴こえますが、物理的に離れた場所に設置しているEcho Plusのステレオペアの方が、音に包まれて音楽を聴くことができます。

Echo Studioでステレオペアにすれば3Dオーディオをもっと満喫できるのかもしれません。


2.1ch + Echo Studio は気持ちがいい

このままだと使わない Echoデバイス になってしまうかも、、、。

折角、購入した Echo Studio の活用方法はないかと考え、複数のAlexa端末で音楽を再生する に説明があるマルチルームミュージックグループを作成して、Echo Plus×2+Echo Subの2.1ch環境にEcho Studioを追加してみると、

「スゴく気持ちいい」

各Echoデバイスの配置はこんな感じです。

Echoデバイスの配置

Echo Studio を追加したことで音の輪郭がハッキリとし、高音がクリアになりました。また低音も Echo Subの身体で感じられる低音と、Echo Studioの低音が複合し厚みが増します。

邪道からもしれませんが、HDとUltra HD/3Dの混在でも部屋全体が音楽に包まれている感じで、より臨場感のある音になります。

HDの楽曲でも、スピーカーの数が増えたことによって臨場感が増します。

Alexa, リビングで音楽をかけて

と最初は、マルチルームミュージックグループ名(上記ではリビング)を付けなければなりませんが、マルチルームミュージックで再生されている状態であれば、

Alexa, Best of 360 Reality Audio をかけて

と言えば、マルチルームミュージックでの再生が継続されます。

同様に、

Alexa, ラジコでNHKラジオ第1をかけて

で、radiko(ラジコ)、Audible、ポッドキャストなどもマルチルームミュージックに登録されている端末全てで再生されます。

Echo Studioを追加したことによって音の輪郭がはっきりするので、ニュースやAudibleなどの音声系コンテンツも聴きやすくなりました。


音量は連動しない

ステレオペアでは2台のEchoデバイスのボリュームが連動して動きますが、マルチルームミュージックグループでは音量は連動しません。

少々面倒ですが、ステレオペアにしている Echo PlusとEcho Studioとで別々に音量で設定できるので音響調整的にはメリットの方が大きいです。

ただ、もう少し細かく音量調整ができればと改めて思います。


Echo Studio で音楽を満喫するためには

Echo Studioの良さを引き出すには、Amazon Music HD が必須です。プライム会員なら月額780円ですが、年払いにすると年額7800円(650円/月)とちょとお得になります。詳細はAmazon.co.jp: Amazon Musicプラン一覧 を参照してください。

また、ステレオペアにしないと音楽への没入感が低減されるので、Echo Studioも2台を前提に考えた方がいいかと思います。

そして低音をより強く感じたいのであれば Echo Studioでも Echo Subは必須だと思います。

音楽だけではなくAmazonプライムビデオには Dolby Atmosに対応しているコンテンツがあるのでFire TV Stick 4Kでホームシアター(Amazon.co.jp ヘルプ: Fire TVとEcho端末をセットアップする )にすれば自宅で4K+Dolby Atmosの映画を楽しめます。


Echo Studio 1台でも買うべきか

既にEchoでステレオペアにしているのであれば、前述したようにマルチルームミュージックグループを作成してEcho Studioを追加すると音楽の立体感が増し、音の輪郭が明瞭になります。

またEcho Studioには光デジタル入力があります。象と散歩: Bluetooth接続できるCDプレイヤーで紹介したAmadana Music CD Player C.C.C.D.P. には光デジタル出力があるので、2台を組み合わてストリーミングとCDを手軽に楽しめます。

もちろん Echo Studio と Amandana Music CD Player をBluetooth接続することができますが、Bluetoothで接続した場合には Echo Studioのボリュームをかなり上げる必要があるので、そのままの音量でAmazon Musicを聴くと心臓に悪い音量になってしまします。

Echo Studio 2台にEcho Subというのが、現時点では最高の組み合わせになるかと思いますが、既にEchoを持っているのであれば、Echoでステレオペア化した方がよい音楽体験ができると思います。

Echo Studioを購入するのであれば、ステレオペアを念頭に下記の順番で検討されるのがいいのではないでしょうか。

  1. Echo Studio 2台 + Echo Sub
  2. Echo Studio 2台
  3. Echo 2台 + Echo Sub + Echo Studio(マルチルームミュージック)
  4. Echo 2台 + Echo Studio(マルチルームミュージック)

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