日傘が涼しいというのは、単なる気分の問題だけではありません。
環境省は「日傘の活用推進について~夏の熱ストレスに気をつけて!~」で、日傘の使用により、日向と比べて暑さ指数(WBGT)が 1〜3℃ 程度低下したとしています。また、人工気象室での実験では、帽子のみの場合と比べて、日射を99%以上カットする日傘を使った場合、汗の量が約17%減ったと報告されています。
つまり日傘は、直射日光を避けるだけでなく、身体にかかる熱ストレスを下げる道具としても意味がありそうです。
とはいえ、これまで自分で使うものとしては、あまり考えていませんでした。
持ち歩くのが面倒ですし、何より折りたたみ傘を畳むのが嫌いです。雨の日でさえ、使ったあとにきれいに畳むことを考えると億劫で、少しの雨ならそのまま我慢してしまいます。
そんなとき、WBSの「トレたま」で見たのが、形状記憶タイプの折りたたみ日傘でした。畳む手間が少ない日傘なら、自分でも使えるかもしれないと思いました。
そこで今回は、日傘デビューにあたって、畳みやすさを軸に日傘を選んでみることにしました。
折りたたみ傘のサイズ
雨用の折りたたみ傘は、軽量・コンパクト・撥水力で選びました。使っているのは親骨50cm で約100g の傘です。このサイズなら、常にバッグの中に入れていても邪魔になりません。
折りたたみ傘のサイズは、親骨の長さで50cm、55cm、60cmあたりが一般的です。50cm はかなりコンパクトなので、本格的な雨のときに肩や荷物までしっかり覆うには少し小さく感じます。
一方、日傘であれば、雨傘ほど広い範囲を覆う必要はありません。直射日光を避ける目的なら、まず頭部を覆えることが重要です。
- 50cm前後(コンパクト):
収納性を最優先するサイズ。バッグに入れっぱなしにしておきやすい。開いた直径は約85〜90cm前後。 - 55cm前後(スタンダード):
日差しを避ける範囲と持ち運びやすさのバランスがよいサイズ。開いた直径は約95〜100cm前後。 - 60cm前後(ラージ):
肩先や荷物までカバーできるサイズ。携帯性にはやや難があります。開いた直径は約105cm前後。
肩先や荷物までしっかり覆いたいのであれば、60cmクラスが安心です。
ネーミングが印象的な Waterfront(ウォーターフロント)の「銀行員の日傘 折りたたみVer.」60cm は、収納時のサイズが約26.5cm × 直径 6cm、重さは約290g です。
いつもバッグに入れておくには少し大きく、気軽に持ち歩けるサイズ感ではありません。
折りたたみ傘の重さ
サイズと同じくらい気になるのが、重さです。バッグの中で場所を取らなくても、重ければ持ち歩くのが負担になります。
一般的には、サイズが大きくなるほど重くなりますが、傘の重さは親骨の長さだけで決まるわけではありません。骨の素材や本数、生地の厚さ、遮光・遮熱加工、自動開閉機能の有無によっても変わります。
軽量傘として見ると、50cm前後なら100g前後のものがあります。いつもバッグに入れておくには、このくらいの重さだと負担が少なく感じます。
Waterfront の「極軽カーボン」は、晴雨兼用の超軽量傘です。いつもバッグに入れておける軽さがあり、価格も手ごろです。
しかし、日傘としての性能と畳みやすさを求めると、50cm サイズでも 200g を超えてしまいます。
畳みやすい日傘
畳みやすい日傘といっても、各社の考え方は少しずつ違います。
また、Amazon などで探すと、さらに安価な海外ブランドの日傘も多く見つかります。しかし、折りたたみ傘は、骨の強度、生地の品質、生地の張り、開閉機構、縫製など、細かな作りの差が使い勝手に出やすい製品です。
そのため今回は、日本ブランドで国内流通があり、形状記憶や形状安定加工など「畳みやすさ」に関する機能を打ち出しているものの中から、ワンタッチで開閉できる自動開閉タイプを中心に選びました。
比較するのは、weer (ウェア)、Waterfront (ウォーターフロント)、KIZAWA (キザワ)、OGAWA (オガワ) の4ブランドです。
weer Lite(ウェア ライト)は、形状記憶系の機能に自動開閉を組み合わせた日傘です。一方、Waterfront クイックシャットは、シェイプメモリー機能により生地がまとまりやすく、収納袋への入れやすさまで含めた実用型という違いがあります。
KIZAWA と Ogawa は、畳みやすさに加えて、日傘としての使い勝手や遮熱性能も含めて選べるブランドです。KIZAWA は生地そのものに折り目をつける形状安定加工、Ogawa は Spatto Shut(スパットシャット)や -0&(ゼロアンド)など、機能別のラインナップに特徴があります。
| ブランド | 畳みやすさの特徴 | 方向性 |
|---|---|---|
| weer | 形状記憶生地+自動開閉 | 形状記憶+自動開閉の高機能型 |
| Waterfront | シェイプメモリー機能+自動開閉+収納しやすい傘袋 | 収納まで含めた実用型 |
| KIZAWA | 形状安定加工・ガイドパネル | 折り目を安定させる機能型 |
| Ogawa | Spatto Shut や -0& などの機能別ラインナップ | 畳みやすさと日傘性能の選択型 |
weer Lite:形状記憶生地と自動開閉のコンパクトモデル
まずは、今回の比較の基準にした weer Lite です。weer Lite は、形状記憶生地と自動開閉を組み合わせた折りたたみ日傘です。畳みやすさだけでなく、遮光性能やUVカット、自動開閉まで含めた、いわば全部入りのモデルといえます。
カバンにすっきり収まる、軽量でコンパクトな設計です。遮光率100%・UVカット率100%で、しっかりと紫外線を防ぎます。親骨の長さは、50cm と 55cm があり、重さは50cmで約220g、55cmで約250gです。収納時の長さは、50cmで約26cm、55cmで約28cmです。
Waterfront クイックシャット ライト UVブロック:畳む動作全体を楽にする軽量実用型
Waterfront には通常のクイックシャットもありますが、毎日カバンに入れて持ち歩くならば、軽量・コンパクトな「クイックシャット ライト UVブロック」の方が weer Lite に近い製品です。
クイックシャット ライト UVブロックは、シェイプメモリー機能を備えた折りたたみ日傘です。生地がきれいにまとまりやすいだけでなく、収納しやすい傘袋も用意されており、畳んでしまうところまで含めて楽にする実用型といえます。
親骨の長さは55cmで、重さは約210gです。収納時の長さは約23cmとコンパクトで、バッグに入れて持ち歩きやすいサイズです。UVカット率99.9%以上、遮光率99.99%以上で、晴雨兼用として使えます。
KIZAWA Selfold:形状安定加工で折り目を整えやすいコンパクト日傘
KIZAWA の最新モデルには、形状記憶ガイドパネルと自動開閉を備えた Pattofold swifit(パットフォールド スウィフィット)もあります。ただ、価格が高めなので、より手に取りやすい Selfold(セルフォールド)の日傘で比較します。
Selfold は、自動開閉ではありませんが、生地そのものに折り目をつける形状安定加工を特徴とした折りたたみ日傘です。閉じたときに生地が自然にまとまりやすく、手で折り目を整える手間を減らしてくれます。
レディース向けとして掲載されていますが、色やデザインの好みが合えば、性別を問わず使える色合いです。
遮光率100%・UVカット率100%で、晴雨兼用として使えます。親骨の長さは50cmで、直径は約88cmです。収納時の長さは約26cm、重さは約201〜211gです。
OGAWA (小川) Spatto Shut:コンパクトとワンタッチから選ぶ
小川(Ogawa)の Spatto Shut(スパットシャット)は、形状記憶加工を特徴とした晴雨兼用の折りたたみ日傘です。Amazonでは「約5秒でたためる 晴雨兼用コンパクト折りたたみ傘」として販売されています。
親骨50cmのコンパクトタイプで、遮光率100%、UVカット率99.9%以上、遮熱加工、撥水加工を備えています。50cmは自動開閉ではありませんが、重さは約170gと軽量です。畳みやすさと軽さを両立した日傘として、比較対象にしやすいモデルです。
Spatto Shut(スパットシャット)には、親骨55cmの自動開閉タイプもあります。収納時の長さは約26.5cm、重さは237gと少し重くなります。
候補にした日傘の比較
ここまで、畳みやすさを特徴とする日傘として、weer、Waterfront、KIZAWA、小川(OGAWA)の4ブランドを見てきました。
いずれも日傘としての基本性能は高く、遮光率やUVカット率だけを見ると大きな差はありません。違いが出るのは、開いたときの大きさ、収納時のサイズ、重さ、自動開閉の有無、そして畳みやすくするための仕組みです。
カバンに入れることを考えて、携帯性の高いものを候補としていますが、Waterfrontは55cmですが、軽量で収納時はコンパクトです。
| ブランド | weer | Waterfront | KIZAWA | OGAWA |
|---|---|---|---|---|
| モデル | weer Lite model E | Quick Shut Light UV | Selfold stella | Spatto Shut Compact |
| 親骨 | 50cm | 55cm | 50cm | 50cm |
| 開いた直径 | 88.5cm | 約98cm | 88cm | 90cm |
| 収納時 | 26cm | 約23cm | 26cm | 16cm |
| 重さ | 約220g | 約210g | 約230g | 約180g |
| 自動開閉 | あり | なし | なし | なし |
| 遮光率 | 100% | 99.99% | 100% | 100% |
| UVカット率 | 100% | 99.99% | 100% | 100% |
| 畳みやすさ | 形状記憶生地 | シェイプメモリー機能 | 形状安定加工 | スパットシャット |
| 価格 | ¥3,480 | ¥5,390 | ¥4,620 | ¥3,800 |
比較してみると、携帯性では小川(OGAWA)の Spatto Shut Compact が目立ちます。収納時16cm、約180gという軽さは、いつもバッグに入れておく日傘として魅力があります。
Waterfront の Quick Shut Light UV は、親骨55cmで開いた直径が約98cmありながら、約210gに収まっています。カバー範囲と重さのバランスはかなりよさそうです。
一方で、weer Lite は今回の候補の中で唯一の自動開閉モデルです。重さは約220gありますが、形状記憶生地と自動開閉を備えている点は大きな違いです。
KIZAWA の Selfold stella は、収納時26cm、約230gなので、携帯性では他の候補に一歩譲ります。
こうして見ると、単純に一番軽いものを選ぶなら Spatto Shut Compact、広げたときのカバー範囲まで考えるなら Waterfront、ワンタッチで開閉できる手軽さまで含めるなら weer Lite という整理になります。
weer Lite model E を選んだ理由
Spatto Shut Compact の収納時16cm、約180gという携帯性にはかなり惹かれました。常にバッグに入れて持ち歩く日傘として魅力があります。
しかし、今回は、weer Lite / Umbrella AT 形状記憶日傘 model E を選びました。理由は、自動開閉に対応していることと、Amazonのセールで価格が下がっていたことです。
日傘を使い続けるうえで、自分にとっては「畳みやすさ」だけでなく、「開くのも楽であること」が大切でした。折りたたみ傘を使うこと自体が面倒に感じやすいので、ワンタッチで開閉できることは、日傘デビューには大きな後押しになります。
weer Lite model E の使い勝手
weer Lite model E を実際に使ってみると、形状記憶生地の効果はわかりやすく感じます。
折りたたみ傘を閉じた直後は、生地がふくらんでバラバラになりがちです。しかし weer Lite は、生地が折り目の方向に戻ろうとするので、閉じた状態でもまとまりやすくなっています。
もちろん、何もしなくても完全にきれいに畳まれるわけではありません。最後は手で整える必要があります。ただ、普通の折りたたみ傘のように、生地を一枚ずつ探して折り目を合わせるという感じではありません。折り目が見えやすく、どこに沿って畳めばよいかがわかりやすいので、畳む作業のストレスはかなり少なくなります。
自動開閉なので、ボタンを押せば開き、もう一度押すと傘が閉じます。日傘を使ううえで、開くこと自体は大きな問題ではありませんが、移動中に何度も差したり畳んだりすることを考えると、自動開閉はやはり便利です。
内側は黒で、日差しをしっかり遮る印象があります。外側の生地には多少のシワが残りますが、開いたときの形はきれいです。日傘として使う分には、見た目にも大きな違和感はありません。
収納時は、親骨50cmの折りたたみ日傘としては標準的なサイズ感です。超軽量・超コンパクトというよりは、自動開閉と形状記憶生地を備えた日傘として、持ち歩ける範囲に収まっているという印象です。
【まとめ】日傘デビューに必要なのは、使い続けられること
日傘を選ぶとき、遮光率やUVカット率、遮熱性といった性能はもちろん大切です。暑さ対策として使う以上、日差しをしっかり避けられることは前提になります。
ただ、日傘は買っただけでは意味がありません。暑い日にきちんと持ち歩き、必要なときに開き、使い終わったら面倒に感じずに畳めることが大切です。
これまで日傘を使ってこなかった理由は、涼しさを疑っていたからではありません。持ち歩くのが面倒で、何より折りたたみ傘を畳むのが嫌いだったからです。
そう考えると、日傘デビューにあたって大切なのは、最高性能の一本を選ぶことではなく、無理なく使い続けられる一本を選ぶことでした。
軽さを重視するのか、収納時のコンパクトさを重視するのか、自動開閉の便利さを重視するのか。優先順位は人によって違います。
畳みやすさと自動開閉が、日傘デビューの大きな後押しになりました。
日傘は、暑さへの我慢を減らすための道具です。だからこそ、遮光率やUVカット率だけでなく、面倒に感じずに使い続けられるかどうかまで含めて選ぶのがよいと思います。
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