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Post Date:2009年5月21日 

世界ICTサミット2009

『世界ICTサミット2009』が日経ホールで6月8日、9日の2日間、開催されます。
※ICTとは、Information and Communication Technology の略称で、『情報通信技術』のことです。

名 称:世界ICTサミット2009 情報消費社会の未来
会 期:2009年6月8日(月)・9日(火)
会 場:日経ホール(東京・大手町)
主 催:日本経済新聞社、総務省
受講料:無料 ※事前申し込み・抽選制

多彩なゲストスピーカーを招き、「情報消費社会の未来」をメインテーマに、「クラウドコンピューティング」「ソーシャルWeb」「次世代モバイル」「メディアの革新」の4つの視点で最先端の動向と、今後のネット社会の発展について議論されるとあります(プログラムの詳細は、こちらから確認してください)。昨年の世界ICTサミット2008のアンケートでは、有料化を臭わす設問もありましたが、無料で開催されます。

ゲスト 所属
 ブラッドリー・ホロウィッツ 氏   グーグル副社長 
 ピーター・ソンダーガード 氏   ガートナー上級副社長 
 トラヴィス・カッツ 氏   マイスペース国際部門長 
 ポール・キャンドランド 氏   ウォルト・ディズニー・ジャパン社長 
 野田 聖子 氏   IT担当大臣 
 樋口 泰行 氏   マイクロソフト社長 
 山田 隆持 氏   NTTドコモ社長 
 田中 良和 氏   グリー社長 
 他多数(詳細はこちらで確認してください)

また今年もサミット開催中にライブストリーミングチャットが行われるようなので、抽選に当選したら無線LANに接続できる端末を持って参加しましょう。勿論、私はiPod Toch持参予定です。

※昨年の『世界ICTサミット2008/世界ICTカンファレンス』については、こちらのブログに記載してあります。
Post Date:2009年5月20日 

インターネット調査の不完全性

内閣府のサイトに、インターネット調査と訪問面接聴取による世論調査の結果を比較しているレポートが掲載されています。主旨は、世論調査手法(訪問面接聴取法)の改善です。

調査名更新日
世論調査におけるインターネット調査の活用可能性
~国民生活に関する意識について~(平成20年6月)
概要報告書2009/05/01

結論からいうと、ネット調査の回答は、現状の世論調査と差異があり、「現時点で世論調査が直ちにネット調査に置き換えられる可能性はほぼない。」とのことです。

その理由として、下記の3項目があげられています。

① 世論調査ではネット不利用者(少なくない)を含んでいる
② 訪問調査とネットでの回答方法の差異
③ 世論調査は住民基本台帳から無作為抽出、ネット調査は公募型のモニターからの選定

但し、ネット調査の可能性を全面的に否定しているわけでなく、設問によっては差異がないものもあります。興味のある方は、読んでみてください。

面白かったのは、下記にあるようにネット調査の回答者は、生活に満足も充実もしていないと回答が多いということです。不満多きネット住民は、カタルシスのためにネットで誹謗中傷を繰り返すのでしょうか。

※ 下記グラフは、上記のレポートから「わからない」「どちらともいえない」を除いて作成しています。

ネット調査の問題点については、大隅 昇(統計数理研究所 名誉教授)氏が、私の参加した統数研の公開セミナーやWord Minerのセミナーでも指摘していました。

ネット調査の問題点:

a)モニターの代表制の問題
ネット調査では、カヴァレッジ誤差と標本誤差の2つが大きな問題となります。統計学とは、標本から母集団を推測するものです。世論調査でいえば、母集団は、国民全員となります。そこから標本抽出をするために住民基本台帳を利用します。しかし、台帳に載っていない人もいます。これがカバレッジ誤差です。また標本誤差とは、住民基本台帳の一部しか利用していない場合などに発生する誤差です。

ネット調査で考えた場合、公募型のモニターの場合、ネット利用者全体の代表になっているわけではありません。ましてや国民全体の代表になり得るわけがないということです。そんなリストからスクリーニングしても意味はありません。

b)不正回答(虚偽、代理)の混入

ネット調査の場合、モニタ登録をしている本人が回答しているかどうか特定できません。勿論、対面式ではなく、郵送による回答などでも特定は不可能です。またモニター登録者が謝礼目的の場合は、複数のリサーチ会社に登録して、多くのアンケートに短時間で回答しようとします。

大隅先生の文献は、下記から参照可能なので、こちらも読んでみてください。

WordMiner TM研究会:文献リスト
大隅昇(2008):これからの社会調査―インターネット調査の可能性と課題―

ここまでの流れでいえば、ネットで世論調査をするためには、非公募型のパネルを作り、PCリテラシーの問題を克服しなければならないということになります。少なくともネットの代表制を保つためにも、非公募型のパネルは必要であると思います。

一方、一般企業が市場調査を実施する場合には、ネット調査が多く採用されています。その背景には、コストと期間の問題があります。ネット調査は、安価でお手軽というメリットだけを捉えずに、ネット調査の問題点を把握して、リサーチ内容と報告の解釈をする必要があります。
Post Date:2009年5月18日 

広告進化論

5月13日(水)~15日(金)に東京ビックサイトで

第3回 ダイレクトマーケティングEXPO
第3回 Web2.0マーケティングフェア

が、開催されていました。多数のEXPOが同時開催される大きなイベントです。
色々な企業が出展しているために、最近のサービスや製品の流行を知るにはいい機会です。

チケットをいただいたので、私もそれぞれ基調講演を聴きに行きました。

ダイレクトマーケティングEXPO基調講演:

□クレディセゾンのダイレクトマーケティングへの試み
~日本の消費動向変化を踏まえて~

□ダイレクトマーケティングを越えて
~電通グループが目指すダイレクトマーケティングサービス~

Web2.0マーケティングフェア基調講演:

□ユニクロのクロスメディアマーケティング戦略

□次世代マーケティング・コミュニケーション戦略
~生活者主導社会におけるエンゲージメント!~

マス広告の権化である電通、博報堂も、いまやダイレクトマーケティング、クロスメディアといったキーワードが中心となっています。

電通は、AIDMAからAISASモデルの進化の中で、Shareに値するレファラルの説明です。

・売上の高い顧客よりも、推薦してくれる顧客の方が、企業にとって価値のある場合がある。
・優良顧客(購買額)よりも、そこそこ買ってくれている顧客がレファラルを高めている。

※レファラルとは、顧客の声(推薦・紹介)であり、平たくいえばクチコミ。

そして、レファラル・コンテンツの広告への活用といった内容でした。

事例紹介では、『UNIQLO TRY #2 HEATTECH』が取り上げられていました。このサイトは、言わずもがなという感がありますが、自分が如何に寒い環境にあって、ユニクロの『ヒートテック』を着用すると快適になるといった映像がアップされています。

一方、博報堂は、AIDMAからEngagement Ring(エンゲージメント・リング)への進化の説明です。エンゲージメント・リングとは、生活者の多様化した情報体験を「心が動く」「選択する」「共有する」「絆を感じる」と捉えた能動的なモデルです。

事例としては、ポカリスエットの『ブカツの天使』が紹介されていました。

奇しくも15日の読売新聞には、

CMの6割、視聴者の心に届かず
2008年4月から09年3月までの1年間に流されたテレビCM1万7765作品のうち、約6割が視聴者の印象にほとんど残っていないことが、民間調査会社「CM総合研究所」(東京・港区)の調査でわかった。

調査は、関東地方に住む6~89歳の男女計3000人に毎月、筆記式アンケートを実施。印象や好感を持ったCMを最大五つまで記入してもらった。

その結果、CMを出した2019社中、777社のCM1万147作品は全く記載されなかった。その中には、一つの商品のCMに最大3億円以上を費やした企業が3社あったほか、年間に最大で905回流していた企業もあった。
読売新聞社
という記事が掲載されていました。

随分と前に、日経BP社のSAFETY JAPANで大前研一氏の『人間の目にCMスキップ機能が備わってきている』というコラムが掲載されていましたが、HDDレコーダも普及し、人にも機械にもスキップされるCMは、その生き残りをかけて、進化を遂げようとしています。

アルビン・トフラー(Alvin Toffler)は、著書『第三の波(中公文庫)』で、生産者(プロデューサー)と消費者(コンシューマー)からの造語、「プロシューマー」(生産に関わる消費者)を説いていますが、

能動的に消費者に選択する広告の解が、UGC(User Generated Contents)がすべてであるとは思えません。

そんな中、同じ基調講演で(株)ファーストリテイリング勝部氏の

クリエイティブのポイント

1) パッと見わかる
2) エモーショナルである
3) 想像させる余白がある
4) ユニーク、ドッキリがある
5) 一貫性を持ったコンセプト
6) エンターテイメント性がある
7) ストーリー性がある
といった説明には、覇者の重みを感じました。

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