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Post Date:2023年3月23日 

サウンドマスキングで仕事や勉強に集中できる環境をつくる

マーパック スリープ・ミー

ちょっとした音でも気になり始めると

「仕事や勉強に集中できない、、、」

「眠られない、、、」

という経験は誰にでもあるかと思います。

日中、家で仕事をしていると意外と外の音が聞こえてくるし、オフィスではオンライン会議に参加している人の声が気になって仕事に集中ができない、、、。

カフェで勉強や仕事をすると、無音状態よりも周りの会話や音楽などのバックグラウンドノイズがある方が創造性を刺激すると言われています。しかし、隣の人の会話がはっきりと聞こえると耳障りだし、流れている音楽が知っている曲だとつい音楽に意識が向いてしまいます。

WEB上でカフェの雑音を流してくれる Coffitivity というサービスがありますが、確かにこれを流していても人の声に気が削がれることはありません。

一定のレベルで単語として聞き取れない、適度に聞こえる雑音というのが大切なようです。

自宅でもオフィスでも "気にならない程度の雑音状態" にできれば、もっと生産性があがるかもしれません。


サウンドマスキングとは

サウンドマスキングとは、別の音を発生させることでその音を覆い隠す(マスキングする)ことで人の声や騒音を聞こえにくくする技術です。

サウンドマスキングに使用される音には、ホワイトノイズピンクノイズブラウンノイズなどがありますが、これらのノイズ音には、音の周波数成分をバランスよく含んでいるので、特定の音に集中して聞くことができないようにできます。

音のカーテン(マスキング)で他の音(下図 赤)を聞こえにくくするというのは下記のようなイメージです。

ホワイトノイズでマスキング
【引用】象と散歩: アナログガジェット ホワイトノイズ発生器(s;eepme)で快眠を

ホワイトノイズ

ホワイトノイズは、低周波から高周波まですべての周波数帯域において等しい音圧レベルを出力します。

ホワイトノイズのスペクトラム
【引用】Wikipedia:ホワイトノイズ

ホワイトノイズはすべての周波数帯域を含んでいる音なので、人の声、車の騒音など低周波から高周波まで様々な音をマスキングすることができます。

ホワイトノイズは、自然界には存在しない人工的な音ですが、単調な音のために脳が無視しやすく、ホワイトノイズ自体の音が集中や睡眠の妨げにはなることはほとんどないようです。しかし、人によっては長時間にわたって聴くと、疲れやストレスを感じることがあります。

人の耳では高周波成分がより鋭く感じられるため「サー」と高めの音に聞こえます。


ピンクノイズ

ピンクノイズは、低音域から高音域にかけて音量が減衰する周波数特性を持つノイズで、周波数が1オクターブ上がるごとに振幅が1/√f(-3dB/Oct)減衰します。ホワイトノイズに1オクターブあたり3db減衰させるとピンクノイズになります。

ピンクノイズのスペクトラム
【引用】Wikipedia:ピンクノイズ

一般的には、同じ周波数帯の音が最も強いマスキング効果があるため、高周波数が減衰するピンクノイズは、ホワイトノイズと比べて高周波数帯域の音をマスキングする効果が弱くなります。しかし、サウンドマスキングは、周波数特性だけでなく、音量や音色、音の鳴り方などにも影響されのでピンクノイズでも試してみましょう。

ピンクノイズはホワイトノイズよりも低く「ザー」と聞こえます。


周波数fに対して反比例するピンクノイズは "1/f ゆらぎ" に似た特性を持っています。この "1/f ゆらぎ" は、自然の中や、日常の中にもある揺らぎで、Wikipediaには下記のように説明されています。

ピンクノイズとも呼ばれ、自然現象においてしばしば見ることができる。具体例として人の心拍の間隔や、ろうそくの炎の揺れ方、電車の揺れ、小川のせせらぐ音、目の動き方、木漏れ日、(... 割愛 ...)、蛍の光り方などが例として挙げられる。

【引用】1/fゆらぎ - Wikipedia

ピンクノイズの効果

ピンクノイズにはサウンドマスキング以外に以下の効果があるとされています。

  1. 集中力の向上
  2. ストレス緩和
  3. 睡眠促進
  4. ティニタス(耳鳴り)の改善
自然界にあるピンクノイズ

ピンクノイズに近い音は、自然界にも存在し、焚き火の音風の音雨の音川の流れ の音などがピンクノイズに近い性質を持っています。


ブラウンノイズ

ブラウンノイズ(ブラウニアンノイズ)は、ピンクノイズと同様に低周波域に大きな音量を持ち、高周波域に向かって音量が低くなる周波数特性を持つノイズです。ブラウンノイズは、周波数スペクトルが1/f^2の特徴を持っています。周波数に対する指数減衰はオクターブ毎に6dbです。

ブラウンノイズのスペクトラム
【引用】Wikipedia:ブラウニアンノイズ

ピンクノイズよりも更に高周波数が減衰するので、高周波数帯の音をかき消す効果はピンクノイズと比べても弱くなります。しかし、前述したように周波数特性だけでなく、音量や音色、音の鳴り方などにも影響されます。

ブラウンノイズは、周波数が低いほど大きな振幅を持ち、周波数が高いほど小さな振幅を持つため、ピンクノイズと同じく、人にとって心地よい 1/fゆらぎ と似た周波数特性を持っています。「ゴー」とピンクノイズよりも低く柔らかい音質に聞こえます。

ブラウンノイズの効果

1/fゆらぎの特性を持ち、低周波数が強いブラウンノイズは、人にとって心地よく聞こえます。

ブラウンノイズには下記の効果があるとされています。

  1. 集中力向上
  2. 創造性の向上
  3. ストレス緩和
  4. 安眠効果
自然界にあるブラウンノイズ

ブラウンノイズも自然界に存在するノイズで低周波数成分が豊富で、その成分が連続的に変化するような、滝の音雷の音火山の音 などがブラウンノイズに近い性質を持っています。


自然音でサウンドマスキング

自然界のピンクノイズやブラウンノイズに近い音はサウンドマスキング効果もありますし、集中力や創造力を発揮するためにも効果的です。

川や滝の流れる音など水の流れる音は、心地よく感じる人も多いのでリラックス効果もあります。また、最近ではハイレゾ (High Resolution Audio) 録音の音源もあります。

Amazon Music Unlimited では、ハイレゾ音源(Ultra-HD)の楽曲が配信されています。Echo Studioはハイレゾ対応スピーカーなので、より自然な音として聴くことができます。自宅で仕事に集中するときは上記の楽曲をプレイリストに入れて

Alxea、プレイレスとXXをリピート再生して

といえばずっと流れています。

オフィスで自然音でサウンドマスキングするなら長時間録音のYoutubeを利用するのがお手軽です。


サウンドマスキングに万能なホワイトノイズ

ホワイトノイズには、あらゆる周波数成分が均一に含まれているのでサウンドマスキングのノイズ音として万能です。

共鳴音、笛吹き音、車の騒音など色々な音を覆い隠す効果が期待できます。但し、ホワイトノイズの音そのものがが気になってしまう、長時間聴いていると疲れてしまうというのであれば、他のノイズ音も試すことが重要です。

低周波音の騒音が気になるのであれば、低周波成分を多く含むピンクノイズやブラウンノイズの方が効果が期待できるかもしれません。


他の人の会話を気にならなくするのに適しているノイズは?

人の会話をマスキングするには、周波数帯を全域カバーするホワイトノイズ以外にピンクノイズも適しているとされています。ピンクノイズは高周波数帯は減衰しますが、人の声の周波数帯域である1000Hz以下では、ホワイトノイズより音圧があります。

サウンドマスキングの音量が周囲の音量よりも高くなりすぎないように、特定の音に集中して聞くことができない(単語として認識しずらいくなる)程度の音量で調整することが大切です。


ホワイトノイズジェネレーター

象と散歩: アナログガジェット ホワイトノイズ発生器(sleepme)で快眠をで紹介した、marpac sleepme(マーパック スリープ・ミー) は、いまでも睡眠時に活躍してくれています。

marpac sleepme(マーパック スリープ・ミー) は、ファンを回して物理的にファンサウンド(ホワイトノイズ)を発生させるジェネレーターです。睡眠時はもちろん、仕事や勉強に集中したいときにサウンドマスキングとして利用できます。

marpac sleepme

音量や音質は本体上部と側面の空気孔の大きさで調整する超アナログなホワイトノイズジェネレーターです。ファンサウンド自体も割と大きい音で、床の上に置くとモーターの振動が伝わってくるので部屋の片隅に置いて使っています。

marpac sleepme:上部にある8つの空気孔marpac sleepme:側面に7箇所ある空気孔

marpac sleepme(マーパック スリープ・ミー)のファンサウンドは下記にアップしていますので確認してみてください。


デジタル回路でホワイトノイズを発生させる

LectroFan micro2 (レクトロファンマイクロ2)は独自のアルゴリズムホワイトノイズをノンリピートで発生させます。かなり惹かれる商品ですが、sleepmeがあるのでグッと我慢です。

  • ホワイトノイズ 4種類
  • ファンサウンド 5種類
  • 波の音 2種類

と、11種類のサウンドが出力できますが、下記の動画で確認できます。

コンパクトで充電で駆動するのでどこでも使えるし、Bluetoothスピーカーとしても使えるので出張や旅行にも持っていくのにも便利そうです。


安価なホワイトノイズジェネレーターは買ってはいけない

アナログ ホワイトノイズ ジェネレーター(sleepme)とデジタル ホワイトノイズ ジェネレーター(LectroFan micro2)を紹介しましたが、もっと安価な製品が数多くあります。しかし、音質が悪かったり、ホワイトノイズとはいえないような雑音だったり、短時間の録音されたノイズを繰り返し再生するようなホワイトノイズジェネレーターは、買って後悔するので、お勧めしません。


まとめ

サウンドマスキングは、不快な音や騒音を軽減するために、人工的な音を発生させることで周囲の音を覆い隠す技術です。ホワイトノイズ、ピンクノイズ、ブラウンノイズなど実際に試して効果的なノイズ音を見つけてください。

Youtubeに20分に短縮したものをアップしていますが、下記は、象と散歩: 睡眠のためのホワイトノイズを自炊する を書いたときに作成したホワイトノイズ、ピンクノイズ、ブラウンノイズで、60分バージョンになります。

Post Date:2023年3月12日 

自宅練習用の最強のベースアンプはX4Cだった!

PJB X4C RED とリン酸鉄リチウムイオンモバイルバッテリー

エレクトリックアップライトベースのIbanez UB804をベースアンプなしで練習を続けていましたが、そろそろステップアップしてベースアンプから音を出したい!

「10W-30Wぐらいで、コンパクトなアンプで、、」

「でも、一応エレクトリックアップライトだから中低音域も欲しい」

と、探していたら PJB (PHIL JONES BASS) NANOBASS X4C に出会って一目惚れ。

  • 超コンパクトでデザインが可愛い!
  • 小さなボディなのに音がいい!
  • モバイルバッテリーで動く!

と、驚きの3連チャンでした。


自宅練習用ベースアンプに必要な要素

自宅では騒音の問題があるので大音量は不要ですし、場所を取らないコンパクトさは必須です。かといって、弾いていて悲しくなるようなベースアンプは欲しくありません。小型のアンプでもやっぱり音がよくなくては。

ということで、以下のポイントで購入を考えようとしていました。

  1. アンプ出力
    10-30W出力

  2. サイズ
    30cm四方より小さいもの

  3. 音質
    歪まずに低音がそれなりに鳴ってくれる

電池で駆動する超小型のベースアンプは知っていましたが音的には満足できなかったので、USB-PD対応の大容量モバイルバッテリーで駆動させるというのは目からウロコです。

  • コンセントの確保を考えなくてよい
  • 電源ケーブルを這わせる必要がない

というのは、自宅練習でもとってもハッピーなことでした。それに部屋に置くのでデザインもやっぱり無視できない要素でした。

ということで、

  1. アンプ出力
  2. サイズ
  3. 音質
  4. バッテリー駆動の必要有無
  5. デザイン

これらのポイントを考慮して自分の演奏スタイルや用途に合ったベースアンプを選ぶことが重要です。音質に関しては、購入前に自分のベースで試奏するというのがベストですが、少なくともメーカーのサイトやYoutubeなどで、どんな音を奏でてくれるのかはチェックしましょう。

NANOBASS X4C | PHIL JONES BASS にベーシスト池田達也氏がX4Cでデモ演奏する動画があります。この動画の最後でエレクトリックアップライトベースを弾いていたのが購入の決め手となりました。


PJB NANOBASS X4C

PJB(PHIL JONES BASS:フィル・ジョーンズ・ベース)のアンプは、Phil Jones氏が長年にわたって研究を重ねた高音質なベースアンプとして知られています。

PJB NANOBASS X4Cは、大ヒットしたPJB NANOBASS X4の後継機モデルで外見とアンプとしての基本性能は同じで、モバイルバッテリーでも駆動できるようになったモデルです。

カラーバリエーションは、ブラック、ホワイト、レッドの3色に限定モデルのピーコックブルーがあります。

レッドかホワイトを考え、白色だと汚れが目立つかもと赤色にしましたが、渋めの赤でいい感じです。

PJB NANOBASS X4Cは、超小型で軽量ながらパワフルなベースアンプです。X4Cの主な特徴は以下の通りです。

  1. 幅は16cmで、高さと奥行きが20cm、重さは2.6Kgと軽量かつコンパクトなデザインです。しかし、35W(AC電源)15W-40W(モバイルバッテリー)の出力があり、携帯性に優れつつも十分なパワーを持っています。
  2. フラットでワイドレンジな周波数特性を持ち、低音から高音まで幅広い音域でクリアなサウンドです。エレクトリックアップベースの中低音域での演奏でも音が歪んでしまうこともありません。
  3. USB-PD規格に対応していて DC12V-20V(12V/1.5A以上)のモバイルバッテリーで動作するので、コンセントを気にせずにどこでも使うことができます。
  4. ステレオミニジャックのAUX IN / Bluetooth 5.0を備えているので、リズムマシンを繋げたり、スマホで曲を流しながらの練習ができます。

下記は、詳細のスペックです。

■スピーカー:PJBカスタム4インチ+ RALFRパッシブラジエター ■出力:35W(バッテリー駆動時 : 15W~40W) ■周波数特性:68Hz ‒ 15KHz ■EQ: Bass 100Hz, +/-15dB Mid 1kHz(Band width 120Hz-10kHz), +/-15dB Treble 10kHz, +/-15dB ■入力:3系統(Input、Aux、Bluetooth 5.0) ■入出力端子: インプット、AUXインプット(ミニステレオ)、ヘッドホン アウト ■サイズ:160(W) x 200(H) x 197(D)mm ■重量: 2.6kg


PJB NANOBASS X4Cに最適なモバイルバッテリー

12V-20Vのモバイルバッテリーで駆動する X4C ですが、製品に同梱されていた「【必ずお読みください】モバイルバッテリーについて」という紙には、下記のように記載されています。

  • 20Vタイプ:AC電源と同等以上のサウンドが得られます
  • 12Vタイプ:音質や音量が若干劣ります。音が歪む事があります

X4Cの推奨バッテリーとして、

が掲載されていますが、

象と散歩: USB PD対応でエコなリン酸鉄リチウムイオン電池のモバイルバッテリーで紹介した 12V/1.67A(20W) の ELECOM DE-C39-12000 にしました。自宅練習用としては十分な音量が出るし、音が歪む(潰れる)ようなこともありません。

X4CのType-Cに差し込んで緑色のランプが点灯すれば利用可能です。試しにモバイルバッテリーのUSB-A(9V/2.2A 18W)から供給してみると供給電力は18Wありますが、電圧が足りずに緑色のランプが点灯せず使えませんでした。

X4CをELECOM DE-C39-12000 で駆動

リン酸鉄リチウムイオン電池のモバイルバッテリーは、電池の寿命が長く、ELECOM DE-C39-12000 は、通常のモバイルバッテリーと比べて倍の1,000回の充電が可能なので、X4Cの電源としても最適です。


X4Cはモバイルバッテリー何時間動く?

PJB X4Cの説明では、12V/1.5A 10,000mAhのモバイルバッテリーで約17時間使用可能とありますが、CIO SMARTCOBY PROの説明欄にはX4Cで10時間以上とあります。

バッテリー例 アンプ出力 音質 使用可能時間
出力: DC12V/1.5A 容量: 10000mAh 15W Max. 約17時間
出力: DC20V/2.25A 容量: 20000mAh 40W Max. 優良 約11時間

ELECOM DE-C39-12000は、12V/1.67A 最大出力20Wで、容量は12000mAhです。

最大出力20Wは、下記で計算で求まります。

12V x 1.67A ≒ 20W

次にモバイルバッテリーの容量を12Vでワット時(Wh)に変換します。

12000mAh ÷ 1000 × 12V  = 144Wh

バッテリー20W出力での使用可能時間は、

144Wh ÷ 20W = 7.2h

つまり7時間12分利用できる計算になります。

しかし、CIO SMARTCOBY PRO の 12V/1.5A 最大出力は18W、バッテリー容量は10,000mAhで同様に計算をすると

10000mAh ÷ 1000 × 12V ÷ 18W ≒ 6.67h

6時間40分です。

計算では電力のロストやバッテリーの劣化を考慮していないので、実時間より大きくなるはずです。しかし、計算値の方が小さいということは、X4Cで常時18Wを消費しているわけではないということが推測できます。

つまり、CIO SMARTCOBY PRO(12V/1.5A)で10時間以上使えるということは、ELECOM DE-C-12000 もX4Cを10時間以上+α 駆動できるということになります。

毎日の使用時間が短いですが、1週間使ってもバッテリーの消費はわずかです。


Ibanez UB804とX4Cの相性は抜群

ベースをケースにしまってしまうと弾かなくなってしまうので、部屋の片隅にスタンドを設置してUB804をいつでも弾けるようにしています。X4CをUB804のスタンドの足元に設置してみました。

UB804 と X4C

コンセントの確保や電源コードが必要ないというのは、邪魔にならずスッキリとしたセッティングになるので部屋の片隅に出しっ放しにしておくのに都合がよいです。

折角スッキリとしているところに、長いシールドを這わすと台無しになってしまうので、1mのパッチケーブルにしました。

X4CをIbanez UB804の足元に設置


音質

X4Cには3バンドのイコライザー(High, Middle, Low)がありますが、フラットにしているとすごくクリアな音です。ノイズもないしローポジションからハイポジションまでとってもいい感じです。

エレクトリックベースっぽさを軽減させるために Middleを下げた音にしましたが、気に入っています。

エレクトリックアップライトベースではMiddleを少し下げる

モバイルバッテリーで駆動するPJB(Phil Jones Bass) NANOBASS X4C は、エレクトリックアップライトベースの自宅練習用ベースアンプとして最強のベースアンプですが他の楽器でもいい音を奏でてくれます。


Post Date:2023年3月8日 

USB PD対応でエコなリン酸鉄リチウムイオン電池のモバイルバッテリー

リン酸鉄リチウムイオン電池のモバイルバッテリー

PJB(PHIL JONES BASS) NANOBASS X4C というベースアンプが PD対応でDC12V/1.5A以上のモバイルバッテリーで駆動するというので、ベースアンプの購入を前提に12V以上が給電できるUSB PD対応のモバイルバッテーリーを検討。

いま保有している Danboard(ダンボー) のモバイルバッテリーは、デザインはとても可愛いのですが、5V/1A 3000mAhと小容量で過去の規格です。コロナ禍でモバイルバッテリーの出番がなかったので、スマホが新しくなってもモバイルバッテリーを買い替える必要がありませんでしたのでちょうどいい機会です。

モバイルバッテリーを検討するには、充電に必要な電力は機器によって異なります。Apple製品の電源アダプターの規格は下記の通りです。

機種電圧(V)電流(A)消費電力(W)
iPhone12以降9V2.2A20W
iPad9V2.2A20W
Mac Book Air20V1.5A30W

しかし、上記に記載した電圧よりも低くても充電はできます。

出張のときに Mac Book Airの電源アダプタを忘れて、近くにあった 3COINS+plus でPD対応 最大出力20WのUSB充電器を1,000円で購入しました。

3COINS PD対応20W USB充電器

USB充電器には、USB-AとType-Cの2ポートがあり、

ポート対応規格出力
USB-AQC3.0対応5V/3A, 9V/2A, 12V/1.5A
Type~CPD対応5V//3A, 9V/2.2A, 12V/1.67A

と、Type-Cで最大20W(12V/1.67A)の出力があります。30Wが必要なMac Book Airが充電できるか心配でしたが、充電時間はかかりますがちゃんと充電できます。

1,000円でしたが、なかなかの優れものでプラグも折り畳み式で持ち運びにも便利です。

※QC3.0とは、QualcommのSnapdragonチップセットを搭載したAndroidスマートフォンなどで、最大18Wで従来の4倍速で充電ができる規格でことです。iPhoneはQC3.0ではなく、独自の「Apple Fast Charge」という規格で同じく最大18Wで高速充電できます。


USB PD対応モバイルバッテリーとは

USB PDとは「USB Power Delivery」の略で、USB Type-Cのコネクタで大きな電力を供給できる規格です。5V、9V、15V、20Vの4つの電圧(初期が 5V,12V, 20Vだったので12Vも対応した機器も多い)に対応した電力を供給できます。

最新のPD 3.0では、最大240W、電圧が0.5V単位で可変、電流が最大5Aとなりました。更に充電器とデバイス間で双方向の通信が可能となったので、充電器がデバイスの状態を把握することがで、より効率的な充電が実現になったとあります。

PD対応のモバイルバッテリーだと、

  • スマホなどの急速充電ができる
  • 消費電力が大きいノートPC、Nintndo Switchなどでも使える
  • 同じUSB電源が他のモバイル機器でも使える

というメリットがあります。但し、USB PD対応でもType-Cの出力が9V/2.2Aまでというモバイルバッテリーも多いので、必要な電圧(V)と電流(A)の確認が必要です。

また電圧(V)×電流(A)=電力(W)なので、9V/2.2Aも12V/1.67Aも同じ20W出力となりますが、電圧が9Vでは動作しない機器もあります。


12V以上の電圧で供給できるモバイルバッテリー

12V/1.5A以上を必要とする PJB(PHIL JONES BASS) NANOBASS X4C の動作確認済み推奨 モバイルバッテリーのひとつしてサイトに掲載されているのが、CIO SMARTCOBY PRO で12V/2.5A 最大30Wの出力です。

CIO SMARTCOBY Pro - 30Wのスペックは、下記の通りです。

CIO SMARTCOBY PRO - 30W
サイズ77×56×26mm
重さ183g
入力5V/3A, 9V/2.22A, 12V/1.5A
出力(USB-A)5V/5A, 9V/3A, 12V/2.5A
出力(Type-C)5V/2.4A, 9V/2.22A, 12V/1.67A(Max 30W)
バッテリー充電式リチウムイオン電池
電池容量10,000mAh
充電時間2.2時間(20Wで充電)
サイクル回数500回

CIO SMARTCOBY PRO - 30Wで、iPhone12なら2.2回充電できるとあります。MacBook Air も0.6回充電できます。

iPhone12の電池容量は2,815mAhなので単純計算だと 10,000mAh ➗ 2,815mAh で3.5回となりますが、2.2回とバッテリー容量の60%程度です。

これは、スマホを充電するための電圧返還で30%-40%がロストするのと、モバイルバッテリーの電池の劣化を考慮しているからです。

モバイルバッテリーの容量 × 60% ➗ スマホのバッテリー容量 = 充電可能回数

CIO(シーアイオー)の特徴は何といってもコンパクトで大容量ですが、バッテリー残量がLEDで1%単位で表示されるのも洒落ています。


リン酸鉄リチウムイオン電池という選択

ポータブル電源を購入を検討するときにリン酸鉄リチウムイオン電池を知りました。リン酸鉄リチウムイオン電池のメリットは、

  • 安定性・安全性が高い

    リン酸鉄は、高温や過充電などの環境下でも化学的に安定しているため一般のリチウムイオン電池と比べて火災や爆発の危険性が低い。また低温下でも安定動作する

  • 長寿命(サイクル回数が多い)

    一般的なリチウムイオン電池のサイクル寿命は300-500回程度、リン酸鉄リチウムイオン電池は1,000回以上

  • 環境に優しい(廃棄時)

    電解質として有機溶媒ではなく水溶性のリン酸塩を使用しているため有害物質を含んでいない

です。利用頻度が高いモバイルバッテリーでは長寿命が大きなアドバンテージとなります。またPD3.0で出力する電力が大きいモバイルバッテリーであれば安全性も大事です。

リン酸鉄のモバイルバッテリーで探すと、ELECOM(エレコム)のDE-C39-12000シリーズがありました。

12V/1.67AとCIO SMARTCOBY PROよりも電圧が少し低いですが、PJB NANOBASS X4C の 12V/1.5A以上という基準はクリアしています。

ELECOM DE-C-12000シリーズ
サイズ78×17×159mm
重さ310g
入力5V/2.4A, 9V/2.22A, 12V/1.67A
出力(USB-A)5V/2.4A
出力(Type-C)5V/2.4A, 9V/2.22A, 12V/1.67A(Max 20W)
バッテリー充電式リン酸鉄リチウムイオン電池
電池容量12,000mAh
充電時間3時間(20Wで充電)
サイクル回数1,000回

電池容量は12,000mAhあるので、容量の6割で計算するとiPhone12なら2.6回充電できます。また12V/1.67Aあるので Mac Book Air の充電も可能です。

最大のメリットは、サイクル回数が1,000回とCIO SMARTCOBY PRO と比べて倍長く使うことができます。

また大容量のモバイルバッテリーは安全性も大切なので、安かろう悪かろうでは困るので日本のメーカーの方が安心できます。10,000mAh以上あれば大抵のスマホは複数回充電できるので災害時の備えにもなります。

  • モバイルバッテリーの利用頻度が高い
  • タブレットも使っている
  • いざというときはラップトップの充電にも

という利用を考えるのであれば、リン酸鉄リチウム電池のモバイルバッテリーの ELECOM DE-C39-12000シリーズはオススメです。


DEC-C39-12000の使用感

310gは、ずっしりと重く感じます。鞄が更に重たくなりましたが、厚さが17mmなので鞄の内ポケットに収まります。Mac Book Airでも充電できるか試しましたが一応充電可能です。

手のひらサイズのモバイルバッテリーではありませんが、ベースアンプを動かすことが主目的だったので、小さくて可愛いよりも実用性重視です。

Type-CケーブルとType-Cからライトニングに変換できるコネクタで色々なケーブルを持ち歩く必要もなくなりました。

バッテリーの残量は4段階のLEDでしかわかりませんが、そんなに細かく知る必要もないので不自由はないと思います。

リン酸鉄のモバイルバッテリー

ソーラパネルで充電

Ecoなモバイルバッテリーを購入したので、ソーラーパネルでモバイルバッテリーを充電してみました。ソーラパネルは、象と散歩: 室内でスマホの充電ができるソーラーパネルを選ぶ で紹介した Jackery SolarSaga 60 です。

Jackery SolarSaga 60 にはUSB-AとUSB Type-Cの出力ポートがあるので、充電する機器を直接繋げます。Type-Cの出力は5V/3A(15W)ですが、リン酸鉄リチウムイオン電池のELECOM DE-C39-12000も充電できます。

晴天の日中という制限はありますがエコな充電ができます。

日中はリン酸鉄リチウムイオン電池のポータブル電源 EcoFlow RIVER 2(象と散歩: いまどきのポータブル電源の選択で悩む) に充電して、夜間にポータブル電源からリン酸鉄リチウムイオン電池のモバイルバッテリーに充電するとエコ度倍増です。

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