万年筆のインクの補充方法には、主に以下の2種類があります。
- カートリッジ式:インクカートリッジを万年筆に差し込むだけでインクを補充できる簡単な方法です。古いカートリッジを取り外して新しいカートリッジに交換するだけで補充が可能ですが、コスパがよくありません。
- コンバーター式:コンバーターを万年筆に差し込み、インクボトルに浸してインクを吸い上げる方法です。コスパはよいですが、インク補充に手間がかかり、インクで手が汚れてしまったりします。
万年筆を使い始めた頃は、コンバーターという存在を知らずにずっとインクカートリッジを使っていました。しかし、ミリリットルあたりの価格は倍以上違います。
- LAMYインクカートリッジの容量は、1.3ml × 5本 ¥660 約102円/ml(税込)
- LAMYのボトルインクは、50ml ¥2,200 44円/ml(税込)
と、いうことでコンバーターを買ってインクボトルを使うようになりましたが、コンバーターには下記のデメリットがあります。
- インク補充が手間
- 気をつけていても手にインクが付く
- ボトルインクが使いきれない
コスパのいいはずのボトルインクも、残量が少なくなるとペン先がインクに浸らなくなり、インクを吸い上げられなくなるので残ったインクを新しいボトルに継ぎ足していました。
しかし、コンバーターを使っているのだから仕方がないと割り切っていました。
注射器でカートリッジにインクを注入する
文房具店で万年筆コーナーを物色していたら「インジェクターセット」なるものを発見!
注射器(注入器)でカートリッジにインクを注入する道具です。
セット内容は下記の3つです。
- 注入器
- 針(管)
- 空カートリッジ(欧州共通規格)× 3
欧州共通規格のインクカートリッジが使える万年筆であれば空ボトルにインクを注入できすが、LAMYのような独自規格であれば使用済みのカートリッジを使用します。使用済みカートリッジを使う場合は同じ色のインクでないと色が混ざってします。
しかし、インクカートリッジの再利用は経済的で環境にもやさしい方法です。
使い方は簡単です。
- 注入器の管をボトルインクに挿してインクを吸い上げる
- インクカートリッジにインクを注入
- 注入器をぬるま湯で洗う
インクの補充作業が、すっごく楽になって、手も汚れません。
無印良品 アルミ丸軸万年筆も欧州統一規格のインクカートリッジなのでPILOT赤色を注入してみました。
カートリッジインクの互換性
ヨーロッパのメーカーの多くは、欧州共通規格です。そのため他社のインクカートリッジでも使えることができますが、欧州のブランドでもLAMYやWatermanは独自規格です。
- 欧州共通規格(European Standard):ヨーロッパ統一規格(EN規格)とも呼ばれています。ほとんどのヨーロッパのブランドがこの規格を使用していますが、一部のメーカは独自規格のカートリッジです。
- プロプライエタリ(独自規格):特定のメーカーのモデルのみ適合するカートリッジで、他のブランドの万年筆には使用できません。パイロット、プラチナ、セーラーといった日本のメーカーも独自規格です。
万年筆洗浄キット
同じ会社から万年筆洗浄キットも発売されています。
別なインクを使うときに万年筆のペン先のインクを洗い流してくれるキットです。
しかし、欧州統一規格のインクカートリッジの万年筆にしか使えないので、万年筆のインクカートリッジの規格を確認してください。
さよならコンバーター
LAMY、Faber-Castell、MD万年筆、Moleskine Pen とそれぞれコンバーターを購入しましたが、インジェクターの存在を早く知っていればと悔やまれます。
インクカートリッジが何回ぐらい再利用できるのかはわかりませんが、間違いなくコスパも良いはずです。ボトルインクも無駄なく使いきれます。
オンラインショッピングなどで「目的買い」が増えがちですが、文房具屋行けば、魅力的な商品に出会えることを再認識しました。「探索買い」という、新しい発見や好奇心を満たしてくれる買い物を忘れないために、定期的に文房具屋に行くように心掛けたいと思います。
0 件のコメント:
コメントを投稿