昨今、新聞の閲読数が減少しているといわれている。社団法人 日本新聞協会のデータを見ると2007年10月現在の数値は下記のように示されています。発行部数に事業者が含まれているかは分かりませんが、1世帯あたりの部数が1.01ということは、各家庭で1紙は購読されている換算になります。
新聞の発行部数('07年) |
(単位=部) |
合計
| 種類別 | 発行形態別 | 1世帯 あたり 部数 | |||
一 般 紙 | スポーツ紙 | セット部数 | 朝刊単独部数 | 夕刊単独部数 | ||
52,028,671 | 46,963,136 | 5,065,535 | 16,408,728 | 34,174,558 | 1,445,385 | 1.01 |
・発行部数は朝夕刊セットを1部として計算。
・2007年10月、新聞協会経営業務部調べ
・セット紙を朝・夕刊別に数えた場合は、68,437,399部
・世帯数は、51,713,048(06年3月31日時点の住民基本台帳による)
単年データでは減少傾向が把握できないので、グラフにして可視化してみました。
相関をとってみると、インターネット世帯浸透率とブロードバンド世帯普及率は、共に新聞発行部数と強い負の相関関係があることが分かります。
相関係数行列 | インターネット 世帯浸透率 | ブロードバンド 世帯普及率 | 新聞 発行部数 |
インターネット 世帯浸透率 | 1 | 0.92 | -0.89 |
ブロードバンド 世帯普及率 | 0.92 | 1 | -0.96 |
新聞 発行部数 | -0.89 | -0.96 | 1 |
新聞を読まなくなった世代
では、どの世代が新聞を読まなくなったのかを調べてみると、NHK放送文化研究所から5年毎に報告されている2005年国民生活時間調査報告書がありました。
平日・男女年層別の新聞閲読の変遷(’00年~’05年)
2年前のデータですが、'95年と'00年を比較すると、60代以上の閲読率は維持できていますが、30代、40代では、新聞を読む人が過半数を大きく割るようになったことが分かります。但し、40代では、10年間で閲読率が20%以上減少しているように見えますが、'05年に40代の人は、'95年当時は30代でした。30代から40代になったことで新聞を読むようになる要因もあまり考えられないので、もともと新聞離れの世代で、これにインターネットの普及という要素が加わり、10%閲読率が減少したと理解すべきなのかもしれません。
確かにこれでは、新聞各社はうかうかとしていれないですね。今年、新聞各社が文字サイズを大きくした理由は、新聞購読者層である世代を意識してなのでしょうか。新聞各社も新しい購読者層の獲得やネットでの広告モデル以外の収入、クロスメディアを模索しなければ、今後の10年で淘汰される新聞社がでてくるかもしれません。
PCは新聞の代替になり得るか
嘗ては、通勤電車や昼食時に新聞を読んでいました。所謂「ながら」だったので、そういう意味ではネットでニュースを見られるからといってPCでニュースをみることが代替になったわけではありません。確かにYahoo!ニュースやGoogleニュースを閲覧したり、新聞社のサイトで気になった特集記事も見ています。しかし昔ながらの「どこでも」「いつでも」という手軽さと「ながら」は捨てがたいです。また単にニュースを知るということであれば活字でなくても情報ソースはあります。個人的には新聞のコラムや社説が好きです。社説は新聞社による考え方の違いがよく分かるし、コラムは短編の読み物としても面白いです。インターネットの普及により各紙を購読しなくても手軽に読めるようになったのは、非常に便利になりました。
iPodで新聞を読む
前説が長くなりましたが、そこでiPodで新聞を読むにつながります。ポッドキャストや音楽を聴きながら活字情報を見られれば、「ながら」も「手軽さ」も手に入れることができます。通勤.comで提供されている通勤iPodはそんな私にマッチしたツールでした。毎朝PCの電源を入れて、ポッドキャストと各社のコラムと社説をダウンロードするのが現在では日課となっています。
ということで、次は通勤iPodの詳細について書いてみようと思います。
0 件のコメント:
コメントを投稿