呼吸法について調べていたら、「たった60秒で眠れる”4-7-8”呼吸法」という記事(A Life Hack For Sleep: The 4-7-8 Breathing Exercise Will Supposedly Put You To Sleep In Just 60 Seconds)を見つけました。
入眠障害でなくても、明日は早く起きなければというときほど眠れなかったりするものです。たった1分で眠りに落ちることができるのであれば、ホワイトノイズを聴いたり、羊を数えたりするより有効かもしれません。
ちなみに羊を数えるのは Sleep(睡眠)と Sheep(羊)のスペルが似ているからだけで何の根拠もないそうです。
4-7-8 呼吸法とは
たった60秒で夢の中に眠りに落ちることができるとされる "4-7-8"呼吸法は、WEIL™(Andrew Weil, M.D.)が提唱する3つの呼吸法のひとつで、Breathing: Three Exercises - Dr. Weil に説明があります。
4-7-8呼吸法のやり方
- ”ふぅー”と音をたてながら口から息を全部吐き切る
- 口を閉じて鼻から静かに4秒で空気を吸い込む
- 息を7秒止める
- ”ふぅー”と音をたてながら8秒かけてゆくっりと口から息を吐き出す
- これを1呼吸として2-4を3回繰り返す(計4回)
舌の先は上の前歯の根元にあて、舌の周りから息を吐きます。これが難しいようであれば口をすぼめて息を吐きます。鼻から静かに息を吸って、口から音を立てながら吐き出します。舌は常に前歯の根元にあてておきます。
息を吐く長さは吸うときの2倍です。4秒、7秒、8秒という時間が重要なのではなく、4:7:8という比率が大切です。もし呼吸を維持できなければ4:7:8の比率を維持しながら短くします。練習していくとより長い時間をかけて深い呼吸ができるようになります。
初めて1か月は、4回の呼吸とし、慣れてきてから8回へと呼吸の回数を増やします。初めてのときにめまいを感じたとしても次第に慣れるので心配はありません。
と、いうのがアンドルー・ワイル博士の説明です。
実際に試してみると息を吐くことを意識するのが大切だとわかります。舌を上の前歯にあてるのは、ゆっくりと息を吐くためです。息を完全に吐き切れば、新しい酸素を身体が欲するので自然に息を吸うことができます。
深い呼吸でリラックスできる
呼吸は、唯一、自律神経を意識的にコントロールできる方法です。息を吸ったときには、交換神経が優位となって緊張します。また息を吐いたときには、副交感神経が優位となるので、お腹をへこませながらゆっくりと息を吐くことで、脳波がα波、θ波の状態になり、セロトニンが排出されることによってリラックスできます。
ダニエル ゴールマンの「EQ~こころの知能指数」での造語である”偏桃体ハイジャック”(英語:Amygadala Hijack)で情動、感情をつかさどる原始的な脳である偏桃体が、理性の前頭葉をハイジャックした場合の対処も「ゆっくりと息を吐くことが大切」とあります。やはり、リラックスするための呼吸法の基本は、ゆっくりと息を吐くことです。
古来、落ち着くために「深呼吸、深呼吸」と言われています。
”4-7-8” 呼吸法では4秒間、息を止めますが、ヨガでも息を止める呼吸法があります。ヨーガ―・スートラ(ヨガの聖典)の中で、八支則(はっしそく:悟りに至るまでの8段階)の4番目として記載されているプラーナ―ヤーマ(調気法)です。プラーナ―ヤーマではクンバカ(保息、留息、止息)を重要としています。
ヨガでは呼吸法というよりは、気、生命のエネルギーであるプラーナーを調整する方法として説明されています。
"4-7-8"呼吸法は、このヨガのプラーナ―ヤーマに考え方が近いと思います。腹式呼吸でとは記載されていませんが、実際にゆっくりと息を吐き出す深い呼吸をしようとすると自然と腹式呼吸になっています。
How to Perform the 4-7-8 Breath
英語の説明ですが、in(吸って)、hold(止めて)、out(吐いて)に合わせてカウントが出ますので、上記の説明を読んでから見れば雰囲気は掴めると思います。
これが、リラックスをして、睡眠を促すという"4-7-8"呼吸法ですが、ワイル博士の提唱する残りの2つの呼吸法についても記しておきます。
Stimulating Breath(Bellows Brath)
これは、ヨガでいうバストリカ呼吸法(英語:The Bellows Breath)です。バストリカ(英語:bellows)とはふいごのことで、鍛冶屋などが炉を高熱にするために火がよく燃えるように空気を送りこむ装置のことです。バストリカ呼吸法は、活力を高め、覚醒を増加させる呼吸法です。
- 口を軽く閉じ、吸う長さと吐く長さを同じにして素早く鼻で呼吸します
- 吸って、吐いてを1秒間に3回のスピードで繰返し、横隔膜を素早く動かします
- 最初は15秒以上続けないで、徐々に5秒づつ増やしていき、最終的には1分を目指します
動画は、下記からご覧ください。
Dr. Weil's Breathing Exercises: Stimulating Breath
バストリカ呼吸法については、msn ヘルスケアのバストリカ呼吸法の方がわかりやすいかもしれません。
Breath Counting
禅など瞑想時の呼吸法です。
背筋を伸ばして、頭はやや前に倒す(首を垂れる)姿勢で座ります。静かに目を閉じ深い呼吸を繰り返します。呼吸を意識せずに自然に次の呼吸がくる感じです。静かにゆっくりとした呼吸が理想的ですが、呼吸の深さとリズムは様々です。
- 息を吐くのに合わせて1-5を数えます
- 5まで数えたらまた1に戻ります
- 10分間上記を繰り返しながら瞑想します
動画は、下記からご覧ください。
Dr. Weil's Breathing Exercises: Breath Counting
睡眠を可視化しよう
"4-7-8"呼吸法をマスターするのに2か月とあるので、効果についてはまだわかりませんが、自分の睡眠を可視化することはできます。可視化することによって改善効果について確認することができます。
2017.01 更新
睡眠を可視化するには加速度センサーを使って身体の動きを検知するものが大半です。以前、Microsoft Band を使っていましたが、マイクロソフトバンドは、加速度のセンサーの身体の動きと睡眠時の心拍数を合わせて表示してくれていたので、自分の睡眠状態が非常にわかりやすかったのですが、昨年ご臨終されてしまいました。
下図が自分の睡眠時の心拍数ですが、薄色の棒グラフが加速度センサーによる睡眠の深度で上向きが覚醒、下向きの2段階に分かれている睡眠が、浅い眠りと深い眠りと判断されています。グラフ上の数字が睡眠を計測し始めてからの経過時間になりますが、ベッドに入ってから1時間でどんどんと心拍数が下がりますが、1.5時間後は身体の動きがなくなり心拍数が上がっていることからレム睡眠だったと推測できます。そこから2時間ぐらいは心拍数が下がりませんが、睡眠開始から3.5時間からまた心拍数がさがり、最低心拍数は49になっています。
睡眠時に心拍数を計測するタイプのガジェットがまた欲しいと現在模索中ですが、スリープテック製品が市場に多く投入されている中、新しい睡眠の計測方法ができるガジェットがでてくることを期待しています。
下記は2017.1時点で睡眠時心拍数を計測できる製品の中で使えそうかなと思っている製品です。
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