LAMYのブルーブラックは、深みのある濃い藍色です。ブラックよりほんの少しだけ主張が控えめな、このブルーブラックの色が好きです。しかし、万年筆を使う機会が多くなったのでコスパの高いPILOT のブルーブラックにしました。
- LAMY Blue Black 50ml ¥2,200 40円/ml
- PILOT ink Blue Black 30ml ¥440 15円/ml
パイロット インキは、他の国内の万年筆メーカーと比べても滅茶コスパがよいインクです。しかしながら安価だからといって品質が悪いわけではありません。ちょっと不思議なのは、30mlの方が、70ml(16円/ml)よりも経済的という点です。
「でも、半分、青い」
ブルーブラックとありますが、限りなくブルーに近い色です、、、。
万年筆のインクの種類
パイロットには、一般書記用インキ(30ml)と、耐水性・耐光性に優れたTSUWAIRO<強色>という顔料インキがありますが、万年筆用のインクには下記の3種類があります。
- 染料インク(Dye Ink):
- 水溶性の染料が使われている
- 紙の繊維に染み込むため滲みやすい場合がある
- 耐光性や耐水性には劣る
- 顔料インク(Pigment Ink):
- 発色が良く鮮やかで耐久性がある
- 紙の表面にインクが付着して乾くために滲みにくい
- 耐水性や耐光性に優れている
- 万年筆にインクが詰まることがある
- 古典インク(iron gall ink):
- 鉄イオンとタンニン酸を混合
- 耐水性と耐光性に優れている
- 書いた字が経年変化で黒くなる
ブルーブラックインクも元々は、青と黒の中間色というわけではなく、書いたときは青かったものが経年変化で黒くなることからブルーブラックと呼ばれたそうです。現在では、多くが扱いやすい染料インクとなっていますが、古典インクも根強い人気があります。
自分色のインクをつくる
「インク沼」とは、万年筆愛好家の間で使われる表現であり、万年筆のインクの探求や収集によって深みにはまることを指します。万年筆インクには、様々な色や種類があります。
魅惑的な世界ですがハマってしまうと抜け出せなくなりそうで怖いです。
など、見るだけでも楽しく、非常に魅力的です。
また、最近では、自分色のカスタムインクが作ることができるインクが、染料インク、顔料インクともに発売されています。
かなり楽しそう!でもコスト高です。至る所にインク沼へのトラップが、、、。
PILOT一般書記用インキは混ぜてはダメなのか?
プラチナ万年筆 万年筆ボトルインク 60cc ブルーブラックもコスパがインクですが、やはり、青系のブルーブラックです。
「ブルーブラックにブラックを少し混ぜるのではダメなの?」
パイロットのよくあるご質問に下記のように記載されています。
A: パイロットの万年筆用インキは、色によって成分が違うため色を混ぜることはお勧めしません。また、同じ色でも古いものと新しいものを混ぜて使用することはお控えください。
「混ぜない」「足さない」とあります。
しかし、コンバーターを使っているとボトルインクの量が少なくなってくるとペン先からインクを吸い上げられなくなるので足しちゃってます、、、。
PILOT一般書記用インキのブルーブラックとブラックを混ぜてみる(自己責任)
「混ぜるな!危険!」ではなく、「お勧めしません」という自制を促す表現です。また成分が違うとあっても同じ水溶性のインクなら大きな問題は発生しないだろうという勝手な自己判断のもと、メーカーでは推奨されていないインクの混合をしてみました。
インクの混合には、カートリッジインクへインクを注入するインジェクターが便利です。
インジェクターなら計量もできるし、手も汚れません。また、カートリッジインクの中で少量を配合することもできます。
ブルーブラック 3:ブラック 1
パイロット 一般書記用インキ(30ml)のブルーブラックとブラックを3:1の比率で空瓶の中で混ぜます。
PLATIUM MIXABLE INKの空ボトル(20ml)を使いましたが、パイロットのインキボトルと違う方が区別がつき良いかと思います。
手順は簡単です。
- ブラック5mlをインジェクターで吸い上げて空インクボトルに移す
- インジェクターを洗浄
- ブルーブラック5mlをインジェクターで吸い上げて空インクボトルに移す x3回
- インジェクターで混合インクの吸引と排出を数回繰り返す(攪拌)
- インジェクターを洗浄
ブラックにブルーブラックを混ぜながら薄めていきます。これで完成です。
LAMYブルーブラック、PILOTブルーブラック、PILOTブラック、PILOTブレンドインクで書き比べたのが下記になります。
LAMYブルーブラックよりも濃厚となりましたが「いい感じ」です。
効率のよい配合比率
無駄なくインクを使い切ることを考慮すると下記の配合になります。
BlueBlack:Black | 配合量(合計) | 黒色比率 | 備考 |
---|---|---|---|
3:1 | 15ml:5ml(20ml) | 25% | BlueBlack:2回分 Black:6回分 |
4:1 | 12ml:3ml(15ml) | 20% | BlueBlack:2.5回分 Black:10回分 |
5:1 | 15ml:3ml(18ml) | 17% | BlueBlack:2回分 Black:10回分 |
もう少しブルーブラックが多い『ブルーブラック 4:ブラック 1』でもいいかもしれませんが、ブルーブラック、ブラック共に無駄なく使うことができるようにするためには、12ml:3ml(15ml)となりますが、。ブラックの保存期間、ブルーブラックを一瓶毎に使い切れることを鑑みると『3:1』が黄金比率ではないかと思います。
いまのところ「染料の分離」「インクの固化」「書いたときの滲み・擦れ」などの問題は発生していません。暫くは、パイロットインキのブルーブラックとブラックを混合したものを使ってみようと思います。
※ メーカーの推奨しないボトルインクの配合は自己責任です。