エレクトリック・アップライト・ベース(Electric Upright Bass)の練習では、練習前のチューニングだけではなく、練習中にもチューナーを使ってピッチを確認しましょう。
チューナーの仕組み
チューナーの仕組みには下記の3種類の方式があります。
名称 | 方式 |
---|---|
ピエゾ(Piezo) | 楽器の振動でチューニング(本体に取り付ける必要あり) |
マイク(Mic) | マイクで拾った音(振動)でチューニング |
ライン入力 | 電気信号でチューニング(シールドで接続が必要) |
ヘッドにクリップで挟むクリップチューナー(ピエゾ式)は、EUBの練習に使える手軽なチューナーです。
ベース専用チューナーを使おう
低音を瞬時に拾ってくれるベース専用チューナーがオススメです。
- D'Addario チェロ/コントラバス用チューナー PW-CT-17
- KORG ベース専用チューナー AW-LT100B
の2つで悩みました。
両方ともクリップ式の低音楽器専用のチューナーで、可動範囲が広いのでディスプレイを自分の見やすい位置に設定できます。
下記は、KORG AW-LT100Bの可動域です。
ダダリオのチューナーは駆動時間が分かりませんでしたが、単4電池1本で100時間駆動するKORG AW-LT100B を購入。これなら、練習中にずっと点けっ放しにできます。
- 低音の振動もしっかり拾えるベース専門チューナー
- 可動範囲が広い(見やすい位置に設置できる)
- 単4電池1本で100時間駆動
測定範囲は、E0(20.60Hz)〜 C5(523.3Hz)です。A=440Hz でチューニングするとベースの各開放弦の周波数は下記の通りです。
開放弦 | 音(周波数) |
---|---|
1弦(G弦) | G1(97.999Hz) |
2弦(D弦) | D1(73.416Hz) |
3弦(A弦) | A1(55.0Hz) |
4弦(E弦) | E1(41.203Hz) |
KORG AW-LT100B の使用感
コントラバスであればクリップをブリッジ(駒)に挟むのでしょうが、Ibanez UB-804 の場合は、ヘッドに取り付けます。
チューニング時の注意点は、3弦開放弦のA1の周波数は55Hzですが、ディスプレイ上にはAとしか表示されません。1オクターブ上のA2(110Hz)でも表示上はAなので、ベース初心者だと最初は戸惑うかもしれませんが、慣れの問題です。
基準音のAは、436〜445Hzで1Hz単位で変更でき、電源をOFFにしても記憶されています。ディスプレイの左上に常に表示されているので基準音が何になっているかを確認しましょう。
KORG AW-LT100Bは、ベース専用のチューナーということもあり、低音への反応はとてもよいです。そうは言っても早いテンポでは音が拾えないので、メトロノームを♩= 60-66 にして、やや遅いテンポでのスケール練習で一音一音を確認しましょう。
また、ピエゾ式のチューナーは、振動で音程を判定しているので、ハイポジションで弾く高音では、弦の振動幅が少なくなりチューナーが音を拾いづらくなります。
機能的には、C5(523.3Hz)まで測定可能とありますが、UB804では、1弦21フレット(E4 329.628Hz)ぐらいまでが、チューナーで音程を拾える範囲です。
しかし、E4まで測定できるということは、ハイポジションでのCからEまでのスケール練習でチューナーを使った練習ができるということです。この範囲でチューナー使えれば十分です。
EUB初心者は練習でチューナーは必須
EUB(Electric Upright Bass)にはフレットがないので、自分が出している音程を確認するためにチューナーは必須アイテムです。「象と散歩: アップライト・ベースの運指トレーニング」で紹介しているスケール練習で、1音1音、音程を確認しながら練習しましょう。
特に、ハイポジション(サムポジション)では、半音ごとの間隔が狭くなるのと、親指を使った弾き方になるので、音程がブレブレになります。しっかりと一音づつチューナーで音程を確認しながら練習しましょう。
練習でチューナーを使う理由
チューナーを見ながら練習するのは、A=440Hzのピッチで演奏しなければならないということではありません。テンポやピッチがジャストでないことが、グルーヴ感や味となります。
しかし、独りよがりの気持ち良さではなく、他の楽器と合わせたときのアンサンブルを大切にしなければ音楽は成立しません。
そういう意味で、無骨なまでに融通の効かないチューナーを使って音程を確認することが、他の楽器とのアンサンブルでのピッチの合わせ方につながります。
練習中にメトロノームを使う理由も同じです。メトロノームを使った練習については、「象と散歩: 最高に可愛い機械式メトロノームでリズム感を鍛える」を参考にしてください。
チューナーとメトロノームを使ってスケール練習することが、ウォーキング・ベース上達への道のりと信じて練習しましょう(自分への戒め)。