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2022年4月23日

アップライト・ベースの運指トレーニング

Ibanez Upright Bass UB804

ウォーキング・ベースを弾きたいと、Ibanez の エレクトリック・アップライト・ベース UB804 を購入しました。

ウォーキングベースを始めるときに、買うべき2冊の教則本」で紹介した教則本で、

  1. 音楽基礎理論を学ぶ
  2. 読譜について学ぶ

までは、順調に進んでいましたが、アップライト・ベース(EUB)の弾き方に悪戦苦闘です。

アップライト・ベースの弾き方を学ぶ」で、アップライト・ベースでの 左手のフォーム と 右手の弾き方 について記載しましたが、左手のフォームと運指は、まだまだ練習が必要です。

Ray Brown's Bass Method のE〜E♭のスケール練習で、ローポジションでの運指練習をしていましたが、ハイポジションでの運指がわかりません。

この本で、ハイポジション(サムポジション)の記載があるのは、3弦(A弦)でのCメジャースケールなど数例しかありません。

C major scale
A弦(3弦)でのCメジャースケール

12フレット(A)の指番号Tが親指(Thumb)です。

そもそも4(小指)から始まるのも理解できませんが、ハーフポジションは不動のポジションなのでしょうか?

その程度の理解度ですが、学習意欲だけはあるので、ハイポジションが練習できる教材(練習方法)はないかと、Youtubeで検索。

ん? これは Ray Brown's Bass Method にある E〜E♭ までのメジャースケールと同じ?」

♩=120 と早いテンポで弾いていますが、間違いありません。しかも、ハイポジションでのスケール練習もあります。


アップライトの運指練習用の教則本

納 浩一presents バイブル・フォー・ジャズ・ベース

ということで、「納 浩一presents バイブル・フォー・ジャズ・ベース」をポチり。

第1章の「楽器の基礎練習」は、

  1. 初級編(ローポジション)
    • E〜E♭のメジャースケール(1オクターブ上下)
  2. 上級編(ハイ・ポジション
    • C〜Gのメジャースケール(2オクターブ上下)
  3. 応用編(3-7度跳び)
  4. リズムトレーニング(メトロノームを使った練習)

という構成で、上級編でサムポジションを使ったハイポジションのスケール練習があります。

サムポジションについて学べる「バイブル・フォー・ジャズ・ベース」は貴重な教則本です。しかも Ray Brown も勧めるスケール練習です。

第2章は「ウォーキングベース」についてですが、未読です、、、。


ローポジションでの運指練習

ウォーキングベースを学ぶなら譜面が読めるようになろう(♯と♭との戦い)」で疑問を呈したF♯とG♭問題ですが、「バイブル・フォー・ジャズ・ベース」では、G♭メジャースケールでの記載となっています。

ベースの指板上では同じですが、後述する「何の音を出しているかを声にする」ときに、

  • F♯→G♯→A♯→B→C♯→D♯→F→F♯
  • G♭→A♭→B♭→B→D♭→E♭→F→G♭

と唱えるかの違いがあります。


ローポジションの練習

先ずは、メトロノームを使わずに、Eメジャースケールから順番に、左手のポジションを確認しながら、1音づつ、しっかりと音を出し、弾いている音を声に出します。

下記の5つに注意して左手のフォームに意識を向けます。

  1. ネックを握る手の形はC字型
  2. 人差し指から半音先中指
  3. 中指から半音先小指
  4. 薬指は中指に添える
  5. 親指は中指の反対側でネックを支える

各指には番号が振られています。

指番号
指番号

ローポジションでは3フレットを、人差し指(1)、中指(2)、小指(4)で押弦しますが、

  • 2の指(中指)を使うときは、1の指(人差し指)と2の指(中指)で押弦
  • 4の指(小指)を使うときは、1の指、2の指、3の指、4の指で押弦

に注意してください。

慣れてきたら、「最高に可愛い機械式メトロノームでリズム感を鍛える - メトロノームでリズム練習」で紹介した方法で、メトロノームを♩=40に設定して、メトロノームの音をドラムのスネアが鳴る、2拍、4拍と捉えて練習します。このときの実テンポは♩=80 となります。

初めから早いテンポで練習すると、左手のフォームが崩れて、指がバタつきます。フォームとポジションを意識して、何の音を出しているかを声にして練習しましょう


ポジションチェンジ

アップライト・ベースの弾き方を学ぶ - ポジションチェンジ」で、人差し指からのポジションチェンジについて触れましたが、D♭メジャースケールでは 1,4,2,4 という、小指から中指に移動する新たなパターンが出現します。

D♭ major scale
D♭メジャースケール

D弦(2弦)で、1の指(人差し指)で、E♭(1フレット)の後に、F(3フレット)は、4の指(小指)ではなく、スライドして2の指(中指)で押弦、そして、G♭(4フレット)を4の指で押さえます。

次が、G弦(1弦)での 1,4,2,4 の運指となります。

A♭(1フレット)、B♭(3フレット)を1の指(人差し指)と4の指(小指)で押弦した後に、スライドしてC(5フレット)を2の指(中指)、 D♭(6フレット)を4の指(小指)で押さえます。

戻るときも同じで、4,2,4,1 です。

この 1,4,2,4 の運指は、Dメジャースケール、E♭メジャースケールでも出現します。


マイナースケールでも練習しよう

「バイブル・フォー・ジャズ・ベース」では、メジャースケールでの運指練習しかありませんが、メジャースケールができるようになったら、次にマイナースケールでも練習しましょう。

メジャースケールとマイナースケール」からの再掲となりますが、マイナースケールは、3度,6度,7度 が半音下がった ♪ドレミ♭ファソラ♭シ♭ド♪ という音の並び順です。

記号英語日本語
RRoot完全1度
M2Major 2nd長2度
♭3Minor 3rd短3度
P4Perfect 4th完全4度
P5Perfect 5th完全5度
♭6Minor 6th短6度
♭7Minor 7th短7度
OctOctarve完全8度

D♭のマイナースケールは、C♯mです。運指はこんな形になるのでしょうか。

C♯ major scale
C♯マイナー・スケール

ハイポジションでの運指練習

下記の動画が「バイブル・フォー・ジャズ・ベース」のCメジャースケールからGメジャースケールでのハイポジションのスケール練習です。

初心者を突き放すような動画ですが、ゆっくりと練習していきましょう。

スケール練習の前にサムポジションでの運指について学びましょう。下記の動画で3パターンの T,1,2,3 という指の使い方が学べます。

G弦(1弦)の3パターンを譜面にしてみました。

1)ハーフポジション

ローポジションなら1フレット、2フレット、3フレットですが、ハイポジションでは開放弦が12フレット(G)で、13フレット(A♭)、14フレット(A)、15フレット(B♭)です。

Thumb: Harf Position
Half Position
2)1st ポジション

ローポジションの2フレット、3フレット、4フレットです。ハイポジションでは開放弦が12フレット(G)で、14フレット(A)、15フレット(B♭)、16フレット(B)です。

Thumb: 1st Position
1st Position
2)2nd ポジション

2nd ポジションは、15フレット、16フレット、17フレットですが、開放弦と同じ12フレット(G)の次に、14フレット(A)、16フレット(B)、17フレット(C)と弾いています。Cメジャースケールのソ(G)、ラ(A)、シ(B)、ド(C)です。

Thumb: 2nd Position
2nd Position

上記3パターンをD弦(2弦)、A弦(3弦)、E弦(4弦)でも弾いてみましょう。


サムポジションでの音の出し方

親指の関節で押弦しますが、指が痛い、、、

またサム・ポジションでは、支えとなる親指が指板上にありますので、身体でベースを押さえ込まないと音が鳴りません。これはエレクトリック・アップライト・ベースでも同じです。

サムポジションに慣れてきたら「バイブル・フォー・ジャズ・ベース」のハイポジションでのスケール練習にトライです。

譜面は、CメジャースケールからGメジャースケールまで8パターンありますが、先ずは、C→D♭→D→E♭ までの4パターンで練習します。

いつか、ハイポジションを使うときのために、練習あるのみです。


リズムトレーニング

「バイブル・フォー・ジャズ・ベース」のリズムトレーニングでは、メトロノームが鳴るときを4拍の何れか(1拍目 or 2拍目 or 3拍目 or 4拍目)として捉える方法も載っています。

しかし、これだと実テンポが4倍速となり、メトロノームを♩=40で設定しても、実際のテンポは♩=160となります。

KORG の電子メトロノームMA-2のように♩=30で設定できるものであれば、上記の練習でも♩=120となります。

初心者は、メトロノームの音を2拍/4拍で捉える方法で♩=40(実テンポ♩=80)から始めればよいかと思います。

また、上級編で紹介されている、メトロノームを1拍半(3拍で2回)で捉えるのはかなり高度です。


アップライト・ベースの指南書

エレクトリック・アップライト・ベース(EUB)は、コントラバス(ダブルベース)は買えないけど、という人のニーズに応え、更にIbanez UB804は通常のエレキベースと同じスケール長にして楽器としてのハードルをかなり下げてくれています。

しかし、そもそも初心者がアップライト・ベースを弾きたいと思ったときに、学べる教則本が少なすぎます。

今回紹介した「バイブル・フォー・ジャズ・ベース」もスケール練習としては、最高の一冊かと思いますが、初心者がウォーキングベースを始めるにあたっては難解です。

ウォーキングベースを弾くための音楽理論の基礎については「ウォーキング・ベース超入門」を読み、次に「確実にジャズ・ベースが弾ける練習法」で深め、運指は「バイブル・フォー・ジャズ・ベース」のスケール練習というのが、いまのところの最適解です。

目標は、「1年後に、コード進行を見ながら、自分なりの Walking Bass Line を組み立てられる」でしたが、アップライト・ベースの弾き方に時間を要しています。

まだまだ、先は長い、、、

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