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Post Date:2012年6月17日 

5日間でフリック入力を覚える

スマートフォンに最適な日本語入力方法とは

ガラケー(Feature phone:フィーチャーフォン)の時代、携帯メールが非常に苦痛でした。あの、キーを順番に押して「あ」→「い」→「う」→「え」→「お」と入力していくマルチタップ入力が苦手だったからです。なので、ガラケー時代のメールの返信は「了解」が定番となっていました。

スマートフォン(iPhone)になってからは、日本語フルキーボード(QWERTY)が使えるようになりましたが、それでも片手での入力にストレスを感じずいはいられませんでした。

フリック入力の方が日本語入力には適しているのではないかと思いながらも、PCで長年使い続けてきたQWERTY配列のキーボードに固執してしまっていたのです。

フリック入力とは

フリック入力とは:

日本語入力方式としてのフリック入力は、テンキー風に配置された各行のあ段(あかさたなはまやらわ)の周囲に、十字型や扇形に他の4段(い段、う段、え段、お段)が(潜在的に)配置されており、あ段のキーを押しつつ目的の文字の方向に指をスライドさせる(弾く)ことで、文字を入力する。
は段であれば、下記のように配置されています。
フリック入力の「は段」

「ふ」を入力するのであれば、「は」から上に指をフリック(スライド)させます。

フリック入力で「ふ」を入力する

文章や画像では伝えづらいので、フリック入力を知らないという方は、下記の動画をご覧ください。iOSのバージョンが古くソフトウェアキーボードの配列は現在とは若干異なりますが、入力方法については同じです。


フリック入力をマスターしたい

前から気にはなっていたフリックでの入力ですが、契機となったのは、月曜日の朝、電車で隣に立っていた初老の男性でした。彼は、吊り革に掴まりながら、片手にiPhoneを持ってフリック入力ですらすらとメールを書いていたのです。丁度そのとき自分はQWERTY配列のキーボードでTwitterと格闘していました。

「怠惰」、「劣等感」そんな思いにかられて、フリック入力に関する文献を探してみました。見つけたのは奈良先端科学技術大学院大学の小町守氏とアップルの木田泰夫氏による『スマートフォンにおける現状と課題』という論文でしした。

スマートフォンの日本語入力で文字確定時に次の候補として表示されるのが、テキストマイニングの技術でも利用されるn-gram(共起)という技術が使われていること、スマートフォンでの曖昧入力などを読んで、日本の技術であるフリック入力をマスターしなければならないという気持ちに駆られたのです。

フリック入力を覚えるために3つのことを決めました。
  1. ゴールを設定する
  2. iPhoneでの日本語入力をフリックに制限する
  3. トレーニングアプリを購入する

目標をたてる

何事にもゴールの設定が必要です。また、あまり長い期間をかけると意志薄弱な自分は飽きてしまうので、下記の目標を掲げました。
  1. 片手操作で60文字/分(1秒1文字)
  2. 1週間以内にマスターする
  3. 練習場所はスキマ時間を使って電車内の20分×往復/日(40分以内/日)
移動中に文字入力をスムーズにするということが目的なので、iPhoneを片手に持って親指操作で1分間で60文字入力できれば十分です。

iPhoneの設定でフリック入力しかできなくする

フリックの練習開始に当たって、普段から日本語入力をフリックでしかできないようにしてみました。覚えてからでもよかったのですが、他の入力方法が選択できてしまうと、逃避行動に走ってしまいそうになるので、iPhoneのキーボード設定から日本語フルキーボードを削除し、日本語テンキーだけにしました。


更にフリック入力しかできなくするために、日本語テンキーをタップし、ソフトウェアキーボード配列で『フリックのみ』を選択します。

日本語テンキーで入力方法をフリックのみと設定する

これで日本語入力はフリックしか使えなくなります。環境を制限することも重要です。

フリック入力のトレーニングアプリを購入

ガイダンスが何もないと練習もやりずらいので、フリック練習用アプリを探してみました。ゲーム的な要素が強いものや、いきなりフリックで文字を入力させるようなものはトレーニングにはならないので、初歩的なことから系統立てて練習できるアプリということでFlick Masterを購入しました。

iOS App Flick MasterFlick Master
せっかくiPhone買ったのにローマ字入力だけじゃもったいない!



Flick Masterのトレーニングモードには、初級→中級→上級→ブラインド→超上級者専用「鬼レッスン」とあります(※自分はブラインドのLesseon5までしか完了していません)。例えば、初級トレーニングには下記の7レッスンがあります。1文字入力から覚えるようになっており、ガイドがでるのでどこに入力する文字があるのかが分かるようになっています。レッスンを進むとガイドが出なくなります。

初級トレーニングモード
  1. 基本の入力「ア段」を覚えよう
  2. 基本の入力「イ段」を覚えよう
  3. 基本の入力「ウ段」を覚えよう
  4. 基本の入力「エ段」を覚えよう
  5. 基本の入力「オ段」を覚えよう
  6. 基本の入力をマスターしよう(ガイドが時々消えます)
  7. 濁音や小文字などの入力を覚えよう
基本の入力「ア段」を覚えよう
基本の入力「ア段」を覚えよう
各レッスンともにGOLD、SYLVER、BRONZEのレベルが設定されており、クリアできなければ先に進めることができません。月曜日の帰宅時から開始して、金曜日の帰宅時にブラインドのLesson5まで進めることができました。

Flick Masterにはチャレンジモードがあり、タイムを競うことができますが、残念ながら文字入力速度(分速)は計測できないので、ゴールとして定めた60文字/分を計測するためにFlick Fanを使ってみました。フリック ファンは、単語や単文でフリック入力をして分速を求めてくれます。

5日間で60文字/分を達成

Flick Masterでのトレーニング終了後に、フリック ファンを使って自分のフリック入力速度を計測していました。そしてトレーニングを開始してから5日目の金曜日の帰宅時に、ついに分速60文字を達成することができました。

3級/うさぎなみ

フリック入力のコツ

スマートフォンにおける現状と課題』の曖昧入力についての記載にありましたが、濁音半濁音促音拗音の入力がフリックでは2回以上の操作が必要で面倒です。Flick Masterでも濁音や小文字入力の練習もありますが、実際の文字入力では濁音、半濁音、促音や拗音といった小文字については、省力して入力しても候補として補ってくれるということが分かりました。

下記が実際の入力で試した結果です。

フリック入力で科学をかかくと入力
『科学』を『かかく』として入力(濁音の割愛)
フリック入力でサポートをさほーとと入力
『サポート』を『さほーと』として入力(半濁音の割愛)
フリック入力で発達をはつたつと入力
『発達』を『はつたつ』として入力(小文字の割愛)
何れの場合に於いても変換候補として、本来入力しようとしている文字(科学、サポート、発達)が表示されます。この予測変換の法則はPCの日本語入力システム(IME)にはありませんので、スマートフォンにおける日本語文字入力の簡素化のために独自に考えられたものだと思います。そう考えるとiPhoneという舶来品に対して日本語環境を賢明に改善している開発者に愛おしさすら感じて気きます。

今日の一曲

Before & After Science、アルバムタイトルからしてシュールですが、特にB面に収録されている「By This River」は、単調なピアノフレーズが心地よく全身に染みわたってきます。歌詞もとてもシンプルなのですが、歌い出しの Here we are, Stuck by this river, You and I ♪ からして解釈に悩み、君とボクが共に川の前で立ちすくんでいるのか、川を挟んで二人の距離と存在を認識しあっているのか... など、勝手に想像しながら聴いています。 With impressions chosen from another time, time, time  ♪ 共有していない時間なのか、それとも今とは違った過去のことなのか、今宵も悩みながら聴き続けます。

Post Date:2012年5月3日 

Google日本語入力をWindows複数ユーザーで利用する

Google 日本語入力のインストール

仕事で使うWindows PC(Windows7)の日本語入力システム(IME)がMicrosoft社のMS-IMEだったので、普段使っているATOKと比べてあまりにも賢くないので、無料で利用できるGoogle 日本語入力をインストールしてみました。候補としては、中国の検索エンジンでBaidu(百度)のBaidu IMEもありましたが、日頃お世話になっているGoogle様を採用させていただきました。

管理者アカウント(administrator)でログインしてGoogle日本語入力をダウンロードしてインストール完了。普段使っているユーザに切り替えてログインすると、漢字バーにGoogle日本語入力が候補としてできません。

設定を色々と調べてみると、複数ユーザでWindowsを利用している場合には、インストールしたアカウント(ユーザー)以外のユーザーでは、日本語入力システム(IME)の設定が個別に必要となることがわかりましたので、備忘録としてアップしておきます。

※IMEとはInput Method Editorの略です。

インストールしたユーザー以外でGoogle日本語入力を設定する

1) Google日本語入力を使用するユーザーでログインする。

2) 言語バーのアイコンを右クリックして設定を選択する。


コントロールパネルから変更する場合は、2')2")となります。

2') コントロールパネルから『キーボードまたは入力方法の変更』を選択


2") 『キーボードの変更(C)...』をクリック


3) 『テキスト サービスと入力言語』が開きます。

4) 『全般』タグで『追加(D)...』をクリック。


5) Google 日本語入力をチェック

『入力言語の追加』で下までスクロールダウンすると『日本語』 → 『キーボード』に『Google 日本語入力』のチェックボックスがありますので、これをチェックしてOKボタンをクリックします。


これで設定は完了です。

Google日本語入力の選択


言語バーのアイコンを右クリックするとGoogle 日本語入力が選択できるようになります。




また『テキスト サービスと入力言語』の『全般』タグで『既定の言語(L)』でGoogle 日本語入力が日本語入力システムとして最初に利用できるように変更できます。




MS-IMEで登録した単語をGoogle日本語入力へ移行する


MSーIMEでの資産を有効活用するために、登録してある単語(辞書)をGoogle日本語入力へ移行しましょう。辞書の移行方法については、 下記に詳しい説明があるので参照してください。

MS-IMEで登録した単語をGoogle日本語入力に引き継ぐ方法 - IDEA*IDEA ~ 百式管理人のライフハックブログ

Google日本語入力を利用してみる


Google日本語入力の日本語変換は、MS-IMEと比べて格段に優れています。携帯電話の日本語入力から普及した推測変換も可能ですし、顔文字への変換、「つぃったー」「ぐーぐる」など日本語からの半角英字変換など気が利いています。ATOKユーザーとしては、ら抜き言葉のチェックや商標登録名詞のチェック、辞書機能などもあればと思いますが、これでMS-IMEの日本語変換の煩わしさと決別できます。

Google日本語入力については、下記の動画をご覧ください。


今日の一曲

マイクロソフトとビルゲイツが一世風靡したWindows95の起動時に流れるメロディはBrian Enoの作曲でした。Brian Enoといえば環境音楽で有名ですが、彼のポップなボーカルも最高です。「Another Green Worldは1曲めの「Sky Saw (2004 Digital Remaster) 」はPercy JonesのフレットレスベースとPhil Collinsのドラムが気持ちよいのですが、やはりI'll come runningは外せません。I'll come running to tie your shoe♪という歌詞とメロディは頭の中でリフレインし、その情景を何度も描き、どんな靴紐の結び方が合うかを想像しました。日本語的でないシュールな歌詞は、当時の自分にはとても不思議な感覚でした。

Post Date:2012年4月26日 

User Agentを変更してスマフォサイトを閲覧する

スマートフォン保有者の増加に伴い、スマートフォンに最適されたサイトも増加しています。先日発表されたディーツー コミュニケーションズの資料によれば2012年2月時点の調査でスマートフォンの普及率が23.6%になったとあります。
スマートフォン普及率は23.6%

調査対象者全体におけるスマートフォンの所有率は23.6%となり、2011年調査の7.6%から16.0ポイント上昇していた。所有パターン別に見ると、「スマートフォンのみ利用」が17.7%、「スマートフォンとフィーチャーフォンを併用」が5.9%、「フィーチャーフォンのみ利用」が73.0%となった。2011年調査と比較すると、「スマートフォンのみ利用」が4.0%から17.7%へと大幅に増加した点が大きな変化だといえる。

スマートフォン所有者の推移(利用歴数値から推計)

ユーザーエージェントとは

スマートフォン用のサイトがPCサイトと異なるURLで構築されている場合には、PCで確認することができますが、PCサイトと同じURLの場合には、PCから単純にスマートフォンサイトを閲覧することができません。

PCサイトと同じURLでデバイスによって表示形式を変えているサイトの場合、HTTPリクエストにあるUser Agent(ユーザーエージェント)でデバイスを判断して表示を変更していることが多いようです。ユーザーエージェントの中にスマートフォンと判断できる情報があります。ユーザーエージェントの説明はウィキペディアには下記のようにあります。
HTTPではリクエスト中に、各ユーザーエージェントの識別名をユーザーエージェント文字列として申告する。この文字列には「User-Agent: 」という接頭辞が付いて、HTTPリクエストの一部分を形成する。また一般にアプリケーション名、バージョン、ホストオペレーティングシステムや言語といった情報を含んでいる。

ユーザーエージェント ウィキペディアより
例えば、iPhone(iOS5.1)のSafariでサイトアクスした場合のUserAgent(ユーザーエージェント)は、下記のようになります。

Mozilla/5.0 (iPhone; CPU iPhone OS 5_1 like Mac OS X) AppleWebKit/534.46 (KHTML, like Gecko) Version/5.1 Mobile/9B179 Safari/7534.48.3

ユーザーエージェントを確認するには、UserAgentString.comにアクセスすると簡単に分かります。下記の赤枠部分がUser Agentの文字列になります。

Chromeでアクセスした例
このユーザーエージェントを偽装(変更)することで、PCからスマートフォンサイトを閲覧することができるようになります。但し、閲覧できないスマートフォンサイトもありますし、サイトの中のすべての機能が実行できるわけではありません。

IE9でスマートフォンサイトを閲覧する

Internet Explorer 9になってからアドオンなしで簡単にユーザーエージェントを変更できるようになりました。IE9でのユーザーエージェントの変更は開発ツールで行います。

IE9を起動して、ブラウザの右端にある設定アイコンをクリックするか、キーボードのF12を押下します。



ブラウザの下側に開発ツールが起動します。

ツール(T) → ユーザーエージェント文字列の変更

で、ユーザエージェントを変更することができます。初期値は、IEの各バージョン、Chrome、Firefox、Operaなどがありますが、スマートフォン系はありません。スマートフォンのユーザーエージェントに変更するためには、カスタム(U)... を選択します。



「ユーザーエージェント文字列」にiPhone(iOS5)のユーザエージェント文字列を入れます。


フレンド名に入力した文字列は次回以降に選択肢として追加されます。


設定するユーザーエージェントについては、実際のデバイスでUserAgentString.comにアクセスして確認するか、userAgent(ユーザーエージェント一覧)などで調べてください。

Chromeでスマートフォンサイトを閲覧する

Chromeも拡張機能なしで簡単にユーザーエージェントを変更できます。また初期値でiPhone, iPad, Androidなどが用意されているので、ユーザーエージェント文字列を調べなくても簡単に変更することができます。


Chromeでユーザーエージェントを変更するにはデベロッパー ツールで行います。Chromeを起動して、ブラウザの右端にある設定アイコンをクリックするか、キーボードでCtrl+Shift+Iを押下します。



ブラウザの下側にデベロッパーツールが起動したら右下のSETTINGアイコンをクリック。


Override User Agentにチェックを入れてリストボックスから変更するユーザーエージェントを選択。


デベロッパーツールを閉じてしまうとユーザーエージェントの変更は適用されないので、下図の部分をマウスで選択して下まで下げると邪魔にならなくなります。


下記は、iPhone -- iOS5にした場合のGoogleの表示です。


Googleはタブレット表示にも対応しているので、ユーザーエージェントをiPad -- iOS5にすると下記のような表示となります。

今日の一曲


Marcus MillerのM2の1曲目を飾るのがPowerです。フレットレスが奏でる音が好きなので、普段スラップベースの曲はあまり聴きませんが、そんな中でこの曲はお気に入りの一曲です。自分の携帯がWindowsPhoneからiPhone3GS, iPhone4Sと変遷していく中で、着信音は常にPowerのリフをリピートしたものを使っています。Marcus Millerもフレットレスベースで演奏しますが、彼のグルーブ感はやはりスラップでなければ味わえません。

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