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Post Date:2023年8月26日 

驚愕の価格!ダイソー100円万年筆の実力は?

PLATINUM Rivere PTR-200 と ペン先万年筆タイプ

ダイソーの文房具コーナーで、100円(税別)の万年筆を2種類見つけました。ひとつはカートリッジが交換できるタイプで、インクカートリッジも1本付属しています。もうひとつは使い捨ての万年筆タイプのペンです。現在、様々な商品の価格が高騰している中で、100円で万年筆を手に入れられることは驚きです。

以前から、パイロット カクノ(kakuno)も試してみたいと思うものの、手持ちの万年筆が何本かあるので、Kakunoを使い続けることはないという前提に立つと、興味本位だけで1,000円の万年筆を買うことを躊躇していました。しかし、ダイソーの万年筆は、その1/10の価格です。100円なら試してみるハードルがめちゃ低いです。


PLATINUM Rivere PTR-200(プラチナ リビエール)

PLATINUM Rivere PTR-200

名前からして、これはプラチナ万年筆のOEM品だと想像できますが、かつてプラチナ万年筆にはRivere(リビエール)という製品が存在しました。このダイソーの100円万年筆が、ブランド名まで引き継いでいます。

ペン先には、プラチナ万年筆のロゴがしっかりと刻まれています。

PLATINUM Rivere PTR-200はプラチナ万年筆のペン先

プラチナ万年筆には「preppy(プレピー)」という廉価版の万年筆が存在します。こちらのペン先は、中字は0.5、細字は0.3、極細字は0.2と刻まれています。preppy も400円(税別)という破格の価格ですが、プラチナ万年筆のペン先を持つ万年筆がダイソーだと100円です。

プレピーはコクヨとのコラボでも発売されていますが、デザイン的にはこちらの方がカワイイ。中字もあればいいのに、、、

ダイソーの100円万年筆には、字幅の具体的な記載はありませんが、ペン先に「M」とあるため、中字と思われます。ただし、中字にしてはやや細めの字幅です。その一方で、インクフローは非常に滑らかで、縦線、横線、斜線をしっかりと書け、インクが掠れてしまうようなことはありません。ただし、ペン軸はかなり細く、カートリッジを挿した状態でわずか10gという軽さなので、筆圧をかけずにペンの重さだけで書くという感じではありません。

替え用のカートリッジインクもダイソーで発売されているようですが、近くのダイソーには在庫がありませんでした。この万年筆のペン先はプラチナ万年筆なので、おそらくプラチナ万年筆のカートリッジインクも使用可能だと思いますが、「万年筆のインク補充術:手を汚さず、コスパよく」で紹介したインジェクターでインクを補充したのでインクカートリッジの互換性については確認できていません。

またネット上ではインク漏れが発生するとの指摘もありますが、数ヶ月使ってみましたが特に問題なく使えています。

ボディはプラスチック製でアイボリーという色は悪くないのですが、作りがかなりちゃちです。『100円万年筆ってどうなの?』と、興味がある方にはおススメできる商品ですが、品質やデザインを求めてはいけません。

もう少し太くて重たければ十二分に活用はできるのですが、、、


ペン先万年筆タイプ ブラック

こちらはカートリッジが交換できない使い捨てタイプのペンです。字幅は中字で0.5mmとなっています。Riviere PTR-200よりはやや太い文字となりますが、一般的な中字の万年筆よりは細い印象です。

DAISO万年筆 ペン先万年筆タイプ ブラック

1番の特徴は、しばらく使用していなくてもペン先のインクが乾いて固まってしまい、書けなくなる心配がありません。

キャップの先端にスプリングが組み込まれており、ペン先をしっかりと固定するメカニズムが採用されています。

スプリング機構を持つキャップ

ペンをキャップに挿すと、ペンポイントと確実に固定され、隙間がないのでインクの漏れを防止できます。

ペンを差し込むとスプリング縮んでしっかり固定

これにより、ペン先から出たインクが乾いて固まり、書けなくなるという「万年筆あるある」を低減できるようになっています。

中国製のペンで、ペン先にはどこのロゴもありませんが、安価なペンとしては悪くありません。

ペン先万年筆タイプ ブラックのペン先

「ペン先万年筆タイプ ブラック」は、黒のボールペンと同様に気軽に使える万年筆タイプの筆記具です。


初めての万年筆として100円万年筆を買うべきか?

万年筆をこれまでに試したことがなく、万年筆の書き方やメンテの手間暇、筆記時の文字の印象に興味を持っている方にとってはおススメできます。

なにしろ、PLATINUM Riviere PTR-200は、プラチナ万年筆のペン先で、やや細めの中字という絶妙な字幅で、インクフローも滑らかです。

ただし、カッコよくもないし、万年筆の筆記具としての書きやすさという点が欠如しています。『100円だからね』という価格を意識して使用することを前提とした万年筆です。

万年筆での筆記感を低コストで体験したいと考えるなら、「ペン先万年筆タイプ ブラック」の方が適しているかもしれません。水性ボールペンの万年筆タイプですが、万年筆の世界に足を踏み入れるきっかけとなり、新たな筆記体験への興味を刺激してくれます。

Post Date:2023年8月10日 

インク沼にはハマらない!コスパ重視のインクカスタマイズ術

PILOT ink Blue Black

LAMYのブルーブラックは、深みのある濃い藍色です。ブラックよりほんの少しだけ主張が控えめな、このブルーブラックの色が好きです。しかし、万年筆を使う機会が多くなったのでコスパの高いPILOT のブルーブラックにしました。

  • LAMY Blue Black 50ml ¥2,200 40円/ml
  • PILOT ink Blue Black 30ml ¥440 15円/ml

パイロット インキは、他の国内の万年筆メーカーと比べても滅茶コスパがよいインクです。しかしながら安価だからといって品質が悪いわけではありません。ちょっと不思議なのは、30mlの方が、70ml(16円/ml)よりも経済的という点です。

「でも、半分、青い

ブルーブラックとありますが、限りなくブルーに近い色です、、、。


万年筆のインクの種類

パイロットには、一般書記用インキ(30ml)と、耐水性・耐光性に優れたTSUWAIRO<強色>という顔料インキがありますが、万年筆用のインクには下記の3種類があります。

  1. 染料インク(Dye Ink):
    • 水溶性の染料が使われている
    • 紙の繊維に染み込むため滲みやすい場合がある
    • 耐光性や耐水性には劣る
  2. 顔料インク(Pigment Ink):
    • 発色が良く鮮やかで耐久性がある
    • 紙の表面にインクが付着して乾くために滲みにくい
    • 耐水性や耐光性に優れている
    • 万年筆にインクが詰まることがある
  3. 古典インク(iron gall ink):
    • 鉄イオンとタンニン酸を混合
    • 耐水性と耐光性に優れている
    • 書いた字が経年変化で黒くなる

ブルーブラックインクも元々は、青と黒の中間色というわけではなく、書いたときは青かったものが経年変化で黒くなることからブルーブラックと呼ばれたそうです。現在では、多くが扱いやすい染料インクとなっていますが、古典インクも根強い人気があります。


自分色のインクをつくる

「インク沼」とは、万年筆愛好家の間で使われる表現であり、万年筆のインクの探求や収集によって深みにはまることを指します。万年筆インクには、様々な色や種類があります。

魅惑的な世界ですがハマってしまうと抜け出せなくなりそうで怖いです。

など、見るだけでも楽しく、非常に魅力的です。

また、最近では、自分色のカスタムインクが作ることができるインクが、染料インク、顔料インクともに発売されています。

かなり楽しそう!でもコスト高です。至る所にインク沼へのトラップが、、、。


PILOT一般書記用インキは混ぜてはダメなのか?

プラチナ万年筆 万年筆ボトルインク 60cc ブルーブラックもコスパがインクですが、やはり、青系のブルーブラックです。

「ブルーブラックにブラックを少し混ぜるのではダメなの?」

パイロットのよくあるご質問に下記のように記載されています。

A: パイロットの万年筆用インキは、色によって成分が違うため色を混ぜることはお勧めしません。また、同じ色でも古いものと新しいものを混ぜて使用することはお控えください

【引用】インキを混ぜて使用しても良いですか? | よくあるご質問 | PILOT

混ぜない」「足さない」とあります。

しかし、コンバーターを使っているとボトルインクの量が少なくなってくるとペン先からインクを吸い上げられなくなるので足しちゃってます、、、。


PILOT一般書記用インキのブルーブラックとブラックを混ぜてみる(自己責任)

「混ぜるな!危険!」ではなく、「お勧めしません」という自制を促す表現です。また成分が違うとあっても同じ水溶性のインクなら大きな問題は発生しないだろうという勝手な自己判断のもと、メーカーでは推奨されていないインクの混合をしてみました。

インクの混合には、カートリッジインクへインクを注入するインジェクターが便利です。

POINT インジェクター

インジェクターなら計量もできるし、手も汚れません。また、カートリッジインクの中で少量を配合することもできます。


ブルーブラック 3:ブラック 1

パイロット 一般書記用インキ(30ml)のブルーブラックとブラックを3:1の比率で空瓶の中で混ぜます。

ブラックインキとブルーブラックインキを混ぜる

PLATIUM MIXABLE INKの空ボトル(20ml)を使いましたが、パイロットのインキボトルと違う方が区別がつき良いかと思います。

Blue Black 15m + Black 5ml

手順は簡単です。

  1. ブラック5mlをインジェクターで吸い上げて空インクボトルに移す
  2. インジェクターを洗浄
  3. ブルーブラック5mlをインジェクターで吸い上げて空インクボトルに移す x3回
  4. インジェクターで混合インクの吸引と排出を数回繰り返す(攪拌)
  5. インジェクターを洗浄

ブラックにブルーブラックを混ぜながら薄めていきます。これで完成です。

PILOT インキ ブルーブラック3:ブラック1

LAMYブルーブラック、PILOTブルーブラック、PILOTブラック、PILOTブレンドインクで書き比べたのが下記になります。

LAMY BlueBlack, PILOT BlueBlack, PILOT Black, PILOT 混色

LAMYブルーブラックよりも濃厚となりましたが「いい感じ」です。


効率のよい配合比率

無駄なくインクを使い切ることを考慮すると下記の配合になります。

BlueBlack:Black 配合量(合計) 黒色比率 備考
3:1 15ml:5ml(20ml) 25% BlueBlack:2回分
Black:6回分
4:1 12ml:3ml(15ml) 20% BlueBlack:2.5回分
Black:10回分
5:1 15ml:3ml(18ml) 17% BlueBlack:2回分
Black:10回分

もう少しブルーブラックが多い『ブルーブラック 4:ブラック 1』でもいいかもしれませんが、ブルーブラック、ブラック共に無駄なく使うことができるようにするためには、12ml:3ml(15ml)となりますが、。ブラックの保存期間、ブルーブラックを一瓶毎に使い切れることを鑑みると:1』が黄金比率ではないかと思います。

いまのところ「染料の分離」「インクの固化」「書いたときの滲み・擦れ」などの問題は発生していません。暫くは、パイロットインキのブルーブラックとブラックを混合したものを使ってみようと思います。

メーカーの推奨しないボトルインクの配合は自己責任です。

Post Date:2023年8月5日 

万年筆のインク補充術:手を汚さず、コスパよく

POINT インジェクターセット

万年筆のインクの補充方法には、主に以下の2種類があります。

  1. カートリッジ式:インクカートリッジを万年筆に差し込むだけでインクを補充できる簡単な方法です。古いカートリッジを取り外して新しいカートリッジに交換するだけで補充が可能ですが、コスパがよくありません。

  2. コンバーター式:コンバーターを万年筆に差し込み、インクボトルに浸してインクを吸い上げる方法です。コスパはよいですが、インク補充に手間がかかり、インクで手が汚れてしまったりします。

万年筆を使い始めた頃は、コンバーターという存在を知らずにずっとインクカートリッジを使っていました。しかし、ミリリットルあたりの価格は倍以上違います。

  • LAMYインクカートリッジの容量は、1.3ml × 5本 ¥660 約102円/ml(税込)
  • LAMYのボトルインクは、50ml ¥2,200 44円/ml(税込)

と、いうことでコンバーターを買ってインクボトルを使うようになりましたが、コンバーターには下記のデメリットがあります。

  • インク補充が手間
  • 気をつけていても手にインクが付く
  • ボトルインクが使いきれない

コスパのいいはずのボトルインクも、残量が少なくなるとペン先がインクに浸らなくなり、インクを吸い上げられなくなるので残ったインクを新しいボトルに継ぎ足していました。

しかし、コンバーターを使っているのだから仕方がないと割り切っていました。


注射器でカートリッジにインクを注入する

文房具店で万年筆コーナーを物色していたら「インジェクターセット」なるものを発見!

注射器(注入器)でカートリッジにインクを注入する道具です。

セット内容は下記の3つです。

  • 注入器
  • 針(管)
  • 空カートリッジ(欧州共通規格)× 3

欧州共通規格のインクカートリッジが使える万年筆であれば空ボトルにインクを注入できすが、LAMYのような独自規格であれば使用済みのカートリッジを使用します。使用済みカートリッジを使う場合は同じ色のインクでないと色が混ざってします。

しかし、インクカートリッジの再利用は経済的で環境にもやさしい方法です。

使い方は簡単です。

  1. 注入器の管をボトルインクに挿してインクを吸い上げる
  2. インクカートリッジにインクを注入
  3. 注入器をぬるま湯で洗う

インクの補充作業が、すっごく楽になって、手も汚れません

無印良品 アルミ丸軸万年筆も欧州統一規格のインクカートリッジなのでPILOT赤色を注入してみました。

インジェクターでPILOT REDをカートリッジに補充

カートリッジインクの互換性

ヨーロッパのメーカーの多くは、欧州共通規格です。そのため他社のインクカートリッジでも使えることができますが、欧州のブランドでもLAMYやWatermanは独自規格です。

  1. 欧州共通規格(European Standard):ヨーロッパ統一規格(EN規格)とも呼ばれています。ほとんどのヨーロッパのブランドがこの規格を使用していますが、一部のメーカは独自規格のカートリッジです。

  2. プロプライエタリ(独自規格):特定のメーカーのモデルのみ適合するカートリッジで、他のブランドの万年筆には使用できません。パイロット、プラチナ、セーラーといった日本のメーカーも独自規格です。

万年筆洗浄キット

同じ会社から万年筆洗浄キットも発売されています。

別なインクを使うときに万年筆のペン先のインクを洗い流してくれるキットです。

しかし、欧州統一規格のインクカートリッジの万年筆にしか使えないので、万年筆のインクカートリッジの規格を確認してください。


さよならコンバーター

LAMY、Faber-Castell、MD万年筆、Moleskine Pen とそれぞれコンバーターを購入しましたが、インジェクターの存在を早く知っていればと悔やまれます。

インクカートリッジが何回ぐらい再利用できるのかはわかりませんが、間違いなくコスパも良いはずです。ボトルインクも無駄なく使いきれます。

オンラインショッピングなどで「目的買い」が増えがちですが、文房具屋行けば、魅力的な商品に出会えることを再認識しました。「探索買い」という、新しい発見や好奇心を満たしてくれる買い物を忘れないために、定期的に文房具屋に行くように心掛けたいと思います。

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