@asahiのマッキーさん
朝日新聞がここのところネットで色々なことを試みています。6月には、ワールドカップサッカー南アフリカ大会予選の「日本対カタール」の実況中継を行い話題となっていましたが、マッキーのtweets(つぶやき)中継は衝撃的でした。ほとんど素人ではないかと思えるようなマッキーなる女性キャラクターの個人が主張されていました。大手新聞社とは思えない型破りで新鮮なアプローチです。
その後、「@asahi」はRSSを利用したニュース配信と変貌し、面白さはなくなってしまいました。
マッキーさんの復活を望みます。
毎日新聞でも同様に「@mainichijpedit」でtwitterを利用したニュース配信をしていますが、
こちらは、
『オバマ大統領も支持率低下はつらい?』
→ ニュースタイトルは、『オバマ大統領:「危機脱出」連日強調、支持率低下で焦りも』
『城内さんはそう言うけど、眞鍋さん困惑しちゃってますよ。』
→ ニュースタイトルは、『眞鍋かをりさん:「困惑しています」城内氏ポスターに写真』
と、tweets(つぶやき)ぽいです。
また毎日jpへのリンクには、bit.lyのサービスを利用しています。bit.lyとは長いURLを短くしてくれるサービスで、文字制限があるTwitterでURLを表記するのに適しています。
朝日新聞の「参考ピープル」とは
朝日新聞社、ユーザー参加型のケータイ向け情報サイト「参考ピープル」β版というニュースがありました。別なニュースソースでは、参考ピープルの収益モデルは、勝手サイトにおける広告モデルで、利用者100万人で2億の売上を目指していると記されています。
2009年7月31日
朝日新聞社は7月30日、携帯電話向けのユーザー参加型情報サイト「参考ピープル」のクローズドβ版を公開した。NTTドコモ、au、ソフトバンクモバイルの端末に対応し、利用料は無料で別途パケット通信料が必要。なお、完全版は9月1日にオープンする。
話題のニュースや暮らしに役立つ便利サイトのリンクなど、利用者が投稿した「参考になる情報」を蓄積し、ユーザー間で共有できる携帯電話向けのソーシャルネットワーキングサービス(SNS)。
基本的な機能としては、身近な話題や提示された投稿テーマに関する150文字程度の文章を携帯電話から投稿する「ミニブログ」と、気になるサイトをブックマークし、ほかの利用者と共有できる「ソーシャルブックマーク」の2つ。また、情報を分類したり検索したりする目印として、ユーザー自身が付加する「タグ」を利用できるのも特徴。
従来、携帯電話のソーシャルブックマークはURL登録の操作が煩雑なことが課題だったが、本サービスでは「キーワード検索」などのサイト検索結果に「参考クリップする」というテキストを表示。このテキストをクリックすれば、サイトのURLとタイトルが既に記入された状態でサイトをブックマークできる機能を用意するほか、サイトのURLを指定のアドレスにメール送信するだけで、ブックマークできる機能も備えた。
そのほか、会話文章を自動出力する「人工無脳」技術を利用し、サイト内のキャラクターが、利用者の属性や投稿内容に応じて個別に反応を返す機能も搭載。ユーザーが情報を投稿しやすいように工夫した。
「人工無脳」技術は芸者東京エンターテインメントが提供するほか、システム面は、手嶋屋が提供するSNSソフト「Open PNE(オープンピーネ)」を基板に開発した。
発表会では、洲巻圭介・朝日新聞社 デジタルメディア本部 プロデューサーと、田中泰生・芸者東京エンターテインメント 代表取締役 CEO/ファンタジスタ、手嶋屋 代表取締役の手嶋守氏によるトークディスカッションが行われた。
2社に協力を持ちかけた理由について洲巻氏は、「新聞を読まない35歳世代にも情報を届けたいと思い、朝日新聞とは真逆のイメージにしたかった。自社で開発するとイメージが固まりがちなので、今最も活躍している2社に代弁を頼んだ」と説明。
対して企画が持ち込まれた際の感想を聞かれた田中氏と手嶋氏は、「こういったサービスをメディアがやることは大切。『朝日がそんなことまでやるの!?』という面白さを追求したいと思った」(田中氏)、「SNSは運営や設計が難しい。我々に任せてくれると聞いて嬉しかった」(手嶋氏)とコメントした。
サービスの今後については、「ケータイは検索がしにくく、新しい発見をすることが難しいので、ケータイサイトに眠っている有効な情報を引っ張り出していきたい。3年後には利用者数100万人を目指す」(洲巻氏)、「いずれ朝日新聞のプロの記者が記事を書いて、ブックマーク的に吸い上げられたら面白いと思う」(田中氏)、「朝日さんは新聞とは真逆と言っているが、わたしとしてはいずれ紙媒体として発行して欲しい」(手嶋氏)と、それぞれの展望を語った。
なお、β版公開に伴い、「参考ピープル」内にてテスト利用者を1000名限定で募集する。
【引用:asahi.com】
先ずは1,000名限定のβ版といわれるとついつい登録してしまいます。31日22:00時点では、まだ登録可能でした。登録は「参考ピープル」から行えます。
「新聞を読まない35歳世代にも情報を届けたい」とありますが、35歳をターゲットとした結果が「桜子」というキャラクターなのでしょうか?
この「桜子」には芸者東京エンターテイメントの「人口無能」の技術が登用され、時事の話題やテーマを自然文で自動的に配信することで、参加者がそれに絡めた投稿をしやすくするとあります。
※「人口無能」とは、入力された文章に対して会話のような自然な返答を自動的に返すプログラム。
「参考ピープル」をざっとみたところ、ソーシャルブックマークとしての記事のクリップは、
1) 参考サーチ(キーワード検索)
2) 参考サクイン(ディレクトリ検索)
3) 参考ニュース
から興味のある記事を選択することにより、容易に行うことができました。
tsudaる
朝日新聞では「参考ピープル」の会見模様を「@asahicom」というアカウント名でTwitterで中継をしていたようです。この会見は、本家本元のジャーナリストの津田大介氏も「@tsuda」でtsudaっています。『tsudaる』とはTwitterの中では広く利用されている言葉ですが、もともと津田氏がカンファレンスをリアルタイムにTwitterで中継したことに始まります。ご本人的にはtsudaる的表現は不本意のようですが、tsudaるについては、津田大介氏が語る、Twitter報道論「tsudaる技術」を参照してください。
30代に新聞が読まれない危機感
津田氏は会見後の懇親会でマッキーさんにあったとtweetsしています。また「@asahicom」の中でも、「まっきーを期待していたみなさん、ごめんなさい。」とありました。それだけ新聞社がマッキーという個人を全面に出して情報発信をする形式にはインパクトがあったことがわかります。紙媒体以外でのメディアとしての情報配信方法、収益モデルを模索し、TwitterやSNSの活用への変遷は時代の流れではありますが、単純にTwitterやSNSといったプラットフォームを提供しても集客はできません。そこで展開するコンテンツやサービスが興味を惹くものでなければなりません。30代が新聞を読まないというのは、ネットが原因になっているだけではないと思います。(新聞の購読率については、以前「iPodで新聞」を読むの中で記載しているので参考にしてみてください。)ニュースサイトの既存記事の流用だけでは限界があります。
また集客できたとしても、そこに広告を掲載するだけで広告モデルが成り立つわけでもありません。広告出稿側の企業も枠買い的な広告宣伝プランから、より効率的な広告出稿をするために定量的に判断して取捨選択する時代になっています。読まれる(クリックされる)広告をどう展開するかも大切です。
しかし、「参考ピープル」が成功すれば、興味があるニュース記事や繋がりから個人の趣味趣向を把握することもできますし、GPS機能などと連動したニュースサービスがあれば、時間軸と位置情報もわかります(会社は丸の内にあって昼休みに参照とか)。これらの情報と広告と結びつけることができればビジネス的にも成功するのではないでしょうか。
本サービスが開始するまでどのように展開していくか暫く見てみようかと思います。
最近、twitterについて連続して記載していますが、ネットレイティングスが2009年5月27日に「米国発のマイクロブログサービス「Twitter」の利用者が日本でも順調に増加」というレポート掲載しています。これをみると、
Twitterの利用者数推移と2009年1月の利用者数を基準とした伸び率
日米英のTwitter利用者数、リーチ、平均訪問頻度、平均利用時間、男女構成比
日本でも今年になってから数ヶ月でTwitterの利用者数が2.6倍になっていることがわかります。しかしそれでも実数としては52万人ですし、男女比でも75:25と圧倒的に男性利用者が多いです。周りでも昨年からTwitterの素晴らしさを連呼するイノベーター連中もいましたが、今春ぐらいでやっとアーリーアダプター層に受け入れたという感じでしょうか。
まだTwitterに関しての書籍も少なく、津田氏には「tsudaる技術」という書籍を発刊してもらいたいです。解説書としてでているものではTwitterの本がお勧めです。(というか他にあまりありません。)
Twitterの本
著者: | 関根 元和, 上野 祥子, 秋田 真宏 |
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出版社: | インプレスジャパン |
発売日: | 2009/2/26 |
価格: | 2,310円 |
Twitterの初歩的な利用法からAPIの利用までが紹介されています。APIの利用法は一般ユーザーにはあまり参考にはならないと思いますが、Twitterがどんなものか知らない人が読むには手頃な一冊です。