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Post Date:2014年3月30日 

天体双眼鏡で夜空を眺めよう

Vixen REGARO Z7x50

製品についての情報をアップデータしました(2023.6)
また、2020年度版の天体双眼鏡についての記事もアップしています。
象と散歩: 双眼鏡を持って夜空を見上げよう!

「智恵子は東京には空がないといふ。ほんとの空がみたいといふ。」

あまりにも有名な高村光太郎の智恵子抄「あどけない話」の冒頭の一節です。智恵子は故郷の青空こそが本当の空だと言ったようですが、智恵子抄が出版された1941年当時であれば東京でも満天の星空を臨むことができたことでしょう。いまでは街の灯りに影を潜め随分と少なくなってしまいましたが、それでもベランダから空を見上げるとポツリ、ポツリと星を確認することができます。

少なからず男の子には、天体望遠鏡への憧れがあります。アイザック・ニュートンが発明した大きな口径の反射式天体望遠鏡の側面に立ち、星を観察する姿はまさに羨望のまなざしです。

しかし、実際に天体望遠鏡を使ってみると、憧れと現実は異なりました。友人から使わなくなったという天体望遠鏡(残念ながら屈折式)を借りてみたのですが、セッティングには時間がかかるし、星に照準を合わせるのも一苦労。

丁重に返却したときに「簡単に星を観察したいんだったら"天体双眼鏡"がいいよ。」「Vixen(ビクセン)の7x50ぐらいを探してみたら」とのアドバイス。天体双眼鏡?双眼鏡で星が見えるの?


天体双眼鏡

Vixenは日本屈指の光学機器メーカーで古くから天体望遠鏡や顕微鏡といった好奇心を醸成してくれる宝物を手掛けている会社です。他にも天体双眼鏡を販売しているメーカーもありますが、個人的にも小さな海の生き物にはまっていたときにビクセンのミクロボーイという実体顕微鏡にお世話になっていましたので、友人のいう通りに迷わずVixenの双眼鏡を調べてみました。

7×50というのは、倍率が7倍で口径が50mmということでした。これが一般的な天体双眼鏡のスペックのようです。暗い夜空を見るために集光力の高い50mmといった大きな口径の双眼鏡になります。なぜ天体観測用の双眼鏡で7x50が一般的であるかといえば、双眼鏡の性能を表す「ひとみ径」と関係しています。ひとみ径は、

ひとみ径=対物レンズ有効径÷倍率

で、求められます。つまり7x50の双眼鏡のひとみ径は、50mm÷7≒7.1mmとなります。この7mmというのが人間の瞳孔の最大径(暗闇での瞳孔径)とほぼ同じなので、暗い環境でも肉眼と同じ明るさが得られるとされているようです。

しかし、本当に倍率が7倍ぐらいで天体観測ができるのでしょうか?

7倍というのは70m先のものが1m手前に見える倍率です。流石に土星の輪っかも木星の模様も見ることはできませんが、月のクレーターはハッキリと確認できますし、東京の空にもこんなにもたくさんの星があったのかと驚きます。どのくらい星が見えるかといえば、オリオン座の三ツ星の下にあるオリオン座イオタ星を含む小三ツ星がはっきりと確認することができるくらいです。

オリオン座の三ツ星の下にあるイオタ星

さてビクセンの双眼鏡を調べてみると、アルティマ、アスコット、フォレスタの各シリーズに7x50の双眼鏡がありました。当初はフォレスタ ZR7x50WPにしようと考えていたのですが、Amazonで検索しているとREGARO(レガーロ)Z7x50(販売終了)というものを見つけました。このレガーロというシリーズは量販店用のモデルで低価格が売りでした。防水仕様ではありませんが、アウトドアが中心でなければ問題にはなりませんし、性能的には FORESTA(フォレスタ)ZR 7x50(生産中止)とほぼ同じで、とてもコスパの高い双眼鏡でした。

※購入時は¥ 9,950でしたが、現在は Ascot ZR 7×50WP よりも高値で販売されています


天体観測用双眼鏡の選択ポイント

天体観測の双眼鏡の選択のポイントとなるのは、明るさ、レンズ(プリズム)とコーティング、それに視界幅です。7x50の双眼鏡であれば計算上のひとみ径と明るさは同じです。

次にレンズ(プリズム)についてですが、一般的な屈折式の天体望遠鏡は上下がさかさまに見えてしまいます。これが星を探す上での違和感でもあるのですが、双眼鏡はポロプリズム(プリズム2個:左右で4個)で、上下が逆にならないように屈折させて像を正立させます。

Bak4というのは光学ガラスのコードナンバーで、屈折率の高いプリズムで明るくクリアに見ることができます。安価な双眼鏡の場合はBak4よりも屈折率の低いBK7が使用されています。

またコーティングは光の透過率を上げ視野を明るくするためのレンズ加工ですが、マルチコート<フリーマルチコート<PFMコートとランクされています。マゼンタコートは、単層コートです、

下記は、2023年6月現在で、購入可能な7×50の天体双眼鏡の比較表になります。

メーカー Vixen Nikon Kenko MIZAR
製品名 ASCOT ZR 7×50WP AEX 7X50 Artos 7×50 Mirage 7×50 BK-7050
倍率
対物レンズ有効径 50mm 50mm 50mm 50mm 50mm
プリズム材質 BaK4 ポロプリズム BaK4 ポロプリズム BaK4
コーティング マルチコート マルチコート マルチコート マゼンタコート マゼンタコート
実視界 6.4° 6.4° 6.5° 6.8° 5.7°
見掛視界 44.8° 44.8° 43.4° - -
1000m先視野 112m 112m 113.6m 118.8m -
ひとみ径 7.1mm 7.1mm 7.1mm 7.1mm 7.1mm
明るさ 50.4 50.4 50.4 50.4 51
アイレリーフ 17.0mm 17.1mm 18.1mm 20.0mm 20.0mm
至近距離 9.0m 7.0m 10m - -
サイズ(HxWxD) 170×188
×63mm
179×196
×68mm
165×185
×77mm
167×198
×65mm
180×185
×75mm
重さ 1015g 1,000g 880g 790g 840g
防水 防水 防水 防水 なし なし

実視界/見掛視界
双眼鏡を動かさずに見ることができる範囲で広い方が迫力があり見やすい。

1000m先視野
1000m先の視野。2×1000m×tan(実視界÷2)で求まるため実視界によって決まる。

ひとみ径
双眼鏡の明るさを表す目安で、対物レンズ有効径÷倍率で求まります。人間の瞳孔よりも双眼鏡のひとみ径が小さい場合、光が十分に集められないため暗く感じます。直径が大きいほど視界が明るく見えます。

アイレリーフ
双眼鏡を覗くときのレンズから最大位置で15mm以上あれば眼鏡を着用して利用可能

明るさ
アイレリーフの二乗値 (対物レンズ有効径÷倍率)で値が大きいほど明るく見えます。倍率が同じであれば口径が大きいほど明るく見える。

Nikon AEX 7X50 には、BaK4との記載はありません。また、Kenko Mirage 7×50 は、上位機種のBK-7050にはBaK4と記載があるのでBK7が使われているのではないかと思います。


いまどきの星座早見表

天体観測をする上で欠かせないのがコンパスと星座早見表ですが、いまどきはスマホやタブレットのアプリを使った方が賢明です。

星座表iconおススメのアプリは星座表(iPhone版)星座表(iPad版)です。iOS以外でもWindowsアプリ版Android版があり様々なデバイスに対応しています。外出先で天体観測をするのであればスマホ方が便利ですが、タブレット版の方が画面も大きく使い勝手がいいです。無料版でも星の名前や星座を調べる分には十分ですし、GPSとARにも対応しているので夜空の星と重ねながら観測できます。先ずは肉眼でハッキリと見える星を探してから相対的に探していくとわかりやすいかと思います。天体観測には必需品なアプリです。

iPhone版のダウンロード

iPad版のダウンロード

アプリよりもやっぱり本だよねというのであれば、『双眼鏡で星空ウォッチング 第3版』、『星を楽しむ 双眼鏡で星空観察』がおススメです。双眼鏡での天体観測について丁寧に解説されており、季節ごとに双眼鏡で見られる特徴的な天体や星座が図解されています。


REGARO(リガーロ)Z7×50の使用感

REGARO(リガーロ)Z7x50を購入してから1年以上経ちますが、自宅のベランダからiPadを持ちながら季節ごとの星の移り変わりを楽しんでいます。双眼鏡なので準備も手間も必要ありません。ケースから出してキャップを外すだけです。月のクレーターが観察できるだけでも喜んでしまっています。クレーターの観察方法については下述の日経の記事にもありますが、満月では明るすぎて凹凸がハッキリしないので、月が欠けた半月程度のときに観察してみましょう。妙にゴツゴツと立体感があってとてもリアルです。

難点は、やはり重量と手ブレでしょうか。825g の双眼鏡を上に向けて持っていると、次第に手がプルプルしてきます。また7倍でも手ブレが結構気になるので、月のクレーターをじっくり観察するために専用の三脚ホルダーサンワサプライ マルチスタンド(一脚)を購入しました。一脚を選んだ理由は手軽さからです。固定はできませんが手ブレはかなり軽減されます。

とても気に入っている商品ですが、やはり難点は重量です。男性でも重く感じるので女性や子供にとっては重過ぎです。この重さの原因は口径が50mmといった大きな双眼鏡だからです。そしてなぜ7x50の双眼鏡を選んだかといえば、ひとみ径の7.1mmからです。

ひとみ径については、幾つかの記事を読んでいたのですが、SKY&TELESCOPEという雑誌の記事に面白い記載がありました。これによると瞳孔(Pupil)の大きさ個人差があり、9mmの人もいれば、4mmしか開かない人もいる。しかも加齢によって小さくなると。

For one thing, your eye's pupil shrinks in bright light and expands in the dark. Just how big it can get under a starry sky is the subject of much misunderstanding. The ancient dogma on this topic, printed in countless books, says "The human pupil dilates to a maximum diameter of 7 millimeters." Therefore 7 mm is supposed to be the ideal maximum size for the exit pupil of binoculars or a telescope.

This is the reasoning behind the popular 7x50 "night glass" binocular. Divide its 50-mm aperture by its 7-power magnification and you get an exit pupil 7.1 mm across, just about right.

But it ain't necessarily so. Everybody is different.

Some of us have night-owl pupils that enlarge to nearly 9 mm in the dark; others don't make it to 4 mm. After young adulthood there's a gradual downward trend with age — slowly at first, then more rapidly from about age 30 to 60, then slowly again in your later years. But even among people the same age there's a good 3 mm of scatter, so that some 70-year-olds outdo some teenagers.

しかも考えてみれば真っ暗闇の中で天体観測をしているわけではないので、もう少し口径の小さな双眼鏡でも十分に天体観測ができるのではないかとも思えます。また昨年秋に日経の記事にあった「月のクレーター、双眼鏡でも鮮明、秋の天体観測入門」では、6倍の双眼鏡でも鮮明に月のクレーターが観察できるとあります。Vixen(ビクセン)でいえば、6×30の「アトレックライトII BR6×30WP」が該当します。


Vixen アトレックII BR6x30WP

倍率6倍、対物レンズ有効径32mm、ひとみ径は5mmで、明るさ25、重量は500gです。7×50と比べると倍率も口径も小さいですが、家族で楽しむ天体観測用の双眼鏡として考えるのであれば、手ブレも少なくなりますし、軽量モデルの選択はありかと思います。


7×50の天体双眼鏡

2023.6現在、7x50の天体双眼鏡で入手可能なモデルは、下記となります。

Post Date:2014年1月10日 

ハタゴイソギンチャクの飼育にはプロテインスキマーが必要?

今回はハタゴイソギンチャクの飼育ポイントの4番目にあげた水質についてです。

  1. 元気な生体の入手
  2. 光合成に必要な照明
  3. 水流
  4. 水質の維持

小型水槽環境下でのカクレクマノミとイソギンチャクの共生飼育で使用するプロテインスキマーについてですが、初めになぜイソギンチャクを飼育する上で水質に気を付けなればならないかを考えてみます。

稼働中のマメスキマー3(ブクブク音は効果音です…)

イソギンチャクにとって必要な水質

ハタゴイソギンチャクは水温や水質の変化にも強いイソギンチャクなので水質にあまり神経質になる必要はありませんが、カクレクマノミと比べれば注意が必要です。

共生飼育の環境でカクレクマノミは元気でもハタゴイソギンチャクだけが弱ってしまうことがあります。光量が十分であればイソギンチャクが弱る原因は水質の可能性が高いです。

ハタゴイソギンチャクが縮んでしまった場合などには思い切って水槽の海水を2/3以上入れ替えてみましょう。急激な水質変化も生体に影響がありますが、水質改善には大量の水替えの方が効果的です。

しかし、なぜカクレクマノミが元気な環境でもハタゴイソギンチャクだけが弱ってしまうのでしょうか。「カクレクマノミの飼育は簡単?」では生物ろ過のサイクルを以下のように記載しました。

カクレクマノミとハタゴイソギンチャクを飼育している水槽は、餌の食べ残しやカクレクマノミの糞で水槽内には有害なアンモニア(NH3/NH4+)が発生します。アンモニア(NH3/NH4+)を亜硝酸(NO2)に変化させるバクテリアと亜硝酸(NO2)を硝酸塩(NO3)に変化させる2種類のバクテリアによって水槽内の水は濾過されます。

【引用】「カクレクマノミの飼育は簡単?」

水槽の中では生物ろ過によってできた硝酸塩は還元(分解)されずに蓄積されます。硝酸塩は魚には比較的害がありませんが、サンゴやイソギンチャクには影響があるといわれています。

理由はサンゴやイソギンチャクと共生している褐虫藻にありそうです。褐虫藻は光合成をする植物プランクトンです。そして植物に必要な三大栄養素は「窒素」「リン」「カリウム」で、硝酸塩(NO3)には窒素が含まれています。

また水槽内では食べ残しや糞からリンも発生します。褐虫藻にとっては栄養過多の状態の水質は生息しづらい環境なのでしょうか。ウィキペディアには以下のように記載されています。

硝酸塩はアンモニアや亜硝酸塩よりは毒性が低いものの、濃度が30ppmに達すると生長の阻害や免疫系の阻害を起こすことがあり、水棲生物に悪影響を及ぼす。(中略)高濃度の硝酸塩は藻類の増殖をも引き起こす。カリウムやリン酸塩、硝酸塩などの栄養素が増加すると富栄養化の原因となる。これは低酸素状態の原因ともなり、生態系においてある種の生物がほかのものより圧倒的に増殖する現象の引き金となる

【引用】ウィキペディア 硝酸塩

富栄養化した水槽では苔が多く生え、酸素不足の原因にもなります。汲んできた海水を測定するとNO3検出されることはありません。しかし水槽のNO3の値は20-40ppmの間くらいでした。「あれ、意外と高い?」

no3

硝酸塩とリン酸塩を減少させる

水質に神経質になる必要がないと書きましたが、その理由は数値を気にしだすと「生体を元気に維持する」という本来の目的から、手段である数値を下げることに主眼をおいてしまいがちになるからです。

また水質のチェック項目としては pH,KH,NO3などがあり色々と気になってしまいます。先ずは、NO3(硝酸塩)の濃度に気をつければカクレクマノミとイソギンチャクの長期共生飼育ができるのではないかと思います。

硝酸塩を抑えるためには幾つかの方法がありますので下記について順番に説明します。

  • 物理的に除去する
  • 生物的に除去する
  • 発生を抑える

ただ硝酸塩の除去(脱窒)については水族館でも大きな課題で、今までは一定量の新しい海水を注入する方法がとられてきました。

ここ数年で嫌気性バクテリアを活用して飼育水中の硝酸を窒素ガスとして除去する脱窒システムがやっと開発され、都心にある水族館で水替えの量を減らすために導入が始まったばかりです。

しながわ水族館では大洋建設が開発した脱窒装置を、すみだ水族館では、大成建設と長岡技術大学による産学協同による脱窒装置が使われているようですが、プロの世界ですら水槽環境下での脱窒は難しいということです。


リアクティブな対処

発生したものを除去するというのが対処方です。自然の環境では還元サイクルによって硝酸塩は窒素と酸素に分解されますが、水槽の中でこの還元サイクルを維持するのは難しいようです。そこで一時的にも発生した硝酸塩を下げる方法が「物理的に除去する」「生物的に除去する」という方法です。


物理的に除去する

一番簡単で確実な方法は水替えによる蓄積された硝酸塩の物理的な除去です。これが最も確実で効果的な方法です。ハタゴイソギンチャクの飼育を始めてからは2週間に1回、1/3から半分ぐらいの水替えをしています。春と秋はエギングに出かけたついでにポリタンクに海水を汲んできていますが、人工海水を作ろうと思うと結構面倒です。


生物的に除去する

嫌気性バクテリアの定着は難しいとありますが、ひとつは有機炭素源であるエタノールや酢酸を添加することによって還元バクテリアを急激に増殖させることによって水の栄養分(硝酸塩とリン酸塩)を消費させる方法です。

AQUA GEEK AZ:NO3Red See NO3:PO4-X などが有名ですが、還元バクテリアの活性化によって水の栄養分だけではなく、酸素も消費されるのでエアレーションのためにプロテインスキマーが必要とあります。

AZ-NO3clip_image006

もうひとつは、嫌気性バクテリアそのものを添加する方法で  コトブキ ドクターバイオ60 などを使います。

コトブキ ドクターバイオリキッド

しかし、嫌気性バクテリアはそもそも酸素がないところでしか繁殖できないので嫌気性と称されているのですが、酸素が溶け込んでいる水槽の中で定着するのでしょうか?

ドクターバイオの説明は下記のようにあります。

硝酸を窒素ガスに変える働きをするバクテリアは従来、酸素が溶け込んだ環境下では繁殖できませんしたが、本製品では酸素が溶け込んだ環境下でも繁殖を可能にしています。(国内特許取得!)

本当に有酸素の環境下で還元バクテリアを定着させることができるのであれば活気的です。効果が3ヶ月とありますが、実売価格が1,000円を切っていますので手軽に試せそうです。


硝化-還元ろ過装置

最近、気になっているのがバイオラボット株式会社から発売されているトットパーフェクトフィルターです。

「フィルターの形状と効率の良い嫌気性バクテリアの餌を開発したことにより、硝化と還元を同一ろ過槽内で実現した世界初のフィルターです」とあります。

小型水槽用のトット パーフェクトフィルター ミニミニ(SS型)では、写真の右から順番に粗目スポンジ(A筒用) → 弱アルカリ性・多孔質セラミックろ材(B筒用)→弱アルカリ性・多孔質セラミックろ材(C筒用)→弱アルカリ性・多孔質セラミックろ材(C筒用)→嫌気性バクテリアのろ材&餌(D筒用)となっていて、ろ材は使い捨てタイプのカートリッジ式です。

トット パーフェクトフィルター ミニミニ

この「ろ過装置」のポイントは嫌気性バクテリアに硝酸塩を分解させるために酸素の含まれない水を連続して送り込むことができる濾過槽で餌となる嫌気バクテリア要素を含んでいむ、写真左のD筒用のトットバクトフードです。以下のように説明があります。

嫌気性バクテリア用の濾材であると同時にその餌となります。本ろ過器の最終段階で使用し、本商品の最大の特長を実現するための要となるものです。この濾材は嫌気性バクテリアによって消費され徐々に目減りします。

価格も小型水槽用(S型 or SS型)であれば7,600円(税別)と手が出ない金額ではありませんし、使い捨てタイプのカートリッジのメンテナンスコストもSS型で年間¥14,000 程度です。

一見高く思えますが、エアーコンパクトのフィルター交換代と比べても大差ありません。またカートリッジ内のスポンジやろ材が洗浄できればもう少し交換時期を延ばすこともできそうです。

交換目安
単価
A筒 4-5ヶ月(2.5回/年)
¥840
840x2.5=2,100
B筒 4-5ヶ月(2.5回/年)
¥735
735x2.5=1,838
C筒 6-7ヶ月(2回/年)
¥735
735x2.5=1,838
C筒 6-7ヶ月(2回/年)
¥735
735x2.5=1,838
D筒 7-10ヶ月(1.2/年)
¥1,995
1,995x1.2=2,394
Total
13,946

Source: ろ材カートリッジの交換目安(http://www.totto.co.jp/rozai_koukan.html)

※実はこのブログを書いている途中でトット パーフェクト フィルター ミニミニ(SS型)を購入してしまいました。使用感や効果などについてはまた別途記載します。


プロアクティブな対応

糞や食べ残しのタンパク質が分解されてアンモニアとなりますので、これらが腐敗し分解されてアンモニアが発生する前にプロテインスキマーで除去する方法です。葛西臨海公園の水族館にも大きなプロテインスキマーがありました。

葛西臨海公園水族館のプロテインスキマー

プロテインスキマー

プロテインスキマーは、名前の通りプロテイン(タンパク質)をすくい取る機器です。仕組みは至ってシンプルで微小な泡を発生させて、泡の表面に有機物などを付着させて除去します。

海水は粘着力があるので攪拌されると泡立ちます。波打際の岩場で泡立っているのと同じ原理です。この泡が汚れを付着させるのです。また汚れを吸着させる泡を発生させろことでエアレーションの役割も果たしています。

プロテインスキマーの泡の生成方法にはエアリフト式とベンチュリー式の2種類があります。

エアリフト式はエアポンプから送られてきた空気をウッドストーン(木片)に通して細かい気泡を生成する方法です。原理は簡単なのですが、ウッドストーンは定期的な交換が必要になります。

またベンチュリー式はポンプ内のインペラーで空気をかき混ぜて細かな泡を発生させる方式です。エアリフト式に比べて高パワーで安定しているとあります。


マメデザイン マメスキマー3


30cm程度の小型水槽に取り付け可能なプロテインスキマーで、且つインテリア・アクアリウムとしての見た目を重視するとマメデザインのマメスキマー3ぐらいしか選択肢がありません。

他の検討候補としては、エアリフト式では「プロテインぷちスキマー」、ベンチュリー式では「プリズムスキマーデラックス」を考えましたが、デザイン性を重視してマメスキマー3にしました。

マメスキマー3を購入する決め手となった惹句は以下の3点です。

  • 小型でシンプル、高品質なガラスを使用
  • 水槽の景観を損なわない機能美を重視した設計
  • 除去した汚水を乾燥させずに外部タンクに送出することで汚れのこびり付きを防御
マメデザイン マメスキマー3

しかし、マメスキマー3 を購入するにあたっての不安(不満)要素もありました。

  • エアポンプが別購入だし、価格がちょっと高い
  • 本当に汚れが取れるの?
  • 静音なの?

価格については価値観によると思いますので、どこで納得するかです。汚れがきちんと取れるかについては、ちゃんと使っていると結構いい感じで汚水が取れます。

設置して直ぐはエア量の調整がよくわからずオーバースキミングとなり、きれいな海水がタンクに溜まってしまいました。

オーバースキミングにならないコツは管の細くなる部分までで気泡がとまるようにしておくことです。

最初から気泡が上部まで達していないと不安になりますが、汚れた気泡は次第に上まであがるようになります。説明書にも下記のように説明があります。

水質にもよりますが、半日ほどで汚れて割れにくくなった泡がサブタンクへ排出されます。飼育水が汚れている場合、1日で約1cmほどの汚水がサブタンクに溜まります。

また気泡が安定しない場合は、本体の排出口からサブタンクへのホースのたるみを確認してください。たるみがあるとその部分に水が溜まり、本体の泡が大きく上下してしまいます。

こちらも説明書に注意事項として説明されていました。やっぱり説明書はよく読まなければなりませんね。その後は安定して稼働しています。

マメデザイン マメスキマー3

次に音についてです。Youtubeにアップした動画の音はイメージですが、プロテインスキマーってボコボコとうるさいのではないかというイメージがありましたが、実際にはマメスキマー自体の音はほとんどしません。

しかし、エアポンプの音は気になるレベルです。マメスキマー3とエアポンプがセットになっていた商品を購入したのですが、付属のアデックス X101エアーポンプは、エーハイム アクアコンパクト2004に比べるとかなり音が大きいです。

推奨されているアデックスX101と同程度の性能がある水心SSPP 3Sはamazonでの評価も高いですが、どうなのでしょうか?

x101 SSPP_3S

音以外での使用後の不満点としては、

  • 本体と汚水が流れる中部は結構汚れが目立つ
  • 洗浄しづらい形状
  • 汚水排出分の海水の補給

という点です。汚れについては乾燥式のプロテインスキマーと比べれば少ないのでしょうが1週間に1度洗浄しています。

マメデザイン マメスキマー3

しかし、マメスキマー本体もタンクも細長く洗いづらい形状です。仕方がないのでマメシリーズ専用の大・中・小・極小の4本セットのクリーニングブラシを購入しました。ブラシを使うとスキマー本体の排出口など洗いづらいところの汚れも簡単にきれいにすることができます。

マメシリーズ用クリーニングブラシ

あとは、定期的に海水の補給が必要になることでしょうか。これもプロテインスキマーを使うのであれば仕方がないことなのかもしれませんが、1週間でコップ1杯程の補給が必要となります。

つまりメンテナンスは週に1度、洗浄と海水の補給ということになります。マメウッドストーンは1~2ヶ月で交換とありますが、泡が弱くなったら交換です。

マメウッドストーン

最近の水槽事情

これが一旦完成したカクレクマノミとイソギンチャクの共生飼育をしている水槽レイアウトです。イソギンチャクの光合成用LEDライト以外は右側に並べています。

奥からGEX ICオートヒーター DS65GEX フラットビーム オーロラ(ほとんど点灯してません)、エーハイム アクアコンパクト2004イーロカ PF-201マメデザイン マメスキマー3エヴァリス きっちり計れる水温計となっています。

my_aquatank
Post Date:2013年12月30日 

Word2013でブログを書く

やっとBloggerユーザーもWord2013でブログを投稿できるようになりました。Word2007からブログ投稿ができるようになっていたのですが、Word2013では、Bloggerのアカウントを選択すると「アカウントを登録することができません。」と悲しくも拒絶されていたのです。

word2013 Bloggerアカウント登録(失敗)
もちろんWindowsマシンであればMicrosoftが提供する Windows Essentials に含まれている優れたブログライターである Windows Live Writer を利用することできるので、敢えてWordでブログを投稿する必要はないのですが、Surface/Surface 2 に搭載されている Windows RTではWindows Live Writerが利用できません。またWindowsストアにブログ・ライティング・ソフトはないので、Surface使いにはWordでブログの投稿できないというのは致命的?でした。

Word2013でBloggeの投稿が可能に

12月に修正プログラムがリリースされてやっとWord2013からBloggerに投稿できるようになりました。

Description of the Word 2013 update 2850060: December 10, 2013

  Issue that this update fixes (このアップデートで修正される問題)
  • You cannot register your Blogger account in Word 2013.
  • (Word2013でBloggerアカウントを登録できない)

さっそく試してみると、通常のWord2013でも Office RT のWord2013 でも Blogger アカウントの登録ができました。
  word2013 Bloggerアカウント登録(成功)

Wordでブログに投稿する

Word2013でブログに投稿するの簡単です。Wordを起動して「ブログの投稿」を選択します。

  word2013_1
後は前述のアカウント登録をすれば準備完了です。Wordと同じように文章を作成できるので難しいことがわからなくてもブログに投稿することができます。WordPress.com にも対応しています。

Wordでブログのメリット

  • ワープロ感覚でブログを作成
  • 図形、クリップアートなどの利用が可能
  • 表、グラフも簡単に作成
基本的な操作はワードと同じなので気軽にブログを作成することができます。表の作成、図の作成、グラフの作成なども容易です。例えば下記のようなブログを簡単に作成することができます。

  Word for blogger

Wordでブログのデメリット

  • プレビューができない
  • ビデオ、地図などが挿入できない
  • htmlが直接編集できない
  • 余分なHTMLタグ <span xlmns=’’’’></span>
プレビュー機能がないのでブログ上でどのように表示されるのかを確認するためにはブログに下書き保存をして確認するしかありません。またWordではYoutubeの動画を差し込むことができるのですが、ブログテンプレートからは動画の挿入ができません。あと地図の挿入もできません。何よりもhtmlを直接編集できません。またフォントを指定していなくても余分なhtmlタグが挿入されてしまいます。

Wordでブログ投稿をするコツ

前述したようにWindowsマシンであれば、Windows Live Writerを利用した方が無難です。しかし普段はSurface2を持ち歩いているのでブログの下書きとしてwordを利用しています。ブログに直接投稿する以外にも下書きとして保存できるので修正が必要であれば、ブラウザや別な環境で修正を行うことができます。 下書きとしてだけではなく、図形やグラフを挿入するような場合にもwordで作成すると便利です。


残念なことに...

2014年1月の初旬にはまた Word 2013 から Blogger にアクセスできなくなりました。僅か1ヵ月足らずの命とは...。マイクロソフトのコミュニティには、「ログインのシーケンスが Googleによって変更されたのでは?」とありますが、そもそも Windows Live Writer では Blogger に接続して使えるのですからそんなに難しい問題ではないのではと思ってしまいます。

早いバグフィックスを望みます。

そして再び...

2014年4月8日のWord2013のアップデートに下記の更新内容が含まれていました。
Word 2013 で、Blogger のブログのアカウントを登録しようとすると、次のエラー メッセージが表示されます。

アカウントを登録することはできません。

お帰りなさい。(2014年4月30日 追記)

象と散歩:人気の投稿(過去7日間)