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Post Date:2025年5月11日 

ウルトラセブンとリズムボックス、そしてYMO

ウルトラセブン 第37話「盗まれたウルトラアイ」に登場したリズムボックス

不朽の名作『ウルトラセブン』のあるエピソードで使われていた音楽機材が、テクノ音楽の礎を築いたYMOへと繋がる、ちょっとマニアックなお話しです。

『ウルトラセブン』第37話「盗まれたウルトラアイ」というエピソードで、マゼラン星への怪電波の発信源となっていたのが、なんと、バンドが生演奏する中、若者たちが踊るステージに置かれていた「リズムボックス」だったんです。

ウルトラセブン 第37話「盗まれたウルトラアイ」に登場したリズムボックス

1968年、放送当時にゴーゴークラブのような場所でドラムの代わりにリズムボックスが使われていたのかは想像の域を出ませんが、若者が熱狂するツイストのようなダンスミュージックに使われる、シンプルでアップテンポなリズムは、当時の大人たちには「単調なリズム」と映ったかもしれません。

一方で、リズムボックスの電子音で奏でられる規則正しいリズムは、近未来的な響きとして捉えられた可能性もあります。実際にテクノミュージックは70年代に開花します。

そして、繰り返される単調なリズムが、同じメッセージを何度も送るモールス信号のように聞こえたのではないか、ということです。実際、マゼラン星人のマヤは、故郷に「迎えはまだか」という短い通信を繰り返し送っていました。

さらに興味深いのは、地球防衛軍極東基地でリズムボックスのカバーが外されると、中にはテープが回っていて、テープ再生型(テープループ)のリズムボックス?でした。メロトロンのリズムボックス版⁈

ウルトラセブン 第37話「盗まれたウルトラアイ」に登場したリズムボックス

もしかしてテープループのリズムボックスってあったの?と、調べてみると、1949年に Chamberlin ‘Rhythmate’というテープに録音されているドラム音がループして再生されるというテープループ式のドラムマシンが発売されていたのを知りました。こちらがメロトロンの先祖でした、、。

60年代後半のリズムボックスは半導体で電子音を発生させるものでしたが、テープというアナログな仕組の方が、より機械的な印象を与えたのかもしれません。

にしても、恐るべしウルトラセブンです。

特撮作品に登場した「リズムボックス」という当時の新しい音楽技術への視点、そして繰り返される電子リズムという描写は、後にコンピューターと音楽を融合したYMOのような音楽が世界を席巻する未来を予見していたのではないかと勘繰ってしまいます。


1960年代後半に進化したリズムボックス

ウルトラセブンの「盗まれたウルトラアイ」が放送されたのは1968年6月16日です。

ウルトラセブン 第37話「盗まれたウルトラアイ」

1960代後半には、ACE Tone (エース電子工業) シリーズ、京王技術研究所 Donca Matic / Mini Pops シリーズなど、60年代後半には多くの名機と呼ばれるリズムボックスが発売されています。

「盗まれたウルトラアイ」が放送された1968年当時に発売されていたリズムボックスについて確認してみました。


ACE Tone シリーズ

ACE Tone Rhythm Ace FR-1 / FR-3は、アナログ方式のプリセットリズムマシンで、「電子化リズムマシンの原点」の一つとされています。

エース電子工業の創業者、梯郁太郎(かけはし いくたろう)氏は、エース電子工業を離れ、1972年にローランドを創業し、ACE Toneの技術やデザインを継承したTR-33 / 55 / 77 を発売します。これが後の名機TR-808(通称 ヤオヤ)に繋がっていきます。

  • Rhythm Ace FR-1(1967)

    FR-1は16種類のプリセットリズムパターンを搭載しており、プリセットを組み合わせることが可能です。また、FR-1はハモンドオルガンオプションとして採用されていたともあります。当時はオルガンにリズムボックスが搭載されていたんですね。エレクトーンみたいです。

  • Rhythm Ace FR-3(1967)

    8種類の基本リズムパターンの他に、2ビートと4ビートのリズムに対して、それぞれ6種類ずつのバリエーションが用意されていました。


Donca Matic / Mini Pops シリーズ

京王技術研究所は、1986年に社名がKROGとなりますが、1963年に発売した「ドンカマチック DA-20」は、国産初のリズムマシン市販機です。

Donca Matic DA-20
【引用】「ドンカマチック」が未来技術遺産に登録! | KORG

国産初となる円盤回転式電気自動演奏装置で、日本におけるリズム・マシン開発の出発点となった重要な機器として評価され、2020年に国立科学博物館が制定する未来技術遺産に登録されました。

  • Donca Matic DA-20(1963)

    回転する円盤にある接点が触れることによって真空管を使用したアナログ回路でリズム音が生成され、円盤の回転スピードを変えることでテンポが調整できるという機械的な仕組みでした。

    25種類のプリセットリズムパターンを搭載し、本体のフロントパネルにはミニ鍵盤のようなスイッチがあり、個別の音色を手動で鳴らすことも可能だったとあります。

  • Donca Matic DE-20(1966)

    Donca Matic DE-20になって機械式回転円盤から、トランジスタ回路を使用した電子式に変更されました。また、リズム音の生成もアナログ回路ですが、真空管からトランジスタに変更になっています。

  • Donca Matic DE-11

    DE-20の廉価版とありますが、詳細は不明です。動画で確認することができます。

  • Mini Pops 5 / 7(1966)

    Mini Popsシリーズは、より広範にトランジスタ技術を適用した、次の世代のリズムマシンとして位置づけられていて、トランジスタ式リズムマシンの重要なモデルと言われています。

  • Mini Pops 3 / 20S(1967)

    かなり洗練されているリズムボックスで20SのSはステレオを意味するとWikipediaには掲載されていますが、詳細は不明です。


ドンカマとは?

マルチトラックレコーディングを行う際のガイドリズムのことを、いまでも「ドンカマ」と言います。これは、かつてレコーディングスタジオに Donca Matic(ドンカマチック)が備品として置かれていた時期があり、その略称である「ドンカマ」がガイド音を指す言葉として広まったと言われています。

「YMO 1979 TRANS ATLANTIC TOUR LIVE ANTHOLOGY」のインタビューの中で細野晴臣氏も下記のように言及しています。

「このツアーのときのクリックはドンカマみたいな音が鳴っているだけで、今みたいにバックトラックが鳴っているわけではないから、それに合わせるわけにはいかない。一番肝心だったのは(高橋)幸宏のドラムなので、幸宏のグルーヴに合わせてシンセベースを弾いていたんです」

【引用】YMO 1979 TRANS ATLANTIC TOUR LIVE ANTHOLOGY - ロングインタビュー

と、「ドンカマみたいな音」という言葉を用いて、ライブのときにタイミングを合わせるためのガイド音を「ドンカマ」表現しています。

ちなみに「YMO 1979 TRANS ATLANTIC TOUR LIVE ANTHOLOGY」は、アルファミュージック設立55周年を記念して、ライヴ・レコーディングが行われた4都市5公演の全貌を伝える5CD+1BDのライヴ・ボックス・セットです。

Blu-Rayのライブ映像は、THE GREEK THEATREとHURRAHの映像を最新の技術でアップコンバート、サウンドも新たにミックスとリマスタリングが施されています。

ドラムもベースの音も一つ一つの音の粒がたっていて、とても1979年の演奏とは思えないクォリティです。それにしても細野さんのシンセベースの手弾きの演奏には天晴れです。

YMO 1979 TRANS ATLANTIC TOUR LIVE ANTHOLOGY

アルファミュージックのYouTubeチャンネルでは、このBOX SETに収録されている THE GREEK THEATREでの「RYDEEN」の映像が公開されています。

CDで聴く音楽もいいものです。

YMO LIVE AT THE GREEK THEATRE 4/8/1979

世界初の商用リズムボックス Wurlitzer Sideman

1959年に発売された Wurlitzer Sideman(ウーリッツァー・サイドマン)が世界初の商用リズムボックスと言われています。

真空管と電磁式回転ディスクを用いた機械式のリズム生成機です。ボタンを押すことで手動で演奏することも可能です。

日本のコルグ創業者である加藤氏がドンカマチック開発の着想を得る際、クラブで使われていたSidemanに触発されたというエピソードがWikipediaに記載されています。実際にSidemanの動画を見ると、Donca Matic DA-20がWurlitzer Sidemanを強く意識して作られたことがよく分かります。


テープループのドラムマシン Chamberlin Rhythmate(チャンバリン・リズメイト)

世界初のリズムボックスより10年前にハリー・チャンバリン(Harry Chamberlin)によってテープ再生式(テープループ)の「世界初のドラムマシン」であるリズメイト(Chamberlin Rhythmate)が製造されています。

1インチ幅の磁気テープループに記録された、本物のアコースティックドラムキットやパーカッション(ボンゴ、クラベス、カスタネットなど)の演奏パターン(サンプル)を再生することでサウンドを生成します。サンプリング(PCM)音源を搭載したドラムマシンLinn Drum の大先輩です。


YMOでみるリズムボックス

1980年に発売されたローランド TR-808は、ドンカマチックよりも1年早い2019年に「音楽シーンに大きな影響を与えたリズムマシン」として国立科学博物館の「重要科学技術史資料」(通称 未来技術遺産)に登録されています。

Yellow Magic Orchestra もアルバム『BGM』(1981年)でTR-808を使っています。アルバムに収録されている「1000 KNIVES(千のナイフ)」 は、坂本龍一のファーストソロアルバムのセルフカバーで、「YMO 1979 TRANS ATLANTIC TOUR LIVE ANTHOLOGY」でも演奏されいる、とてもグルービーな一曲です。必ずテーマに戻るという構成はJazzのようでもあります。

しかし、このBGMバージョンではTR-808のリズムが前面に押し出され、ヤオヤ(TR-808の通称)のキック音とクラップによって、より機械的で乾いたアレンジとなっているのが特徴です。


Nothing has to Change(何も変わらないこと)

今回のブログでは、ウルトラセブンに登場した謎のリズムボックスから始まり、初期の国産リズムマシン、そして世界の最先端を走ったTR-808やChamberlin Rhythmateに至るまで、リズムマシンの歴史を辿ってきました。

ウルトラセブン「盗まれたウルトラアイ」のエピソードで描かれた、あの単調でありながらも近未来的なリズムボックス。そして、初期のリズムボックスにおけるテクノロジーの限界からくる「シンプルに、決まったことを繰り返す」という制約こそが、リズムボックスの本質となり、その後の技術的な挑戦へと繋がっていきました。

ウルトラセブンは、北米版ブルーレイで安価に高画質で楽しむことができます。

日本のテクノロジーである Donca Matic DA-20 が示したリズムボックスの本質と挑戦は、時代を超えて脈々と受け継がれています。

少し前に『メトロノームじゃ物足りない!アップライトベース練習に最適なリズムマシンはこれだ!(おすすめ3選)』というタイトルで、B-205の購入理由について「スピーカーで音が鳴らせてシンプル操作」と書いていましたが、もしかしたら、大人になってウルトラセブンに興味をもつのも、昔のリズムボックスに惹かれるのもベースに nothing has to change という思想に基づいて判断していたのかもしれません。

テクノロジーがどれだけ進化しようとも、根源的なリズムの力、そしてシンプルな繰り返しの中に宿る魅力は不変である。音楽の歴史を紐解く中で、そんな普遍的な本質を見出す面白さを改めて感じることができました。

マニアックすぎる書籍 Rhythm Machines

Don Camatic CE-11の動画の最初に紹介されている書籍『Rhythm Machines: The rise and fall of the presets』は、1960年代後半から1980年代初頭にかけて登場したプリセット式リズムマシン(ドラムマシン)の歴史を詳細に記録したものです。Ace Tone、Eko、Elka、Farfisa、Gulbransen、Kay、Kawai、Korg (Keio)、Maestro、Seeburg、Roland、Yamahaなど、主要メーカーからマイナーなメーカーまで、300近い機種を網羅し、カラー写真とモノクロ写真を含む200ページにわたる詳細な情報が掲載されています。

Post Date:2025年5月5日 

ウルトラセブン55周年Anthology【北米版BD】驚異のコスパ!衝動買いのススメ

Ultraseven 55th Anniversary Anthology [Blu-ray]

北米版「ウルトラセブン全48話 Blu-ray」に続いて、3,000円を切る価格に、思わず衝動買いしてしまったのが、北米版「ウルトラセブン55周年記念 Anthology Blu-ray」です。

ウルトラセブン本編から厳選された17話に加え、『帰ってきたウルトラマン』、『ウルトラマンA』、『ウルトラマンタロウ』、『ウルトラマンレオ』といった昭和の第2期ウルトラシリーズから、『ウルトラマンメビウス』、そして『大怪獣バトル』シリーズやウルトラゼロ関連の映画まで、実に38本もの客演エピソードや映画が収録されているのです。

時代を超えて活躍し続けるウルトラセブンの勇姿をまとめて堪能できる、まさに"セブン祭り"状態! 見切れないほどのボリュームというのは嬉しい悲鳴ですね。

それにしても、これだけ多くの作品で活躍しているウルトラセブンの存在感には、ただただ「圧巻」の一言です


データで見るウルトラセブンの客演史

Ultraseven 55th Anniversary Anthology [Blu-ray] は、円谷プロダクションとライセンス契約をしているMILL CREEK ENTERTAINMENTが北米で発売しているBlu-rayです。日本国内では公式には発売されていない、米国限定のアイテムと思われます。

Ultraseven 55th Anniversary Anthology [Blu-ray]

セブンは、自身のTVシリーズ終了後、次シーズンとして始まった『帰ってきたウルトラマン』で早速の出演を果たして以来、様々なウルトラシリーズや映画に登場しています。

ウルトラセブンが、最も多くの回で登場するのは『ウルトラマンレオ』から7話、次いで『ウルトラマンエース』から6話となっています。ウルトラセブン単独での登場というよりは、ウルトラ兄弟の一員という形での出演が多いようです。

以下に、それぞれのウルトラシリーズでのウルトラセブンが登場するエピソード数を一覧でまとめました。

ウルトラマンエピソード数
ウルトラマンレオ7話 / 51話 (14%)
ウルトラマンエース6話 / 52話 (12%)
ウルトラマンタロウ5話 / 53話
帰ってきたウルトラマン2話 / 51話
ウルトラマンネオス2話 / 12話
ウルトラマンメビウス2話 / 57話
ULTRASEVEN X2話 / 12話
ウルトラギャラクシー2話 / 13話
ウルトラマンギンガ2話 / 11話
ウルトラマン801話 / 50話
ウルトラマンゼロ1話 / ??

この表からも、ウルトラセブンが、いかに多くの時代・作品で活躍し続けているかが改めて分かります。単なるゲスト出演にとどまらない、ウルトラシリーズ全体の歴史におけるセブンの存在の大きさを感じずにはいられません。このAnthology Blu-rayは、そんなセブンの偉大な足跡を追体験できる、まさにファン必携のアイテムと言えるでしょう。


北米版のBlu-Rayは日本のプレイヤーで再生できるのか?

こちらは再掲になります。

DVDであれば、日本ではリージョン2、北米ではリージョン1とリージョンコードが異なっているため、日本のDVDプレイヤーでは、北米で販売されているDVDを再生することができませんでした。

しかし、Blu-Rayは、日本も北米もリージョンAと同じなので、北米版「Ultraseven 55th Anniversary Anthology [Blu-ray]」も、日本メーカーのBlu-Rayプレイヤーで問題なく再生できます。

参考までに、Blu-Rayのリージョンコード区分は以下の通りです。

  • リージョンA: 北米、中米、南米、東南アジア、日本、韓国、台湾など
  • リージョンB: ヨーロッパ、中近東、アフリカ、オーストラリア、ニュージーランドなど
  • リージョンC: 中央アジア、南アジア、中国(一部を除く)、東ヨーロッパなど

メニューのタイトル表示は英語ですが、本編を観れば日本語のタイトルも分かりますし、メニューの「SUBTITLE ON/OFF」で「OFF」を選択すれば、ディスク内全話で英語字幕が表示されなくなります。

Ultraseven 55th Anniversary Anthology [Blu-ray]

ウルトラセブン55周年記念Blu-ray 収録内容

6枚のディスクに映画3本を含む55話のウルトラセブンが登場する作品が収録されています。

Ultraseven 55th Anniversary Anthology [Blu-ray]

Disc1とDisc2には、ウルトラセブン本編から厳選された17話と、『帰ってきたウルトラマン』のセブン登場回2話が収録されています。

D
I
S
C
1
ウルトラセブン
ep01姿なき挑戦者
ep03湖のひみつ
ep08狙われた街
ep13V3から来た男
ep14ウルトラ警備隊西へ 前編
ep15ウルトラ警備隊西へ 後編
ep17地底GO!GO!GO!
ep25零下140度の対決
ep26超兵器R1号
ep28700キロを突っ走れ!
D
I
S
C
2
ウルトラセブン
ep37盗まれたウルトラ・アイ
ep38勇気ある戦い
ep39セブン暗殺計画〔前篇〕
ep40セブン暗殺計画〔後編〕
ep43第四惑星の悪夢
ep48史上最大の侵略 前編
ep49史上最大の侵略 後編
帰ってきたウルトラマン
ep18ウルトラセブン参上
ep38ウルトラの星光る時

Disc3には、『ウルトラマンエース』のセブン登場回6話と、『ウルトラマンタロウ』のセブン登場回5話が収録されています。

D
I
S
C
3
ウルトラマンエース
ep13死刑!ウルトラ5兄弟
ep14銀河に散った5つの星
ep26全滅!ウルトラ5兄弟
ep27奇跡!ウルトラの父
ep29セブンの命!エースの命
ep44節分怪獣!光る豆
ウルトラマンタロウ
ep05親星子星一番星
ep25燃えろ!ウルトラ6兄弟
ep33ウルトラの国大爆発5秒前!
ep34ウルトラ6兄弟最後の日!
ep40ウルトラ兄弟を超えてゆけ!

Disc4には、『ウルトラマンレオ』、『ウルトラマン80』、『ウルトラマンキッズ(アニメ)』、『ウルトラマンネオス』、『ウルトラマンメビウス』(TVシリーズ)など、幅広いシリーズからのセブン登場回が多数収録されています。

D
I
S
C
4
ウルトラマンレオ
ep01 セブンが死ぬ時!東京は沈没する!
ep02 大沈没!日本列島最後の日
ep06 男だ!燃えろ!
ep13 大爆発!捨身の宇宙人ふたり
ep34 ウルトラ兄弟永遠の誓い
ep40 MAC全滅!円盤は生物だった!
ep51 さようならレオ! 太陽への出発(たびだち)
ウルトラマン80
ep44 激ファイト!80VSウルトラセブン~妄想ウルトラセブン登場
ウルトラマンキッズ 母をたずねて3000万光年
ep01 あれ?! 宇宙に飛び出しちゃった
ウルトラマンネオス
ep04 赤い巨人! セブン21
ep10 決断せよ! SX救出作戦
ウルトラマンメビウス
ep46 不死身のグローザム
ep50 最終三部作Ⅲ 心からの言葉

Disc5には、映画『ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟』、TVシリーズ『ULTRASEVEN X』、TVシリーズ『ウルトラギャラクシー大怪獣バトル』、映画『大決戦!超ウルトラ8兄弟』、そして映画『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』といった作品が収録されています。

D
I
S
C
5
映画ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟
ULTRASEVEN X
ep01DREAM
ep12NEW WORLD
映画大決戦!超ウルトラ8兄弟
ウルトラギャラクシー大怪獣バトル
ep09ペンドラゴン浮上せず
ep13惑星脱出

Disc6には、『ウルトラマンギンガ』、映画『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』、映画『ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国』、映画『劇場版 ウルトラマンオーブ 絆の力、おかりします!』、そして『ウルトラファイトオーブ 親子の力、おかりします!』といった作品が収録されています。

D
I
S
C
6
映画 大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE
ウルトラマンギンガ
ep10 闇と光
ep11 きみの未来
ウルトラマンゼロ
ep04 ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国 鏡の章
ウルトラマンオーブ
映画 劇場版 ウルトラマンオーブ 絆の力、おかりします!
全8話 ウルトラファイトオーブ 親子の力、おかりします!

ディスク6枚で27時間以上の大作です。

Ultraseven 55th Anniversary Anthology [Blu-ray]

ウルトラセブン55周年記念ブルーレイ付属のブックレットに!

このウルトラセブン55周年 Anthology Blu-rayには、本編映像だけでなく、英語のブックレットも付属しています。

Ultraseven 55th Anniversary Anthology [Blu-ray]

ウルトラセブン好きの方ならいまさらなのかもしれませんが、このブックレットには下記のような興味深い記述がありました。

Beginning in the mid-1990s, the classic Ultraseven would return in two TV specials and a trio of video series. He would then pick up where he left off in the 1970s by appearing alongside his fellow Ultramen in the most recent television series and movies. Of particular note is the 2009 film MEGA MONSTER BATTLE: ULTRA GALAXY THE MOVIE which introduced Seven's son, Ultraman Zero, a brash hero who quickly became a fan favorite.

【日本語訳】
1990年代半ばから、ウルトラセブンは2つのテレビスペシャルと3つのビデオシリーズで復活しました。その後、1970年代に中断したところから引き継ぎ、最新のテレビシリーズや映画で仲間のウルトラマンたちと共に登場しました。特に注目すべきは、2009年の映画『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』で、セブンの息子であるウルトラマンゼロが紹介されたことです。ゼロは向こう見ずなヒーローで、すぐにファンの人気者となりました。

【引用】ウルトラセブン55周年Anthology

注目したいのは以下の二点です。


ブックレットが触れる「平成ウルトラセブン」

ブックレットで言及されている「1990年代半ばからの2つのテレビスペシャルと3つのビデオシリーズ」とは、ファンから「平成ウルトラセブン」と呼ばれる一連の作品のことです。これらの作品は、セブンが現代に復活し、新たな物語が展開された重要な試みでした。

残念ながら、これらの平成ウルトラセブン」作品は、本Anthology Blu-rayには収録されていません。興味のある方は、Prime Videoで視聴可能です。


ウルトラセブンの息子⁉︎

2009年の映画『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』でウルトラマンゼロが登場し、このウルトラマンゼロが孤高のヒーローであったウルトラセブンの息子であったという衝撃の事実が、、。ゼロは、セブンのアイスラッガー、エメリウム光線などを引き継いでいます。

このウルトラマンゼロの記念すべきデビュー作である映画『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』は、本Anthology Blu-rayにもしっかりと収録されています! ぜひ本編映像でセブンとゼロ、親子の勇姿をご覧ください。


セブンだけじゃない!北米版ウルトラBDコレクション

今回ご紹介した『ウルトラセブン55周年記念 Anthology Blu-ray』は、驚きの価格と収録内容でしたが、セブンの作品以外にも、円谷プロダクションと正式にライセンス契約を結んでいる北米のMILL CREEK ENTERTAINMENTからは、様々なウルトラシリーズのBlu-rayが数多く発売されています。

Ultraseven 55th Anniversary Anthology [Blu-ray]

これらの北米版Blu-rayは、並行輸入として、日本国内でも非常に安価に入手できます。

例えば日本国内で販売されている東映ビデオの「ネオ・ウルトラQ Blu-ray Collection」が22,000円(税込)なのに対し、北米版の「Neo Ultra Q: The Complete Series [Blu-ray]」は 2,380円(税込)で購入できます(※価格は購入時期やサイトにより変動します)。

「次は、やっぱりウルトラQ?」なんて考えてしまいます。

MILL CREEK ENTERTAINMENTからリリースされている主なウルトラシリーズのBlu-ray(Complete Series版)には、以下のようなものがあります。

Post Date:2025年5月3日 

ウルトラセブンをお得に満喫!高画質&高音質で見るなら北米版Blu-ray一択

Ultraseven: Complete Series [Blu-ray]

最近、ウルトラセブンの4K HDRリマスター版が再放送されるというニュースを見かけました。

「あぁ、観たい!でもテレビがないので物理的に観られない…」

動画配信サービスの Amazon Prime Videoをチェックすると、ウルトラセブン(TV版)は、レンタルでの視聴が可能ですが、視聴期間に制限があり、全話を自分のペースで楽しむには難しそうです。

ならばDVDやBlu-Rayは?と探してみましたが、国内で販売されているものは非常に高価で、購入を躊躇してしまいます。

どうしようかと悩んでいた矢先、偶然見つけたのが北米版の「Ultraseven: Complete Series [Blu-ray]」!!お得価格に驚きです。


ウルトラセブンの北米版?

北米版があるのは、円谷プロダクションがアメリカのホームビデオ配給会社 Mill Creek Entertainment (ミル・クリーク・エンターテイメント) とライセンス契約を結んでいるからです。この契約により、Mill Creek Entertainmentは北米地域(アメリカおよびカナダ)でウルトラシリーズの映像ソフト販売やデジタル配信を行う権利を得ています。

したがって、北米版ウルトラシリーズは、歴とした正規版です。


北米版ウルトラシリーズがお得な理由

Amazonなどで販売されているのは、この北米版の並行輸入品です。実は、ウルトラセブンに限らず、ウルトラシリーズや日本アニメの北米版は、国内版より安価に入手できます。

「並行輸入品」とは、メーカーが指定した正規の販売ルートを通さず、第三者が海外の市場から合法的に買い付けて国内に輸入・販売する商品のことを指します。

簡単に言うと、海外で販売されている本物を、正規の販売ルートを通さずに日本に入ってきた商品ということです。

ウルトラセブン本来の音声は日本語ですので、再生時の設定で字幕をオフにすれば、英語字幕なしでストレスなく楽しめます。


北米版のBlu-Rayは日本のプレイヤーで再生できるのか?

DVDであれば、日本ではリージョン2、北米ではリージョン1とリージョンコードが異なっているため、日本のDVDプレイヤーでは、北米で販売されているDVDを再生することができませんでした。

しかし、Blu-Rayは、日本も北米もリージョンAと同じなので、北米版「Ultraseven: Complete Series [Blu-ray]」も、日本メーカーのBlu-Rayプレイヤーで問題なく再生できます。

参考までに、Blu-Rayのリージョンコード区分は以下の通りです。

  • リージョンA: 北米、中米、南米、東南アジア、日本、韓国、台湾など
  • リージョンB: ヨーロッパ、中近東、アフリカ、オーストラリア、ニュージーランドなど
  • リージョンC: 中央アジア、南アジア、中国(一部を除く)、東ヨーロッパなど

北米版ウルトラセブンはprime videoより高解像度

北米版Blu-rayのスペックは、映像が 1080p High Definition、音声は DTS-HD Master Audio 2.0 となっています。4K HDRリマスターには敵いませんが、フルHDの高解像度映像と、ロスレス圧縮による高音質な音声で「ウルトラセブン」を最高のクオリティで楽しめるということです。

Ultraseven: Complete Series [Blu-ray]

ただし、May not be in High Definition(高画質ではない場合があります)という注意書きがありますが、これは、オリジナルマスターの状態によるものと思われます。それでも、多くのシーンはBlu-ray品質で収録されています。

ちなみに、Prime Videoで配信されているウルトラセブンは、SD (Standard Definition / 標準画質)です。その解像度は 720×480pxで、画素数は約35万画素となります。

一方、北米版ウルトラセブンのBlu-Rayは、フルHD(1080p)解像度が 1920x1080pxで、画素数は約207万画素です。両者を比較すると、画質の差は歴然ですね。


北米版ウルトラセブンパッケージ詳細

まず、気になる欠番についてですが、残念ながら北米版にも第12話「From Another Planet with Love(遊星より愛を込めて)」は収録されていません。

欠番を除く全48話が、6枚組のBlu-Rayディスクに収められています。

Ultraseven: Complete Series [Blu-ray]

各ディスクには8話づつ収録されていて、欠番を除く全48話が、6枚組のBlu-Rayディスクに収められています。例えば、Disk6には以下の8エピソードが入っています。

  • Ambassador of the Nonmalt
  • Nightmare on Planet No. 4
  • The Terrifying Super Ape-man
  • The Saucers Have Come
  • The Showdown of Dan vs. Seven
  • Who Are You
  • The Biggest Invasion in History: Part 1
  • The Biggest Invasion in History: Part 2

それぞれのタイトルについては、再生すれば日本語のタイトルも分かりますが、日本語だと下記のタイトルのエピソードになります。

  • ノンマルトの使者
  • 第四惑星の悪夢
  • 恐怖の超猿人
  • 円盤が来た
  • ダン対セブンの決闘
  • あなたはだぁれ?
  • 史上最大の侵略 前編
  • 史上最大の侵略 後編

そのまま再生すると英語の字幕が表示されてしまいますので、メニューの「SUBTITLE ON/OFF」で「OFF」を選択すればディスク内全話で英語字幕が表示されなくなります。

Ultraseven: Complete Series [Blu-ray]

大人も楽しめるウルトラセブン

ウルトラセブンは、単に怪獣=悪者と戦う勧善懲悪の物語ではありません。それぞれの背景や価値観の違いから生まれる「悪」と「善」という二元論を超えた視点が提示されています。

戦争、平和、環境問題、倫理、ダイバーシティ、アンコンシャス・バイアスなど、現代にも通じる様々な社会的なテーマが多く含まれており、それらに対するアンチテーゼも巧みに描かれています。1960年代後半という高度成長経済の時代背景も反映されており、大人が観ると深く考えさせられるエピソードが多いです。

また、アンヌ隊員とモロボシ・ダンの関係は、単なる恋愛未満やプラトニックラブといった言葉では表現しきれない、互いを深く信頼し合う強い絆として描かれている点も魅力です。

そして、大人を惹きつけるもう一つの要素は、ウルトラ警備隊のメカニックデザインの秀逸さです。ウルトラホークやポインターといったメカは、約60年近くたった今見ても古さを感じさせない普遍的なカッコよさがあります。単なるデザイン性に留まらず、それがどこに格納され、どのように運用され、発進に至るかという「プロセス全体」を含めた機能美があるからこそ、大人も思わず夢中になってしまうのです。

さらに、ウルトラセブンの世界観を彩る上で欠かせないのが、冬木透氏による音楽です。氏の手掛けた楽曲は、単なるBGMではなく、物語の感情やキャラクターの内面を雄弁に伝え、作品全体に忘れられない独特の雰囲気を与えています。

子供向けの番組なのに交響曲だし、英語の歌詞とか。

「One, Two, Three, Four, One, Two, Three, Four, Ultra Seven ♪」

いま聴いてもカッコいい!


メカニックデザインの魅力

ウルトラセブンのメカニックデザインには、語りつくせないほどの魅力があります。中でも象徴的なのが、ウルトラ警備隊の誇る万能戦闘機「ウルトラホーク1号」です。

レールに乗って発射台まで運ばれ、山が割れて出撃していく、サンダーバードを強く意識した出撃までのシーケンスは、何度見ても飽きません。

Ultraseven: Complete Series [Blu-ray]
【引用】Ultraseven: Complete Series - Episode 1

またウルトラホーク1号の甲高く特徴的なジェット音も、作品にリアル感を与えています。さらに、飛行中に3機の独立した航空機に分離・合体できる機能も、大人たちの心をも鷲掴みにする画期的なアイデアでした。

  • 「ウルトラホーク1号」

    フジミ模型 1/72 特撮シリーズ No.4 ウルトラホーク1号
    【引用】Amazon - フジミ模型 1/72 特撮シリーズ No.4 ウルトラホーク1号
  • 「α号(アルファ)」

    フジミ模型 1/72 特撮シリーズ No.4 ウルトラホーク1号
    【引用】Amazon - フジミ模型 1/72 特撮シリーズ No.4 α号
  • 「β号(ベータ)」

    フジミ模型 1/72 特撮シリーズ No.4 ウルトラホーク1号
    【引用】Amazon - フジミ模型 1/72 特撮シリーズ No.4 β号
  • 「γ号(ガンマ)」

    フジミ模型 1/72 特撮シリーズ No.4 ウルトラホーク1号
    【引用】Amazon - フジミ模型 1/72 特撮シリーズ No.4 γ号

また、ウルトラホーク1号以外にも魅力的なメカは多数登場します。例えば、ダイヤモンドの数倍の硬度を持つジェットドリルで地中を掘り進むマグマライザーも、そのデザインが秀逸です。

フジミ模型 地球防衛軍ウルトラ警備隊 マグマライザー TDF MRI
【引用】Amazon - フジミ模型 マグマライザー TDF MRI

ウルトラセブンのメカは、約60年近く前のデザインであるにも関わらず、どれも古さを感じさせない近未来的な普遍的なカッコよさがあります。単にデザインが良いだけでなく、それがどこに格納され、どのように運用され、発進に至るかという「プロセス全体」を含めた機能美があるからこそ、今見ても大人も夢中になれるのでしょう。

そういう意味では第5話「消された時間」で、東京モノレールを模したモノレールで基地内を移動するというシーンがありますが、60年前の東京モノレールも近未来を象徴する乗り物でしたが、いまでも「カッコいいなあ」と思っていたことに気がつきました。

Ultraseven: Complete Series [Blu-ray]
【引用】Ultraseven: Complete Series - Episode 5

アンヌとダン、そして、クラシック好きではなくても

北米版Blu-Rayに付属のブクレットには、登場人物のプロフィール、エピソードガイド、怪獣ガイドなどが収録されていますが、もちろん全て英語表記です。特に注目したいのが、アンヌ隊員のプロフィール。

Ultraseven: Complete Series [Blu-ray]

下記のように記載されています。

The only female member of the Inter Galactic Defense Force, as well as the youngest, Anne functions as the team's communications operator while still being a capable combatant in her own right, Closest to Dan Moroboshi, Anne is the first person to learn his secret identity as Ultraseven after seeing the device that could shift him between forms: the Ultra Eye, Through the tow share a lot of tension, their romantic inclinations never bloomed into anything fully fledged.

この最後のセンテンス「Through the tow share a lot of tension, their romantic inclinations never bloomed into anything fully fledged.」を「二人の間には多くの意識し合う感情があるものの、それ以上の関係へと発展することはなかったのです」と訳してみました。

恋愛未満、若しくはプラトニックラブという言葉では表現しきれない、深い絆この二人の特別な関係性を象徴しているのが、あまりにも有名すぎるウルトラセブン最終回の名シーンです。

「アンヌ、僕はね、人間じゃないんだ。M78星雲から来たウルトラセブンなんだ

ダンのこの告白に、「えっ⁉︎」と驚き、逆光の中でシルエットになるアンヌの表情。そこでディヌ・リパッティ(ピアノ)、ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮、フィルハーモニア管弦楽団演奏によるシューマン「ピアノ協奏曲」 イ短調 作品54がカットインしてきます。

作品世界を感動的に盛り上げるこの演奏は、こちらのCDなどで聴くことができます。

また、この最終回のシーン、ファンの間で今なお、様々な解釈がされているのが、ダンがアンヌに告げる別れの言葉「西の空に明けの明星が輝く頃」というセリフです。「明けの明星」は金星のことですが、陽が沈んだ後の西の空に見えるのは「宵の明星」で、陽が昇る直前の東の空に見えるのが「明けの明星」とされています。

色々な考察がありますが、ウルトラセブンが宇宙へ旅立った後、ダンのセリフがもういちど流れます。「明けの明星が輝く頃、ひとつの光が宇宙に飛んでいく、それがボクなんだよ」――ここでは、ダンの最初のセリフにあった「西の空に」という言葉がなくなっています。

そして映像には、夜明け前の白み始めた空に明けの明星が輝き、その中をウルトラセブンが飛んでいく姿が映し出されています。これらのことから、ウルトラセブンは東の空へ飛び立ったと解釈するのが自然だと私は考えています。

さて、あなたなら、セリフと映像からどのように解釈しますか?ご自身の目でじっくりと最終回をご覧になって、色々な想いを巡らせてみてください。

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