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2020年5月5日

ポモドーロ・テクニックでテレワークの生産性を高める

ポモドーロタイマー

多くの人が会社で仕事をするのが当たり前だと思っていたのが、ある日突然、いままでの常識が覆されてしまいました。オフィスと仕事という関係性は大きく変化しましたが、テレワークをしている方の中には「自宅だと効率が悪い」「集中できない」と思われている方も少なくないのではないでしょうか。

しかし、一人で仕事をしているからこそ、”集中する術” を身に付ければ、いままでより生産性を高めることができます。オフィスと仕事という関係がが大きく変わったいまこそ、生産性向上について考えるいい機会です。

そもそも日本の労働生産性は低いと言われていますが、労働生産性の国際比較2019 | 調査研究・提言活動 | 公益財団法人日本生産性本部 によると、

OECDデータに基づく2018年の日本の時間当たり労働生産性(就業1時間当たり付加価値)は、46.8ドル(4,744円/購買力平価(PPP)換算)。 米国(74.7ドル/7,571円)の6割強の水準に相当し、順位はOECD加盟36カ国中21位だった。

【引用】労働生産性の国際比較 | 調査研究・提言活動 | 公益財団法人日本生産性本部

と、あります。米国を100とした場合のG7各国の”時間当たりの労働生産性”をグラフにしたのが下記になります。

G7各国での労働生産性の比較

計算方法にもよるところがあるかと思いますが、『頑張れ、日本の労働者たち!』

ということで、今回はテレワークで活用できる「集中して生産性を向上させる」ポモドーロ・テクニック(Pomodoro Technique)について説明します。


ポモドーロ・テクニックとは

1980年代後半ににイタリア人のフランチェスコ・シリロ氏によって開発された時間管理術です。ポモドーロとは、イタリア語でトマトを意味し、トマト型のキッチンタイマーを時間管理に使用したことが由来です。

ポモドーロ・テクニックを始めようと思ったらフランチェスコ・シリロ(著)『どんな仕事も「25分+5分」で結果が出る ポモドーロ・テクニック入門』を一読ください。

ポモドーロ・テクニックは、簡単にいってしまえば、25分間集中(1ポモドーロ)して、5分間の休憩というセットで勉強・仕事をします。そして、4セット(2時間)やったら20-30分の長めの休憩をとるというものです。

  1. 実行タスクを決める
  2. タイマーを25分にセット
  3. タイマーがなったら作業終了し、1ポモドーロ終了をチェック
  4. 5分間の休憩
  5. 4セット実行して20-30分休憩

初めは1セットから始めて、慣れてきたらセット数を増やしていきましょう。1日の作業予定を計画するときに、2セット(1時間)以上できる時間を確保して、スケジュールしてしまうのがよいかと思います。


ポモドーロ・テクニックのルール

ポモドーロ・テクニックにはいくつかのルールがあります。

  • ポモドーロは分割できない
  • 長く中断されたポモドーロは無効となる
  • 時間になったら作業を中断する
  • 休憩中には作業のことは考えない
  • 5-7ポモドーロ以内の作業とする(超えるときは分割)
  • 1ポモドーロに満たないものは組み合わせる

1ポモドーロの25分間を分割してはいけません。”予定より作業が早く終わった場合には、見直しを” とありますが、次の作業に着手してもいいのではないかと思います。逆に作業の切りが悪かったとしても、一旦作業を中断して休憩に入ります。


集中時間を中断する要素

初めは、25分間という短い時間でも集中して何かをするというのは、けっこう難しいと実感するでしょう。シリロ氏は、集中を中断だせる要素として、内的中断と外的中断というふたつをあげてます。

内的中断

「お昼は何にしようかな?」「友達に連絡しなきゃ」「珈琲が飲みたい」「〇〇を調べなきゃ」など、今している作業以外のことを考えたり実際に動作をすることが内的中断です。1ポモドーロ(25分間)の中で内的中断が何回発生したかを記録することによって、次第に25分間、作業に集中することができるようになりまがす。

内的中断を減らす訓練として、1日の始まりと20-30分の休憩時間にマインドフルネスで自己制御力を向上させるのもよいかもしれません。

外的中断

「誰かに話しかけられる」「電話が鳴る」「スマホ、PCの通知」などによって作業が中断してしまうのが、外的中断です。緊急のものでなくても、通知があると見てしまうのが悲しい性です。遅れてもスマホもPCも通知はOFFにします。Windows10 には、”集中モード”というのがあるので活用しましょう。また緊急の電話に対応しなければならいのであれば、マナーモードにしていても特定の番号だけ着信音を鳴らすこともできます。先ずは勇気を持って通知をOFFにしてみましょう。

外的中断数も記録します。また外的中断によってポモドーロを実行できなくなったら、そのポモドーロは未完として中断します。


ポモドーロを実施する上で大切なこと

ポモドーロ・テクニックで大切なのは、単に25分(作業)+5分(休憩)というタイムマネージメントだけではありません。書籍では、5段階の基本プロセスとして、計画追跡記録処理視覚化 について説明していますが、計画、記録、評価 を繰り返すことが大切です

計画→記録→評価
 1.計画予定作業を洗い出し、作業量(ポモドーロ数)を見積もり、1日のスケジュールを決める
 2.記録予定作業毎にかかったポモドーロ数、中断数などを記録
 3.評価予定/実績での差異の発生理由、中断した理由などを考え、改善を図る

書籍では、計画、記録、評価(振り返り)で使用する下記の3つのシートが紹介されています。

  • 今日やること(Process Map)
  • 仕事の在庫(Resources)
  • 記録(Afterword)

シンプルにするために紙とペンを使用するとありますが、自分は下記のようなスプレッドシートを作成してフィルターで処理しています。


ポモドーロ・テクニックに最適なタイマー

ポモドーロテクニックで使用するタイマーについて、

  • 作業の取り掛かりの宣言となり得る(ゼンマイを巻く)
  • 時間経過がわかる(視覚的に理解、経過音)
  • 時間の終了を認識させる音

ということから、キッチンタイマーが推奨されています。

テレワーク中に使うキッチンタイマーを探しましたが、中国発送品など評価が低すぎのものが多い、、、。ゼンマイ式 キッチンタイマー で探してみると多くが見つかりますので、気に入ったものがあれば使ってみてください。

ただ、スマホを使ったタイマーセットやアプリを使うのは、内的中断、外的中断の観点から避けた方がよいと思います。集中したいときは近くにスマホを置かないことに越したとことはありません。

また Amazon Echo があるのであれば、

Alexa, 25分のタイマーをセットして

といえば、OKです。経過時間の確認は、

Alexa, タイマーの残り時間は?

と、訊ねます。時間経過を感じさせる音はありませんが、それでも簡単にセットできるのは便利です。


集中モード(Alexaスキル)

Alexaスキルには、「集中モード」というスキルがあります。複数セットで実行できるので便利です。難点は、指定しなければ常に25分+5分とならないところです。基本的には前の実行結果を引きついてくれているようですが、時折、時間を変更して実行しようとします。

Alexa, 集中モードを開いて

と言って、設定内容を確認し、必要があれば、休憩時間、セット数などを変更してからスタートしましょう。

集中モードは、時間設定にリマインダー機能を使っているので、スタート後は、好きな音楽や環境音をかけることができるのもメリットのひとつです。

ポモドーロを中断しなければならなくなったときには、Alexaアプリからリマインダーを削除しなければなりません。


Pomodoro Tracker

The Pomodoro Tracker はブラウザベースで利用できるタイマーです。他のアプリの通知をOFFにすれば、スマホを使うよりいいかもしれません。作業もこの中で管理でき、計画時に予定ポモドーロ数も設定できます。

The Pomodoro Tracker - A useful tool for time management based on Pomodoro Technique

時間設定など細かな設定もでき、他のToDoとの連携も可能です。

The Pomodoro Tracker - A useful tool for time management based on Pomodoro Technique

ポモドーロ時間はスタンディングで仕事をする

25分間の集中時間はスタンディングで仕事をするのにちょうどよい長さです。テレワークは立って仕事をしろ! | 象と散歩 で紹介した、LEVIT8(レヴィティー8)を使えば、普段使っているテーブルやデスクがスタンディングデスクになります。

ポータブルスタンディングデスク LEVIT8(レヴィティー8)

5分間の休憩で身体を伸ばしたあと、座って休憩すれば次の25分はまた立って仕事をします。ポモドーロ・テクニックとポータブル・スタンディング・デスクで集中した時間として生産性を向上させましょう。

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