ボールペンは、Faber-Castell(ファーバーカステル)の Ambition(アンビション) と Emotion(エモーション) を、木軸で愛用してきました。
木軸があれだけ好きだったのに、気がつけば木軸の万年筆が手元にありません……。
アンビションやエモーションには万年筆タイプもあります。
しかし、万年筆を選ぶときにはペン先、とくに軟調ニブ を基準にしてきました。自分が購入する量産モデルの軟調ニブは、コストや安定性の面から樹脂軸が主流となりやすく、結果として樹脂軸が中心となっていました。
下の写真は Faber-Castell Ambition(ボールペン)です。傷も多くなりましたが、使い込むほど艶が増し、エイジングがとても美しい一本です。
WANCHERの万年筆でも、軸で選ぶというより、まずKEIRYU ニブ や 小太刀 といったペン先ありきで、エボナイトだから選んだわけではありませんでした。
WANCHER 世界樹は「木軸の万年筆が欲しい」と思って初めて選んだ万年筆です。もちろん、ソフトニブを選べたことも、背中を押した大きな理由でした。
日本メーカの木軸万年筆
日本の万年筆メーカーで、定番モデルとして木軸万年筆を展開しているのは、主に次の3モデルです。
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PILOT CUSTOM 槐(エンジュ):
立身出世の木とされる縁起木「槐(えんじゅ)」を使用、ニブは14K・15号でCUSTOM 743と同じ仕様ですが、ペン種はF(細字)、M(中字)、B(太字)の3種類
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PILOT CUSTOM 楓(カエデ):
手づくりの味わいを大切にし、イタヤカエデの木目を生かしたデザイン、ニブは14K・10号でCUSTOM 742と同じ仕様ですが、ペン種はF(細字)、M(中字)の2種類
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PLATINUM #3776センチュリー 屋久杉:
樹齢3000年の厳選された屋久杉を用いた美しいボディ、#3776センチュリーシリーズの最高峰、14K大型ニブ、ペン種はF(細字)、M(中字)、B(太字)の3種類
いずれも高価なモデルです。そして残念ながら、通常モデルにはある軟調ペン先という選択肢は用意されていません。
『#3776センチュリー屋久杉』は実物を見ましたが、屋久杉の細かい木目が何とも言えない味わいを醸し出しています。
PLATINUM の公式サイトには「屋久杉万年筆の加工手順」が公開されていますが、それを見ると、素材の選別から乾燥、加工まで非常に手の込んだ工程が必要で、まさに一本モノの万年筆であることがよく分かります。
WANCHER の木軸万年筆
WANCHER は、ペン先の個性と素材の選択肢を重視した万年筆づくりを行う日本のブランドです。ペン先には JOWO のスチールニブを採用しつつ、KEIRYU ニブや小太刀研ぎなど、日本語筆記を意識した独自のニブも展開しています。
世界樹シリーズでは、サンダルウッド、黒檀、ベラウッド、チークウッドといったコスパの高い木軸モデルが用意されています。
- サンダルウッド(白檀)
- きめ細かく、手触りが非常にやさしい
- 落ち着いた木目で、上品な雰囲気
- 経年で自然な艶が出る
- 黒檀(エボニー)
- 非常に硬く、重量感がある
- 木軸の中では寸法安定性が高い
- 表情の変化は少なめ
- ベラウッド
- 明るめの色味と素直な木目
- 軽量で取り回しが良い
- 木軸らしいナチュラルさが強い
- チークウッド
- 油分を多く含み、水や湿度に比較的強い
- さらっとした独特の触感
- 使い込むと落ち着いた艶に変化
経年変化を楽しむならオリーブウッドも魅力的です。ただ、オリーブウッドは木目の個性が一本一本異なるため、オンライン購入では「好みと合うかどうか」は届いてみないと分かりません。
一方でサンダルウッド(白檀)は、落ち着いた色味と緻密な木目が特徴です。派手さはありませんが、光の当たり方で表情が静かに変わり、使うほどに艶が増していきます。
白檀の「控えめだけど、確実に育つ」感じに惹かれて、サンダルウッドを選びました。
キャップを閉めた状態で握ると、木そのものの温度が伝わってきます。とはいえ、実際に指が触れるグリップ部は樹脂で、木の質感を“触れて感じる”というより“眺めて味わう”万年筆です。
木軸万年筆は「新品が完成形」ではありません。手の油分や日々の使用によって、少しずつ艶と表情が育っていく。その変化を楽しめるのが、世界樹シリーズの大きな魅力だと感じています。
時間がそのまま表情になる──木軸ならではの楽しみです。
書き心地とバランス
世界樹 サンダルウッドは、キャップを外すと 12g前後。少し軽く感じますが、JOWO のペン先はインクフローが良く、筆圧をかけなくてもスッと線が出ます。
WANCHERの万年筆は、KEIRYUニブ(峰万年筆)、小太刀研ぎ(誠エボナイト)、ステンレスソフト(世界樹)と3本目です。
キャップはねじ式です。WANCHERドリームペンはキャップ内部にスプリング機構があり、閉めたときにしっかり密閉されるため、インクの乾きが起きにくい構造になっています。
一方で世界樹は、そこまで強い密閉構造ではないため、しばらく使わない期間があると、インクが乾いて書き出しがかすれることもあります。
ただ、毎日使っているぶんには、乾きはほとんど気になりません。
中華製 木軸万年筆
Hongdian N8、Hongdian 620、Jinhao Dadao と、中華万年筆も何本か試してきましたが、インクフローも安定しており、価格以上に満足できる万年筆でした。
そこで「中華万年筆でも木軸はないか」と探して見つけたのが Jinhao 9056(Ranvi) でした。
素材表記には Juglans regia / Rosewood / Ebony とあります。Juglans regia はヨーロピアンウォールナット(胡桃)、Rosewood は日本で 紫檀(したん) と呼ばれることも多い ローズウッド系(Dalbergia 属)の木材、Ebony は 黒檀です。
ニブはステンレスで、「イリジウムポイント」と記載があります。字幅は F(0.5mm)のみです。
ウォールナットの色味は好みです。
Jinhao Dadao はインクフローも良く、超ビッグサイズながら、意外と書きやすい一本でしたが、木軸のJinhao 9056はどんな書き味になるのか──。
あれ?
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