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2024年3月12日

初心者が行書を学ぶ前にみるべきオンラインコンテンツ

象と散歩:美しく速く書く技術

万年筆で流れるように美しい字を書きたい!

そう思い立ち、「美文字」というキーワードで検索して字の練習を始めましたが、結局、「ひらがな」から卒業することができずに挫折してしまいました。

しかし、「初心者こそ、速くカッコよく書ける行書を学ぶべき」と知り、再挑戦することにしました。

行書は、楷書よりも速く書けるだけでなく、読みやすく美しい書体です。しかも、基本パターンを学べば多くの漢字に適用することができるので効率的です。

行書で書くことによって、筆記速度が上がるだけでなく、速く書くことで集中力も高まります。万年筆で書けば、さらに味わい深い字になります。

しかし、「そもそも、行書って何?」という方も多いのではないかと思います。そんな、字の練習を始めようかと重あれている方が、最初にみるべきコンテンツを紹介していきます。


行書は、速く書くことができると実感できる動画

群馬県の公式動画「【中学国語】行書の魅力」では、中学の国語の授業の中で、行書の魅力を分かりやすく解説しています。

この動画では、行書を「楷書よりも速く書ける」「読みやすい」書体であるといっていますが、確かに、行書を知らなくても、字を速く書こうとすると、何となく続けて書いたりしているのではないでしょうか。

何となく続けるのではなく、行書には一定度のルールがあることを示しています。この動画の中では、速く書くコツ(行書の書き方の特徴)として、下記の2点について説明されています。

  1. 丸み
  2. 連続

また、下記は、教育出版の中学校書写にある、小学校で習う漢字の行書と楷書です。

一生涯役立つ速く書く技術である「行書」を、学校教育の中で教えてもらいたかった、、、。


行書についての知識を得る

続いては、大江静芳氏の「【速くきれいに書きたい方へ】ボールペンで行書の基本と書くコツ」です。この動画で、行書の歴史、魅力、特徴について学ぶことができます。行書について、もう少し詳しく知ることができます。

行書の特徴は、下記の3点についての説明があります。

  1. 線の連続(日、幸、言、書)
  2. 点折部分<曲線的に書く>(口、共、思)
  3. 点画の省略(きへん、れっか、もんがまえ)

「点画」は、てんかく、と読み、漢字を構成する最小単位の線のことです。点、横画、縦画、縦払、横払、曲げ、はね、とめなどの種類があります。

この動画の中では、群馬県の中学国語にはなかった点画の省力についての説明があります。


行書の書き方を知る

書道家の上平泰雅氏による「【劇的改善】行書の書き方【おさえるべき5つのポイント】」は、初心者向けの行書の説明動画です。下記の5つのポイントについての説明があります。

  1. 点画の省略(きへん、しめすへん、さんずい、もんがまえ)
  2. 点画の連続(三、つかんむり、さんづくり、れっか、口)
  3. 点画の変化(大、西、立)
  4. 筆順の変化(くさかんむり)
  5. 曲線的である(くち)

この5つが行書を書く上での基本ルールとなりますが、例としてあげている漢字は一部にすぎません。この基本ルールに基づくパターンをもう少し覚えれば、色々な漢字に適用できるようになります。


書き順(筆順)を覚えよう

行書は、点画と点画が繋がる流れを指す「筆脈」を意識するとあります。しかし、正しい書き順をわかっていなければ、筆脈を意識することはできません。

またそれ以前に、筆順を理解していないと、例えば、「と」「」を行書で書く時に繋げる部分がわからなくなってしまいます。


基本的な筆順

  • 上から下へ:三、
  • 左から右へ:川、林
  • 横画は縦画より先:十、共、青 複数の横画があるときは最初の横画の次に縦画
  • 貫く縦画は最後

上記のルールに当てはまらないものは、間違えやすい書き順としてもよく取り上げられています。

自分は、「共」に始まる「異」「選」、そして「青」の上の部分の書き順を間違っていました。いままで書き順を意識したことがあまりありませんでしたが、速く書くと自然に線が繋がっていくので、改めて正しい書き順の大切を実感しました。


行書を練習するには

行書を効率的に習得するには、以下の3つのポイントを押さえることが重要です。


1. 行書のパターンを学ぶ

行書の基本ルールには、以下のようなものがあります。

  • 省略:点画を省略する
  • 繋ぎ:点画を繋げて書く
  • 変化:形や位置を変える

これらの基本ルールにはパターン化されたものが多いので、このパターンを色々な漢字に適用することで、効率的に行書での書き方を習得できます。


2. 筆順を覚える

点画を物理的につなげるときだけではなく、スムーズに速く書くためにも、正しい筆順の理解は大切です。


3. 速くたくさん書く

速くたくさん書く練習としても「書く瞑想(ジャーナリング」は最適です。書く瞑想については象と散歩: 書く瞑想:ジャーナリングの始め方で紹介していますので、そちらをご覧ください。


行書を練習するための教材

行書は、速く美しく書ける実用的な書き方にも関わらず、初心者が普段の筆記具で学べる教材がほとんどありません。また上記で紹介した行書の動画で紹介されているパターンは限られています。

しっかりと学ぶのであれば、象と散歩: 字が汚いと悩むあなたへ!字を速く、きれいに書ける「行書」を初心者が学ぶ方法で紹介した、下記のUdemyの2コースです。

Udemyにある武内和恵氏の美文字講座
多彩な講座から自分に合った講座を探そう!

書籍では、「きれいな字を速く書く技術」がオススメです。

基本パターンが習得できたら、行書にも色々な書き方がありますので、自分の気に入った行書の書き方を調べて、真似てください。


お気に入りの万年筆で、行書練習を楽しく

お気に入りの筆記具を購入すると、気持ちも高まりますし、「使わないともったいない」という気持ちにもなります。中字の万年筆は、筆圧をかけずに、味わいのある文字を書けるのでオススメです。

特に、パイロットの金(14K)軟ペン中字と、セーラー万年筆の金ペン(21K)中字は、とても書きやすく、多くの人に愛されています。

カスタム ヘリテイジ 912 SMとプロフェッショナルギア

行書は、最初は難しいと感じるかもしれません。しかし、基本ルールをパターンとして覚えれば、必ず、今まで以上の字が書けるようになります。

お気に入りの万年筆で行書を練習して、カッコいい字を書きませんか?

2024年2月24日

ゼンマイ式ポモドーロタイマーで集中力アップ!ポモドーロテクニックと書く瞑想の時間管理

ゼンマイ式ポモドーロタイマー

集中力が途切れて、作業が進まない…そんな悩みはありませんか?

そんな悩みを解決してくれるのが「ポモドーロテクニック」です。本記事では、ポモドーロテクニックで使うポモドーロタイマー(ゼンマイ式トマト型キッチンタイマー)を紹介します。


ポモドーロテクニックとは?

ポモドーロテクニックは、25分間の集中作業と5分間の休憩を繰り返すことで、集中力を維持し、効率的に作業を進めることができる時間管理術です。イタリア語で「トマト」を意味する「ポモドーロ」という言葉が由来で、考案者が学生時代に愛用していたトマト型のキッチンタイマーから名付けられました。


ポモドーロテクニックのメリット

ポモドーロテクニックには、以下のようなメリットがあります。

  • 集中力が高まる
    短時間で集中作業を行うことで、集中力を維持しやすくなる
  • 作業効率が上がる
    集中力が高まることで、作業を効率的に進めることができる
  • 時間の使い方を意識するようになる
    時間を区切って作業することで、時間の使い方を意識するようになる
  • 達成感を得られる
    25分間集中して作業を完了することで、達成感を得られる
  • ストレスが軽減される
    休憩を挟むことで、ストレスを軽減できる

ポモドーロテクニックの活用例

ポモドーロテクニックは、勉強や仕事など、様々な場面で活用することができます。

  • 勉強:集中して勉強したいときに
  • 仕事:資料・企画書・設計書の作成など、集中力を必要とする作業に
  • 読書:長時間読書をするときに、集中力を維持するために
  • 書く瞑想:一定時間、書く作業に集中して瞑想をするとき
参考資料

ポモドーロテクニックを実践してみませんか?

ポモドーロテクニックは、誰でも簡単に実践できる時間管理術です。集中力が途切れてしまうと悩んでいる方は、ぜひポモドーロテクニックを試してみてください。

参考資料

ゼンマイ式トマト型キッチンタイマー

ポモドーロテクニックで、25分の作業集中時間と5分の休憩を計測するタイマーのことをポモドーロタイマーと言いますが、ポモドーロタイマーの日本語の直訳は、「トマト型計時器」です。また、かつてはキッチンタイマーと言えばゼンマイの力で動くアナログのタイマーでした。

つまり、ポモドーロテクニック名前の由来ともなり、公式サイトのロゴにもなっているゼンマイ式トマト型キッチンタイマーこそが、正統派のポモドーロタイマーです。


ゼンマイ式トマト型キッチンタイマーの魅力

ゼンマイ式トマト型キッチンタイマーには、以下のような魅力があります。

  • 集中力を高める
    チクタクという音と時間経過が視覚的に分かるので、集中力を高められる
  • レトロなデザイン
    レトロなデザインが可愛らしく、インテリアとしても楽しめる
  • シンプルな操作
    ダイヤルを回すだけのシンプルな操作でわかりやすい
  • 電池不要でエコ
    ゼンマイ式なので、電池が不要でエコです

おすすめのゼンマイ式トマト型キッチンタイマー

Amazonで販売されているゼンマイ式トマト型キッチンタイマーの中で、おすすめは下記のPrime対象の2つです。同じような形状ですが、違いは「目盛り」が上部にあるか、下部にあるかというのと、トマトのヘタの形状です。どちらも中国製です。

2つのポモドーロタイマーを比較
ブランド名 Pomya Aramox
サイズ (W)72mm x (H)55mm (W)63mm x (H)45mm
重さ 90g 80g
タイマー 1-60分 1-60分
トマトのヘタ ヒトデ型 5本 縦線入り 6本
目盛り位置 上部(ダイヤル部) 下部(本体部)
目盛りを指す矢印 下部(本体部) 上部(ダイヤル部)
タイマーの動き 時計回り 反時計回り

Pomya ゼンマイ式トマト型キッチンタイマーの特徴

幅が72mm、高さが55mmと、Aramoxのゼンマイ式トマト型キッチンタイマーより少し大きめです。上部のダイヤル部分に目盛りがあり、目盛りは反時計回りで増えているので(0の右が5)、タイマーをセットすると目盛りが反時計回りに動くことになります。

Pomya ゼンマイ式トマト型キッチンタイマー

Aramox ゼンマイ式トマト型キッチンタイマーの特徴

幅が72mm、高さが45mmと小ぶりのトマトです。上部のダイヤル部分に目盛りを指す矢印あり、目盛りは時計回り(右回り)で増えているので、タイマーをセットすると矢印が反時計回りに動きます。

Aramox ゼンマイ式トマト型キッチンタイマー

Aramoxのゼンマイ式トマト型キッチンタイマーを選んだ理由

価格も同等でデザインもほぼ同じですが、下記の2つの理由からAramoxのゼンマイ式トマト型キッチンタイマーを選びました。

  • 小ぶりの方が可愛らしい
  • ヘタのデザインが好み
ゼンマイ式ポモドーロタイマー

ゼンマイ式トマト型キッチンタイマーの使い勝手

ゼンマイ式トマト型キッチンタイマーは、レトロな見た目で可愛らしいだけでなく、25分間の作業と5分間の休憩を繰り返すポモドーロテクニックを実践するのに最適なタイマーです。また、10分間の「書く瞑想」にも使用しています。

1分-60分までのタイマーをセットできますが、正確な時間管理には向きません。

しかし、ポモドーロテクニックや書く瞑想を実践する上では、あまり時間を意識しすぎない、ゆるい時間管理の方が適しているのではないかと思います。残り時間の確認でも、「あと3分ぐらいか」という感覚での把握の方が、時間に追われすぎずに疲れません。

また、「カチカチ」という動作音は、時間の流れを感じられ、限られた時間の中で作業しているという実感を得られます。

トマト型ポモドーロタイマーの時を刻む音とベル音は、下記の動画で確認してください。

実際にゼンマイ式トマト型キッチンタイマーを使ってみて、デジタルタイマーよりも集中力が高まり、作業効率がアップしました。

時間管理にこだわりすぎず、ゆるい時間の流れの中で集中したいときには、ぜひゼンマイ式トマト型キッチンタイマーを試してみてください。


ゼンマイ式ポモドーロタイマーの使い方

ゼンマイ式ポモドーロタイマーは、ダイヤルを回すことでゼンマイのネジが巻かれます。

ポモドーロテクニックでの使い方:
  1. 時計回し(右回し)で、ダイヤルを最大の手前の55まで回してネジを巻く
  2. 25分間の集中作業のセット:反時計回り(左回し)でダイヤルを25のメモリまで戻す
  3. ベルが鳴ったら作業を終了
  4. 時計回し(右回し)で、ダイヤルを55まで回してネジを巻く
  5. 5分間の休憩のセット:反時計回り(左回し)でダイヤルを5のメモリまで戻す
  6. ベルが鳴ったら休憩終了

これを繰り返しますが、注意点は、タイマーをセットする前にネジを十分に巻くために55まで回してからダイヤルを戻してセットすることです。特に5分のときは、いきなり5にセットしてもベルが鳴りません。


ゼンマイ式ポモドーロタイマーの注意点

ゼンマイ式のタイマーに過度の期待をしてはいけません。下記を理解して購入してください。

  • ゼンマイ式タイマーは、ゼンマイの力で動き、ダイヤル位置も正確ではないので、時間誤差が生じる
  • 動作音がするため、他に人がいる環境では不向き
  • 壊れることを前提に使う

正確な時間で動作音がない方が性に合っているという方には、デジタル式タイマーをお勧めします。


購入後に気がついた2つのポモドーロタイマーの違い

作業時間として25分を設定するポモドーロテクニックでは、ダイヤル部分に目盛りがあるPomyaの方が実用的だったのではないかと少し後悔しています。

Pomyaは、タイマー起動時に動くのは上部のダイヤル部分なので、ポモドーロテクニックの作業中に三角形の矢印を自分に向けておけば、目盛り部分が時計回りに動き、残り時間が簡単に目視できます。

一方、Aramoxは目盛りが動かず、上部の矢印が反時計回りで動きます。そのため、終了時間の0を見えるように置くと、残り15分からしか確認できません。

ゼンマイ式ポモドーロタイマー

使ってみて、気がつきました、、、。


集中時間はゆるい時間管理がいい

現代は、正確な時間に刻まれて生活をしているからこそ、集中して作業を行う時間には、遊び心を持った、ゆるい時間管理でいいのではないかと思います。

小型でシンプルなデザイン、そして多機能なダイソーの時計付きキッチンタイマー(税込330円)も持っています。安価で実用的なタイマーではありますが、面白みはありません。

ダイソー キッチンタイマーとゼンマイ式ポモドーロタイマー

一方、ゼンマイ式トマト型キッチンタイマーは、正確な時間管理には向きませんが、レトロな見た目で可愛らしく、カチカチという動作音も心地良いです。

25分間の集中作業と5分間の休憩を繰り返すポモドーロテクニックは、ゼンマイ式トマト型キッチンタイマーと相性抜群です。また、書く瞑想では、10分間の集中して書く時間を計測するのにも役立ちます。

ゼンマイ式トマト型キッチンタイマーを使った、ゆるい時間管理で、ストレスを軽減させながら集中して「勉強」「仕事」「書く瞑想」に挑んでみてください。

2023年12月2日

ジャーナリングにカスタムヘリテイジ912ソフト・ミディアムが最適な理由

Custom Heritage912 とフラットに開くノート

万年筆の世界に足を踏み入れてから、ずっと憧れていたのは、以下の特徴を持つペン先を持つ万年筆でした。

  • 金ペン
  • 軟ペン

これまで試し書きの経験しかありませんでしたが、その柔らかく、滑らかな書き味に触れ、日本語の美しさを引き立てる「トメ」、「ハネ」、「ハライ」が表現できることにも感動しました。自分が大人な美しい行書を書いている姿を妄想することができます。

「いつか買いたい!」

と思いながらも、価格面で躊躇していました。しかし、ジャーナリングを始めてみて、普段使っているMD万年筆やLAMY Safariの中字は、書きやすい万年筆ではあるけど、ペンをしっかりと持ってペン先を紙に当てる書き方をしているため、速いスピードで書き続けることには限界があることに気づきました。書き続けていると、考えが止まる前に手が疲れてしまいます。

保有していた万年筆の中では、Watermanフィリアス M(中字)がジャーナリングに適した万年筆でした。

Watermanフィリアスのニブは大きい

スチール製ですが、大型のニブ(ペン先)で、滑らかな書き味を提供してくれます。またインクフローもよいので、筆圧をかけずに軽やかに文字を綴れます。しかし、線の太さの強弱の表現は、あまり得意ではなく、ペン先が直ぐに乾いてしまうので、1週間使ってないとインクが出なくなるとといった煩わしさがあります。


金ペンの特徴

金ペンとは、金製のペン先を持つ万年筆のことです。金ペンには、14K、18K、21Kなどがありますが、数値が大きいほど金の含有量が多く、ペン先は柔らかくなり、滑らかで濃い書き味になります。しかし、金の含有率は価格にも比例します。

金の純度は、金の含有量を24で割ったもので表されます。24Kを100とした金の含有率で、14Kは14/24(58.33%)の金を含み、21Kは21/24(87.50%)の金を含みます。また、Kは、Karat(カラット)の頭文字で、金の純度を表す単位です。

21Kになるとペン先がかなり柔かくなるので、軟調ペンといった特殊ペン先の必要はないかと思います。


ニブ(ペン先)のサイズの違い

同じ金の純度でもニブ・サイズが大きいと弾力性がでるので、ペンタッチが柔らかくなり、軽い筆圧でもインクが流れやすくなります。ペンのサイズもメーカーによって異なりますが、セーラー万年筆だと超大型、大型、中型、パイロット万年筆だと10号、5号のように記載されれています。

下表は、ニブ・サイズによる一般的な違いです。

金製 大型ニブ 金製 中型ニブ
柔らかさ 柔かい 硬い
字幅の変化 筆圧によって変化しやすい 安定している
インクフロー 多い 少ない
価格 高い 安い

柔軟さを求めるなら大型ニブが最適ですが、高額になります。予算に制限がある場合は、ソフト調の中型ニブがいいのではないでしょうか。


軟ペンの特徴

軟ペンは、柔らかいペン先で、筆圧をかけるとペン先が開きます。滑らかな書き味で、インクフローもよいので、線の太さの強弱を表現しやすく行書などにも向いています。

パイロットは、ソフト調の細字(ソフト・ファイン)、ソフト調の中細字(ソフト・ファインミディアム)、ソフト調の中字(ソフト・ミディアム)、超ソフト調(フォルカン)と軟ペンの宝庫です。

パイロットの14K 5号のペン先を選ぶのであれば、柔らかさを求めてソフト調のペン先がいいかもしれません。


柔らかく滑らかに書ける万年筆の選択肢

柔らかく滑らかに書くためには、ペン先の材質やサイズが重要です。一般的に、14Kや21Kなどの金製のペン先は、スチール製のペン先よりも柔らかく滑らかに書くことができ、ペン先のサイズが大きいほど柔軟性があります。また、細字よりも中字の方が線が太く、インクの量も多いので、滑らかに書くことができます。

上記の条件に合致する万年筆として、以下の3つを候補にあげました。

  1. セーラー万年筆 プロフェッショナル ギア 中字(21K・大型)
    21Kの大型ペン先を搭載した万年筆です。装飾部には金と銀があり、重厚感のあるデザインです。

  2. パイロット カスタムヘリテイジ 912 ソフト・ミディアム 中字(14K 10号)
    14Kの10号ペン先を搭載した万年筆です。ソフト・ミディアムはペン先が柔らかく、しなやかに曲がります。デザインは、とてもシンプルです。

  3. パイロット カスタムヘリテイジ 91ソフト・ミディアム(14K 5号)
    14Kの5号ペン先を搭載した万年筆です。912よりペン先のサイズが小さいですが、軟調ペンは、ペン先が柔らかいので、滑らかに書くことができそうです。

カスタム742(14K 10号)、カスタム74 (14K 5号)という選択肢もありますが、クリップの特徴的なデザインの玉クリップ(クリップの先にある丸い玉)がどうにも好きになれません。またカスタムは、万年筆の両端が丸くなっているバランス型ですが、カスタムヘリテイジは、両端が平らなベスト型です。

カスタム 742 SM
Custom 742 はバランス型

万年筆の形状には大きく2種類あり、両端が丸くなっているものがバランス型で、両端が平らなものがベスト型です。丸いのと平たいの。 | 筆記具専門店キングダムノート|スタッフブログにも記載されていますが、両端が平らなベスト型の方が歴史が古いとあります。丸みのあるもに懐古を覚える現代では、バランス型の方がスタイリッシュに見えるのが不思議です。


パイロット カスタム ヘリテイジ 912に決めた理由

セーラー万年筆 プロフェッショナル ギアがAmazonでかなり安価に販売されていたので、かなり迷いましたが、最初から気になっていたパイロットのソフトミディアムのペン先の万年筆に決定。ソフト・ミディアムであればカスタムヘリテイジ91で十分と購入を決めたところで、Watermanフィリアスのデカいペン先が脳裏に浮かんでしましました。

「やっぱり少しでもニブ・サイズは大きい方がいいのでは、でも値段が、、、」

と、葛藤している最中に

あ、912をポチってしまった、、、


カスタムヘリテイジ 912 の書き味は

「気持ちよく書ける!」が、最初の印象です。ミディアムサイズのニブの字幅は、細すぎず、視認性の高い文字が綴られていきます。

Custom Heritage912 のニブ

ソフト調のペン先ですが、柔らかすぎず、非常に書きやすいです。筆圧によって字幅を変化させることができ、トメ・ハネ・ハライといった表現もできます。インクフローは良好ですが、「ぬらぬら感」は強すぎません。ただし、インクの消費量が多いため、カートリッジだとコスパが悪いので、付属のプッシュ式のコンバーターの利用が必須です。

購入目的であったジャーナリングでは、『速く書き続けることができる』万年筆として素晴らしい性能を発揮しています。

ペンを握ってしまうと書き続けているうちに手が疲れてきますが、中指にペンを乗せて、親指と人差し指で軽く支えるという万年筆の本来の持ち方でペンをコントロールすることができるので、ペンを強く握る必要がありません。カスタムヘリテイジ912を使うと、もっと書き続けたくなります。

ブラックのボディでデザインがシンプルなので、手にしてカッコいいという訳ではありませんが、そのシンプルさにより長く使っても飽きがこないデザインと言えます。

万年筆の好みは人それぞれですので、必ずしもすべての人に合うとは限りません。しかし、カスタムヘリテイジ912は、滑らかな書き味と、軟ペンの特徴である柔らかい書き味を兼ね備えているため、長時間の筆記でも疲れにくく、快適に書き続けることができます。ジャーナリング用の万年筆を探しているの方は、是非、検討してみてください。

2023年11月26日

書く瞑想:ジャーナリングの始め方

ジャーナリングで内観

書く瞑想』は、自分の考えや感情を紙に記すことで心を落ち着かせ、内面を深く見つめ直す瞑想法です。また、そこに綴られた言葉の中には、自己の未知なる領域を発見する可能性が広がっています。

書く瞑想は、誰でも簡単に始めることができます。必要なのは、紙とペンだけです。


『書く瞑想』の2つの種類

ジャーナリング(Journaling)とエクスプレッシブ・ライティング(Expressive Writing)は、『書く瞑想』の代表的な手法です。

どちらもノートや紙に、頭に浮かんだことをそのまま書き出します。書くときは、文法や正確さにこだわらずに、感情に素直になり、自分の内側の声に耳を傾けます。


ジャーナリング

ジャーナリングは、Googleが開発したマインドフルネスをベースにした感情知能(EQ)を高める研修プログラムであるSIY(Search Inside Yourself)で紹介される5つのスキルのひとつである「洞察」を身につけるためのトレーニングです。ジャーナリングでは、自分の考えや感情を客観的に観察することで、自己理解を深めます。

Search Inside Yourselfについは下記の書籍に詳しく記載されています。

ジャーナリングとは、テーマ(お題)を決めてそれについて書いていく方法です。

自分の気持ちや考えを正直に書き出し、自分に問いかけたり、反省したり、感謝したりします。ジャーナリングには、自己理解や自己肯定感の向上、自分の成長や変化の確認、目標達成や問題解決のサポートなどの効果が期待できます。


エクスプレッシング・ライティング

エクスプレッシブ・ライティングとは、ネガティブな感情や出来事を書き出し、思考を整理することで不安やストレスを解消する方法です。エクスプレッシブ・ライティングには、自分を客観的に見ることができる、不安やストレスの軽減、気持ちの整理、課題解決力の向上などの効果が期待できます。


『書く瞑想』と『日記』の違い

ジャーナリング(Journaling)とエクスプレッシブ・ライティング(Expressive Writing)の相違点を、日記との比較も行いながら、下表にまとめました。日記は、日常の出来事やそれに対して思ったことを書く一方、『書く瞑想』では、出来事に関係なく、頭に浮かんだことや感情を手を休めることなく書き続けます。

  Journaling Expressive writing 日記
定義 テーマを決めて自分の感情や思考を書き出す 感情や内面の深層を表現することを目的として書く 日常の出来事や感じたことを記録する
目的 内観を深める
- 感情の整理と理解
- 自己探求
ストレス軽減
- 感情の解放
- 心の浄化
記録
- 行動
- 感情
書き方 幅広いテーマに関する考えや感情を書き出す 感情や内面に焦点を当ててネガティブな感情や出来事を書き出す 5W1Hで事実を記録する

様々なタイトルで書くジャーナリングであれば、興味を持って続けられそうな気がしますね。


ジャーナリングの手順

ジャーナリングのルールは、以下の3つです。

  1. 時間を決めて
  2. 考えずに
  3. 書き続ける

頭に浮かんだことをそのまま文字として綴っていきます。何を書くべきかを考えるのではなく、ただ書かれたままを受け入れるようにしましょう。乱筆乱文や誤字脱字も気にせず、ペンを絶え間なく動かし続けることが大切です。

もし、書くことが浮かんでこない場合は、次に書くことが出てくるまで「書くことがなくなった、何も書くことがない」と書き続けます。


ジャーナリングの適切な時間

ジャーナリングは、時間を計測して実施します。時間になったら書くのを止めます。

Search Inside Yourself には数分でも効果があると書かれていますが、5分間から始めることをおすすめします。あまり時間が短いと、書いた文章が自己発見につながりにくいです。書いた内容を読み返すと、前半は割といつも頭にあることが多く、後半部分に気づきがあったりします。

手書きでも書きやすいペンで速く書けば、5分間で300〜350文字程度は書けるので、それなりの文書になります。また、5分間書き続けていると手も疲れてくるので、5分間という時間は適当な時間です。もし、もっとゆっくり書きたい場合は、文書量を鑑みて時間を伸ばしてください。

Alexaの定型アクションで5分間のカウントダウンタイマーを作成して、1分ごとに通知するようにしています。下記に公開しているので、Alexaを使っている方は、使ってみてください。

Alexa定型アクション:5分間のジャーナリング
Alexa定型アクション:ジャーナリング

Alexa, ジャーナルを開始

で、5分間のジャーナルをスタートです。

また、書き足りないと思えるようになったら、10分、15分と伸ばしていくとよいでしょう。ただし、30分以上は長すぎるので、注意しましょう。


ジャーナリングのタイトルを決める

ジャーナリングを効果的に行うためには、その日に書くタイトル(お題)が重要です。ここでは、chatGPTのような生成AIを利用して、簡単に具体的で興味深いお題を見つける方法を紹介します。

プロンプトの例;

書く瞑想(ジャーナリング)のためのお題を5つあげて。お題はXXXで、書きやすいように具体的なものにして。

上記のXXXの部分を変えることで、さまざまなアプローチのお題を得ることができます。例えば、

  • ポジティブなもの
  • ネガティブなもの
  • 妄想的なもの
  • 音楽に関するもの
  • 最近の出来事に関するもの

気に入ったものがなければ、「さらに5つあげて」と続けて生成AIにアドバイスを求めることで、タイトルの候補を増やすことができます。これによって、ジャーナリングに役立つ具体的で魅力的なお題を見つけることができます。


ジャーナリングの筆記用具

基本的にはノートやペンだけで始められますが、書きやすさと継続するためのモチベーション維持には筆記用具はとても大切です。


ジャーナリングに最適なペン

速く、長い時間書き続けるためには、筆圧をかけずに滑らかに書ける中字の万年筆が最適です。LAMYサファリやMD万年筆の中字も、とても書きやすい万年筆ですが、筆圧をかけずに速く書くというのにはあまり向いていません。保有している万年筆では、既に販売中止となっているWaterman Phileas(フィリアス)の中字が筆圧なしで滑らかに書けるのでジャーナリングに適しています。

一般的に、スチール製のペン先は金製のペン先に比べてしなりが少ないと言われていますが、フィリアスのペン先は弾力のある筆記感があり、とても滑らかに書けます。難点はインクの消耗が早いのと、ペン先が乾きやすいということです。

ジャーナリングを口実にずっと気になっている軟ペンが欲しい、、、


ジャーナリングに最適なノート

万年筆で書くことを前提とするなら、書き心地が滑らかでインクの滲みや裏抜けが少ないノートがおすすめです。

『モレスキン カイエ ジャーナル』、『MDノート』、『MUJI 上質紙 フラットに開くノート』などは、高級感もあり、書きやすいノートかと思います。ただし、モレスキン カイエ ジャーナルはフラットには開きません。

モレスキン カイエ ジャーナル

速く書くことを前提とすると、フラットに開くノートの方が書きやすいです。また、サイズもあまり小さいと書きづらいので、MDノートならば、A5サイズがおすすめです。

お気に入りの万年筆とノートでジャーナリングを始めてみませんか?