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Post Date:2025年10月13日 

静かな時間を淹れる珈琲道具 ― セラミックフィルターとドリップポット

波佐見焼 セラミックコーヒーフィルター&coresドリップポット

CORES(コレス)のゴールドフィルター C246BKで淹れるコーヒーは、表面にオイルが浮かび、豊かな香りと力強いコクが楽しめます。

cores ゴールドフィルター C246BK

しかし齢を重ねていくと、“まろやか” で “澄んだ後味”を求めるようになってきました。

そんなときに見つけたのが、陶器が持つ多孔質という特徴を生かした、SANCERA139の陶器製フィルターです。

波佐見焼 セラミックコーヒーフィルター

日本の伝統的な焼き物(波佐見焼)がフィルターになる――そこには、日本ならではの知恵と技術、そして美しさが詰まっています。


波佐見焼とSANCERA139

SANCERA139 は、長崎県東彼杵郡波佐見町(はさみちょう)に本社を置く「株式会社 燦セラ(SANCERA Co., Ltd.)」が、波佐見焼の技術と多孔質セラミック技術を組み合わせて製造している製品です。

波佐見焼は、実用性と美しさを兼ね備えた長崎県の焼き物。陶器ならではの温かみと、現代の暮らしに寄り添うデザイン、そして新しい技術を柔軟に取り入れる姿勢が特徴です。

近年では「SANCERA139」「HASAMI」「natural69」など、モダンでシンプルな波佐見焼ブランドが多く登場しています。

その中でも、波佐見焼の伝統技術から生まれたSANCERA139 セラミックコーヒーフィルターは、まさにその精神を受け継ぎ、土の力と現代の感性が調和した逸品です。

AmazonなどではEthicalHouse(エシカルハウス)から波佐見焼 ニューセラミックコーヒーフィルター&ドリッパーとして販売されていますが、SANCERA(株式会社 燦セラ)のOEM製品です。

フィルター本体にSANCERA 139 MADE IN JAPANと刻まれています。

波佐見焼 セラミックコーヒーフィルター

セラミックフィルター × CORESドリップポット 理想のペアリング

SANCERA(燦セラ)Kuromaru|黒丸 セラミックコーヒーフィルタと、CORES(コレス)ドリップポット C470の相性はとてもよいです。

黒丸セラミックコーヒーフィルターは、とてもシンプルなデザイン。CORESのドリップポットも同じくミニマルで、取っ手がなく、容量も約300mlと小型です。どちらも機能性とデザイン性を兼ね備えた道具といえます。

CORES(コレス)ドリップポット C470

またCORESドリップポットは、持ち手のないすっきりとした形状で、注ぎ口も横に張り出していないため、使わないときも収納の邪魔になりません


☕️ なぜ相性が良いのか

セラミックフィルターとCORESドリップポット。このふたつが相性の良い理由は、互いの特徴を引き出し合っているからです。

① 黒丸 セラミックコーヒーフィルター:やわらかい抽出
  • フィルター部分が多孔質セラミックなので、お湯がじんわりと一定のスピードで自然に落ちる。
  • 紙を使わないため、コーヒーオイルがそのまま抽出され、味がまろやかで厚みが出る。
  • 抽出スピードがやや遅めなので、湯量と注ぎ方のコントロールが大切になる。
② CORES ドリップポット C470:細く安定した湯流
  • 約6mmという細口ノズルでピンポイントに注げるため、セラミックフィルターの抽出速度にぴったり合わせられる。
  • ハンドルがなく、掴み手から注ぎ口までの距離が近いので湯のコントロールがしやすく、粉の層を乱さず旨味の中心だけをじっくり引き出せる
  • ステンレス製で保温性が高く、安定した温度を保ちやすい。

セラミックフィルターのゆっくりとした抽出に、CORESドリップポットの繊細な湯の流れがぴたりと合う。それぞれの個性が、まろやかで澄んだ一杯を生み出します。


🔧 ちょっとしたコツ

セラミックフィルターは、お湯の通りがゆっくり。そのため、温度と注ぎ方のひと工夫で味わいがぐっと変わります。以下のポイントを意識すると、よりまろやかで澄んだ一杯に仕上がります。

  1. フィルターをあらかじめ80〜85℃のお湯で温める
  2. 蒸らしは20〜30秒、少量ずつ注ぐ
  3. 抽出全体は2分30秒〜3分を目安に

セラミックフィルターはお湯の通りがゆっくりなので、蒸らしは短めに。約20〜30秒ほど待ち、ガスが抜けて粉が少し沈んだら、ゆっくりと抽出を始めます。


🌿 味わいの特徴

セラミックフィルター × ドリップポットで淹れたコーヒーは:

  • 苦味がまるく、酸味がやわらかい
  • コーヒーオイル由来の香りとコクがしっかり残る
  • 後味がとてもクリーンで、雑味がない

コレス ドリンクポットでゆっくりとお湯を注ぐと、陶器のフィルターから静かに立ちのぼる香りが広がり、まろやかで澄んだ一杯が静かに完成します。

美濃焼 ぶるー浪漫 デミダスカップ

お手入れと使い方のコツ

金属フィルターは洗うだけで特別なお手入れは必要ありませんが、セラミックフィルターは長く使うためのちょっとした手間が必要です。

Ethical House(エシカルハウス)の公式YouTubeに公開されている「珈琲フィルターのいつものお手入れ編」という動画では、正しいメンテナンスの方法が丁寧に紹介されています。ただ、これを毎回行うのは、正直なところ少し大変です。

以下は、そのお手入れを簡略化したバージョンです。時間がないときは、①〜②を行ったあとに水を張った鍋に浸しています

洗浄は、セラミックフィルターの多孔質構造に詰まった微粉やオイルを取り除くためのもの。つまり、「フィルターの孔を呼吸させる」作業です。


🫧日々の簡略お手入れ

セラミックフィルターは、使うたびに少しずつコーヒーオイルや微粉が孔に溜まります。日々の小さな手入れを重ねることで、いつでも澄んだ味わいを保つことができます。

簡単お手入れ手順
  1. 使い終わったら、すぐにぬるま湯で裏から洗う
  2. 内側を洗ってさっと濯ぐ
  3. 鍋にお湯を張り、フィルターを自重で沈める
  4. フィルター内部にお湯が溜まったら鍋の外に捨てる
  5. 3〜4を数回繰り返す
  6. 最後にもう一度、全体をお湯で流して完了
💡 ポイント
  • 洗剤は使わない(孔を詰まらせる原因になります)
  • 使い終わったらできるだけ早く洗うのが一番のコツ

🔥 月に1度は煮沸を

抽出速度が遅くなっていなくても、定期的な煮沸洗浄で目詰まりを防ぎましょう。

こちらもEthical House(エシカルハウス)の公式YouTubeに公開されている「珈琲フィルターのスペシャルケア編」を参考にするのがおすすめです。

お湯を沸かした鍋にフィルターを入れ、5〜10分ほど煮沸するだけでリフレッシュ。こびりついた微粉や油分が抜けて、抽出スピードと風味が蘇ります。

少し手間はかかりますが、その分だけ“土のフィルター”は息を吹き返し、次の一杯をより澄んだ味にしてくれます。


残念な点と工夫

セラミックフィルターは、機能的にもデザイン的にもとても魅力的なのですが、ひとつだけ残念なのは付属の樹脂製ホルダーです。

波佐見焼 セラミックコーヒーフィルター

見た目がややチープで、フィルターをしっかり支える形状にもなっていません。そのため、以前から使っている木製のコーヒードリッパーホルダーを合わせて使っています。

波佐見焼 セラミックコーヒーフィルター&木製ホルダー

陶器と木の組み合わせは、見た目のバランスもよく、何よりもコーヒーを淹れる時間が少しあたたかく感じられます。

またシンプルなデザインのHARIO(ハリオ)のサーバーも長年愛用しています。

コーヒーを淹れる時間を、少しだけ丁寧にしてくれる道具。SANCERA139とCORES C470は、そんな存在です。

Post Date:2020年1月5日 

鉄瓶で飲む珈琲もまた美味なり

空間鋳造の鉄瓶EggとCorea Gold Filter C240

鉄瓶を愉しむ | 象と散歩 で鉄瓶について触れましたが、空間鋳造の鉄瓶 Egg を使い始めてから2年が経ちます。鉄瓶で沸かしたお湯はとても口当たりがよく、白湯(さゆ)のままでも美味しく飲めますが、抹茶、緑茶だけではなく珈琲との相性もとてもよいです。

鉄瓶で沸かしたお湯が美味しくなる理由は、

鉄瓶で沸かしたお湯は、鉄の成分がナトリウムやカルシウム、カルキ(塩素)をほぼ除去してしまうので、今まで飲めなかった水道水が魔法のようにまろやかでおいしくなり、使えば使うほどお湯がおいしくなります。

と、あります。

水道水を美味しい白湯にする方法は簡単です。グツグツと沸騰した状態で5分間は火を付けたままにしましょう。


鉄瓶の錆び具合

鉄瓶を購入するにあたって気にしたのは錆についてです。南部鉄器では、鋳型から取り出した仕上げ前の鉄瓶を 800 - 1000度で真っ赤になるまでじっくりと蒸らし焼きをし、鉄瓶の内部に黒さび(酸化被膜)を作ることで錆を防ぐ「金気止め(かなきどめ)」・「釜焼き」という伝統的技法があります。

後は、鉄瓶で繰り返しお湯を沸かすことで湯垢(ゆあか)が付着して錆びにくくなるといいます。で、実際に2年間利用した鉄瓶の内側はこんな状態になりました。

空間鋳造 鉄瓶 Egg 内部状態

内部には紫色と緑色のラインができていて綺麗です。下の方は白っぽくなっていますが、ところどころ茶色い斑点が見えるのは錆です。特に手入れはしていませんが、あまり錆ないんだというのが実感です。

鉄瓶の使用上の注意を払ってきたのは、

  • 鉄瓶が熱いうちにお湯を空ける
  • 空焚きをして内部を乾かす
  • 洗わない

この3点だけです。

流石、日本の伝統技術です。鉄瓶の購入するのであれば、高い技術力を誇る日本産のものを選択した方が、高価でも、長く使え、結果的にお得な買い物になるのではないかと思います。

空間鋳造のEggも買って後悔しない逸品だと思いますが、鉄器の及源鋳造株式会社 - OIGEN(オイゲン)愉しむをたのしむ【公式】 のラインアップには、1万円で購入できる鉄瓶もあります。


ステンレスボトルで保温

シンプルなデザインが気にってインドで購入した MILTON thermo bottle(700ml)をポット代わりに使っています。

MILTON TERMO STEEL は、インドのHAMILTON社が製造する18/8規格のステンレスを使った二層構造のウォーターボトルです。空間鋳造のEggが0.9ℓで、八分目の水で湯を沸かし5分間煮沸させると湯量が若干減るので。700mlのボトル(写真左)がちょうどいい感じです。

MILTON THERMO STEEL 700ml / 500ml

性能的にも6時間の保温で80℃が保てる優れものです。

残念ながら日本では購入できなそうですが、Amazonでコスパの高い Amazonベーシックのステンレスボトル(750ml)がありました。

Amazonベーシック ウォーターボトル ステンレス製 750ml

デザインはシンプル!容量はピッタリで、保温も6時間とポットとしても十二分な性能です。


美味しい珈琲を飲もう

さて、ここからが本題の鉄瓶で沸かしたお湯で美味しい珈琲の入れ方についてです。以前は紙フィルターを使っていましたが、いまは、金属フィルター(金メッキ)の Cores Gold Filter を使っています。

金属フィルターを使うと紙のフィルターでは吸収されていた珈琲の油分などを含めて珈琲本来の味わいをダイレクトに感じさせてくれます。

Cores Gold Fileter C240を愛用していますが、いまは、丸山珈琲との共同開発したC246BKが最新となっています。

美味しい珈琲の入れ方

✔ 鉄瓶で湯を沸かす
✔ フィルター、サーバーをお湯で温める
✔ 珈琲カップに湯を注ぐ
✔ 粗挽きの珈琲粉を使用(1杯8g)
✔ 少量のお湯で珈琲を蒸らす(30-40秒)
✔ ゆっくりと満遍なくお湯を注いで粉を膨らませる
✔ 珈琲が下に落ちたら次のお湯を注ぐ
✔ カップの湯を捨て水気をふき取ってから珈琲を注ぐ

金属フィルターは紙フィルターよりも目が粗いため、珈琲豆は中~粗挽きにします。鉄瓶は珈琲ポットのように少量のお湯を注ぐことができるので、珈琲粉全体にお湯がいきわたるように、ゆっくりとお湯を注いで珈琲粉を膨らませます。珈琲が落ちたらまた湯を注いで、これを繰り返し、二杯分で3分ぐらいの時間をかけると、美味しい珈琲ができあがります。

美濃焼 ぶるー浪漫 デミダスカップ

珈琲も鉄瓶で沸かしたお湯を使った方が断然美味しいです。日本の伝統技術である鉄瓶で沸かしたお湯で珈琲をいれ、和洋折衷を愉しみましょう。

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