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Post Date:2025年11月3日 

抹茶をおいしくする小さなひと手間 ─ 「抹茶ふるい」選びで、儀式から日常へ

芳香園 - 抹茶専用 抹茶ふるい

抹茶を自宅で楽しむのにも、どうしてもお茶を点てる道具が必要になります。

  • 抹茶椀:お茶を飲むための器
  • 茶筅(ちゃせん):抹茶、お湯、空気を撹拌する
  • 茶杓(ちゃしゃく):抹茶をすくうための道具
  • 抹茶篩(ふるい):抹茶を点てやすくするために、粉を均一にほぐす道具
  • 湯冷まし:抹茶を点てやすい温度に整えるための器

こうして並べてみると、道具の多さに少し身構えてしまいます。

この中で、自宅で抹茶を点てるときにも代えが利かないのが、茶筅(ちゃせん)と抹茶篩(ふるい)です。

抹茶篩(ふるい)は、抹茶の粉を細かく均一にして、なめらかな一服に整えるための道具です。点てる前に抹茶をふるうと、粉が細かくなるためお湯とよく混ざり、空気を含みやすくなって、口当たりがやわらかく、まろやかなお茶を楽しめます。

以前は下記の抹茶篩缶(ふるいかん)を使っていましたが、一回分のお茶をふるうには不便だし、抹茶篩缶の掃除も手間でした。

抹茶を点てる時間が特別であるのは確かですが、それでも、もう少し気軽に楽しめたらと思い、 茶こしタイプの抹茶篩にしました。


茶こしタイプの抹茶篩

抹茶篩缶と違って、毎回飲む分だけをふるいにかけられるのが、茶こしタイプの良さです。「日常的に抹茶を楽しむ」には、このタイプがいちばん気軽で扱いやすいでしょう。

形状は茶こしに似ていますが、抹茶篩は網目がより細かく、抹茶をなめらかなパウダー状に整えることができます。ただし、あまりに細かいと目詰まりしてしまいます。

芳香園 - 抹茶ふるいの適度なメッシュ

この抹茶篩は具体的なメッシュ数の記載こそありませんが、「抹茶をふるうのに最適なメッシュ幅を採用。」とあり、ちょうど良いパウダー状に仕上がります。

芳香園 - 抹茶ふるい でパウダー状の抹茶

日本製(新潟県燕市)で、素材は18-8ステンレス。18-8ステンレスとは、クロム18%、ニッケル8%を含む高品質なステンレスで、錆びにくく、においが移らず、手入れも簡単です。


🍵 茶こしタイプ抹茶篩の使い方

茶こしタイプの抹茶篩は使い方が簡単です。

  1. 抹茶椀の上にセットする

     抹茶椀の上に直接、抹茶篩をのせます。

  2. 抹茶を入れる

    茶杓2杯分(薄茶1杯分)を目安に、茶こしの中に抹茶を入れます。

    芳香園 - 抹茶ふるい 茶杓2杯の抹茶
  3. 軽く押しながらふるう

    茶杓の背で抹茶をやさしく押しながら金網を通します。無理にこすらず、撫でるように動かすと粉が均一になります。

    芳香園 - 抹茶ふるい でふるう
  4. 使用後は軽く洗い、しっかり乾かす

    金網に残った粉を軽く叩いて落とし、水ですすいでからよく乾かします。

これでお茶を点てる準備が完了です。あとは、お湯を注ぐだけです。但し、熱湯をそのまま使うと香りや味が損なわれてしまうため、ここでひと呼吸置いて、お湯を少し冷まします。


お湯を注ぐ前に冷ますことが大切

抹茶を点てるときは、熱湯をそのまま使うよりも、少し冷ましたお湯の方が味がやわらかくなります。熱すぎるお湯は抹茶の香りを飛ばし、苦味を強くしてしまうからです。

もちろん温度調整ができるケトルがあれば、湯冷ましは不要です。BALMUDA MoonKettle ー ちょっと焦がれています。鉄瓶を思わせるデザインは、抹茶を点てる所作にもよく似合います。

BALMUDA MoonKettleは50-100℃までを1℃単位で調節できる優れもの。一般的には抹茶を点てるときには、80℃前後で点てると、抹茶の甘みと香りが最も引き立つとされていますが、宇治抹茶などは、少し低めの温度の方が甘みが引き立ちます。

また、80℃といっても、実際に抹茶椀にお湯を注ぎ、茶筅で点てている間に温度は下がるので、お茶をいただく頃には、およそ70〜75℃前後になっています。

BALMUDA MoonKettleがなくても、湯冷ましを使って温度を整えることで、抹茶の粉がお湯になじみやすくなり、まろやかな泡と穏やかな香りが立ち上がります。ぜひ、自分好みの温度を探してみてください。


湯冷ましの使い方

お湯を冷ますといっても、難しいことはありません。沸騰させたお湯を湯冷ましに移し、湯気が落ち着くまで少し待つだけ。

陶器の湯冷まし(容量150-200ml程度)なら、1分でおよそ10〜15℃下がると考えるとわかりやすいです。室温が低い冬は早く、夏はゆっくり下がります。

以前は、陶器の片口の酒器(注器)を湯冷ましとして使っていました。

徳利型 片口 湯さまし

こちらの湯冷ましは、徳利(とっくり)型の片口です。

完全に主観ですが、持ち手のない湯冷ましの方が可愛い。お椀型の湯冷ましもありますが、かもしか道具店の湯冷ましは、どこか愛嬌のあるデザインです。

いまは、「静かな時間を淹れる珈琲道具 ― セラミックフィルターとドリップポット」で紹介したCORESトリップポットを、抹茶を点てるときにも使っています。

cores ドリップポット C470

抹茶を点てるときは、お湯を一気に入れるよりも、少しずつ注いで混ざり具合を調えるのが理想的。

注ぎ口が細く、湯量をコントロールしやすいCORESトリップポットは、その点でとても使いやすい道具です。

和洋折衷ですが、、。


抹茶の立て方

お湯は2段階で注ぎ、最後に表面を整えると、きれいな泡が立ちます。

  1. お湯を注ぐ

    茶杓2杯分の抹茶に対して、お湯は約60〜70mlが目安です。はじめに少量(20mlほど)を注ぎ、ペースト状になるまで茶筅でやさしく混ぜます。

    20mlの湯でペースト状に混ぜる

    そのあと、残りのお湯を静かに注ぎ入れます。

    cores ドリップポットで残り40mlの湯を注ぐ
  2. 茶筅で点てる

    茶筅を軽く立てて、手首を使って前後にすばやく動かすようにします。「M」または「W」を描くように動かすと、きめ細かな泡が立ちます。

  3. 表面を整える

    茶筅を少し持ち上げるようにして、「」を書くように表面を整えます。最後に中央からそっと茶筅を持ち上げると、こんもりとした泡に仕上がります。

    抹茶のクレマ

空気が混ざって生まれる微細な泡の層は、香りを閉じ込め、苦味をやわらげ、味をまろやかにします。それは、エスプレッソのクレマとよく似た役割です。


抹茶が危機的状況に、、

抹茶のもととなる茶葉は、碾茶(てんちゃ)です。

世界的な抹茶ブームを背景に、碾茶の生産量は増えているものの、需要に追いつかず、価格は年々高騰しています。

北米やヨーロッパ、中東などでも抹茶人気が広がり、輸出が増えたことで、国内の茶問屋や製茶業者の仕入れ価格にも影響が出ています。碾茶の価格は、この5年でおよそ2倍近くに上昇しました。

一方で、主産地の宇治(京都)・西尾(愛知)・八女(福岡)だけでなく、知覧(鹿児島)や静岡といった“煎茶どころ”でも、抹茶の原料となる碾茶づくりに力を入れる動きが広がっています。

煎茶は日光をたっぷり浴びて育てることで、爽やかな香りとほどよい渋みを生みます。一方、碾茶は収穫の20日前後から日光を遮る「覆下(おおいした)栽培」で育てられ、渋みを抑え、旨味成分(テアニン)を多く残す特別な茶葉です。

この碾茶を石臼で挽いたものが、私たちが口にする抹茶になります。


価格変動していない鉄瓶、、、

鉄瓶で沸かしたお湯はまろやかで、白湯として飲んでもとても美味しいです。抹茶だけでなく、日本茶、紅茶、珈琲など、どんな飲み物でもひと味違う一杯に仕上げてくれます。

空間鋳造 鉄瓶 EGG 大 - 沸騰する鉄瓶

10年前に一目惚れして手に入れた空間鋳造 鉄瓶 EGG 大は、いまも現役で活躍中です。正確な値段は覚えていませんが、たしか3万円ほどだったと思います。

空間鋳造 鉄瓶 EGG 大 と 抹茶椀

鉄瓶は長く使える道具なので、決して高い買い物ではありませんでしたが、現在の販売価格も30,800円と、物価高の中でも価格が維持されているのには驚かされます。

空間鋳造 EGG 大は900mlの容量で、可愛らしい丸みのあるデザイン。それでいて重さは約1.6kgあり、手に取ると鉄瓶ならではの重みと存在感をしっかりと感じます。

Post Date:2025年10月13日 

静かな時間を淹れる珈琲道具 ― セラミックフィルターとドリップポット

波佐見焼 セラミックコーヒーフィルター&coresドリップポット

CORES(コレス)のゴールドフィルター C246BKで淹れるコーヒーは、表面にオイルが浮かび、豊かな香りと力強いコクが楽しめます。

cores ゴールドフィルター C246BK

しかし齢を重ねていくと、“まろやか” で “澄んだ後味”を求めるようになってきました。

そんなときに見つけたのが、陶器が持つ多孔質という特徴を生かした、SANCERA139の陶器製フィルターです。

波佐見焼 セラミックコーヒーフィルター

日本の伝統的な焼き物(波佐見焼)がフィルターになる――そこには、日本ならではの知恵と技術、そして美しさが詰まっています。


波佐見焼とSANCERA139

SANCERA139 は、長崎県東彼杵郡波佐見町(はさみちょう)に本社を置く「株式会社 燦セラ(SANCERA Co., Ltd.)」が、波佐見焼の技術と多孔質セラミック技術を組み合わせて製造している製品です。

波佐見焼は、実用性と美しさを兼ね備えた長崎県の焼き物。陶器ならではの温かみと、現代の暮らしに寄り添うデザイン、そして新しい技術を柔軟に取り入れる姿勢が特徴です。

近年では「SANCERA139」「HASAMI」「natural69」など、モダンでシンプルな波佐見焼ブランドが多く登場しています。

その中でも、波佐見焼の伝統技術から生まれたSANCERA139 セラミックコーヒーフィルターは、まさにその精神を受け継ぎ、土の力と現代の感性が調和した逸品です。

AmazonなどではEthicalHouse(エシカルハウス)から波佐見焼 ニューセラミックコーヒーフィルター&ドリッパーとして販売されていますが、SANCERA(株式会社 燦セラ)のOEM製品です。

フィルター本体にSANCERA 139 MADE IN JAPANと刻まれています。

波佐見焼 セラミックコーヒーフィルター

セラミックフィルター × CORESドリップポット 理想のペアリング

SANCERA(燦セラ)Kuromaru|黒丸 セラミックコーヒーフィルタと、CORES(コレス)ドリップポット C470の相性はとてもよいです。

黒丸セラミックコーヒーフィルターは、とてもシンプルなデザイン。CORESのドリップポットも同じくミニマルで、取っ手がなく、容量も約300mlと小型です。どちらも機能性とデザイン性を兼ね備えた道具といえます。

CORES(コレス)ドリップポット C470

またCORESドリップポットは、持ち手のないすっきりとした形状で、注ぎ口も横に張り出していないため、使わないときも収納の邪魔になりません


☕️ なぜ相性が良いのか

セラミックフィルターとCORESドリップポット。このふたつが相性の良い理由は、互いの特徴を引き出し合っているからです。

① 黒丸 セラミックコーヒーフィルター:やわらかい抽出
  • フィルター部分が多孔質セラミックなので、お湯がじんわりと一定のスピードで自然に落ちる。
  • 紙を使わないため、コーヒーオイルがそのまま抽出され、味がまろやかで厚みが出る。
  • 抽出スピードがやや遅めなので、湯量と注ぎ方のコントロールが大切になる。
② CORES ドリップポット C470:細く安定した湯流
  • 約6mmという細口ノズルでピンポイントに注げるため、セラミックフィルターの抽出速度にぴったり合わせられる。
  • ハンドルがなく、掴み手から注ぎ口までの距離が近いので湯のコントロールがしやすく、粉の層を乱さず旨味の中心だけをじっくり引き出せる
  • ステンレス製で保温性が高く、安定した温度を保ちやすい。

セラミックフィルターのゆっくりとした抽出に、CORESドリップポットの繊細な湯の流れがぴたりと合う。それぞれの個性が、まろやかで澄んだ一杯を生み出します。


🔧 ちょっとしたコツ

セラミックフィルターは、お湯の通りがゆっくり。そのため、温度と注ぎ方のひと工夫で味わいがぐっと変わります。以下のポイントを意識すると、よりまろやかで澄んだ一杯に仕上がります。

  1. フィルターをあらかじめ80〜85℃のお湯で温める
  2. 蒸らしは20〜30秒、少量ずつ注ぐ
  3. 抽出全体は2分30秒〜3分を目安に

セラミックフィルターはお湯の通りがゆっくりなので、蒸らしは短めに。約20〜30秒ほど待ち、ガスが抜けて粉が少し沈んだら、ゆっくりと抽出を始めます。


🌿 味わいの特徴

セラミックフィルター × ドリップポットで淹れたコーヒーは:

  • 苦味がまるく、酸味がやわらかい
  • コーヒーオイル由来の香りとコクがしっかり残る
  • 後味がとてもクリーンで、雑味がない

コレス ドリンクポットでゆっくりとお湯を注ぐと、陶器のフィルターから静かに立ちのぼる香りが広がり、まろやかで澄んだ一杯が静かに完成します。

美濃焼 ぶるー浪漫 デミダスカップ

お手入れと使い方のコツ

金属フィルターは洗うだけで特別なお手入れは必要ありませんが、セラミックフィルターは長く使うためのちょっとした手間が必要です。

Ethical House(エシカルハウス)の公式YouTubeに公開されている「珈琲フィルターのいつものお手入れ編」という動画では、正しいメンテナンスの方法が丁寧に紹介されています。ただ、これを毎回行うのは、正直なところ少し大変です。

以下は、そのお手入れを簡略化したバージョンです。時間がないときは、①〜②を行ったあとに水を張った鍋に浸しています

洗浄は、セラミックフィルターの多孔質構造に詰まった微粉やオイルを取り除くためのもの。つまり、「フィルターの孔を呼吸させる」作業です。


🫧日々の簡略お手入れ

セラミックフィルターは、使うたびに少しずつコーヒーオイルや微粉が孔に溜まります。日々の小さな手入れを重ねることで、いつでも澄んだ味わいを保つことができます。

簡単お手入れ手順
  1. 使い終わったら、すぐにぬるま湯で裏から洗う
  2. 内側を洗ってさっと濯ぐ
  3. 鍋にお湯を張り、フィルターを自重で沈める
  4. フィルター内部にお湯が溜まったら鍋の外に捨てる
  5. 3〜4を数回繰り返す
  6. 最後にもう一度、全体をお湯で流して完了
💡 ポイント
  • 洗剤は使わない(孔を詰まらせる原因になります)
  • 使い終わったらできるだけ早く洗うのが一番のコツ

🔥 月に1度は煮沸を

抽出速度が遅くなっていなくても、定期的な煮沸洗浄で目詰まりを防ぎましょう。

こちらもEthical House(エシカルハウス)の公式YouTubeに公開されている「珈琲フィルターのスペシャルケア編」を参考にするのがおすすめです。

お湯を沸かした鍋にフィルターを入れ、5〜10分ほど煮沸するだけでリフレッシュ。こびりついた微粉や油分が抜けて、抽出スピードと風味が蘇ります。

少し手間はかかりますが、その分だけ“土のフィルター”は息を吹き返し、次の一杯をより澄んだ味にしてくれます。


残念な点と工夫

セラミックフィルターは、機能的にもデザイン的にもとても魅力的なのですが、ひとつだけ残念なのは付属の樹脂製ホルダーです。

波佐見焼 セラミックコーヒーフィルター

見た目がややチープで、フィルターをしっかり支える形状にもなっていません。そのため、以前から使っている木製のコーヒードリッパーホルダーを合わせて使っています。

波佐見焼 セラミックコーヒーフィルター&木製ホルダー

陶器と木の組み合わせは、見た目のバランスもよく、何よりもコーヒーを淹れる時間が少しあたたかく感じられます。

またシンプルなデザインのHARIO(ハリオ)のサーバーも長年愛用しています。

コーヒーを淹れる時間を、少しだけ丁寧にしてくれる道具。SANCERA139とCORES C470は、そんな存在です。

Post Date:2020年1月5日 

鉄瓶で飲む珈琲もまた美味なり

空間鋳造の鉄瓶EggとCorea Gold Filter C240

鉄瓶を愉しむ | 象と散歩 で鉄瓶について触れましたが、空間鋳造の鉄瓶 Egg を使い始めてから2年が経ちます。鉄瓶で沸かしたお湯はとても口当たりがよく、白湯(さゆ)のままでも美味しく飲めますが、抹茶、緑茶だけではなく珈琲との相性もとてもよいです。

鉄瓶で沸かしたお湯が美味しくなる理由は、

鉄瓶で沸かしたお湯は、鉄の成分がナトリウムやカルシウム、カルキ(塩素)をほぼ除去してしまうので、今まで飲めなかった水道水が魔法のようにまろやかでおいしくなり、使えば使うほどお湯がおいしくなります。

と、あります。

水道水を美味しい白湯にする方法は簡単です。グツグツと沸騰した状態で5分間は火を付けたままにしましょう。


鉄瓶の錆び具合

鉄瓶を購入するにあたって気にしたのは錆についてです。南部鉄器では、鋳型から取り出した仕上げ前の鉄瓶を 800 - 1000度で真っ赤になるまでじっくりと蒸らし焼きをし、鉄瓶の内部に黒さび(酸化被膜)を作ることで錆を防ぐ「金気止め(かなきどめ)」・「釜焼き」という伝統的技法があります。

後は、鉄瓶で繰り返しお湯を沸かすことで湯垢(ゆあか)が付着して錆びにくくなるといいます。で、実際に2年間利用した鉄瓶の内側はこんな状態になりました。

空間鋳造 鉄瓶 Egg 内部状態

内部には紫色と緑色のラインができていて綺麗です。下の方は白っぽくなっていますが、ところどころ茶色い斑点が見えるのは錆です。特に手入れはしていませんが、あまり錆ないんだというのが実感です。

鉄瓶の使用上の注意を払ってきたのは、

  • 鉄瓶が熱いうちにお湯を空ける
  • 空焚きをして内部を乾かす
  • 洗わない

この3点だけです。

流石、日本の伝統技術です。鉄瓶の購入するのであれば、高い技術力を誇る日本産のものを選択した方が、高価でも、長く使え、結果的にお得な買い物になるのではないかと思います。

空間鋳造のEggも買って後悔しない逸品だと思いますが、鉄器の及源鋳造株式会社 - OIGEN(オイゲン)愉しむをたのしむ【公式】 のラインアップには、1万円で購入できる鉄瓶もあります。


ステンレスボトルで保温

シンプルなデザインが気にってインドで購入した MILTON thermo bottle(700ml)をポット代わりに使っています。

MILTON TERMO STEEL は、インドのHAMILTON社が製造する18/8規格のステンレスを使った二層構造のウォーターボトルです。空間鋳造のEggが0.9ℓで、八分目の水で湯を沸かし5分間煮沸させると湯量が若干減るので。700mlのボトル(写真左)がちょうどいい感じです。

MILTON THERMO STEEL 700ml / 500ml

性能的にも6時間の保温で80℃が保てる優れものです。

残念ながら日本では購入できなそうですが、Amazonでコスパの高い Amazonベーシックのステンレスボトル(750ml)がありました。

Amazonベーシック ウォーターボトル ステンレス製 750ml

デザインはシンプル!容量はピッタリで、保温も6時間とポットとしても十二分な性能です。


美味しい珈琲を飲もう

さて、ここからが本題の鉄瓶で沸かしたお湯で美味しい珈琲の入れ方についてです。以前は紙フィルターを使っていましたが、いまは、金属フィルター(金メッキ)の Cores Gold Filter を使っています。

金属フィルターを使うと紙のフィルターでは吸収されていた珈琲の油分などを含めて珈琲本来の味わいをダイレクトに感じさせてくれます。

Cores Gold Fileter C240を愛用していますが、いまは、丸山珈琲との共同開発したC246BKが最新となっています。

美味しい珈琲の入れ方

✔ 鉄瓶で湯を沸かす
✔ フィルター、サーバーをお湯で温める
✔ 珈琲カップに湯を注ぐ
✔ 粗挽きの珈琲粉を使用(1杯8g)
✔ 少量のお湯で珈琲を蒸らす(30-40秒)
✔ ゆっくりと満遍なくお湯を注いで粉を膨らませる
✔ 珈琲が下に落ちたら次のお湯を注ぐ
✔ カップの湯を捨て水気をふき取ってから珈琲を注ぐ

金属フィルターは紙フィルターよりも目が粗いため、珈琲豆は中~粗挽きにします。鉄瓶は珈琲ポットのように少量のお湯を注ぐことができるので、珈琲粉全体にお湯がいきわたるように、ゆっくりとお湯を注いで珈琲粉を膨らませます。珈琲が落ちたらまた湯を注いで、これを繰り返し、二杯分で3分ぐらいの時間をかけると、美味しい珈琲ができあがります。

美濃焼 ぶるー浪漫 デミダスカップ

珈琲も鉄瓶で沸かしたお湯を使った方が断然美味しいです。日本の伝統技術である鉄瓶で沸かしたお湯で珈琲をいれ、和洋折衷を愉しみましょう。

Post Date:2015年7月23日 

抹茶を楽しむ

7_完成

ブログをはじめて直ぐに書いたのが、薄茶を点てる | 象と散歩 です。あれから少しは、まともな文章が書けるようになったのでしょうか。お茶はずっと楽しんでいますが、変化としてはお気に入りの抹茶碗を新たに見つけたことですかね。


The Book of Tea

"The Book of Tea" は、岡倉天心が海外に向けて、日本の総合芸術としての茶道を通して、文化、歴史、思想を説いている英語本ですが、「茶の本」として日本語訳も出版されています。茶道の精神は禅宗の考え方にあり、その根底には道教があります。内容的には難しいですが、日本人の美意識を改めて考えさせてくれます。

英文収録 茶の本 (講談社学術文庫) は、涌谷英明氏の翻訳も素晴らしく、英文も収録されているおススメの一冊です。

「抹茶を楽しむ」といったタイトルなのに、茶の心を説く本の紹介からになってしまいましたが、その背景にある世界観を知っておくことは、お茶を楽しむためにも無駄な事ではないかと思います。知識も楽しみのひとつです。


抹茶とはなにか

抹茶は碾茶(てんちゃ)からつくられます。甜茶とは、発芽から摘採(てきさい)までの間、強い日差しが当たらないように藁や葦簀(よしず)で遮光した、被膜栽培をしたお茶です。

お茶に含まれるテアニンは、日に当たるとグルタミン酸とエチルアミンに分解されます。このエチルアミンがカテキンの合成に使われお茶の渋みとなります。碾茶はカテキンの合成を抑制して、テアミンの含有量が多い、渋味の少ないお茶です。

玉露も同じ被膜栽培によって渋味を抑えたお茶ですが、抹茶は碾茶の葉脈や茎を取り除いて石臼で挽いたものです。


抹茶の科学的作用

抹茶に多く含まれるテアミン(アミノ酸)には、リラックスや抗ストレスの作用があり、逆にカテキンには抗酸化作用、脂肪燃焼などの効果があるといわれています。リラックスできる抹茶と健康のための煎茶と、同じお茶でも効能が違うなんて不思議です。


お茶を楽しむために必要なもの

千利休を流れを汲む三千家には、裏千家、表千家、武者小路千家とあり、現代にも「茶の心」は脈々と受け継がれています。茶道が何たるかであるかを知るために礼儀作法を学ぶことにも一理ありますが、もっと気軽に自宅で抹茶を楽しみましょう。

茶道を知らなくても抹茶は楽しめますが、楽しみの過程としての 雰囲気、特別感、味わい、リラックスのためには、美味しい抹茶とある程度の道具を揃えることが必要です。


抹茶(一杯の値段は、、、)

なるべく美味しい抹茶を選びましょう。美味しくないと思ってしまっては、その後が続きません。抹茶が初めてで、どれを買ったらいいかわからないという方には 一保堂の明昔 をお勧めします。

香りが高く、苦味が少なく美味しく飲めると思います。薄茶(うすちゃ)で飲むなら茶杓で一杓半(約2g)として20杯分なので一杯の値段は100円ぐらいです。

コスパ優先であれば、薄茶で50杯分の 丸久小山園の五十鈴 (いすず) でしょうか。こちらは薄茶で一杯50円弱です。

抹茶は冷温で保存すると香りと味が長持ちします。購入したら密封して(ジップロックが便利)冷凍庫で保存しましょう。


抹茶篩(ふるい)

抹茶を美味しく飲むためには、抹茶篩(ふるい)は必需品です。ふるいにかけないとお茶を点てたときにダマになってしまい、細かい泡も立たず、口触りが悪いお茶になってしまいます。

ふるいを使わずに、湯を注ぐ前に少量の水をいれてから茶碗の中で抹茶をコネて団子状態にしてもダマになりませんが、ふるいにかけた方が楽ですし、見た目もきれいです。ちょっとした手間暇をかけるだけで美味しいお茶を楽しむことができます。

一般的な抹茶篩は、網の上で抹茶をヘラで濾すタイプです。

近藤さんの茶ふるい缶 は、ちょっと変わっていて、付属の3個のふるい金具を網の中に入れて左右水平に振って抹茶を濾します。


茶筅(ちゃせん)

茶筅(ちゃせん)は、お茶を点てるためには、なくてはならない道具です。穂先の数が多い方が、細かい泡を立てやすいですが、持ち手の竹が太くなります。薄茶を楽しむのであれば、100本立てを選びましょう。

茶筅は消耗品なので「穂先がだいぶ折れてきたな」と思ったら交換時です。またお茶を点てる前には、茶筅の穂先をチェックして折れかかっていたらハサミで切ってしまいましょう。でないと抹茶に竹の切れ端が混じってしまいます。

折角、日本の文化を楽しむですから耐久性の高い国産の茶筅を選びたいところです。


茶杓(ちゃしゃく)

抹茶をすくう竹さじです。小さいティースプーンでも構いませんが、お茶を点てる雰囲気づくりのためにに一本購入しておきましょう。


抹茶碗

茶碗は自分が気に入ったものを購入しましょう。旅先でも焼き物やさんに寄ってみるとお気に入りの茶碗が見つかるかもしれません。


湯冷まし

薄茶を点てるは80-90℃が最適といわれていますが、熱いのが嫌いであれば70℃ぐらいでも美味しく点てられます。湯の温度によっても抹茶の味は変わります。色々と試して自分好みの湯温も探ってみてください。

ポットから直接、抹茶碗にお湯を注いでもいいのですが、あまりにも味気ないので、お湯を注ぐ道具としても湯冷ましがあると便利です。もちろん後述の鉄瓶でお湯を沸かすのであれば湯冷ましは必須です。


鉄瓶

ちょっと高価なものですが、鉄瓶で沸かしたお湯はまろやかで、抹茶だけではなく、煎茶や珈琲も美味しく飲めます。鉄瓶で湯を沸かすと二酸化鉄が溶け出し、二酸化鉄は体内に摂取されるとFe(鉄)として吸収されるとあります。二酸化鉄とは、Fe(鉄)とO2(酸素)が化合されたもので、いわゆる鉄錆びです。

鉄瓶は錆びやすいので、内側がホーロー加工されているものがありますが、これでは鉄瓶ではなくなってしまいますので、ホーロー加工されていないものを選びましょう。

鉄瓶を錆びないようにするには、火を止めたらお湯を出し切って、ふたを開けて余熱で乾燥させます。乾き切らないようであれば、少し空焚きをして乾燥させます。使わない期間が長くなると錆びてしまいますが、逆に毎日使っていれば、あまり錆びることはありません。


お抹茶の点て方

美味しく薄茶を点てるには幾ばくかのコツがありますが、難しいことはありません。

0_湯冷まし

① 抹茶を濾す前に、茶碗にお湯をはり、茶筅を入れておきます。茶碗を温めるとともに、茶筅をお湯に浸すことで、茶筅の穂先が柔らかくなります。

1_温める

② 抹茶を丁寧に濾します。

2_抹茶篩

③ 茶碗のお湯を払って、布巾で水気を拭き取ります。そこに濾した抹茶を投入。

3_お茶を入れる

④ お湯を60cc程度注いで抹茶を点てます。穂先が軽く底にあたる程度に前後にシャカシャカと。

4_お茶を点てる

⑤ 泡が細かいほど口触りがなめらかになります。全体的に泡がたったら、茶せんの先で泡の上に「の」の字を書くように中央から真上に引き上げると泡が山になりキレイな仕上がりになります。

5_お茶を点てる

⑥ 泡をもっこりとさせて、これで出来上がり。

6_もっこり

あとは、抹茶を味わっていただきましょう。


今日の一曲

Brian Eno の Music for Airport。テープレコーダのループが複雑な調和を生み出し、シンプルなメロディーを一瞬たりとも 同じ響きに感じさせることがありません。意識をすれば音が皮膚から入り込んでくるのがわかりますし、意識をしなければ、柔らかい空間に包まれているだけです。

谷川俊太郎の「あの青い空の波の音が聞こえるあたりに」から始まる "かなしみ" を音楽で表現したらこんな感じなのではないかと思ってしまいます。

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