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Post Date:2009年7月26日 

つぶやきを可視化

先日、Twitterの中で『到着した(just landed)』というtweets(つぶやき)をひろって可視化している「Just Landed: Processing, Twitter, MetaCarta & Hidden Data」を紹介してもらいました。ビジュアル的にも優れていますし、静的である文字表現を動的表現に変換するという試みは非常に面白く感じました。

※Tweetsとは、Twitterから発生した単語で、日本語の「つぶやき」を意味します。

詳細はわからなくても量的要素と拡散要素の両方を兼ねた視覚的効果であり、直感的でわかりやすい表現です。何よりもクールで格好よく、ステキです。

この動的表現の変換は、色々なところでも応用できると思います。物流を表すこともできるし、サイトの訪問や検索なども表現することは可能です。

Just Landed - 36 Hoursでは動画で見られます。


Just Landed: Processing, Twitter, MetaCarta & Hidden Data」の中で下記の記載があります。

The idea is simple: Find tweets that contain this phrase, parse out the location they’d just  landed in, along with the home location they list on their Twitter profile, and use this to map out travel in the Twittersphere (yes, I just used the phrase ‘Twittersphere’).



Twitterが、7月1日に「Tweets」を商標申請したというニュースがありましたが、この文章の中では、『Twittersphere』 という単語が使われています。

Blogosphere(:ブロゴスフィア)からの派生語とすれば、『Twittersphere』(:ツィッタースフィア)とはTwitter世界を意味すると思われます。
ブロゴスフィア(Blogosphere)
ブロゴスフィア(Blogosphere、ブログ圏)とは、全てのウェブログ(ブログ)とそのつながりを包含する総称である。無数のブログが、相互にリンクした共同体として(または共同体の集合として)、あるいは社会的ネットワークとして共存しているという感覚をもとにこの語は造られた。
【引用:wikipedia】
拡散の可視化という意味では、HONDAが2009年1月に公開した「INTERNAVI REALIZATION」でインターナビが収集した位置情報をビジュアライズする「NEURON ROAD」なども動的な表現としてとても優れています。こちらはスクリーンセーバーも用意されています。

インターナビの普及率はわかりませんが、色々なところで利用されていることを表す手法として、こちらもとても面白いと思いました。
世の中には、This idea is simple といえる、頭のよい人がたくさんいます。
Post Date:2009年7月24日 

統計でウソをつく法

先日参加したCRM系の会合で、「顧客満足度は売上には寄与しない」という話がありました。

例であげられていたのは、

「1980年代GMは、品質向上を図り、顧客満足度を90%まで向上させたが、継続してGM車を購入したのは40%にすぎなかった。」

と、いう内容です。

5割の人は満足しているといっているのに継続購入しなかったといわれると、確かに顧客満足度と継続購入には関連がないように聞こえます。しかし、上記の例から顧客満足度は売上に寄与しないと本当に言えるのでしょうか。例えば、下記のような前提条件がある場合はどうなるのでしょうか。(数値は適当です。)

1)米国人は車を買い換えるときに65%が別メーカーの車種を選択をする。
2)GM、フォード、クライスラーのシェアはそれぞれ30%。

1)や2)のような場合であれば、40%が継続購入したという結果は顧客満足度が起因して向上されたと判断できるかもしれません。また「非常に満足」という回答者でみれば継続購入率がもっと高くなっているかもしれません。

このように断片的な数値から判断することは非常に危険ですし、逆にいえば数値を理由にウソをつくこともできます。

平均のまやかし

厚生労働省の平成19年国民生活基礎調査では、平成18年の平均所得は566万8千円となっています。この数値だけをみて、平均値以下だと悲観する必要はあるでしょうか。

嘆く前に所得の分布を考察しましょう。平均収入については、公的機関からの発表資料なので分布についても掲載されています。これを見ると実は平均年収よりも低い世帯は61.2%です。所得の格差が広がっているという別の問題はありますが、6割の世帯が平均所得額以下である平均値は、何を意味する数値なのでしょうか。(※所得に関しては、他にも年代や居住地によっても異なります。)

所得金額階級別世帯数の相対度数分布(H19 国民生活基礎調査から引用)














古典的名著

統計でウソをつく法」は、そんな統計的まやかしについて書かれた本です。原作の初版は、1954年で日本では1968年に発刊されている超ロングセラーの名著です。掲載されている例題は、時代を感じさせますが、逆にそれもまた面白く感じます。

例えば、

『米国大統領選挙をある雑誌の購読者と電話調査でランドン圧勝と予測。しかし結果はルーズベルトの圧勝であった。』

これは、現在でも社会調査などで多く利用されるRDD(Random Digit Dialing)のサンプリング方式の問題点として記載されていますが、現在とは問題点が異なっています。当時は電話普及率が低く、保有者は富裕層でした。そして共和党支持者には富裕層が多かったということが調査ミスに繋がったとあります。

現在の日本では、携帯電話の普及によって固定電話の普及率が低下していますので、当時とは別な理由でRDDの問題点が指摘されています。

興味のある方は一読を。
Post Date:2009年7月23日 

ブログ新聞

今日は皆既日食でした。東京でも部分日食を観測できたところもあるとニュースで流れていましたが、その時間帯は窓のない会議室に籠もっていたのでわかりません...。

Googleのロゴも皆既日食バージョンと洒落ていました。


ブログ新聞

Business Media 誠に『米国で始まった「ブログ新聞」……読んでみたい理由』という記事がアップされていました。日本で「ブログ新聞」が始まれば、読んでみたいとかという質問の調査結果が記載されています(アイシェア調査)。

紙媒体のニュースを購読している方が、ネットニュース閲覧者よりも購読意識は高く4割。全体では3割が読んでみたいという結果になっています。

実際に『The Printed Blog』を閲覧してみましたが、写真を大きく取り上げ記事もしっかりしているように見えます。例えばニューヨーク版のタイトルでは下記ようなタイトルで記事が書かれています。
・maureen dowd’s tiny error (※maureen dowdはコラムニストのようです)
・one reason why social media fails

欧米ではブログでは記事をしっかりと書き、Twitterなどマイクロ・ブログでひとことコメントを書く、と、役割が明確になっているのか、ブログの内容は仕事の参考になるものも多数あります。

ブログの内容が雑誌にまでピックアップされれば、まさにCitizen Generated Mediaの確立です。

Business Media 誠の『ブログを印刷した新聞、読みたいですか?』では、ブログ新聞のビジネスモデルにも触れていますが、自分のお気に入りのブログを閲覧するだけであればRSSリーダーの登録で十分です。しかし多数あるブログの中から読みたいと思うものを探しだすのには限界があります。

総務省情報通信政策研究所が2009年7月に公表した、『ブログ・SNSの経済効果の推計』の中に「ブログ登録者数、閲覧数」という参考資料が添付されています。2009年1月末時点のブログ登録者数は延べ人数で2,695万人。気に入ったブロガーを探そうと、1日100件ペースでチェックをしていっても740年近くかかってしまいます。



数多存在するブログの中からピックアップし、リコメンドしてくれるサービスがあると確かに便利かもしれません。また語学力のない人間にとっては、正しく翻訳した記事をアップしてもらえるのもありがたいサービスです。

これが紙媒体として必要かどうかは別としても、画像を含めフォーマットされた全文記事をiPod touchなどでダウンロートできると通勤時の読み物としてはいいかもしれません。

リコメンド方式としては、閲覧した記事、記事の評価などから次第に趣味嗜好にあったブログがリコメンドされると嬉しいですね。肝心の収益モデルは、広告か有料サービス?

紙媒体で考えた場合は、既に知名度のあるフリーペーパーでの展開であれば、広告枠の営業などの問題も排除できるかもしれません。

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