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Post Date:2013年9月29日 

カクレクマノミの飼育は簡単?

カクレクマノミの飼育を飼育を始めてから早2年以上が過ぎました。現在、飼育しているのは、この春に購入した3代目(正確には2.5代目)で、ハタゴイソギンチャクと共生させてから半年が過ぎていますが何れも元気です。

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飼育を始めたときにも「カクレクマノミを飼おう!」という内容でブログを書きましたが、改めて初めてカクレクマノミを飼育するのにあたって何に気を付けなければならないかを考えたいと思います。

まず、タイトルの「カクレクマノミの飼育は簡単?」という問いに対してですが、答えは「YES」です。勿論、熱帯海水魚なので設備とある程度の手間暇がかかりますが、正しい器具の選択をして一程度のメンテナンスをしていれば、小型水槽での長期飼育は可能です。そうまで言い切って、なぜ、 2年半で3代目の飼育をしているかといえば、

  1. ネットで購入(初代 2匹)
  2. 苛められて1匹死亡
  3. ショップで購入(2代目 1匹)
  4. 病気で全滅
  5. ネットで購入(3代目 2匹)

ネットで購入した2匹のカクレクマノミは1年半ほど仲良くやっていたのですが、給餌をするともう1匹に餌を食べさせまいと、突いたり追い回したりするようになってきました。なぜ突然に?苛められているカクレクマノミが可哀想でしたが退避させる水槽もありませんでしたので次第に弱っていき、ついにある朝、貝の餌食となっていました。

それから半年ぐらい1匹だけで飼育していたのですが、やっぱり2匹いないと寂しいと新たにショップで購入してきた1匹を加えました。これが失敗でした。数日後に新参者のカクレクマノミの身体は薄い膜のようなもので覆われていました。病気?と思ったのですが、その翌朝には2匹とも ☆彡 になっていました。あとで調べてみると、トリコディナという致死率の高い病気だったようです。


新たなカクレクマノミ飼育への挑戦

水槽内にトリコディナが蔓延しているのではないかと心配し、新たに水槽を立ち上げることにしました。病気の個体を購入してしまい全滅させたことを悔いて、もう一度カクレクマノミの飼育にチャレンジです。今度の目標は、「カクレクマノミとイソギンチャクを共生させての長期飼育」です。イソギンチャクは過去にサンゴイソギンチャク、シイライトイソギンチャク、センジュイソギンチャクと安易に購入して飼育してみましたが、何れも短命で終わってしまっています。

イソギンチャクについてはもう少しその生態と飼育方法を調べるとして、先ずは新たな水槽の立ち上げです。


カクレクマノミの飼育に必要な用具

海水魚の飼育経験もなくカクレクマノミの飼育を始めましたが、2年半の飼育の中で初心者がどうすればカクレクマノミを長期飼育ができるかについてのポイントは理解できたつもりです。環境さえ整えればもともと飼育が難しい魚ではありません。また折角カクレクマノミを飼育するのであれば「癒し空間として部屋のインテリアとなるアクアリウム」するために下記の要素をベースに必要なものを選択しています。

  1. カクレクマノミの生活空間
  2. コンパクトでスッキリとしたレイアウト
  3. メンテナンスの容易性(簡単が一番)
  4. 癒し空間の創造

カクレクマノミの飼育に絶対必要なもの

下記のものがなれければカクレクマノミの飼育はできません。それぞれについては個別に説明していきたいと思います。

  • 水槽(小型水槽でも可)
  • ろ過装置
  • 底砂(サンゴ砂)
  • ヒーター
  • 人工海水
  • 海水比重計
  • バクテリア
  • ライブロック
  • 照明器具
  • 水温計

水槽

ショップなどで売られている2cm程の小さなカクレクマノミをみると小さな水槽でも飼育できるのではないかと思ってしまいますが、図鑑などでは成魚で 8-10cm とあります、環境や餌によって成長度合いは変わると思いますが、仮に雌が8cmまで成長したとしても(大きいのが雌となるため)、それより小さな雄と2匹であれば幅30cm(20ℓ)の小型水槽で十分飼育できます。飼育書などによっては幅45cmや60cmの水槽が推奨されていたりします。確かに水量が多くなれば水質は安定しますが、水槽のサイズに合わせて必要なものも大きなものとなりますので、初期コストや維持コストが高くなってしまいます。設置場所のスペースも必要となります。

自分は、コトブキ レグラス R-350 35cm(幅) × 22cm(奥行) × 28cm(高さ) 20ℓ を使っていますが、リビングに設置する水槽であれば、エーハイム アクアコンパクト用グラス水槽 EJ-30A(19ℓ)ジェックス グラステリアBZ 300CUBE(24ℓ) の方がスタイリッシュかもしれません。

幅30cmで容量20ℓといっても水槽によってはサイズだけで容量の記載がないものがあります。その場合は水槽サイズから容量を計算します。 エーハイム EJ-30SAであれば 幅30cm × 奥行25cm × 高さ30cm ÷ 1000=22.5ℓ となります。

幅(cm)x奥行(cm)x高さ(cm)÷1000=容量(ℓ)

※実際の水を入れる高さは淵より5cm程下の高さになりますし、上記の計算では水槽のガラスの厚さも考慮されていません。また底砂やライブロックを入れれば更に水の容量は少なくなりますが、計算上の容量が20ℓあれば十分だと思います。


ろ過装置

2年間、外掛けフィルターを使ってきましたが、水槽の再立ち上げにあたり、水質の安定を図るために外掛けフィルターよりも濾過容量の大きい エーハイム アクアコンパクト 2004 という外部フィルターに変更しました。エーハイム アクアコンパクト 2005 という製品もありますが、大きくは濾過容量(大きさ)の違いになります。

エアコンパクト2004 エアコンパクト2005
ろ過容量 1ℓ 1.5ℓ
ろ材の量 0.8ℓ 1.3ℓ
サイズ 128mm x 191mm 128mm x 241mm
対象水槽 45ℓ 50ℓ

エーハイム アクアコンパクト 2004 は、ポンプ部を水槽にかけて利用するタイプなので水槽内もすっきりとして、設置も初心者でも簡単です。注意点はホースの長さを水槽のた高さに合わせて切断しなければならないことでしょうか。写真は実際に水槽の脇に設置した状態です。小型なので水槽の横においても邪魔になりませんし音も静かです。

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エーハイム エアコンパクト2004付属のシャワーパイプを付けると水槽内が細かい気泡で満たされますので、エアレーション(ブクブク)も必要ありません。下の写真は、エーハイムエアコンパクト2004 接続面の反対側になりますが、白くゴミのように見えるのが水槽内で細かい気泡が舞っている様子になります。

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ろ過の仕組み

ろ過の仕組みには「物理ろ過」、「生物ろ過」、「吸着ろ過」の三種類があります。

  • 物理ろ過は、スポンジやウールマットによるろ過で、水槽中の比較的大きなゴミを除去します
  • 生物ろ過は、バクテリアで有害なアンモニアを分解して毒性の低いものにすることです
  • 吸着ろ過は、活性炭などの吸着素材で濾過する仕組みです

エーハイム アクアコンパクト 2004/2005 は上記の三種類のろ材を組み合わせたろ過装置です。更に 2005には吸着ろ材の活性炭フィルターパッドも付いています。

アクアコンパクトのろ材を水の流れる順番は、ポンプの吸水口にあるストレーナースポンジフィルタ ⇒ 粗目フィルターパッド ⇒ サブストラットプロ レギュラー ⇒ 細目フィルターパッド ⇒ 活性炭フィルターパッドの順番です。エーハイムの説明では、それぞれのろ過の役目を以下のように記載しています。

ろ材 ろ過
ストレーナースポンジフィルタ 物理ろ過
粗目フィルターパッド 生物ろ過(物理ろ過)
サブストラットプロ レギュラー 生物ろ過
細目フィルターパッド 物理ろ過
活性炭フィルターパッド 吸着ろ過

交換用フィルターパッドの説明では、ストレーナースポンジフィルタと粗目フィルターパッドは洗浄となっています。生物ろ過が目的であれば折角定着したバクテリアを水で洗い流してしまうことになりますので、物理ろ過の役割も担っているのではないかと考えられます。

そして、ろ過の仕組みの中で最も大切となるのが「生物ろ過」です。餌の食べ残しやカクレクマノミの糞で水槽内には有害なアンモニア(NH3/NH4+)が発生します。

アンモニア(NH3/NH4+)を亜硝酸(NO2)に変化させるバクテリアと亜硝酸(NO2)を硝酸塩(NO3)に変化させる2種類のバクテリアによって水槽内の水は濾過されます。アンモニアを害の少ない硝酸塩に分解してくれるバクテリアを好気性(こうきせい)バクテリアといい、繁殖、活性化するためには水中の酸素が必要です。

吸着ろ過材の活性炭は、水を黄ばみを透明にし、臭いも吸収してくれるの居間に設置するアクアリムとしは必需品だと思います。


硝酸塩(NO3)の分解

水槽の中で蓄積されてしまう硝酸塩ですが、自然の海では、植物性プランクトンや海藻に摂取されたり、嫌気性(けんきせい)のバクテリア(無酸素環境で活動)によって窒素に分解され大気中に放出されるようです(硝酸塩→亜硝酸塩→窒素)。水槽内では嫌気域(無酸素の領域)を作るのが難しいために自然と同じように硝酸塩(NO3)を分解させることは難しいようです。

使用したことはありませんが、嫌気域(無酸素)ではなく好気域(有酸素)で還元バクテリアや酵素の活動によって硝酸塩を二酸化炭素に分解する 硝酸塩完全除去剤 AZ-NO3 という製品も販売されています。

うまく硝酸塩を除去することができれば、基本的に水槽の水替えが必要なくなるはずです。


底砂

底砂も生物濾過としての役割もありますし、ライブロックなどのレイアウトにも底砂があった方が安定します。海水魚にはサンゴ砂がよく使われています。水槽を一掃したときに以前の粗目のサンゴ砂から細かいサンゴ砂に換えてみました。

カクレクマノミの飼育では最低 2cm は底砂が欲しいところです。パウダー砂で1.4kg/1ℓ、細かいSサイズで1.3kg/1ℓ とありますので、必要な底砂量は計算によって求めます。

例えば エーハイム EJ-30SA にサンゴ砂Sサイズを2cm分敷くためには、

30cm(幅) x 25cm(奥行) x 2cm(高さ) ÷ 1000 × 1.3kg = 1.95kg

必要であることがわかります。逆に2kgのSサイズのサンゴ砂を買ったとすると

2kg ÷ 1.3kg x 1000 ÷ 30cm(幅) ÷ 25cm(奥行) ≒ 2.1cm

底砂を敷くことができます。

底砂の値段もピンキリなのですが何が違うのかよくわかりませんが、天然サンゴ砂を選べばいいのではないかと思います。サンゴ砂 粟サイズ SS 2kg も 680円とお買い得な商品ですが、送料を考えると マルカン ヤドカリのリラックスサンドお徳用 2.5kg が勝ります。商品名にヤドカリとありますが、100%天然サンゴ砂で細かさも適度で、2.5Kg という容量も十分です。Amazon で 1000円以下で購入することができます。


ヒーター

カクレクマノミは熱帯魚なので低水温では飼育できませんので水温が下がる冬はでヒーターが必要となります。カクレクマノミの飼育は25℃前後とありますが、実際に飼育してみると20℃ - 30℃ぐらいであれば元気にしています。

小型水槽であれば大きなヒーターも必要ないので電気代の節約のためにも50W型で温度設定ができる小型ヒーターを選びましょう。エヴァリス オートヒーターダイヤルブリッジ 50AD で冬場は水温24℃に設定しています。


人工海水

カクレクマノミは熱帯魚なので海水での飼育となります。水槽が20リットル以下だとしても、定期的に水替えも必要となるので50リットル用ぐらいのものを購入しましょう。

また計量のためにクッキングスケール、人工海水のもとを溶かすためのポリ容器があると便利です。

ポリタンクは水替え用の人工海水を作るとき使っています。また釣りに行ったときに海水を汲んでくるのにも使用しています。


人工海水の作り方

  1. クッキングスケールで5ℓに必要な量を計測
  2. 人工海水のもとをポリタンクに投入
  3. 1ℓのペットボトルで5ℓ分をポリタンクに投入
  4. 5ℓに必要な塩素除去剤(カルキ抜き)を投入
  5. 蓋を閉めてポリタンクの取っ手をもって上下に強く撹拌

なぜ10ℓのポリタンクで5ℓ分しか人工海水を作らないかといえば、ポリタンクを撹拌させて人工海水のもとを水に溶かす目的と腕力的な問題からです。また塩素除去剤(カルキ抜き)も5ℓに必要な容量をポリタンクに入れます。塩素が除去できる家庭用の浄水器を使っているのであれば、浄水器の水を直接使っても問題ありません。塩分濃度についてはこの時点で計測しなくても水槽に新しい人工海水を投入しながら調整すれば大丈夫です。

熱帯魚のための安全な水が1本で簡単に作れます。水槽設置時、水替え時に、水道水を熱帯魚にとって理想的な水に速やかに調整する、オールインワンタイプの大変便利な水質調整剤です。●水道水に含まれる魚に有害なカルキを速やかに中和します。●水道水に含まれる重金属、クロラミンを速やかに無害化します。●魚の表皮・エラを保護する水に調整します。●淡水・海水両用。

また人工海水のもとの計測が面倒というのであれば テトラ マリンソルト プロ 楽々水替えパック は10ℓ単位に小分けされているので、適当に半分に分けて、2回に分けて人工海水を作れば10ℓの人工海水が作れます。


海水比重計(塩分濃度計)

カクレクマノミの飼育本を読むと海水魚の飼育に適した比重は 1.023前後とあります。海から汲んできた海水も1.023ぐらいです。しかし実際の飼育の中では1.020~1.026ぐらいの間であれば大丈夫ではないかと思います。海水の比重を気にするよりは急激な変化がないように注意しましょう。

水分が蒸発すると海水の塩分濃度(比重)は高くなります。また塩だれといって海水の飛散で塩が結晶化すると塩分濃度(比重)は下がります。蒸発した分の水は補給しましょう。足し水は海水ではなく真水です。海水で蒸発分を補充すると塩分濃度が高くなってしまいます。

定期的にハイドロメーターを使って比重のチェックをしましょう。


バクテリア

濾過装置のところでも記載しましたが、カクレクマノミの飼育で水質を保つためにはバクテリアは必須です。水槽を立ち上げるときと水替えをするときにはバクテリアの補充が必要です。外部フィルターのろ材にも、底砂として敷いたサンゴ砂にも最初はバクテリアは存在しません。初めてカクレクマノミを飼育するために水槽を立ち上げたときには、 ばくとEins/ばちるすEins を使いましたが、今は ベルテックジャパン Bioスコール 海水用 を使っています。

水槽立ち上げ時には10ℓあたり20mlの投与を4日間必要とあるので、20ℓの水槽では80ml必要になります。また水替え時にも補給するので、余裕を持った少し大きめのもの選択しましょう。

また後から知ったのですが、ライブサンドといわれるバクテリア付きのサンゴ砂も販売されています。下記の Bact Sand(ばくとサンド)は安価なので試す価値はあるのではないでしょうか。

ライブサンド(Live sand)とは、珊瑚礁を形成する浅海において死サンゴの骨格が風化し、のように粉砕され、様々な生物群集が繁殖した状態のものを指す。これに付着した生物群集が閉鎖環境下の水質維持に貢献するとされる。
【引用】Wikiペディア

ライブロック

ライブロックとは、サンゴの死骸等の石灰石の表面に石灰藻などが付着したものです。内部に小さな隙間が無数にあり、そこに無脊椎動物、小さな甲殻類、バクテリアなでの微生物がたくさん生息しています。長期的にみてもバクテリアが定着する場所になります。また水槽のレイアウト作り、アクアリウムとしての景観のアイテムとしても必須です。

ライブロック(Live rock)とは、珊瑚礁を形成する浅海において主に死サンゴの骨格が風化し、表層に様々な生物群集が繁殖した状態のものを指す。これに生息する無脊椎動物やバクテリアなどの生物群集が閉鎖環境下の水質維持に貢献するからである
【引用】Wikiペディアから

ライブロックの必要量は水槽の1/10程度が必要とありますので、20ℓ水槽であれば 2Kg が目安となります。


照明器具

カクレクマノミだけの飼育にも照明が必要です。またインテリアアクアリウムとしても必要な要素です。カクレクマノミだけの飼育であれば強力なライトは必要ないので、低電力で色彩豊かなLED照明がインテリアアクアリウムには最適です。GEX フラットビーム オーロラ は名前の通り電灯部がフラットで厚さ14mmと薄型ですっきりとしています。また高輝度フルカラーLEDを採用し、3つのマミで色彩を自由に調整できます。¥1,980という破格の値段で売られていたのでGETしました。

廉価版の GEX クリアLED エコリオ アーム は、白色LED×18 青色LED×3 赤色LED×3 の24LED で3系統が独立したスイッチになっていて、On/Offにより色の組み合わせが調整できるタイプです。消費電力は3.2W(フラットビーム)/3.3W(エコリオ アーム)で、1日12時間点灯した場合でも電気代は月々30円足らずです。

可変色LEDライトで好きな光の色にチェンジ!サンゴ水槽や水草育成など使い方無限大。

とありますが、この照明単体ではイソギンチャクを飼育することは難しいのではないかと思います。アクアリウムを楽しむための照明として捉えましょう。


水温計

カクレクマノミの飼育に最適な海水温は25℃前後とあります。冬はヒーターを使えばいいのですが、夏場に25℃を保とうとすると水槽用のクーラーが必要となります。前述したように30℃でもカクレクマノミは元気でしたが、それ以上に高温になるようでしたらクーラーの購入を検討した方がよいかもしれません。20ℓ以下の水槽であれば外部フィルターと接続する テトラクールタワー CR-1 などがあります。

こんな感じで接続します。外部フィルターと並べると結構なスペースが必要となります。

テトラ クール タワー CR-1
テトラ クールタワー CR-1

このように水温を計測するために水温計は必要です。デジタル式の水温計の方が見やすいですが、そんなにこまめに水槽を気にする必要もありませんし、邪魔にもなるので、個人的にはアナログ水温計がすっきりとしていて好きです。エヴァリス きっちり計れる水温計 は色で分けれていて24℃から30℃までが黄色になっています。


カクレクマノミ飼育の初期費用

カクレクマノミの飼育しようとすると初期で一体いくらかかるのでしょうか。今回紹介した商品を ‘13.9.20 時点で調べた金額が下記になります。最低限必要なもので 25,000円、クーラーを購入すると35,000円程必要となります。多少異なった商品を選択したとしてもカクレクマノミの飼育を始めるにあたって 2-3万円ぐらい必要と考えた方がいいです。

※ 下表を2017年12月現在の価格で更新(送料別)

商品名 Amazon 楽天
水槽 エーハイム EJ-30A 3,237 3,050
ろ過装置 アクアコンパクト 2005 4,980 3,950
底砂 ばくとサンド ミディアム ×2 1,744 (872) 1,700 (850)
ヒーター エヴァリス オートヒーター ダイヤルブリッジ 50AD 3,800 2,950
人工海水 テトラ マリンソルト プロ 50L 840 770
海水比重計 テトラ ハイドロメーター 1,390 1,258
ライブロック S-Mサイズミックス(2kg) 6,000 6,000
照明 GEX クリアLED エコリオ アーム 27,07 2,080
水温計 エヴァリス きっちり計れる水温計 450 298
小計 25,148 22,056
クーラー テトラ クールタワー CR1 9,440 9,070
中計 34,588 31,126
クッキングスケール タニタ クッキングスケール KD-320-WH 2,5682,680
ポリタンク セーブ ポリタンク 10ℓ ノズル付 1,884 2,829
合計 39,040 36,635

水槽の立ち上げとカクレクマノミの投入

水槽の水質が安定するまでには2-3ヶ月必要だともいわれています。しかし、そんなに待つこともできません。またカクレクマノミは案外丈夫な魚なので、あまり神経質になる必要もありません。最初の水槽立ち上げには、ばくとEins を使って水槽にカクレクマノミを入れるまでに10日間かけましたが、今回は、前回の水槽から引き継いだ巻貝、ヤドカリに餌をあげながら Bioスコール 海水用 を4日間投与し、翌週に水質チェックなるものをしてからカクレクマノミを投入しました。

但し、水質は1週間程度で安定しているとは思えないので試験紙による水質チェックは気休めと好奇心満たすためです。

水質のチェックは、水生生物にとって大切なpH(ペーハー)と、有害なアンモニア(NH3/NH4+)と亜硝酸(NO2)をテトラのテスト試験紙で測定してみました。理科の実験のようで海水に浸した試験紙の色とサンプルの色とを比較するのですが、pHについては色の違いがよくわかりませんでした。


カクレクマノミを選ぼう

カクレクマノミは人気があるので海水魚を扱っているアクアリウムショップであれば大抵は販売されています。またネットでも多く扱われています。販売されているカクレクマノミは4タイプに分別されます。

ひとつはブリードと呼ばれている養殖されたカクレクマノミです。ブリードには国内と外国(東南アジア)があるようですが、敢えて東南アジア産ブリードのように記載されているものはみたことがありません。もしかしたら単にブリードと記されているカクレクマノミは外国産なのかもしれません。

そしてあとふたつが外国産と国産の天然ものです。カクレクマノミは暖かい海に生息しているので国産だと沖縄産になります。値段は一般的に、ブリード<国産ブリード<天然<国産天然 と高くなっていきます。国産ブリードのSサイズなら1匹800円程度ですが、沖縄産の天然だと2,000円にもなります。更に沖縄産天然ペアになると6,000円以上です。サイズはSサイズで2-3cm、Mサイズで4-5cm程度です。カクレクマノミは2年で成魚になるとあるので、Sサイズは生後1年未満、Mサイズで生後1-2年ぐらいなのでしょうか。

ネットでの生体購は不安もありましたが、購入したカクレクマノミは問題はありませんでした。事前にネットショップの口コミをみて判断してください。

熱帯魚店なので購入するのであれば、入荷直後の水槽に大量に泳いでいる状態ではなく、日数が経って数が少なくなってからの方が、病気を持っている確立が下がります。また国産ブリードで少しでも長く水槽環境下で生きてきたと思われるMサイズのものを選ぶとよいかもしれません。


イソギンチャクとの共生

カクレクマノミの飼育の再チャレンジにあたっての目標はイソギンチャクとの共生でしたが、掲載している機材は、カクレクマノミ単体の飼育用のものです。

イソギンチャクの飼育には、水流や光合成を促す灯りが必要となります。きちんと調べずにカクレクマノミとイソギンチャクを共生させたいという気持ちだけで、イソギンチャクを購入してしまうと、間違いなく失敗すると思います。

自分も3回の失敗を経て、やっと生体についてきちんと調べなければならないと気がつきました(遅すぎでしたが…)。

共生での長期飼育にあたっては、色々と調べて必要な機材を用意してからハタゴイソギンチャクを購入しました。共生環境での飼育開始から半年を過ぎましたが、いまのところ大きな問題は発生していません。しかしまだ長期飼育とはいえる期間ではありません。イソギンチャクの飼育についてはまた別で書いてみたいと思いますが、初めてカクレクマノミを飼う方にはこれだけは言えます。

安易にイソギンチャクを購入しない!

※ ハタゴイソギンチャクとの共生については、「初心者のイソギンチャクとカクレクマノミの共生飼育」で詳しく説明していますので、こちらをご覧ください。(2013.10.22 追記)


カクレクマノミの飼育

カクレクマノミの飼育は難しくありませんが、水質が安定するまではBioスコールの説明書にあるように、2週間に1回、2日間連続でBioスコールを投入してください。水質の安定がカクレクマノミに飼育には大切です。また飼育には「毎日すること」「毎週すること」「毎月すること」の3つがあります。そんなに難しいことではないので、これだけを守れば長期飼育はできると思います。


毎日すること

  • 照明のOn/Off
  • 給餌
  • 補水(蒸発した水を足す)
  • 水温をみる

カクレクマノミに朝晩に2回、食べ残さない程度に動物食性のでメガバイトレッドを与えています。また副食(おやつ)として植物食性のメガバイトグリーンを与えています。何れもよく食べます。サイズはカクレクマノミがSサイズ(2-3cm)ならメガバイトもSサイズ、カクレクマノミのサイズがMサイズ以上ならメガバイトもMサイズを用意しましょう。

また補水のために最初にどこまで海水を入れたかをセロテープを水槽に貼ってその上からマジックでマーキングしておくと便利です。水の補給に水道水は使えないので、カルキ抜きが面倒であれば安いミネラルウォーターを購入しておくと便利です。


毎週すること

  • 水槽の清掃(コケ取り、塩だれ拭き)
  • バクテリアの補給

水槽のガラスにコケが生えてきたらゴシゴシと手作り清掃棒で落としましょう(作り方は下記参照)。また塩だれしている部分も布やティッシュで拭き取ります。水槽が汚れてしまうと癒し空間として機能しなくなります。そして前述したように当面は2週間に1回、2日間に渡ってBioスコールを投与してください。

コケ取り清掃棒の作成方法

  1. 適当なサイズ切れ端布(捨てるシャツなど)を用意
  2. 割りばしの先に適当に切れ端を巻く
  3. 輪ゴムで固定(完成)

2013-09-16 17.36.30


毎月すること

  • フィルターの清掃
  • 1/4から1/2の水替え
  • 海水の比重を1.023にする

毎月、フィルターの清掃をしましょう。アクアコンパクトの粗目フィルターパッドとストレーナースポンジフィルタは洗浄してください。細目フィルターパッドは洗浄するのではなく交換します。アクアコンパクトの交換用フィルターパッドセットは、細目フィルター3枚、粗目フィルターとストレーナースポンジフィルタが1枚ずつなので、細目フィルターを毎月交換すると、粗目フィルターとストレーナースポンジフィルタは3ヶ月での交換で数が合います。

また活性炭フィルターパッドも毎月交換します。サブストラットプロ レギュラーは洗浄しません。洗ってしまうとバクテリアがいなくなってしまいます。汚れがひどい場合は水替えで水槽から抜いた水ですすいでください。

水替えは一番面倒な作業ですが、できるだけ月に1回、1/4から半分の水を入れ替えましょう。活性炭フィルターパッドを使うと水の黄ばみや臭いはないと思いますので、カクレクマノミだけを飼育しているのであれば3ヶ月に1回に半分の水替えでも十分だと思います。海水を全部変えてしまうと水質変化してしまいますので半分の交換とします。また水換えのタイミングで海水の比重を1.023に合わせ、Bioスコールでバクテリアを補充します。

以上がカクレクマノミの飼育になります。


カクレクマノミの病気

カクレクマノミは丈夫な魚ですが、もっともかかりやすい病気が白点病です。白点病は魚が弱っているときに白点虫に寄生され発病するあります。しかし治癒可能な病気なので恐れることはありません。白点病は自然治癒しますし、薬でも直ります。先ずはカクレクマノミが白点虫に寄生されるほど弱ってしまった原因となったストレスや水質を気にしましょう。海水魚初心者であれば多くの場合は水質が原因でと思いますので、水質の改善を図りましょう。


カクレクマノミ飼育にかかる費用

カクレクマノミの飼育にかかる毎月の費用を計算ます。電気代、人工海水、塩素除去剤、バクテリア、交換用フィルターパッド、補水用ミネラルウオーター、餌代が主な経費項目になります。まず電気代ですが、家仲間コムで計算した金額になります。

カクレクマノミを飼育するのにかかる1ヶ月の電気代
消費電力
利用時間
料金
エーハイム エアコンパクト2004
5W
24h
90円
GEX クリアLED エコリオ アーム
3.3W
12h
30円
エヴァリス オートヒーター
ダイヤルブリッジ 50AD
50W
24h
910円
テトラクールタワー CR-1
70W
24h
1,270円
春/秋
120円
1,030円
1,390円

カクレクマノミを飼育するのにかかる1ヶ月の電気代ヒーターもクーラーも使わずに24℃~30℃が維持できる時期は、ろ過装置と照明だけなので、毎月120円ぐらいです。ヒーターを使う冬場であれば、+910円の1,030円、夏にクーラーを使うとなると +1,270円の1,390円になります。ヒーターとクーラーは24hで計算していますが、実際はOn/Offがあるのでもう少し安くなると思いますので目安の金額としてみてください。

カクレクマノミを飼育するのにかかるその他の費用
備考 金額
餌代 メガバイトレッド 6か月使用 250円/月
餌代 メガバイトグリーン 6か月使用 250円/月
エアーコンパクトフィルターパッドセット 3か月毎に購入 600円/月
活性炭フィルターパッドセット 3か月毎に購入 600円/月
人工海水 マリンソルトプロ 50L 毎月10ℓ交換 200円/月
バクテリア Bioスコープ 300ml 半年分 400円/月
合計 2,300円

餌代他で毎月2,300円がかかります。電気代と合算すると毎月2,420円から3,690円がカクレクマノミを飼育するためのコストになります。癒し空間の維持にはそれなりのお金もかかります。


最後は下世話な話となりましたが、カクレクマノミの生態とコストを理解した上で是非飼育を始めてください。 (゜))<< (゜))<<

2013-09-21 12.49.11

カクレクマノミとイソギンチャクの飼育に必要な機材は、”カクレクマノミとイソギンチャクの飼育に” で紹介しています。

Post Date:2013年7月7日 

大人の、大人による、大人のための鉛筆

HIGHTIDE PENCO プライムティンバー

質問鉛筆を最後に使ったのはいつですか?

鉛筆からシャープペンシルに、シャーペンからボールペンに、ボールペンから万年筆へ、という筆記用具の進化が “大人の階段を上る” という象徴であると思っていました。

シャーペンは持っていますが、鉛筆となると「使ったのはいつのこと?」

それでも指先が覚えている子供の頃の記憶からか「木の温もり」は忘れられないようで、木製の筆記用具を見るとつい手が伸びてしまいます。先日、CROQUISを買いに文具屋に行ったときに見つけたのもそんな木軸の鉛筆ライクなシャープペンシルでした。


penco PRIME TIMBER との出会い

文具屋でたまたま目にしたのが penco PRIME TIMBER (ペンコ プライムティンバー) でした。「大人の鉛筆の新バージョン?」と思って手にしてみると、葛飾区にある北星(きたぼし)鉛筆 と 福岡の文具メーカー HIGHTIDE (ハイタイド)のステーショナリーブランド penco® とのコラボレーション商品とパッケージの裏に記載されています。

何種類かのカラーバージョンがありましたが、このフランス国旗のような青と赤のポップな色彩が気に入りレジへと直行です。

ハイタイド ペンコ プライムティンバー

ハイタイド ペンコ プライムティンバー付属のシャープナー(芯削り器)にも penco のロゴがプリントされています。ブリスターパックのパッケージの表面は英字による説明です。
THE WARMTH OF WOOD ON PAPER

THIS "PRIME TIMBER” IS MADE OF A BODY THAT GIVES THE WARMTH OF WOOD. NATURE OF WOOD TO SFTEN THE IMPACT WILL AFFECT THE FEELING OF WRITING. PEOPLE WILL FIND IT PLEASANT BY NATURE. THAT’S WHY THIS IS SO GOOD!

“紙の上の木のぬくもり” というキャッチはグッときます。

しかし、コラボレーション商品でカラーバリエーションとロゴが異なるだけで  “大人の鉛筆” よりも 200円以上も高い、、、。気に入ったもん負けです。


大人の鉛筆

大人の鉛筆 は、東京葛飾区にある北星鉛筆の創業60周年記念として2011年4月に発売された商品で、年間5万本を売り上げ、2011年の日本文具大賞を受賞しています。

鉛筆は東京の地場産業で、北星鉛筆だけでなく鉛筆製造会社の大半が都内にあります。しかし少子化により鉛筆の生産量は下表のように年々下がり続ける一方です。

そんな中で北星鉛筆は循環型鉛筆製造システムで海外からの輸入品に対抗すべきコスト削減策を講じたり、工場見学を実施するなど積極的に事業を展開している元気のよい会社です。

工場見学については、北星鉛筆の「観光 鉛筆工場物語(東京ペンシルラボ)」にも記載されていますが、学研キッズネットでも紹介されていますので、こちらをご覧になってください。

北星鉛筆の大人の鉛筆のコンセプトは、

鉛筆屋による、鉛筆好きの為の筆記具。
鉛筆を使うことが少なくなった大人の方々に、幼いころから慣れ親しんだ鉛筆で書く楽しさを、書き心地を、素晴らしさを再び感じてもらいたい。そんな鉛筆屋が心込めて作った筆記具が『大人の鉛筆』です。

とあります。


「鉛筆らしさ」とは?

鉛筆の特徴は、柔らかい書き心地と芯が折れにくいということです。子供の頃に大人ぶってシャーペンを使ってみたらポキポキと芯が折れてしまった、という経験は、誰にでもあるのではないでしょうか。

シャーペンの芯は 0.5mm が一般的ですが、鉛筆の芯は2mmもあります。

しかし、鉛筆は芯が太いが故に書き続けていると芯先が丸くなり、細かい字が書きづらくなります。鉛筆には定期的に鉛筆削りを使わなければならないという煩わしさがあります。

鉛筆の外見的な特徴としては木軸と六角の形状です。

新品の鉛筆は、ヒノキに近い良い香りがしますが、鉛筆用材には、主にヒノキ科のインセンスシダーが使われています。「大人の鉛筆」にも「PRIME TIMBER(プライムティンバー)」にも インセンスシダー が使われています。

次に六角形という形状ですが、三菱鉛筆博物館の「えんぴつなんでもQ&A」にある「軸はなぜ6角形が多いの?」という質問に下記のように回答されていました。

えんぴつに6角形が多いのは、転がらないため、持ちやすいためです。
にぎった場合、必ず3点(親指、人差し指、中指)で押さえるので3の倍数である必要があるからです。

【引用】三菱鉛筆博物館「えんぴつなんでもQ&A

鉛筆を握ってみると確かに六角形の三面を使い親指、人差し指、中指で支えています。なるほど納得です。

鉛筆の特徴としてあげた柔かい書き心地ですが、この書き心地には芯の太さと硬度に関係しています。鉛筆の芯は、B(Black)→ HB → F(FIRM) → H (Hard) の順で硬くなります。Bでは数字が大きい程、濃く軟らかく、またHでは数字が大きくなる程、薄く硬い芯であることを示します。

“大人の鉛筆” に販売時にセットされている芯は B です。替え芯としては HB, B, 2B が用意されています。128mm と普通のシャープペンシルの芯よりも倍以上ある長さです。赤色もあるので2色を使い分けできます。

Bよりも濃く柔らかい 2B も使ってみましたが、2mm という芯の太さを考えると B がちょうどいい感じです。

また鉛筆に規格があるのかと調べてみると、鉛筆のJIS規格 というのがあり、その中で寸法についての定義がありました。それによると、

  • 長さは172mm 以上
  • 軸径は8mm 以内
  • 芯は2mm 以上(HBなど)

と、なっています。

大人の鉛筆PRIME TIMBER のサイズは以下になります。

  • 長さ 160mm
  • 軸径 8mm
  • 芯 2mm

長さ的には、しばらく使って少し短くなった鉛筆サイズですが、軸径、芯といった使い心地に関してのサイズは鉛筆としての規格を忠実に再現しています。

流石、鉛筆屋さんが作ったシャープペンシルです。


機能に特化した“鉛筆シャープ”

2012年2月にコクヨS&Tから発売された“鉛筆シャープ”は1年間で50万本も売れたヒット商品です。鉛筆とい機能性に特化したシャープペンシルで、0.9mm と 1.3mm の太芯です。

また六角形の軸を大人が持ちやすい三角形とし、軸は滑りにくく指にフィットしやすいソフトなエラストマー樹脂でコーティングされています。価格もリーズナブルな設定で ¥189 となっています。

鉛筆を想起させる“鉛筆シャープ”というわかりやすいネーミングと価格設定がヒットの要因になっていると思われますが、大人向けの遊び心はありません。

しかし、この春先にコクヨグループのコクヨS&Tの trystrams がイタリアのファクトリーバッグブランドの Orobianco とのコラボレーションとして “Orobianco / オロビアンコ シャープペンシル” が発売されました。

“鉛筆シャープ” にOrobianco のロゴがプリントされているだけですが、ちょっとだけカワイクなったので購入してみました。

orobianco と CROQUIS BOOK
「オロビアンコ」ブランドは、Presidentそしてデザイナーでもあるジャコモ・ヴァレンティーニ氏のもと、1996年にイタリア・ミラノ近郊のガララーテで設立。"美しく、そして知的なファッション"を、信念とし、モノづくりの根底にある職人気質による"素材と細かなディテール"へのこだわりは、多くのセレクトショップや業界関係者に支持を受け、様々な年代・ライフスタイルの人々から愛されている。

鉛筆シャープには 芯が 0.9mm のタイプもありますが、“Orobianco / オロビアンコ シャープペンシル” は1.3mm タイプのみです。

この 1.3mm という太さが、芯を削らずに使える最大の太さなのかもしれません。

六角形の軸を大人が持ちやすい三角形にしたとありますが、軸径は 10mm あり、握ってみると大人でも少し太い気がします。また大人の筆記具としての重量にも少し物足りさが残ります。

カラーリングとロゴ以外の違いとしては、カタログ値では、“鉛筆シャープ”が 139mm 、“Orobianco / オロビアンコ シャープペンシル”が 140mm と 1mm の差があります。ノック部分の凹凸の部分の差なのでしょうか?


鉛筆ライクなシャーペンの使い始め

以前は、OHTOから発売されていた木軸のシャープペンシルを使っていました。

0.9mm という太字タイプのシャーペンは、ステンブラーなどから製図用としては発売されていましたが、安価なシャープペンシルにはなかったのと、鉛筆ライクというデザインがとても気に入ったので何本か購入していました。

ぺんてる Color Leads は、0.9mm タイプのカラー芯で、マインドマップの描画、マーキングなどにも便利だったのですが、OHTO 木製シャープペン 0.9mm も ペンテルのカラー芯(0.9mm用)も廃版となっています。

2013-06-01T22-06-05_3

OTHOの木軸シャープペンシル 0.9mm のコンセプトは、まさに大人のための鉛筆でした。しかし、当時、十分に太いと感じていた0.9mm の書き味も PRIME TIMBER 2.0mmOrobianco 1.3mm と書き比べてみると、優しい書き心地という点では見劣り(書き劣り)します。

是非ともOTHOでも 1.3mm 以上の木軸シャープペンシルを発売してもらいたいものです。


大人のための鉛筆とは

大人が使う鉛筆にとって重要なことは下記の3点ではないかと考えました。

「ごっこ」という遊び心

最も大切なのは、「ごっこ」という遊び心ではないかと思います。真剣な「ごっこ」は洒落っ気を伴い、大人心を擽ります。

大人の鉛筆PRIME TIMBER

  • 木軸へのこだわり
  • 2mm という芯の太さ
  • 芯を削る作業

には、真剣な「鉛筆ごっこ」が感じられます。

付属するシャープナーはまさに「鉛筆ごっこ」の極みで、エンターテイメントの世界です。

「かわいい」物を所有する喜び

筆記用具とて所有する喜びがなければなりません。大人だって「かわいい」と思えるものが欲しいです。そういう意味では無垢の木材を感じさせる大人の鉛筆の初期バージョン、penco とのコラボレーション、そして今春に発売された 大人の鉛筆 彩(irodori) の藍、茜、黒というカラーも、大人的なシンプルな可愛さを感じさせてくれます。

筆記用具としての機能性

大人にとっての筆記用具にはある程度の重量が必要です。大人の鉛筆PRIME TIMBER では木製軸に両端を金属製金具を使うことで、中心は軽く両端が重くすることでバランスを保ち、10g という重さが手にしっくりきます。

持ちやすさという点でも、手に馴染む六角形の鉛筆サイズは、しっくりときます。鉛筆シャープは大人向けに三角形の軸にしたとありますが、ちょっと太いかなと感じます。

大人の落書き帳

マインドマップを描いたり、考えをまとめたりするときには紙を使っています。

最近のお気に入りはA4だのB5という規格にこだわらないサイズ、商品のかわいらしさ、罫線のない白紙という点で、クロッキーブック(CROQUIS)です。

何となくPCを前にするよりもノートを広げて紙を目の前にした方が自由な発想が浮かぶような気がします。そして、落書き帳にはやはり鉛筆が合います。

「CROQUIS」と「大人の鉛筆 彩」で自由な発想を広げていきましょう!

Post Date:2013年5月11日 

初心者でもわかるエギングロッドの選び方

EGG 86MHI

最近、愛用しているのは、インターライン(長通し)の EGEE 86MHI です。エギングを始めた頃に選んだロッドが EGEE 86MH でしたが、8.6フィート(約260cm)という長さと、MH(ミディアムヘビー)という硬さは、初心者にとってシャクリやすいロッドでした。

しかし、エギングを始めたときに戸惑ったのがロッド(竿)の選び方です。

釣りの知識もなかったので説明も理解できず、何を基準で選んでいいかわかりませんでした。

最初に購入したエギングロッドは、メジャークラフトのエントリーモデルのロッドですが、釣り具店の店員に勧められるがままに購入したもので、自分でロッドを選んだという意味では、ダイワ(Daiwa) E-GEE アウトガイト 86MH が最初のロッドでした。

ダイワ E-GGEブランドはなくなり、現在、同じ 2.6m で 固めのミディアムヘビーのエギングロッドには、ダイワ エメラルダス X 86MH、上位クラスの ダイワ エメラルダス MX 86MH があります。

初心に戻って、自分にあったエギングロッドの選び方について考えてみたいと思います。

最近のロッド事情にあわせて、ロッド情報を更新しました。
[2022.7.30更新]

ロッドの概観

最初にエギングロッドの各パーツの呼び名です。

エギングロッド パーツ ネーム


グリップ

グリップとは、ロッドを握る部分になります。エギングロッド多くはグリップがスポンジです。スポンジの素材に EVA (Ethylene-Vinyl Acetate エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂)が使われているのものが多く、EVAグリップと表記されています。

グリップの長さは下図の赤線の肘から指先までの長さだと扱いやすいと言われています。

length

リールシート

リールシートとは、リールを取り付ける部分です。上部がネジになっているものと下部がネジになっているものとがあります。


バッド

バッドとは、ロッドの根本部分になります。大型のアオリイカとのファイトではバッドパワー(しっかりとしたバッド)が必要となります。


ティップ

ティップとは、ロッドの先端部分です。餌木をコントロールする重要な部分です。アオリイカのアタリは、ライン(釣り糸)若しくはこのティップ部分で感じることができます。


ガイド

ガイドとは、ライン(釣り糸)を通すための金具です。先端のガイドはトップガイドと呼ばれています。エギングの場合はPEラインという細い釣り糸を使ってシャクルためにガイドに糸が絡みやすいため、ラインが絡みにくい工夫がされた富士工業株式会社の Kガイド が多く採用されています。

風でラインが絡まる様子は以下の動画からわかります。

ラインが絡まないKガイドの様子は以下の動画を閲覧ください。


ブランク

ブランクとは、ロッド本体のことでグリップ以外の部分を指します。


継ぎ数(つぎすう)

通常のエギングロッドは、2本で構成される、継数2本の並継(なみつぎ)タイプです。継ぎ部分が多くなると強度が弱くなり、節が重なる部分ができるために軽量化が図れないということは構造的に理解できます。

エギングでは餌木を遠くまで飛ばすために、8フィート(2.44m)から9フィート(2.74m)の長さがありますので、持ち運びと耐久性を考えて継数2本というのが一般的です。

2ピース以外では、モバイル性を高めた4ピースのエギングロッドがあります。


4ピース エギングロッド

シマノからもダイワからもエギングに対応した4ピースロッドが発売されています。継ぎ数が多くなるので、ロッドパワーはML(ミディアムライト)と少し柔らかくなります。

シマノ ルアーマチックMB S86M-4は、全長259cmですが、仕舞い寸法は66.9cmです。自重は144gとマルチパーツながら軽量化が図られています。適合ルアーウェイトが6-32gなので3.5号の餌木も使えます。

ダイワ ルアーニスト モバイル 86ML-4 もエギング用のモバイルロッドです。仕舞い寸法 71cm、自重145g で、2.5-3.5号の餌木に対応しています。


テレスコタイプ

テレスコとは、下記に引用したテレスコピックの略で振出式のロッドです。

テレスコピック(telescopic)とは、望遠鏡で風景を拡大すること(テレスコーピング(Telescoping)が転じて、機械などで、携帯型の望遠鏡のように、重なり合った筒が伸び縮みする構造のこと。

特徴として収納時の長さが短くなるので携帯性に優れているというこです。

アルファタックルのTRGR(トラギア)シリーズ A-836ML-F は、8.3ftのロッドで継数6本。仕舞寸法(畳んだ長さ)は52cmです。旅行バックにも収納できて重宝しています。

TRGR(トラギア)は、現在、トラギアTIPTOP シリーズとして販売されています。S806M、S86ML は、エギング対応ロッドです。

TRGR(トラギア)S806M、全長8.0ft、継数6本、仕舞48cm、自重116g、ロッドパワーはミディアムです。

TRGR(トラギア)S866ML、全長8.0ft、継数6本、仕舞52cm、自重129g、ロッドパワーはミディアムライトと少し柔らかいです。

また、DAIWA :モバイルパック にもエギング用のテレスコピックロッド 866TMLがあります。

TはテレスコピックのTでMLはロッドパワーを表しています。全長8.6ft、継数6本、仕舞54cm、自重133g です。

テレスコタイプのロッドは継数が多くなるのでパワーのある(硬い)ロッドは、構造的に難しいようです(ロッドパワーについては後述)。しかし、自分が保有している TRGR A-836ML-F もML(ミディアムライト)ですが、沖縄でのエギング釣行で、2kgオーバーのアオリイカを3.5号のエギで釣りあげることができました。

難点としては、ロッドに固定されていないガイドが多いために真っ直ぐに並べるのが結構面倒です。また、シャクリを繰り返しているうちにガイド位置がずれて(回って)しまう。といったところでしょうか。

テレスコタイプのガイドの煩わしさから解放してくれるのが、テレスコ&インターライン(中通し竿)のダイワ(Daiwa) エメラルダス ST 83TM-MD でしたが、こちらも、もう販売されていません。現在では、テレスコピックのインターラインのエギングロッドは、なさそうです。[2017.10.28更新]

何れにしてもエギングロッドでテレスコタイプを選ぶ理由は携帯性しかありませんのでメインで利用するロッドではありません。


アウトガイドとインターライン

ガイドとはライン(釣り糸)を通すリング(輪)で、ロッドの外側にガイドが付いているものをアウトガイドと呼びます。

エギングでは細いPEラインを使っているので、風やシャクリの動作によってラインがガイドに絡みやすいというのが宿命です。とくにエギング初心者にはトップガイド(穂先のガイド)でのライントラブルはつきものです。そのためエギングロッドではラインが絡みにくいようなガイドに設計されています。

ガイドにラインが絡むトラブルを根本的に解決してくれるのはインターライン(中通し)タイプのロッドです。

ラインをロッドの中に通すため、風の影響も少ない構造です。以前はインターラインのロッドといえば高嶺の花でしたが、最近ではエントリーモデルにもラインナップされています。インターラインモデルの難点はラインをロッドの中を通すために特殊な器具(ワイヤー)が必要となることです。パンツのゴムを通すのと同じ要領です。

ダイワからは、エントリーインターラインモデル「EMERALDAS X IL」、そしてベーシックモデルには、「EMERALDAS MX IL」があります。型番の IL が InterLine(インターライン)を表しています。

EMERALDAS
X IL
EMERALDAS
MX IL
レングス ロッドパワー 餌木サイズ
79ML 7.9ft ML 1.8 - 3.5
80MLM 8.0ft ティップML バットM 1.8 - 4.0
83ML 83ML 8.3ftML 1.8 - 3.5
83M 83M 8.3ft 2.5 - 4.0
83MH 8.3ftMH 3.0 - 4.5
86ML86ML 8.6ftML 1.8 - 3.5
86M 86M 8.6ft M 2.5 - 4.0

ロッドレングス(長さ)

ロッドの長さは、フィート(ft)で表されています。余談ですが、Googleは単位変換もしてくれます。1フィート(1ft)で検索すると30.48センチと教えてくれます。

Google単位変換

しかし、ロッドの長さは、実際の長さとは若干異なります。下表は、DAIWAエメラルダ と SHIMANOセフィアBB のロッドの長さ表記と全長になります。型番の 80、83、86、89が長さを表しています。

ロッドの長さ メートル ダイワ シマノ
8.0ft (80) 2.44m 2.44 m 2.44 m
8.3ft (83) 2.53m 2.51 m 2.52 m
8.6ft (86) 2.62m 2.59 m 2.59 m
8.9ft (89) 2.71m 2.67 m 2.67m

物理的にはロッドが長ければ長い程、飛距離は出ると思いますが、9ft を超えるロッドは初心者には扱いづらいと思います。8ft台を選択するのが無難です。8.0ftから8.6ftであればロッドレングスの差は15cmです。この程度の差であればあまり飛距離は気にしなくていいと思います。

一方、ロッドの扱いやすさという点では、15cmの差は大きく感じると思います。女性や身長の低い方であれば8.0ftの選択が無難です。また低い堤防の場合も短いロッドの方が断然扱いやすいです。

秋サイズ(小型サイズ)のアオリイカをサイト(見ながら)中心で狙うのであれば、8.0ft 以下のロッドが最適です。自分は、ヤマシタ(YAMASHITA) ナオリー Feeling Shaft LT762ML を秋のエギングで使っていますが、レングスは 7.6ft(2.29m)です。


ロッドの重さ

エギングはシャクリを連続しますのでロッドの重量は大切なポイントです。軽ければ軽い程、扱いやすいロッドとなります。また1日中シャクリ続けるのであれば軽いロッドであることに越したことはありません。

ロッドの自重は長さ、太さ、硬さに起因します。つまり長くてロッドパワーのあるロッドであれば重いということになります。太く硬く重いロッドは手首への負担が大きくなります。

下表に SHIMANO Sephia BB(セフィアBB) と DAIWA EMERALDAS X(エメラルダス) でサイズによる自重を比較してみました。

ブランド
8.0ft
8.3ft
8.6ft
Sephia BB
S80M
99g
S83M
102g
S86M
107g
EMERALDAS X
83M
110g
86M
113g

同シリーズで硬さが同じなら長さが長くなれば重くなっています。


ロッドの素材

エギングのロッドにはカーボン含有率というのが記されています。カーボンとはカーボンファイバー(炭素繊維)のことで、特徴としては「軽くて強い」ということです。

カーボン以外の素材としては、グラスファイバー(ガラス素材)があります。グラスファイバーはカーボンに比べると重く軟らかくなります。

エギングロッドはこの2つの素材を混合することで、軽量で高感度であり、且つ張りが強く高弾性なロッドに仕上げています。硬いロッドはカーボン比率が高く、軟らかいロッドであればカーボン比率を下げます。また自重で曲がってしまうような長いロッドもカーボン含有率を高めなければなりません。


ロッドの性質

エギングロッドの概観からの説明の次はロッドの性質についてロッドパワーとテーバーから考えていきたいと思います。


ロッドパワー

ロッドパワーとはロッドの硬さで、ロッドに負荷をかけたときにどれだけしなるかをUL(ウルトラライト)からH(ヘビー)の6段階で定義しています。

しかし、定量的な目安はないようで同じロッドパワーでもメーカーによって異なるようです。ロッドパワーの6段階について下記に示しますが、エギングロッドではミディアムライトからミディアムヘビーのラインナップが主流です。

軟らかい
硬い
ロッド
パワー
ウルトラライト
ライト
ミディアム
ライト
ミディアム
ミディアム
ヘビー
ヘビー
記号
UL
L
ML(EL)
M(E)
MH(EH)
H

メジャークラフトでは、EL, E, EH と表記されています。最初に購入したロッドがクロスステージの TypeE でしたが、ダイワやシマノでいう M と同じような感じです。EL=ML, E=M, EH=MH といった感じでしょうか。

またエギの適合号数が記載されているロッドもありますが、大きい(重い)エギをシャクル、深場で攻めるのであればロッドパワーが必要となります。エギングでは弾性のないPEラインを使うので、硬めのロッドの方がシャクリの動作がエギに伝わりやすく初心者には扱いやすいと思います。

同じ力でシャクったとしてもロッドが軟らかれば、ロッドが曲がることによって力が吸収されてしまいます。

しかし、ロッドの曲がる力を利用したシャクリ方ができるので、力がない女性には軟らかめのロッドがおススメです。男性でもパワフルにシャカシャカとシャクるまくるより、大人なゆくっりとしたシャクリをするのであれば M, ML のロッドが向いています。

軟らかくしなやかなML(ミディアムライト)のロッドは、ラインスラックを利用したスラックジャークを中心とした、ゆっくりと餌木を動かすのに適しています。

また秋シーズンで2.0-2.5号の餌木を使うのであれば、餌木が跳ね上がらないようにロッドで力が分散される軟らかいロッドが適しています。

ラインスラックとは... ラインのたるみ(糸ふけ)のこと。キャスト後、スラッグを取らないと、リールに巻きつくなどしてライントラブルの原因になるので注意が必要。潮の流れや風などで糸が流されたり、オモリが海底について、竿の先端から浮きやルアーの間の道糸やラインがたるんでいる状態のこと。一般的に初心者などは、このたるみをなくしピンっと張ることでアタリを感じやすくする。糸ふけは基本的に出さないように釣るのが上手い釣り。糸ふけが多いとアタリを見逃したり、仕掛けを不必要に潮に流されてしまう。落とし込み釣りやトラウトなどの釣りでは意図的に糸ふけを出し、そのラインの沈下速度の変化や糸ふけに出るアタリでアワセを入れる。初心者には難しい技だがすぐに慣れる。
スラックジャークとは... 最近ではラインのたるみ(スラック)を利用してしゃくりあげる「スラックジャーク」などが挙げられる。スラックジャークは、ラインテンションをかけた状態でしゃくるときに起きてしまうズル引きのようなアクションを良しとせず、ラインをあえてたるませることによってロッドを振り上げる初速度を有効に餌木に伝えるテクニックであり、商業的エギング界においては重見典宏が提唱して広めた。

ロッドパワーの違いを ダイワ エメラルダスMXで考察してみます。

品番
先径/元径(mm)
カーボン含有率(%)
86ML
1.4/10.9
97
86M
1.4/11.4
97
86MH
1.6/12.4
96

ロッドの長さはいずれも同じ8.6ftです。ML(ミディアム・ライト)と M(ミディアム)を比較するとカーボン含有率は同じ97%です。しかし、MLは元径が 0.5mm細いことがわかります。また M(ミディアム) と MH(ミディアム・ヘビー) で比較するとMHが先径で0.2mm、元径で 1mm太くなっています。

つまり、定番のMより柔らかいMLはバッド部分が細く、硬いMHはティップもバッドも太いということになります。


ロッドテーパー

ロッドテーパーとは、ロッドに負荷をかけて曲げたときの曲がる位置のことで次のように表されています。日本語では調子といわれています。

スロー
レギュラー
ファスト
胴調子
中調子
先調子

スロー・テーパー

より根本に近いところで曲がるので柔らかく手首や腕への負担が少なくなります。但し、餌木にシャクリが伝わりづらいので大きくスローなシャクリ動作に適しています。

ファースト・テーパー
先端部で曲がるので堅くロッドが力を吸収しないので手首や腕への負担が大きくなります。シャクリの動作が餌木に伝わりやすいので、餌木を繊細に動かすことができます。

DAIWAやSHIMANOのエギングロッドにはテーパーの記載がなく、最適なロッドパワーとテーパーの組み合わせを構成して発売しているようです。 しかし、エギングロッドはファーストテパーがよいと言われているので、基本はファースト・テーパーなのだと思います。

下記は同じロッドの長さでの800gの荷重をかけた場合のロッドのしなり具合です。

【引用】DAIWA エメラルダスINF(インターライン)

最初に選ぶエギングロッドの一本とは

エギング初心者で釣りも初めてということであってもあまり安いロッドはお勧めしません。かといって5, 6万もするようなロッドは必要ありません。

DAIWA エギング X、エメラルダス X、SHIMANO Sephia BB あたりから選ぶのが無難だと思います。実売価格で1万円~1.5万円ぐらいです。

ラインをセットし直すときには、ワイヤーが必要で面倒ですが、インターラインのロッドは風にも強く、ライントラブルが少ないので、使いやすいです。

価格の差で何が違ってくるのかをみるために、DAIWAの86M(8.6ft ミディアムヘビー)のロッドで関連する項目を表にまとめてみました。


Daiwa エギングロッドでの比較


種類
型番
自重
先径/元径
カーボン含有率
ガイド
メーカー
希望価格
エギングX 86M 113g 1.5/10.9mm 88% Kガイド ¥12,000
エメラルダスX 86M 113g 1.5/10.9mm 88% Kガイド ¥12,000
エメラルダスMX 86M 95g 1.4/11.4mm 97% Kガイド
¥30,500

8.6ft MH (ミディアム)のロッドは、オールシーズンに使えるロッドです。

エギングXとエメラルダスXは、ともに初心者向けロッドですが、カタログ値からは差がわかりませんでした。

カーボン含有率が高いロッドは、軽量で弾性があり、感度の高いロッドです。エメラルダスMXはベーシックモデルといいながらもエントリーモデルとカーボン含有率で9%異なります。

エギングはシャクリが基本なので、ロッドの手元の方はしっかりしていて、シャクってもぶれず、先端でしっかりエギがコントロールできるロッドが使いやすいです。


女性におススメのエギングロッド

男性よりも身長が低く、腕力がない、という一般的な特徴を考えると、短めの軟らかいロッドがいいかと思います。

身長が160cm未満であれば 8.0ftの方がいいかと思います。160cm以上あるのであれば 8.3ftでも問題なく扱えると思います。

また身長に関わらず、春の大型も狙いたいというのであれば 8.3ftのロッドを選びましょう。



男性におススメのエギングロッド

身長が170cm あるのであれば8.6ft (2.6m程度)の長さでも不自由なく扱えると思います。

エギングを始めるにあたっては、ロッドの動きがエギに直接伝わる硬いロッドがいいのではないかと思います。自分は最初にミディアムのロッドを使いましたが、シャクった後のロッドのブレが結構気になりました。硬いミディアムヘビーのロッドで、色々なシャクリ方とエギの動きを学んでから次にステップに進まれるのがいいかと思います。

セッティングは多少面倒になりますが、ライントラブルや風の影響を受けにくいので、初めの1本からインターラインという選択肢もありかと思います。


秋イカシーズンにおススメのエギングロッド

男性には硬く長いロッドといいましたが、秋シーズンのサイト(見えイカ)狙いであれば長く硬いロッドは必要ありません。

勿論、8.6ft のミディアムヘビーのロッドでサイトエギングができないわけではありませんが、サイト中心であれば短く軟らかいロッドで2.5号の餌木を使ったエギングがベストです。イカのサイズが小さいとアタリも取りずらく、シャクったときにイカが乗っているということがあります。硬いロッドで強くシャクルと身切れのリスクもあります。

またラインを使った細かいシャクリが中心となるので、ライントラブルが少ないインターラインのロッドがオススメです。

上記のロッドであれば、長年使うことができると思います。そして、2本目以降は自分の釣り方にあったロッドを探してみてください。


己の選択

ミディアム・ヘビーのロッドを使っていたので、柔らかいロッドを試してみたかったのでミディアム・ライトのロッド(ダイワ エメラルダス INF 86ML)とインターラインのロッド(E-GEE 86MHI)を購入。

柔らかいロッドは、春の大型狙いで、インターラインのロッドは、ズル引きや風のある日に使っています。[2017.10.28更新]

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