カクレクマノミの飼育を飼育を始めてから早2年以上が過ぎました。現在、飼育しているのは、この春に購入した3代目(正確には2.5代目)で、ハタゴイソギンチャクと共生させてから半年が過ぎていますが何れも元気です。
飼育を始めたときにも「カクレクマノミを飼おう!」という内容でブログを書きましたが、改めて初めてカクレクマノミを飼育するのにあたって何に気を付けなければならないかを考えたいと思います。
まず、タイトルの「カクレクマノミの飼育は簡単?」という問いに対してですが、答えは「YES」です。勿論、熱帯海水魚なので設備とある程度の手間暇がかかりますが、正しい器具の選択をして一程度のメンテナンスをしていれば、小型水槽での長期飼育は可能です。そうまで言い切って、なぜ、 2年半で3代目の飼育をしているかといえば、
- ネットで購入(初代 2匹)
- 苛められて1匹死亡
- ショップで購入(2代目 1匹)
- 病気で全滅
- ネットで購入(3代目 2匹)
ネットで購入した2匹のカクレクマノミは1年半ほど仲良くやっていたのですが、給餌をするともう1匹に餌を食べさせまいと、突いたり追い回したりするようになってきました。なぜ突然に?苛められているカクレクマノミが可哀想でしたが退避させる水槽もありませんでしたので次第に弱っていき、ついにある朝、貝の餌食となっていました。
それから半年ぐらい1匹だけで飼育していたのですが、やっぱり2匹いないと寂しいと新たにショップで購入してきた1匹を加えました。これが失敗でした。数日後に新参者のカクレクマノミの身体は薄い膜のようなもので覆われていました。病気?と思ったのですが、その翌朝には2匹とも ☆彡 になっていました。あとで調べてみると、トリコディナという致死率の高い病気だったようです。
新たなカクレクマノミ飼育への挑戦
水槽内にトリコディナが蔓延しているのではないかと心配し、新たに水槽を立ち上げることにしました。病気の個体を購入してしまい全滅させたことを悔いて、もう一度カクレクマノミの飼育にチャレンジです。今度の目標は、「カクレクマノミとイソギンチャクを共生させての長期飼育」です。イソギンチャクは過去にサンゴイソギンチャク、シイライトイソギンチャク、センジュイソギンチャクと安易に購入して飼育してみましたが、何れも短命で終わってしまっています。
イソギンチャクについてはもう少しその生態と飼育方法を調べるとして、先ずは新たな水槽の立ち上げです。
カクレクマノミの飼育に必要な用具
海水魚の飼育経験もなくカクレクマノミの飼育を始めましたが、2年半の飼育の中で初心者がどうすればカクレクマノミを長期飼育ができるかについてのポイントは理解できたつもりです。環境さえ整えればもともと飼育が難しい魚ではありません。また折角カクレクマノミを飼育するのであれば「癒し空間として部屋のインテリアとなるアクアリウム」するために下記の要素をベースに必要なものを選択しています。
- カクレクマノミの生活空間
- コンパクトでスッキリとしたレイアウト
- メンテナンスの容易性(簡単が一番)
- 癒し空間の創造
カクレクマノミの飼育に絶対必要なもの
下記のものがなれければカクレクマノミの飼育はできません。それぞれについては個別に説明していきたいと思います。
- 水槽(小型水槽でも可)
- ろ過装置
- 底砂(サンゴ砂)
- ヒーター
- 人工海水
- 海水比重計
- バクテリア
- ライブロック
- 照明器具
- 水温計
水槽
ショップなどで売られている2cm程の小さなカクレクマノミをみると小さな水槽でも飼育できるのではないかと思ってしまいますが、図鑑などでは成魚で 8-10cm とあります、環境や餌によって成長度合いは変わると思いますが、仮に雌が8cmまで成長したとしても(大きいのが雌となるため)、それより小さな雄と2匹であれば幅30cm(20ℓ)の小型水槽で十分飼育できます。飼育書などによっては幅45cmや60cmの水槽が推奨されていたりします。確かに水量が多くなれば水質は安定しますが、水槽のサイズに合わせて必要なものも大きなものとなりますので、初期コストや維持コストが高くなってしまいます。設置場所のスペースも必要となります。
自分は、コトブキ レグラス R-350 35cm(幅) × 22cm(奥行) × 28cm(高さ) 20ℓ を使っていますが、リビングに設置する水槽であれば、エーハイム アクアコンパクト用グラス水槽 EJ-30A(19ℓ) や ジェックス グラステリアBZ 300CUBE(24ℓ) の方がスタイリッシュかもしれません。
幅30cmで容量20ℓといっても水槽によってはサイズだけで容量の記載がないものがあります。その場合は水槽サイズから容量を計算します。 エーハイム EJ-30SAであれば 幅30cm × 奥行25cm × 高さ30cm ÷ 1000=22.5ℓ となります。
幅(cm)x奥行(cm)x高さ(cm)÷1000=容量(ℓ)
※実際の水を入れる高さは淵より5cm程下の高さになりますし、上記の計算では水槽のガラスの厚さも考慮されていません。また底砂やライブロックを入れれば更に水の容量は少なくなりますが、計算上の容量が20ℓあれば十分だと思います。
ろ過装置
2年間、外掛けフィルターを使ってきましたが、水槽の再立ち上げにあたり、水質の安定を図るために外掛けフィルターよりも濾過容量の大きい エーハイム アクアコンパクト 2004 という外部フィルターに変更しました。エーハイム アクアコンパクト 2005 という製品もありますが、大きくは濾過容量(大きさ)の違いになります。
エアコンパクト2004 | エアコンパクト2005 | |
ろ過容量 | 1ℓ | 1.5ℓ |
ろ材の量 | 0.8ℓ | 1.3ℓ |
サイズ | 128mm x 191mm | 128mm x 241mm |
対象水槽 | 45ℓ | 50ℓ |
エーハイム アクアコンパクト 2004 は、ポンプ部を水槽にかけて利用するタイプなので水槽内もすっきりとして、設置も初心者でも簡単です。注意点はホースの長さを水槽のた高さに合わせて切断しなければならないことでしょうか。写真は実際に水槽の脇に設置した状態です。小型なので水槽の横においても邪魔になりませんし音も静かです。
エーハイム エアコンパクト2004付属のシャワーパイプを付けると水槽内が細かい気泡で満たされますので、エアレーション(ブクブク)も必要ありません。下の写真は、エーハイムエアコンパクト2004 接続面の反対側になりますが、白くゴミのように見えるのが水槽内で細かい気泡が舞っている様子になります。
ろ過の仕組み
ろ過の仕組みには「物理ろ過」、「生物ろ過」、「吸着ろ過」の三種類があります。
- 物理ろ過は、スポンジやウールマットによるろ過で、水槽中の比較的大きなゴミを除去します
- 生物ろ過は、バクテリアで有害なアンモニアを分解して毒性の低いものにすることです
- 吸着ろ過は、活性炭などの吸着素材で濾過する仕組みです
エーハイム アクアコンパクト 2004/2005 は上記の三種類のろ材を組み合わせたろ過装置です。更に 2005には吸着ろ材の活性炭フィルターパッドも付いています。
アクアコンパクトのろ材を水の流れる順番は、ポンプの吸水口にあるストレーナースポンジフィルタ ⇒ 粗目フィルターパッド ⇒ サブストラットプロ レギュラー ⇒ 細目フィルターパッド ⇒ 活性炭フィルターパッドの順番です。エーハイムの説明では、それぞれのろ過の役目を以下のように記載しています。
ろ材 | ろ過 |
ストレーナースポンジフィルタ | 物理ろ過 |
粗目フィルターパッド | 生物ろ過(物理ろ過) |
サブストラットプロ レギュラー | 生物ろ過 |
細目フィルターパッド | 物理ろ過 |
活性炭フィルターパッド | 吸着ろ過 |
交換用フィルターパッドの説明では、ストレーナースポンジフィルタと粗目フィルターパッドは洗浄となっています。生物ろ過が目的であれば折角定着したバクテリアを水で洗い流してしまうことになりますので、物理ろ過の役割も担っているのではないかと考えられます。
そして、ろ過の仕組みの中で最も大切となるのが「生物ろ過」です。餌の食べ残しやカクレクマノミの糞で水槽内には有害なアンモニア(NH3/NH4+)が発生します。
アンモニア(NH3/NH4+)を亜硝酸(NO2)に変化させるバクテリアと亜硝酸(NO2)を硝酸塩(NO3)に変化させる2種類のバクテリアによって水槽内の水は濾過されます。アンモニアを害の少ない硝酸塩に分解してくれるバクテリアを好気性(こうきせい)バクテリアといい、繁殖、活性化するためには水中の酸素が必要です。
吸着ろ過材の活性炭は、水を黄ばみを透明にし、臭いも吸収してくれるの居間に設置するアクアリムとしは必需品だと思います。
硝酸塩(NO3)の分解
水槽の中で蓄積されてしまう硝酸塩ですが、自然の海では、植物性プランクトンや海藻に摂取されたり、嫌気性(けんきせい)のバクテリア(無酸素環境で活動)によって窒素に分解され大気中に放出されるようです(硝酸塩→亜硝酸塩→窒素)。水槽内では嫌気域(無酸素の領域)を作るのが難しいために自然と同じように硝酸塩(NO3)を分解させることは難しいようです。
使用したことはありませんが、嫌気域(無酸素)ではなく好気域(有酸素)で還元バクテリアや酵素の活動によって硝酸塩を二酸化炭素に分解する 硝酸塩完全除去剤 AZ-NO3 という製品も販売されています。
うまく硝酸塩を除去することができれば、基本的に水槽の水替えが必要なくなるはずです。
底砂
底砂も生物濾過としての役割もありますし、ライブロックなどのレイアウトにも底砂があった方が安定します。海水魚にはサンゴ砂がよく使われています。水槽を一掃したときに以前の粗目のサンゴ砂から細かいサンゴ砂に換えてみました。
カクレクマノミの飼育では最低 2cm は底砂が欲しいところです。パウダー砂で1.4kg/1ℓ、細かいSサイズで1.3kg/1ℓ とありますので、必要な底砂量は計算によって求めます。
例えば エーハイム EJ-30SA にサンゴ砂Sサイズを2cm分敷くためには、
30cm(幅) x 25cm(奥行) x 2cm(高さ) ÷ 1000 × 1.3kg = 1.95kg
必要であることがわかります。逆に2kgのSサイズのサンゴ砂を買ったとすると
2kg ÷ 1.3kg x 1000 ÷ 30cm(幅) ÷ 25cm(奥行) ≒ 2.1cm
底砂を敷くことができます。
底砂の値段もピンキリなのですが何が違うのかよくわかりませんが、天然サンゴ砂を選べばいいのではないかと思います。サンゴ砂 粟サイズ SS 2kg も 680円とお買い得な商品ですが、送料を考えると マルカン ヤドカリのリラックスサンドお徳用 2.5kg が勝ります。商品名にヤドカリとありますが、100%天然サンゴ砂で細かさも適度で、2.5Kg という容量も十分です。Amazon で 1000円以下で購入することができます。
ヒーター
カクレクマノミは熱帯魚なので低水温では飼育できませんので水温が下がる冬はでヒーターが必要となります。カクレクマノミの飼育は25℃前後とありますが、実際に飼育してみると20℃ - 30℃ぐらいであれば元気にしています。
小型水槽であれば大きなヒーターも必要ないので電気代の節約のためにも50W型で温度設定ができる小型ヒーターを選びましょう。エヴァリス オートヒーターダイヤルブリッジ 50AD で冬場は水温24℃に設定しています。
人工海水
カクレクマノミは熱帯魚なので海水での飼育となります。水槽が20リットル以下だとしても、定期的に水替えも必要となるので50リットル用ぐらいのものを購入しましょう。
また計量のためにクッキングスケール、人工海水のもとを溶かすためのポリ容器があると便利です。
ポリタンクは水替え用の人工海水を作るとき使っています。また釣りに行ったときに海水を汲んでくるのにも使用しています。
人工海水の作り方
- クッキングスケールで5ℓに必要な量を計測
- 人工海水のもとをポリタンクに投入
- 1ℓのペットボトルで5ℓ分をポリタンクに投入
- 5ℓに必要な塩素除去剤(カルキ抜き)を投入
- 蓋を閉めてポリタンクの取っ手をもって上下に強く撹拌
なぜ10ℓのポリタンクで5ℓ分しか人工海水を作らないかといえば、ポリタンクを撹拌させて人工海水のもとを水に溶かす目的と腕力的な問題からです。また塩素除去剤(カルキ抜き)も5ℓに必要な容量をポリタンクに入れます。塩素が除去できる家庭用の浄水器を使っているのであれば、浄水器の水を直接使っても問題ありません。塩分濃度についてはこの時点で計測しなくても水槽に新しい人工海水を投入しながら調整すれば大丈夫です。
熱帯魚のための安全な水が1本で簡単に作れます。水槽設置時、水替え時に、水道水を熱帯魚にとって理想的な水に速やかに調整する、オールインワンタイプの大変便利な水質調整剤です。●水道水に含まれる魚に有害なカルキを速やかに中和します。●水道水に含まれる重金属、クロラミンを速やかに無害化します。●魚の表皮・エラを保護する水に調整します。●淡水・海水両用。
また人工海水のもとの計測が面倒というのであれば テトラ マリンソルト プロ 楽々水替えパック は10ℓ単位に小分けされているので、適当に半分に分けて、2回に分けて人工海水を作れば10ℓの人工海水が作れます。
海水比重計(塩分濃度計)
カクレクマノミの飼育本を読むと海水魚の飼育に適した比重は 1.023前後とあります。海から汲んできた海水も1.023ぐらいです。しかし実際の飼育の中では1.020~1.026ぐらいの間であれば大丈夫ではないかと思います。海水の比重を気にするよりは急激な変化がないように注意しましょう。
水分が蒸発すると海水の塩分濃度(比重)は高くなります。また塩だれといって海水の飛散で塩が結晶化すると塩分濃度(比重)は下がります。蒸発した分の水は補給しましょう。足し水は海水ではなく真水です。海水で蒸発分を補充すると塩分濃度が高くなってしまいます。
定期的にハイドロメーターを使って比重のチェックをしましょう。
バクテリア
濾過装置のところでも記載しましたが、カクレクマノミの飼育で水質を保つためにはバクテリアは必須です。水槽を立ち上げるときと水替えをするときにはバクテリアの補充が必要です。外部フィルターのろ材にも、底砂として敷いたサンゴ砂にも最初はバクテリアは存在しません。初めてカクレクマノミを飼育するために水槽を立ち上げたときには、 ばくとEins/ばちるすEins を使いましたが、今は ベルテックジャパン Bioスコール 海水用 を使っています。
水槽立ち上げ時には10ℓあたり20mlの投与を4日間必要とあるので、20ℓの水槽では80ml必要になります。また水替え時にも補給するので、余裕を持った少し大きめのもの選択しましょう。
また後から知ったのですが、ライブサンドといわれるバクテリア付きのサンゴ砂も販売されています。下記の Bact Sand(ばくとサンド)は安価なので試す価値はあるのではないでしょうか。
ライブサンド(Live sand)とは、珊瑚礁を形成する浅海において死サンゴの骨格が風化し、砂のように粉砕され、様々な生物群集が繁殖した状態のものを指す。これに付着した生物群集が閉鎖環境下の水質維持に貢献するとされる。
【引用】Wikiペディア
ライブロック
ライブロックとは、サンゴの死骸等の石灰石の表面に石灰藻などが付着したものです。内部に小さな隙間が無数にあり、そこに無脊椎動物、小さな甲殻類、バクテリアなでの微生物がたくさん生息しています。長期的にみてもバクテリアが定着する場所になります。また水槽のレイアウト作り、アクアリウムとしての景観のアイテムとしても必須です。
ライブロック(Live rock)とは、珊瑚礁を形成する浅海において主に死サンゴの骨格が風化し、表層に様々な生物群集が繁殖した状態のものを指す。これに生息する無脊椎動物やバクテリアなどの生物群集が閉鎖環境下の水質維持に貢献するからである
【引用】Wikiペディアから
ライブロックの必要量は水槽の1/10程度が必要とありますので、20ℓ水槽であれば 2Kg が目安となります。
照明器具
カクレクマノミだけの飼育にも照明が必要です。またインテリアアクアリウムとしても必要な要素です。カクレクマノミだけの飼育であれば強力なライトは必要ないので、低電力で色彩豊かなLED照明がインテリアアクアリウムには最適です。GEX フラットビーム オーロラ は名前の通り電灯部がフラットで厚さ14mmと薄型ですっきりとしています。また高輝度フルカラーLEDを採用し、3つのマミで色彩を自由に調整できます。¥1,980という破格の値段で売られていたのでGETしました。
廉価版の GEX クリアLED エコリオ アーム は、白色LED×18 青色LED×3 赤色LED×3 の24LED で3系統が独立したスイッチになっていて、On/Offにより色の組み合わせが調整できるタイプです。消費電力は3.2W(フラットビーム)/3.3W(エコリオ アーム)で、1日12時間点灯した場合でも電気代は月々30円足らずです。
可変色LEDライトで好きな光の色にチェンジ!サンゴ水槽や水草育成など使い方無限大。
とありますが、この照明単体ではイソギンチャクを飼育することは難しいのではないかと思います。アクアリウムを楽しむための照明として捉えましょう。
水温計
カクレクマノミの飼育に最適な海水温は25℃前後とあります。冬はヒーターを使えばいいのですが、夏場に25℃を保とうとすると水槽用のクーラーが必要となります。前述したように30℃でもカクレクマノミは元気でしたが、それ以上に高温になるようでしたらクーラーの購入を検討した方がよいかもしれません。20ℓ以下の水槽であれば外部フィルターと接続する テトラクールタワー CR-1 などがあります。
こんな感じで接続します。外部フィルターと並べると結構なスペースが必要となります。
テトラ クールタワー CR-1 |
このように水温を計測するために水温計は必要です。デジタル式の水温計の方が見やすいですが、そんなにこまめに水槽を気にする必要もありませんし、邪魔にもなるので、個人的にはアナログ水温計がすっきりとしていて好きです。エヴァリス きっちり計れる水温計 は色で分けれていて24℃から30℃までが黄色になっています。
カクレクマノミ飼育の初期費用
カクレクマノミの飼育しようとすると初期で一体いくらかかるのでしょうか。今回紹介した商品を ‘13.9.20 時点で調べた金額が下記になります。最低限必要なもので 25,000円、クーラーを購入すると35,000円程必要となります。多少異なった商品を選択したとしてもカクレクマノミの飼育を始めるにあたって 2-3万円ぐらい必要と考えた方がいいです。
※ 下表を2017年12月現在の価格で更新(送料別)
商品名 | Amazon | 楽天 | |
水槽 | エーハイム EJ-30A | 3,237 | 3,050 |
ろ過装置 | アクアコンパクト 2005 | 4,980 | 3,950 |
底砂 | ばくとサンド ミディアム ×2 | 1,744 (872) | 1,700 (850) |
ヒーター | エヴァリス オートヒーター ダイヤルブリッジ 50AD | 3,800 | 2,950 |
人工海水 | テトラ マリンソルト プロ 50L | 840 | 770 |
海水比重計 | テトラ ハイドロメーター | 1,390 | 1,258 |
ライブロック | S-Mサイズミックス(2kg) | 6,000 | 6,000 |
照明 | GEX クリアLED エコリオ アーム | 27,07 | 2,080 |
水温計 | エヴァリス きっちり計れる水温計 | 450 | 298 |
小計 | 25,148 | 22,056 | |
クーラー | テトラ クールタワー CR1 | 9,440 | 9,070 |
中計 | 34,588 | 31,126 | |
クッキングスケール | タニタ クッキングスケール KD-320-WH | 2,568 | 2,680 |
ポリタンク | セーブ ポリタンク 10ℓ ノズル付 | 1,884 | 2,829 |
合計 | 39,040 | 36,635 |
水槽の立ち上げとカクレクマノミの投入
水槽の水質が安定するまでには2-3ヶ月必要だともいわれています。しかし、そんなに待つこともできません。またカクレクマノミは案外丈夫な魚なので、あまり神経質になる必要もありません。最初の水槽立ち上げには、ばくとEins を使って水槽にカクレクマノミを入れるまでに10日間かけましたが、今回は、前回の水槽から引き継いだ巻貝、ヤドカリに餌をあげながら Bioスコール 海水用 を4日間投与し、翌週に水質チェックなるものをしてからカクレクマノミを投入しました。
但し、水質は1週間程度で安定しているとは思えないので試験紙による水質チェックは気休めと好奇心満たすためです。
水質のチェックは、水生生物にとって大切なpH(ペーハー)と、有害なアンモニア(NH3/NH4+)と亜硝酸(NO2)をテトラのテスト試験紙で測定してみました。理科の実験のようで海水に浸した試験紙の色とサンプルの色とを比較するのですが、pHについては色の違いがよくわかりませんでした。
カクレクマノミを選ぼう
カクレクマノミは人気があるので海水魚を扱っているアクアリウムショップであれば大抵は販売されています。またネットでも多く扱われています。販売されているカクレクマノミは4タイプに分別されます。
ひとつはブリードと呼ばれている養殖されたカクレクマノミです。ブリードには国内と外国(東南アジア)があるようですが、敢えて東南アジア産ブリードのように記載されているものはみたことがありません。もしかしたら単にブリードと記されているカクレクマノミは外国産なのかもしれません。
そしてあとふたつが外国産と国産の天然ものです。カクレクマノミは暖かい海に生息しているので国産だと沖縄産になります。値段は一般的に、ブリード<国産ブリード<天然<国産天然 と高くなっていきます。国産ブリードのSサイズなら1匹800円程度ですが、沖縄産の天然だと2,000円にもなります。更に沖縄産天然ペアになると6,000円以上です。サイズはSサイズで2-3cm、Mサイズで4-5cm程度です。カクレクマノミは2年で成魚になるとあるので、Sサイズは生後1年未満、Mサイズで生後1-2年ぐらいなのでしょうか。
ネットでの生体購は不安もありましたが、購入したカクレクマノミは問題はありませんでした。事前にネットショップの口コミをみて判断してください。
熱帯魚店なので購入するのであれば、入荷直後の水槽に大量に泳いでいる状態ではなく、日数が経って数が少なくなってからの方が、病気を持っている確立が下がります。また国産ブリードで少しでも長く水槽環境下で生きてきたと思われるMサイズのものを選ぶとよいかもしれません。
イソギンチャクとの共生
カクレクマノミの飼育の再チャレンジにあたっての目標はイソギンチャクとの共生でしたが、掲載している機材は、カクレクマノミ単体の飼育用のものです。
イソギンチャクの飼育には、水流や光合成を促す灯りが必要となります。きちんと調べずにカクレクマノミとイソギンチャクを共生させたいという気持ちだけで、イソギンチャクを購入してしまうと、間違いなく失敗すると思います。
自分も3回の失敗を経て、やっと生体についてきちんと調べなければならないと気がつきました(遅すぎでしたが…)。
共生での長期飼育にあたっては、色々と調べて必要な機材を用意してからハタゴイソギンチャクを購入しました。共生環境での飼育開始から半年を過ぎましたが、いまのところ大きな問題は発生していません。しかしまだ長期飼育とはいえる期間ではありません。イソギンチャクの飼育についてはまた別で書いてみたいと思いますが、初めてカクレクマノミを飼う方にはこれだけは言えます。
安易にイソギンチャクを購入しない!
※ ハタゴイソギンチャクとの共生については、「初心者のイソギンチャクとカクレクマノミの共生飼育」で詳しく説明していますので、こちらをご覧ください。(2013.10.22 追記)
カクレクマノミの飼育
カクレクマノミの飼育は難しくありませんが、水質が安定するまではBioスコールの説明書にあるように、2週間に1回、2日間連続でBioスコールを投入してください。水質の安定がカクレクマノミに飼育には大切です。また飼育には「毎日すること」「毎週すること」「毎月すること」の3つがあります。そんなに難しいことではないので、これだけを守れば長期飼育はできると思います。
毎日すること
- 照明のOn/Off
- 給餌
- 補水(蒸発した水を足す)
- 水温をみる
カクレクマノミに朝晩に2回、食べ残さない程度に動物食性のでメガバイトレッドを与えています。また副食(おやつ)として植物食性のメガバイトグリーンを与えています。何れもよく食べます。サイズはカクレクマノミがSサイズ(2-3cm)ならメガバイトもSサイズ、カクレクマノミのサイズがMサイズ以上ならメガバイトもMサイズを用意しましょう。
また補水のために最初にどこまで海水を入れたかをセロテープを水槽に貼ってその上からマジックでマーキングしておくと便利です。水の補給に水道水は使えないので、カルキ抜きが面倒であれば安いミネラルウォーターを購入しておくと便利です。
毎週すること
- 水槽の清掃(コケ取り、塩だれ拭き)
- バクテリアの補給
水槽のガラスにコケが生えてきたらゴシゴシと手作り清掃棒で落としましょう(作り方は下記参照)。また塩だれしている部分も布やティッシュで拭き取ります。水槽が汚れてしまうと癒し空間として機能しなくなります。そして前述したように当面は2週間に1回、2日間に渡ってBioスコールを投与してください。
コケ取り清掃棒の作成方法
- 適当なサイズ切れ端布(捨てるシャツなど)を用意
- 割りばしの先に適当に切れ端を巻く
- 輪ゴムで固定(完成)
毎月すること
- フィルターの清掃
- 1/4から1/2の水替え
- 海水の比重を1.023にする
毎月、フィルターの清掃をしましょう。アクアコンパクトの粗目フィルターパッドとストレーナースポンジフィルタは洗浄してください。細目フィルターパッドは洗浄するのではなく交換します。アクアコンパクトの交換用フィルターパッドセットは、細目フィルター3枚、粗目フィルターとストレーナースポンジフィルタが1枚ずつなので、細目フィルターを毎月交換すると、粗目フィルターとストレーナースポンジフィルタは3ヶ月での交換で数が合います。
また活性炭フィルターパッドも毎月交換します。サブストラットプロ レギュラーは洗浄しません。洗ってしまうとバクテリアがいなくなってしまいます。汚れがひどい場合は水替えで水槽から抜いた水ですすいでください。
水替えは一番面倒な作業ですが、できるだけ月に1回、1/4から半分の水を入れ替えましょう。活性炭フィルターパッドを使うと水の黄ばみや臭いはないと思いますので、カクレクマノミだけを飼育しているのであれば3ヶ月に1回に半分の水替えでも十分だと思います。海水を全部変えてしまうと水質変化してしまいますので半分の交換とします。また水換えのタイミングで海水の比重を1.023に合わせ、Bioスコールでバクテリアを補充します。
以上がカクレクマノミの飼育になります。
カクレクマノミの病気
カクレクマノミは丈夫な魚ですが、もっともかかりやすい病気が白点病です。白点病は魚が弱っているときに白点虫に寄生され発病するあります。しかし治癒可能な病気なので恐れることはありません。白点病は自然治癒しますし、薬でも直ります。先ずはカクレクマノミが白点虫に寄生されるほど弱ってしまった原因となったストレスや水質を気にしましょう。海水魚初心者であれば多くの場合は水質が原因でと思いますので、水質の改善を図りましょう。
カクレクマノミ飼育にかかる費用
カクレクマノミの飼育にかかる毎月の費用を計算ます。電気代、人工海水、塩素除去剤、バクテリア、交換用フィルターパッド、補水用ミネラルウオーター、餌代が主な経費項目になります。まず電気代ですが、家仲間コムで計算した金額になります。
消費電力 |
利用時間 |
料金 |
|
エーハイム エアコンパクト2004 | 5W |
24h |
90円 |
GEX クリアLED エコリオ アーム | 3.3W |
12h |
30円 |
エヴァリス オートヒーター ダイヤルブリッジ 50AD |
50W |
24h |
910円 |
テトラクールタワー CR-1 | 70W |
24h |
1,270円 |
春/秋 | 120円 |
||
冬 | 1,030円 |
||
夏 | 1,390円 |
カクレクマノミを飼育するのにかかる1ヶ月の電気代ヒーターもクーラーも使わずに24℃~30℃が維持できる時期は、ろ過装置と照明だけなので、毎月120円ぐらいです。ヒーターを使う冬場であれば、+910円の1,030円、夏にクーラーを使うとなると +1,270円の1,390円になります。ヒーターとクーラーは24hで計算していますが、実際はOn/Offがあるのでもう少し安くなると思いますので目安の金額としてみてください。
備考 | 金額 | |
餌代 メガバイトレッド | 6か月使用 | 250円/月 |
餌代 メガバイトグリーン | 6か月使用 | 250円/月 |
エアーコンパクトフィルターパッドセット | 3か月毎に購入 | 600円/月 |
活性炭フィルターパッドセット | 3か月毎に購入 | 600円/月 |
人工海水 マリンソルトプロ 50L | 毎月10ℓ交換 | 200円/月 |
バクテリア Bioスコープ 300ml | 半年分 | 400円/月 |
合計 | 2,300円 |
餌代他で毎月2,300円がかかります。電気代と合算すると毎月2,420円から3,690円がカクレクマノミを飼育するためのコストになります。癒し空間の維持にはそれなりのお金もかかります。
最後は下世話な話となりましたが、カクレクマノミの生態とコストを理解した上で是非飼育を始めてください。 (゜))<< (゜))<<
カクレクマノミとイソギンチャクの飼育に必要な機材は、”カクレクマノミとイソギンチャクの飼育に” で紹介しています。