ドンキに始まり、100円ローソン、ファミマでも販売されるようになり、手軽にそして安価に食べられるようになった焼き芋、寒くなってくると恋しくなります。
焼き芋を買って帰ってくるとワクワクしますが、自宅で美味しい焼き芋が作れれば、熱々の焼き芋を「ハフハフ」しながら食べられて感動倍増です。
一芸調理機器「土鍋薫製器」に惹かれる で紹介している 長谷園 燻製土鍋「いぶしぎん」があれば簡単に美味しい焼きイモができます。
また、「もっと野菜を、美味しく野菜を」と購入した 長谷園 ヘルシー蒸し鍋「どんぐり」 も空焚きができる土鍋なので、同じように焼き芋がつくることができます。
付属のレシピにも「焼きいも」が掲載されています。
焼き芋作りにも、日本が誇る遠赤外線、余熱調理ができる調理器具の土鍋は最適です。
焼き芋第一次ブームは江戸時代
甘くてホクホクの焼き芋は、江戸っ子に冬のおやつとして愛されていたようです。
初期の焼き芋は、かまどに焙烙(ほうらく:素焼きの土鍋)を置いて上から重い木の蓋をして蒸し焼きにして作られていたとあります。
その後、川越で有名な「壺焼き」や「かまど焼き」、そして戦後に「石焼き芋」が満を辞しての登場です。
焼き芋の歴史については、焼き芋小百科 | 日本いも類研究会 の 江戸・東京の焼き芋屋の移り変わり に詳しく記載されています。
焼き芋に合うサツマイモは?
いも・でん粉に関する資料:農林水産省 に”かんしょ(さつまいも)"普及状況が掲載されていて、作付け面積では、
- 黄金千貫(コガネセンガン)
- 紅はるか
- 紅あずま
の順番です。
黄金千貫は九州で生産されているサツマイモで「いも焼酎」の原料として使われています。「紅はるか」は、ねっとり系の「紅あずま」は、ほくほく系の代表格です。
さつまいもMiNi白書 - 品種と特性 | 日本いも類研究会 には、多くのサツマイモの品種が掲載されていますが、近所のスーパーで購入できる何種類かのサツマイモを焼き芋にして食べ比べてみました。
食感 | 水分量 | 甘さ | 品種 |
---|---|---|---|
ほくほく | 少なめ | 弱い | 紅あずま、鳴門金時 |
しっとり | 多い | 控えめ | シルクスイート |
ねっとり | 多め | 強い | 紅はるか、安納芋 |
スイーツに近く冷めても甘くて美味しい「ねっとり系」の「紅はるか」や「安納芋」の人気があるようですが、ホクホクとした「紅あずま」も捨てがたい存在です。
先にあげた安価な焼き芋を提供してくれている各社では、下記のサツマイモが使われています。
店舗 | 品種 |
---|---|
ドンキ | 紅はるか |
ファミマ | 紅はるか、シルクスイート |
100円ローソン | 紅あずま、安納芋 |
ホクホク系の焼き芋(紅あずま)が扱われているのは100円ローソンだけということからも、甘いしっとりとした焼き芋に人気であることが窺えます。
入手しやすい「紅あずま」と「紅はるか」で「ホクホク」と「ねっとり」の焼き芋を比べてみてください。
焼き芋が甘くなる理由
焼き芋が甘くなるのは、熱によって糊状となったデンプンが、β-アミラーゼによって分解されて麦芽糖になるからだとあります。
しかし、β-アミラーゼは 80℃を超えると活性が低下するとあります。サツマイモのデンプンの糊化は70-75℃で始まるとあるので、70∼80℃の温度で長時間加熱するのが甘い焼き芋作りの秘訣となります。
焙烙で熱した江戸時代も、現代の石焼き芋も、サツマイモが高温にならないようにじっくりと時間をかけて加熱するという、サツマイモを甘くするのに理にかなった調理方法です。
空焚きができる土鍋にも、あるので、この蓄熱効果で美味しい焼き芋ができるのです。
土鍋で焼き芋
土鍋は、土で作られていて、窯で焼かれると中に空気を含んだ小さな穴がたくさんできるために、金属製の調理器具と比べて、緩やかに温度が高まり、冷めにくいと特徴があります。
東京ガスの都市生活レター Vol005. 土鍋の余熱を使って料理上手に!に土鍋で沸かしたお湯の火を止めてからの時間経過と温度の掲載がありました。
図1:各鍋における沸とう消火後の水温変化と時間(2020年9月 東京ガス調べ) |
土鍋の蓄熱という特徴から、余熱でも「デンプンが糊化して糖化する温度」で調理することができます。
芋をホイルで包むべきか?
オーブントースターで焼き芋をつくるための片面が黒いホイルが販売されています。
土鍋を使う場合には黒いホイルを使う必要性はありませんが、ホイルで巻いた方がアルミホイルが満遍なく熱を伝えてくれるので、調理時間を短くできます。
しかし、ホイルで巻くとサツマイモから出た水分が飛ばないので皮のパリッと感がでません。サツマイモを直接土鍋に入れた方が、美味しく焼き芋ができます。
サツマイモを土鍋に直接いれたときの難点は、皮が土鍋に焦げ付いて洗うのが手間です。
と、いうことからホイルを下に敷いて焼き芋を作るようになりました。これなら土鍋に焦げ付かないし、サツマイモの皮もパリッと焼き上がります。
カットしたサツマイモはホイルに包む
江戸時代も○焼き(まる焼き)の方が好まれたらしいですが、大きなサツマイモで土鍋に入らない場合にはカットしてアルミホイルに包みます。
サツマイモをカットしたときは包んだ方が美味しくできます。
出来上がりは、こんな感じです。
これはこれで十分に美味しい焼き芋ですが、どちらが好きかと問われれば○焼き(まる焼き)です!
土鍋で焼き芋のレシピ
土鍋にアルミホイルを敷きます。その上に洗って水気を切ったサツマイモを投入。
- 強火で20-30分
- 余熱で15分
で、完成です。サツマイモを途中でひっくり返す必要もありません。
下写真は、シルクスィート(220g)の焼き芋です。ちょっと大きめだったので、強火で25分、余熱 15分で調理しました。
外側は焦げてパリパリですが、中は、シットリとしていて、程よい甘味です。
加熱時間は、芋の大きさや品種によっても異なります。ねっとり系は長時間調理した方が甘さが増します。箸が簡単に刺さる硬さでなければ、追い焚きをして様子をみてください。
ねっとり甘い焼き芋もよし、ホクホクの焼き芋も美味しいです。
「いぶしぎん」は、普段は燻製料理に、「どんぐり」は蒸し料理に使っていますが、空焚きできる土鍋があると焼き芋以外にもローストポークやローストビーフも美味しくできます。
焼き芋好きのための本
一般財団法人 日本いも類研究会 の「焼きいもが、好き!」はまさに焼きいも好きのための本です。焼きいもを極めたいのであれば必読です。小ネタ、コラムも楽しく読めます。
Yaki-Imoが、いつか世界中で愛される日本食になりますように。
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