PJB(PHIL JONES BASS) NANOBASS X4C というベースアンプが PD対応でDC12V/1.5A以上のモバイルバッテリーで駆動するというので、ベースアンプの購入を前提に12V以上が給電できるUSB PD対応のモバイルバッテーリーを検討。
いま保有している Danboard(ダンボー) のモバイルバッテリーは、デザインはとても可愛いのですが、5V/1A 3000mAhと小容量で過去の規格です。コロナ禍でモバイルバッテリーの出番がなかったので、スマホが新しくなってもモバイルバッテリーを買い替える必要がありませんでしたのでちょうどいい機会です。
モバイルバッテリーを検討するには、充電に必要な電力は機器によって異なります。Apple製品の電源アダプターの規格は下記の通りです。
機種 | 電圧(V) | 電流(A) | 消費電力(W) |
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iPhone12以降 | 9V | 2.2A | 20W |
iPad | 9V | 2.2A | 20W |
Mac Book Air | 20V | 1.5A | 30W |
しかし、上記に記載した電圧よりも低くても充電はできます。
出張のときに Mac Book Airの電源アダプタを忘れて、近くにあった 3COINS+plus でPD対応 最大出力20WのUSB充電器を1,000円で購入しました。
USB充電器には、USB-AとType-Cの2ポートがあり、
ポート | 対応規格 | 出力 |
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USB-A | QC3.0対応 | 5V/3A, 9V/2A, 12V/1.5A |
Type~C | PD対応 | 5V//3A, 9V/2.2A, 12V/1.67A |
と、Type-Cで最大20W(12V/1.67A)の出力があります。30Wが必要なMac Book Airが充電できるか心配でしたが、充電時間はかかりますがちゃんと充電できます。
1,000円でしたが、なかなかの優れものでプラグも折り畳み式で持ち運びにも便利です。
※QC3.0とは、QualcommのSnapdragonチップセットを搭載したAndroidスマートフォンなどで、最大18Wで従来の4倍速で充電ができる規格でことです。iPhoneはQC3.0ではなく、独自の「Apple Fast Charge」という規格で同じく最大18Wで高速充電できます。
USB PD対応モバイルバッテリーとは
USB PDとは「USB Power Delivery」の略で、USB Type-Cのコネクタで大きな電力を供給できる規格です。5V、9V、15V、20Vの4つの電圧(初期が 5V,12V, 20Vだったので12Vも対応した機器も多い)に対応した電力を供給できます。
最新のPD 3.0では、最大240W、電圧が0.5V単位で可変、電流が最大5Aとなりました。更に充電器とデバイス間で双方向の通信が可能となったので、充電器がデバイスの状態を把握することがで、より効率的な充電が実現になったとあります。
PD対応のモバイルバッテリーだと、
- スマホなどの急速充電ができる
- 消費電力が大きいノートPC、Nintndo Switchなどでも使える
- 同じUSB電源が他のモバイル機器でも使える
というメリットがあります。但し、USB PD対応でもType-Cの出力が9V/2.2Aまでというモバイルバッテリーも多いので、必要な電圧(V)と電流(A)の確認が必要です。
また電圧(V)×電流(A)=電力(W)なので、9V/2.2Aも12V/1.67Aも同じ20W出力となりますが、電圧が9Vでは動作しない機器もあります。
12V以上の電圧で供給できるモバイルバッテリー
12V/1.5A以上を必要とする PJB(PHIL JONES BASS) NANOBASS X4C の動作確認済み推奨 モバイルバッテリーのひとつしてサイトに掲載されているのが、CIO SMARTCOBY PRO で12V/2.5A 最大30Wの出力です。
CIO SMARTCOBY Pro - 30Wのスペックは、下記の通りです。
CIO SMARTCOBY PRO - 30W |
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サイズ | 77×56×26mm |
重さ | 183g |
入力 | 5V/3A, 9V/2.22A, 12V/1.5A |
出力(USB-A) | 5V/5A, 9V/3A, 12V/2.5A |
出力(Type-C) | 5V/2.4A, 9V/2.22A, 12V/1.67A(Max 30W) |
バッテリー | 充電式リチウムイオン電池 |
電池容量 | 10,000mAh |
充電時間 | 2.2時間(20Wで充電) |
サイクル回数 | 500回 |
CIO SMARTCOBY PRO - 30Wで、iPhone12なら2.2回充電できるとあります。MacBook Air も0.6回充電できます。
iPhone12の電池容量は2,815mAhなので単純計算だと 10,000mAh ➗ 2,815mAh で3.5回となりますが、2.2回とバッテリー容量の60%程度です。
これは、スマホを充電するための電圧返還で30%-40%がロストするのと、モバイルバッテリーの電池の劣化を考慮しているからです。
モバイルバッテリーの容量 × 60% ➗ スマホのバッテリー容量 = 充電可能回数
CIO(シーアイオー)の特徴は何といってもコンパクトで大容量ですが、バッテリー残量がLEDで1%単位で表示されるのも洒落ています。
リン酸鉄リチウムイオン電池という選択
ポータブル電源を購入を検討するときにリン酸鉄リチウムイオン電池を知りました。リン酸鉄リチウムイオン電池のメリットは、
安定性・安全性が高い
リン酸鉄は、高温や過充電などの環境下でも化学的に安定しているため一般のリチウムイオン電池と比べて火災や爆発の危険性が低い。また低温下でも安定動作する
長寿命(サイクル回数が多い)
一般的なリチウムイオン電池のサイクル寿命は300-500回程度、リン酸鉄リチウムイオン電池は1,000回以上
環境に優しい(廃棄時)
電解質として有機溶媒ではなく水溶性のリン酸塩を使用しているため有害物質を含んでいない
です。利用頻度が高いモバイルバッテリーでは長寿命が大きなアドバンテージとなります。またPD3.0で出力する電力が大きいモバイルバッテリーであれば安全性も大事です。
リン酸鉄のモバイルバッテリーで探すと、ELECOM(エレコム)のDE-C39-12000シリーズがありました。
12V/1.67AとCIO SMARTCOBY PROよりも電圧が少し低いですが、PJB NANOBASS X4C の 12V/1.5A以上という基準はクリアしています。
ELECOM DE-C-12000シリーズ |
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サイズ | 78×17×159mm |
重さ | 310g |
入力 | 5V/2.4A, 9V/2.22A, 12V/1.67A |
出力(USB-A) | 5V/2.4A |
出力(Type-C) | 5V/2.4A, 9V/2.22A, 12V/1.67A(Max 20W) |
バッテリー | 充電式リン酸鉄リチウムイオン電池 |
電池容量 | 12,000mAh |
充電時間 | 3時間(20Wで充電) |
サイクル回数 | 1,000回 |
電池容量は12,000mAhあるので、容量の6割で計算するとiPhone12なら2.6回充電できます。また12V/1.67Aあるので Mac Book Air の充電も可能です。
最大のメリットは、サイクル回数が1,000回とCIO SMARTCOBY PRO と比べて倍長く使うことができます。
また大容量のモバイルバッテリーは安全性も大切なので、安かろう悪かろうでは困るので日本のメーカーの方が安心できます。10,000mAh以上あれば大抵のスマホは複数回充電できるので災害時の備えにもなります。
- モバイルバッテリーの利用頻度が高い
- タブレットも使っている
- いざというときはラップトップの充電にも
という利用を考えるのであれば、リン酸鉄リチウム電池のモバイルバッテリーの ELECOM DE-C39-12000シリーズはオススメです。
DEC-C39-12000の使用感
310gは、ずっしりと重く感じます。鞄が更に重たくなりましたが、厚さが17mmなので鞄の内ポケットに収まります。Mac Book Airでも充電できるか試しましたが一応充電可能です。
手のひらサイズのモバイルバッテリーではありませんが、ベースアンプを動かすことが主目的だったので、小さくて可愛いよりも実用性重視です。
Type-CケーブルとType-Cからライトニングに変換できるコネクタで色々なケーブルを持ち歩く必要もなくなりました。
バッテリーの残量は4段階のLEDでしかわかりませんが、そんなに細かく知る必要もないので不自由はないと思います。
ソーラパネルで充電
Ecoなモバイルバッテリーを購入したので、ソーラーパネルでモバイルバッテリーを充電してみました。ソーラパネルは、象と散歩: 室内でスマホの充電ができるソーラーパネルを選ぶ で紹介した Jackery SolarSaga 60 です。
Jackery SolarSaga 60 にはUSB-AとUSB Type-Cの出力ポートがあるので、充電する機器を直接繋げます。Type-Cの出力は5V/3A(15W)ですが、リン酸鉄リチウムイオン電池のELECOM DE-C39-12000も充電できます。
晴天の日中という制限はありますがエコな充電ができます。
日中はリン酸鉄リチウムイオン電池のポータブル電源 EcoFlow RIVER 2(象と散歩: いまどきのポータブル電源の選択で悩む) に充電して、夜間にポータブル電源からリン酸鉄リチウムイオン電池のモバイルバッテリーに充電するとエコ度倍増です。