長時間、同じ場所に扇風機の風を当て続けると、皮膚や粘膜が乾燥し、筋肉が冷えて血流が悪化します。その結果、頭が痛くなったり、体がだるくなったりすることもあります。
しかし、自然の風のようにやわらかく広がり、体全体を包み込む風なら、ずっと浴びていても心地よいのです。
そのことを実感させてくれたのが、自然の風にこだわった"バルミューダ ザ・グリーンファン"。
独自の二重構造羽根が生み出す、大きく包み込むやわらかな風。従来の人工的で硬い風とは異なり、自然界の風のように浴び続けられる心地よさです。
The GreenFan のコンセプトは「気持ちのよい夏の風」。理想的な扇風機ですが、価格が高く、2台目の購入には手が届きにくいのが難点。
そこで今回は、バルミューダの特徴に近い次の条件を備えた、より手頃な扇風機を探してみました。
- 立体的でやわらかな風を生む 二重構造の羽根
- 静音で弱風が作れる DCモーター扇風機
自然の風を生み出す二重構造の羽根の力
バルミューダ「The GreenFan」が生み出す心地よい風の秘密は、二重構造の羽根にあります。
外側の大きな羽根は遠くまで届く直進性のある風を、内側の小さな羽根はやわらかく拡散する風を作ります。
この2種類の羽根が生み出す速度の異なる風は、内側の羽根から発生する遅い風が外側の速い風を引き込み、風同士がぶつかり合うことで大きく拡散します。その結果、面で広がる包み込むような優しい風が生まれるのです。
![]() |
【引用】Amazon - BALMUDA The GreenFan |
2つの二重構造羽根DC扇風機
The GreenFanは魅力的な扇風機ですが価格が高めです。
そこで探してみると、TOPZEE TPZ-001A と QUADS SMARTAIR DC という、二重構造羽根を搭載した中華製DCモーター扇風機?が見つかりました。
TOPZEE TPZ-001A の羽根
TOPZEE(トップジー)は、東京都荒川区にある株式会社Power Engineが運営するライフスタイルソリューションブランドです。DC扇風機はいかにも中国製という佇まい、、。
羽根の形状はバルミューダーに似ています。内側の羽根枚数がGreenFanより多い(7枚)というのが特徴です。
左がバルミューダー、右がTOPZEEの二重構造の羽根です。
- 二重構造羽根(外側9枚+内側7枚) を採用
- 外側の9枚羽根 … 風を遠くまで直進させる
- 内側の7枚羽根 … 風をやわらかく広げ、体に当たる感覚をやさしくする
![]() |
【引用】Amazon - TOPZEE TPZ-001A |
Amazonの商品説明には羽根について下記のように記載されています。
✅ 航空力学の知見を導入して開発した「3D曲面ブレード」が従来の性能限界を突破。各羽根の角度を精密調整し、リビングの隅々まで到達する広域気流を実現しました。
✅ 「気流拡散率4倍の革新設計」一般扇風機比で約4倍の気流拡散効率を達成。拡散速度を制御した気流が体全体を包み込む、疲れ知らずの快適環境を創出します。
キャッチコピーは「暮らしに無騒音極上の新風を」、漢字やや多めです、、。
QUADS SMARTAIR DC の羽根
QUADS(クワッズ)は、東京都目黒区の株式会社QUADSが展開する家電ブランドで、企画から設計、開発、販売までを手がけています。
羽根は、バルミューダ「The GreenFan」と同じ外側9枚+内側5枚の二重構造(合計14枚)を採用しています。羽根の形状は流線型でスリムなデザインです。
左がバルミューダー、右がQUADSの二重構造の羽根です。
- 外側の9枚羽根 … 直進性のある風を作り、遠くまで届ける
- 内側の5枚羽根 … 風をやわらかく広げ、肌当たりをやさしくする
外側と内側で異なる速度と角度の風を発生させることで、肌当たりの良い風を作りつつ、部屋の奥までしっかり届かせます。
キャッチコピーは「心地よい風を遠くまで」。シンプルでストレートな表現ですが、カタログ値での裏付けはありません。
TOPZEE TPZ-001A と QUADS SMARTAIR DC、どちらがいい?
DC扇風機を選ぶとき、デザイン性は外せないポイントです。
その点、TOPZEE TPZ-001A も QUADS SMARTAIR DC も、どちらもシンプルでミニマルなデザインが魅力です。
特に QUADS SMARTAIR DC は、台座部分にパネルやインジケータが一切なく、まさに“ド・シンプル”の極み。さらに、グレージュウッドモデルは木目調のポールを採用しており、他の扇風機にはあまり見られない個性的な仕上げになっています。
![]() |
【引用】Amazon - QUADS ASMART DC グレージュウッド |
下表に機能的な違いをまとめました。
特徴 | TOPZEE TPZ-001A | QUADS SMARTAIR DC | BALMUDA The GreenFan |
---|---|---|---|
モーター | DCモーター | DCモーター | DCモーター |
羽根構造 | 30cm 二重構造(外側9枚+内側7枚) | 30cm 二重構造(外側9枚+内側5枚) | 二重構造(外側9枚+内側5枚) |
風量設定 | 26段階 | 8段階 | 4段階 |
風速 | 1.93~5.44m/s 最大到達距離 約25m | 未公表 | 最大到達距離 約15m |
ゆらぎ風機能 | 自然風モード | - | - |
首振り | 上下左右自動 | 左右自動/上下手動 | 左右自動/上下手動 |
静音性 | 約31dB | 約30dB | 10dB(最小) |
消費電力 | 32W | 24W | 20W |
TOPZEE TPZ-001AとQUADS SMARTAIR DCの違いは、下記の3点です。
- 風量設定の細かさ(26段階 vs 8段階)
- 首振りの方式(360°対応か否か)
- ゆらぎ風機能の有無
見た目で選ぶなら、間違いなくQUADS SMARTAIR DC グレージュウッドモデルです。
ただし、二重構造の羽根を備えていても、本家バルミューダの風の心地よさに及ぶとは思えません。
そのため、風の心地よさを重視するなら、ゆらぎ風機能(自然風モード)を備えた TOPZEE TPZ-001A のほうが、より魅力的に感じられます。
TOPZEE TPZ-001A の3種類のモード:
モード名 | 特徴・説明 |
---|---|
通常モード | 設定した風量を一定で送り続ける |
自然モード | 風の強弱をランダムに繰り返し、自然の風のようなゆらぎを再現 |
睡眠モード | 使い始めはやや強め、その後徐々に弱まり、眠りを妨げないやさしい風に変化 |
機能とデザインを比較して、最終的に自分の生活スタイルに合うほうを選ぶのがベストです。
「んー、、」TOPZEE TPZ-001Aをポチりとな。
TOPZEE TPZ-001Aの使い勝手
実際に使ってみて感じたのは、次の5点です。
-
風量3以下の微風は心地よいが、バルミューダと比べると風の当たる面がやや小さい
-
その点を自然風モードがうまくカバーし、自然の風に近づけている
-
横方向の首振り機能はやや不安定で、60度に設定していても時々180度まで回転してしまう
-
首振りは水平360°/垂直105°に対応しており自由度は高いが、その分ヘッド部分の形状はやや重ため
-
リモコンは「左が風量アップ、右が風量ダウン」と直感的ではなく、慣れが必要
TOPZEE TPZ-001Aの生み出す風とバルミューダの風を比べると大きな違いがあります。
一瞬、「それならデザイン重視で QUADS SMARTAIR DC グレージュウッドモデルにしても…」という思いもよぎりましたが、
しかし、二重構造羽根や自然風モードなど快適性を高める機能を備えながら、この価格帯で入手できるのは大きな魅力です。
総じて、TOPZEE TPZ-001A は コストパフォーマンスの高いDC扇風機と言えます。